金時山


- GPS
- --:--
- 距離
- 5.3km
- 登り
- 502m
- 下り
- 629m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
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コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所なし。泥道あり。 |
その他周辺情報 | 万寿屋旅館 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
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感想
今年の正月に鎌倉アルプスから美しい富士山を見て、冬の空気が澄んでいるうちにもう少し間近に雄大な富士山を見たいと思った。比較的気軽に行ける絶景ポイントとしては、やはり金時山だろう、ということで、ひと月ほど前から計画をした。例によってメンバーは、リーダー、記録係の筆者に加えて助っ人氏の3人である。待ち合わせは乙女峠登山口で、筆者は新宿から高速バスを使った。実ははじめて「新宿バスタ」に行ったのだが大変混雑していた。
この日の朝は快晴。これは眺望が期待できるぞ、と意気込んでバスに乗り込んだ。車内は割と空いていて、右側の二人掛けの席をゆったり使える状況だった。東名高速の厚木を過ぎるあたりから右手に富士山がきれいに見え始め、期待は高まってきた。乗客の多くは御殿場ICか御殿場駅で降りたのだが、どうやらアウトレットに行く人たちのようだ。リーダーが帰りに寄りたいと言い出さなくてよかった。アウトレットになんか行ったら登山の3倍疲れそうな気がする。
御殿場駅のそばで「徳川家康の御殿があった御殿場市?」みたいな看板を見かけた。何だろうと思いあとでネットで調べてみると、家康の遺体を久能山から日光に移す際にこの地に仮の御殿を建てて遺体を安置したことからこの地名ができたらしい。いやー知らなかったです。箱根じゃなくて御殿場ルートを通ったのですね。そういえば徳川家康とシェイクスピアとセルバンテスは同じ年(1616年)の4月に死んでいるらしい。へえ。
さて、筆者の乗ったバスは、10分ほど遅れて「乙女峠」のバス停に到着した。前面に一筋の雲がかかっているが富士山が絶景であった。準備運動でもするか、と思っていると、リーダーと助っ人氏が乗った箱根湯本方面からのバスが到着。3人とも富士山の眺望にちょっと大げさながら感動し、期待とともに乙女峠登山口を出発した。
もしかしたら雪が少し残っているかと思い、念のため軽アイゼンもザックに入れてはきたが、杞憂であった。昔は平地でもよく見た霜柱を時々踏みながらゆっくり林の中を進むと1時間ほどで乙女峠に着いた。ここは登山道の交差点になっているらしく、多くの登山客でごった返していたが、大涌谷側の展望も開けていて一息入れることにした。助っ人氏がカカオの味のしっかりしたチョコをくれた。うん、この手のチョコは好みである。
さて、乙女峠を出発すると稜線歩きである。左手には林の間から富士山の雄大な姿が見える、はずだったが、1時間ほどの間にすっかり霞んでしまった。風がないのが悪い方に働いたらしい。うーん残念。若干気持ちが萎えたが、それでも長尾山にたどり着き、ここは休憩をスルーしてやや遅れ気味の予定を取り戻すことにした。この後、登ったり降りたりを繰り返しながら金時山に近づいていくわけだが、時々ロープを張った箇所があったり、結構急なところもあって、山頂近くではリーダーのペースがちょっと速いように思えて、それを言おうとしたら山頂が見えた。
金時山山頂では金時茶屋に入った。噂の金時娘さんはご健在で親切に対応してくれた。おすすめのキノコ汁とおにぎりで昼飯をとり、茶屋内で少しゆっくりしたのだが、ここに何百回と登っている人はいて、その名簿?が掲示してあった。
外に出ると、富士山をバックに写真を撮れるようにマサカリ(の模型?)も用意してあった。しかし富士山は霞の中である。リーダーから「(マサカリ持って)写真撮りたい?」と聞かれたが断った。なぜなら恥ずかしかったからである。ちょっと後悔がないでもないが、またこの山には登ることもあるであろう。やはりマサカリには富士山が似合うのである。そのときまで取っておこう。
金時山からは一路下りである。粘土質の登山道がぬかるんでいて非常に歩きにくい。登山靴の下に2〜3センチ泥がついているのではないかと思えるような感触である。ここで転んで泥だらけになると帰りの電車でほかの乗客に白い目で見られることになりかねない。慎重に慎重に下っていく。さすがに下りが得意のリーダーも慎重で安全運転の山行である。念には念を入れてロープや木の枝をつかみながらしばらく行くと公時神社へ降りる道との分岐に出た。公時神社の登山道は展望が悪いと聞いていたので、予定通り矢倉沢峠を経由して仙石に降りるコースを選んだ。そこからちょっといくと、4人組ぐらいの若い女性たちが登ってきた。登山の恰好ではなく、皆、スニーカーのようなカジュアルシューズのような靴であった。この先の泥道をどう対処したのだろう。おせっかいでも言ってあげた方がよかったのだろうか? きっと「行けるところまで行って、引き返して来ればいいんだよ」とかなんとか言ってここまで来たのではなかろうか、なんて話を当パーティ内でしていたのだが、我がリーダーはかつて甲斐駒ケ岳の黒戸尾根について「行けるところまで行って、引き返して来ればいいんだよ」とかなんとか言っていたことがある。ここぞとばかりにその話を蒸し返し、我々の実力ではたとえ途中まででも黒戸尾根は無謀だと、リーダーを責める格好の材料としたのだった。
しばらく行くと、笹原(ハコネダケの群生地らしい)を通って東に延びる道が見えた。おそらく明神ヶ岳方面に抜ける登山道であろう。印象的な一筋の道である。筆者は西洋庭園の迷路を連想し、続いてキューブリック監督の「シャイニング」の迷路を連想した。あれは相当怖かった。リーダーは怖いのでまだ見ていないらしい。
などと考えているうちに矢倉沢峠に到着した。公時神社分岐からは予定よりずいぶん早かった。ここにうぐいす茶屋があり、ビールとかおでんとかの「のぼり」が立っていて、非常に魅力的であったが、筆者のような体力なしは山行中に飲んではいけない。店の前のベンチは店のものを注文しなくても使っていいのだろうか、などと言っていると、お店の人が味噌田楽をサービスしてくれた。歓喜!! そしてさらにもう1本ずつ持ってきてくれた。大歓喜!!! ビールのひと缶でも注文したいところだったが、上記事情により断念し、丁重にお礼を言って仙石方面に出発した。味噌田楽はいっぱい作りすぎてしまったのだろうか? それとも奉仕活動のように皆さんにふるまっているのだろうか?いずれにしてもご馳走さまでした。
ここからほどなく金時登山口へ到達した。そこで靴の泥を少し落として、別荘地の舗装道を下って金時登山口のバス停に到達した。さあ、これから温泉だ。仙石原のバス停付近まで歩いて、リーダーが調査していた日帰り温泉ができる宿を訪ねた。思ったより小さな旅館で、風呂は洗い場が一つしかなく貸し切り状態であった。お湯も白濁したとても気持ちのいい温泉だった。効能表を見ると(見間違いでなければ)pH=2となっており、筆者があまり入ったことのない酸性の強い温泉だった。客室でちょっと休憩もさせてもらい、お茶まで出してもらって、十分満足してその宿を後にした。宿のご主人はとても親切だった。有難うございました。
さて、このあと小田原まで出ようとバスに乗り込んだのだが、宮ノ下あたりから渋滞が始まり、ノロノロ運転が続いた。宮ノ下から箱根登山鉄道に乗り換えた方がよかったかな?と思いつつ、1時間もバスに乗っていると息苦しくなってきたので箱根湯本で降りることにした。降りてびっくり、駅と駅周辺が「エヴァンゲリオン」だらけではないか! そうか、箱根湯本は今や「エヴァ」の街なんだなあ。
箱根湯本で駅員さんに新宿まで最も早く帰る方法を尋ねたところ、小田原からロマンスカー「さがみ」に乗るといいと教えてもらった。同じロマンスカーでも箱根湯本からの「はこね」に比べると空いているらしい。小田原駅のホームの特急券券売機に行ってみると余裕で取れた。おかげで快適に新宿まで帰れたのだが、筆者はもちろん社内販売でビールを買い、リーダーの持ってきた久世福商店のあられを奪って一杯飲んで、小さく叫んだのであった。「満足じゃー」。
以上
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