青海黒姫山(おうみくろひめやま)

最終更新:ヤマレコ/YamaReco
日本海を見下ろすカルスト地形の黒姫山

青海黒姫山は新潟県糸魚川市にそびえる山です。標高は1221mで、日本三百名山に選ばれています。
山名の「青海」は、他の黒姫山と区別するために冠されており、地元では「黒姫山」と呼ばれることもあります。

日本海からほど近く、海と山を望む眺望が魅力とされています。
採掘も盛んな石灰岩の山

青海黒姫山は全山が石灰岩で構成されたカルスト地形の山です。
山頂付近には石灰岩の岩柱が林立し、「カレンフェルト」と呼ばれる独特の地形を形成しています。また、雨水の浸食によって地表が陥没したドリーネも発達しており、カルスト地形の特徴が随所に見られます。

山域は石灰岩の採掘も盛んに行われています。東斜面には削られた山肌が見られ、麓にはセメントをはじめ、石灰を原料にした製品の工場が建っています。
海と山を望む山頂

山頂は一等三角点と、奴奈川姫(ぬなかわひめ)が祀られた石造りの立派な祠が置かれています。

360度の大パノラマが広がり、糸魚川の街並みや日本海、雨飾山や火打山、高妻山などをよく望むことができます。

また北アルプスの山並みと、そこから日本海へ続く栂海新道が通る山稜も見ることができます。
山頂へ続く唯一の1本道

青海黒姫山の登山ルートは現在、清水倉登山口からの1本のみが利用可能です。かつては複数のルートが存在していましたが、いずれも鉱山の操業区域を通るため、今は立ち入りが禁止されています。
登山口から山頂までの標高差は約1200mと大きく、途中に山小屋はありません。日帰りで往復できる十分な脚力と体力が求められます。

登山道の序盤は、緩やかな傾斜が続く静かな樹林帯です。

一本杉峠を越えると徐々に勾配がきつくなり、登山道は岩が混じるようになります。道はぬかるみやすいため、足を滑らせないよう注意が必要です。

子宝杉や夫婦縄文杉といった、名の付けられた巨木も見られます。

金木平には水場がありますが、水量は季節により変動し、秋までには涸れてしまいます。必要な水分はあらかじめ準備しておくのが安心です。

さらに標高を上げると、要所にはロープが設置されています。慎重な足運びが求められます。

やがて視界が開け、山頂直前は開放感のある稜線歩きが待っています。
登山口 | 清水倉登山口 |
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基本情報
標高 | 1221.46m |
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場所 | 北緯36度58分35秒, 東経137度47分23秒 |
一等三角点 点名 黒姫山が設置されている。
山頂 | |
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展望ポイント |
山の解説 - [出典:Wikipedia]
黒姫山(くろひめやま)は、新潟県糸魚川市にある山。標高1,221m。青海黒姫山ともいう。新潟百名山(92)である。黒姫山は、青海川ヒスイ峡ジオサイト内にある日本三百名山に選定された独立峰である。
山頂には黒姫権現の祠と一等三角点がある。日本海に面していることから、海原や山の展望がよいのが特徴。
飛騨山脈の北端に位置する。主稜線上の犬ヶ岳から北東方向に派生した尾根の末端にある。
山全体が石灰岩でできており丸ごと露天掘りによる鉱山となっている。鉱石は山麓にあるデンカ株式会社青海工場に運ばれ、セメントやカーバイドの原料となっている。工場は、24時間操業が行なわれており、工場から出荷される製品輸送のために、近隣のJR北陸本線(現・えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン)青海駅まで貨物用の専用鉄道(電気化学工業青海工場専用鉄道)が敷かれていた(現在はJRまでの連絡線が廃線となり、事業所内だけで使用されている)。また、黒姫山東側一帯は明星セメント株式会社(太平洋セメントグループ)糸魚川工場により石灰石が採掘され、6km先の同社セメント製造工場にベルトコンベヤで運ばれ、セメントが製造されているほか、日本海に臨する姫川港から骨材として各地に供給されている。同社鉱山の2013年の採掘量は約300万トンと国内有数の石灰石鉱山となっている。
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