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Yamareco

姫神山(ひめかみさん)

都道府県 岩手県
最終更新:ヤマレコ/YamaReco

スズランが見どころの岩手県の女神の山

"姫神山"
"姫神山"

姫神山は、岩手県盛岡市にそびえる標高1123mの山です。山容は整った三角形で、裾野は緩やかに広がっています。岩手山早池峰山とともに「北奥羽三霊山」に数えられており、また日本二百名山の一座です。

"岩山:姫神山を向いて立つ石川啄木像"
"岩山:姫神山を向いて立つ石川啄木像"

独立峰のため、麓からもその姿をよく望むことができ強い存在感を放っています。
歌人の石川啄木(いしかわたくぼく:1886-1912年)もふるさとの山として愛していたと言われています。

"岩場をよじのぼる登山者"
"岩場をよじのぼる登山者"

姫神山はどの登山口からも半日ほどで往復できるため、登山初心者でも挑戦しやすい山として親しまれています。

"こわ坂コース:山頂手前(積雪時)"
"こわ坂コース:山頂手前(積雪時)"

冬は雪化粧が美しく、スノートレッキングや雪山登山の名所としても人気があります。

岩手山の妻とされた山

"姫神山(左)と岩手山(右)"
"姫神山(左)と岩手山(右)"

古くから姫神山は、隣り合う岩手山を夫とする夫婦の山に例えられており、ドラマチックな伝説も残されています。
その伝えによれば、岩手山はやがて姫神山に飽きてしまい、早池峰山を側室として迎えたと言います。これを知った姫神山は激しく嫉妬し、夫婦の仲はこじれてしまいました。

"送仙山"
"送仙山"

妻のやきもちに耐えかねた岩手山は、家来の送仙山(おくりせんやま、送瀬山)に命じ、姫神山を遠くへ追いやるよう指示します。しかし送仙山は姫神山の悲しみに心を痛め、北上川を隔てた場所に彼女を留めてしまいました。

"岩手山と鞍掛山(岩手山斜面の小さな峰)"
"岩手山と鞍掛山(岩手山斜面の小さな峰)"

このことに怒り狂った岩手山は噴火し、ついには送仙山の首を刎ねてしまったそうです。
そのため、送仙山の山頂が平らになったとも、切られた首が岩手山南麓の鞍掛山になったとも伝えられています。

石祠が点在する霊山

"姫神嶽神社"
"姫神嶽神社"

姫神山(ひめかみさん) は、古くから霊峰として人々の信仰を集めてきました。
信仰の中心は山麓の姫神嶽神社で、御祭神は 烏帽子神女姫(たてえぼしひめ)と須世理姫命(すせりひめのみこと)です。

"薬師神社"
"薬師神社"

山中には若宮神社薬師神社などの祠や、小姫神神社の名残りと見られる跡などがあります。

"本宮神社"
"本宮神社"

さらに山頂には本宮神社の祠が鎮座しています。

"姫神山山開き"
"姫神山山開き"

また毎年5月の第3日曜日は山開きで、安全祈願の神事が執り行われた後、参加者による一斉登山が催されています。

花崗岩が露出した山頂

"花崗岩が積み重なる山頂部"
"花崗岩が積み重なる山頂部"

姫神山は主に花崗岩でできていますが、火山ではありません。かつて地中深くにあった花崗岩体が、長い年月の浸食によって地表に姿を現した残丘(ざんきゅう)という、成り立ちが珍しい山です。

"姫神山山頂"
"姫神山山頂"

山頂は岩が積み重なった広い場所です。

"姫神山山頂より望む岩手山"
"姫神山山頂より望む岩手山"

眺望は抜群で、裾野を大きく広げた岩手山が印象的です。他にも早池峰山秋田駒ヶ岳八幡平などの名峰を望むことができます。

"一等三角点「姫神岳」"
"一等三角点「姫神岳」"

また本宮神社と一等三角点が設置されています。三角点は金属プレートが埋め込まれた大きな標石で、点名は「姫神岳」です。

スズランを愛でられる山

"スズラン"
"スズラン"

姫神山は新・花の百名山に選ばれており、季節ごとに様々な高山植物を観察することができます。
なかでもスズランの景勝地として有名で、毎年6月の上旬から中旬にかけては、白く可憐な花と清らかな香りをそっと楽しむことができます。

4つの登山コース

"姫神山登山ルート概要"
"姫神山登山ルート概要"

姫神山の登山道 は、主に四本あります。
四方の麓から道が延び、それぞれが山頂へ続いています。登山道には名前が付けられており、「一本杉コース」、「こわ坂コース」、「城内コース」、「田代コース」 と呼ばれています。また一本杉コースの登山口とこわ坂コースの登山口は、道路でつながっており徒歩で行き来することができます。

登山の王道「一本杉コース」

"姫神山登山ルート概要(一本杉コース)"
"姫神山登山ルート概要(一本杉コース)"

姫神山の登山コース の中で、最も多くの登山者に選ばれているのが 「一本杉コース」 です。

"一本杉コース:登山口駐車場"
"一本杉コース:登山口駐車場"

登山口には、広い駐車場とトイレ、キャンプ場が整備されています。
路線バスの運行はありませんが、好摩駅から約7kmほどの距離にあり、タクシーの利用や徒歩でも十分アクセスが可能です。

"一本杉コース:一本杉"
"一本杉コース:一本杉"

登山道は山頂手前まで樹林帯の登りが続いています。
出発してほどなく、コース名の由来となった巨木、一本杉に出合います。

"一本杉コース:五合目"
"一本杉コース:五合目"

五合目付近はちょっとした広場になっていて、休憩に適しています。

"一本杉コース:階段が付けられた登山道"
"一本杉コース:階段が付けられた登山道"

路面は粘土質で滑りやすい箇所もあり、足元は注意が必要です。
階段や付けられた箇所も多くあります。

"一本杉コース:岩がごろつく登山道"
"一本杉コース:岩がごろつく登山道"

八合目を過ぎると大きな岩が目立つようになり、山頂直下では展望が一気に開けます。

"土場コース"
"土場コース"

山頂直下で道は「土場コース」と「岩場コース」に分岐します。
土場コースは山頂へ真っすぐ登る最短ルートです。

"岩場コース"
"岩場コース"

一方の岩場コースは巨岩を渡り歩く道で、ちょっとした岩登りが楽しめます。
登山口 一本杉登山口
こわ坂登山道入口
城内登山口
田代登山道入口
基本情報
標高 1123m
場所 北緯39度50分38秒, 東経141度14分48秒
カシミール3D
山頂

山の解説 - [出典:Wikipedia]

姫神山(ひめかみさん)は、岩手県盛岡市にある山である。独立峰でピラミッド型をした山容が特徴である。山頂には一等三角点がある。日本二百名山、新・花の百名山の1つである。
標高。山麓の渋民村(現・盛岡市渋民)出身の歌人石川啄木がこよなく愛したことで知られる。火山ではなく、非火山性の古成層を貫く花崗岩から構成される残丘である。
山頂からの眺めはよく360度開けていて岩手山や早池峰山、七時雨山などが見える。この山から眺める岩手山は形が整っており\"南部富士\"に相応しい山容をしている。

付近の山

この場所に関連する本

この場所を通る登山ルート

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