【西上州】墓場尻川本沢[左俣]遡行・中ノ沢[中俣]下降

tamoshima
その他2人 - GPS
- 08:47
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 741m
- 下り
- 739m
コースタイム
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 8:48
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
○ルート概況 【三俣まで】 ・左岸の林道の名は「道全林道」らしい。読みは不明。入口にゲートがあり一般車進入禁止だが、施錠はなく開けて車で入ることも可能。 ・堰堤を林道で越え、薄い踏跡を辿って入渓。 ・湯ノ沢第2ダムの直前にある深い淵は突っ張りで超えられるがやや難しい。身長が低いとより厳しい。 ・湯の沢第2ダムは右岸から巻く。 ・6mナメ滝は右壁に残置ロープがある。フリーだとIII+程度。 ・8mCS滝は登れそうにないが、右から容易に巻ける。三俣まで凡流が長い。 【本沢[左俣]】 ・ゴルジュの連瀑は下段の5mが右壁III、中段3mが左壁IV+(ホールド・スタンスが細かい)、上段3mが水流左をIII+で楽しく登れる。 ・雌滝10mは右岸壁をフリーで登れる(IV)。ガバが多いが要バランス。残置なし。 ・雄滝13mは水流右を多少のシャワーを浴びながら登れる(III+)。残置ボルト2つあり、立木で中間支点をとれる。巻きは悪いらしいので直登したほうが良さそう。40m以上のロープがあるべき。 【中ノ沢[中俣]】 ・上部は超平凡。 ・下部は5m以上の滝が5つ連続する。いずれも立木での懸垂下降が可能だが、40m以上のロープがあるべき。上から2つ目の7m滝は右岸をクライムダウンできる。東京起点120には「すべて右岸を巻き下れる」とあるが厳しく、どのように巻き下れるのかは不明。 ・中ノ沢を登る場合、最初の7m、次の12m、その次の7m滝は登れそうになく、厳しい高巻きを強いられそうである。その上の7m、6mは直登可能。 【下山】 ・8mCS滝の巻き道から林道終点につながる径路があるらしいが、今回は見つけられず。適当に斜面を登れば林道に出る。 ・林道は洗掘が部分的に進んでいるが、歩くには問題がない。 |
| その他周辺情報 | 【地名】(2025.11.4追記) 周辺の地名は「渓流釣場事典」(鈴野,1979)に詳しい。 これによれば、 ・墓場尻川の別名は「大日川」 ・「湯ノ沢」は墓場尻川の1本下流の909m標高点を源頭とする霧積川右岸支流 ・700m付近で下流側の右岸支流が「墓場尻沢」、上流側の右岸支流が「清水沢」 ・775m右岸支流が「長尾嶺沢」 ・815m三俣の右が「野束沢」、中央が「中ノ沢」、左が「本沢」 ・本沢の990m右岸支流が「一ノ字沢」 |
写真
感想
墓場尻川左俣遡行・中俣下降記録
作成者:梶原(一部丸山)
■日程 2019/09/19
■山域 妙義周辺
■天候 晴れ
■メンバー(3人、敬称略)
CL丸山(35期/OB)、SL梶原(40期/B2)、豊永(41期/B1)
■総評
ところどころナメを楽しむことができ、滝の登攀は程良い難易度で面白く登れた。ただ平凡な部分がやや長いのと岩が脆いので落石が多いところがあるのが難点。
■ヤマレコ記録(丸山)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2031271.html
■時間
7:18 入渓
9:30 三俣
10:21-10:51 雌滝登攀
11:09-11:55 雄滝登攀
12:21 林道
12:49 中俣下降開始
15:06 三俣
15:37 沢下降終了
15:51 林道
16:06 駐車スペース帰着
■ルート概況(丸山)
【三俣まで】
・左岸の林道の名は「道全林道」らしい。読みは不明。入口にゲートがあり一般車進入禁止だが、施錠はなく開けて車で入ることも可能。
・堰堤を林道で越え、薄い踏跡を辿って入渓。
・湯ノ沢第2ダムの直前にある深い淵は突っ張りで超えられるがやや難しい。身長が低いとより厳しい。
・湯の沢第2ダムは右岸から巻く。
・6mナメ滝は右壁に残置ロープがある。フリーだとIII+程度。
・8mCS滝は登れそうにないが、右から容易に巻ける。三俣まで凡流が長い。
【左俣】
・ゴルジュの連瀑は下段の5mが右壁III、中段3mが左壁IV+(ホールド・スタンスが細かい)、上段3mが水流左をIII+で楽しく登れる。
・雌滝10mは右岸壁をフリーで登れる(IV)。ガバが多いが要バランス。残置なし。
・雄滝13mは水流右を多少のシャワーを浴びながら登れる(III+)。残置ボルト2つあり、立木で中間支点をとれる。巻きは悪いらしいので直登したほうが良さそう。40m以上のロープがあるべき。
【中俣】
・上部は超平凡。
・下部は5m以上の滝が5つ連続する。いずれも立木での懸垂下降が可能だが、40m以上のロープがあるべき。上から2つ目の7m滝は右岸をクライムダウンできる。東京起点120には「すべて右岸を巻き下れる」とあるが厳しく、どのように巻き下れるのかは不明。
・中俣を登る場合、最初の7m、次の12m、その次の7m滝は登れそうになく、厳しい高巻きを強いられそうである。その上の7m、6mは直登可能。
【下山】
・8mCS滝の巻き道から林道終点につながる径路があるらしいが、今回は見つけられず。適当に斜面を登れば林道に出る。
・林道は洗掘が部分的に進んでいるが、歩くには問題がない。
■行動記録
・入渓まで
沢の前日に猶木君が体調を崩し不参加となる。残念。
集合場所で丸山さんに拾ってもらう前にセブンでヤマビル対策の塩を1kg購入。これでヒルが出ても全力でまき散らすことができる。
丸山さんに拾ってもらってすぐに運転を代わり麻苧の滝自然公園駐車場へ。駐車場に着いてすぐ豊永さんがヒルにつかれ恐怖する。私が一人で騒いでいる中豊永さんは落ち着いて対処。強い…。
トイレは和式だけだったが割ときれいだった。
朝6時頃起床してゆっくり準備し公園から車で10分程の入渓地点へ移動。入渓準備をしてゲートを越える。丸山さんがゲートを外せないか試してみると、意外にもあっさりと外れることが判明。まあ今回は車で入ってもあまり意味がないのでそのまま進み、堰堤を越えたところから入渓する。
・三俣まで
綺麗なナメが広がっていて、とても歩きやすい。ところどころ小さなナメ滝を登りながらどんどん進むと、湯ノ沢第2ダム手前にある深い淵が現れる。突っ張りをするには少々幅が広く大変。梶原は一応幅が狭めな下の方で突っ張ってみたものの、突っ張りに意味があったのか疑問を抱く程度には濡れた。ちなみに豊永さんは後ろから見ると突っ張りに失敗しているように思えたが、本人曰く一応継続していた模様。
湯ノ沢第2ダムは右岸から巻いた。踏み跡がしっかりついていてまるで登山道のよう。
6mナメ滝では右岸に残置ロープを発見。「あのロープ使って良いんですかね」というと「使いたかったら使ってもいいんじゃない、まあ僕は使わないけど」と丸山さん。そんなことを言われると使う気満々だったのに迷うじゃないか。丸山さんは言葉通りロープを使わずフリーで登攀。後続の豊永さんのためにお助け紐を出してくれる。豊永さんも特に問題なく登る。豊永さんが登った後、私もちゃっかりお助け紐が来るのを待ってから登る。残置ロープは使わずに登れた。よかった。
しばらく歩くと8mCS滝が現れる。かなり立派なCS滝だった。丸山さんと豊永さんは積極的に近づいて写真を撮ったりなどするが、梶原はわざわざへつってまで見に行くのが面倒だったので巻きの前で待ちながらもしあの大きい岩が転がってきたらどうやって逃げようかなどを考えていた。二人が戻ってきたら右から巻く。またもやしっかりと踏み跡のついた巻きで進みやすい。
8mCS滝の後はしばらく平凡な景色が続く。わかりやすいところで地図読みの練習をしたりしながら黙々と進むと、平凡な風景に飽きてきたところで三俣に到着。少し休憩をとって、パンや行動食を食べながら中俣から下降するか右俣から下降するか考えるも結局後で決めることにして出発。
・3段10m滝
赤いナメ床を少し進むと3段10mのゴルジュが現れる。下段をまず丸山さんが登ったが、「簡単」とのことなので豊永さん、梶原の順でフリー登攀。確かに簡単。2段目は丸山さんがじっくり登っていて難しそう。「アッセンダーかごぼうで登っておいで」とお助け紐を木に設置して出してくれる。豊永さんがアッセンダーをつけてトライしてみるも苦戦し、ごぼうで突破。続く梶原はアッセンダーすらつけずに5秒ぐらいトライするふりをしてごりごりのごぼうで突破。
3段目を登る前に(濡れたくない場合は)少々トラバースが必要だったので、丸山さんのお助け紐をそのまま使ってトラバース。3段目は簡単そうだったので豊永さんに先に行ってもらい、梶原、丸山さんの順で続く。「トラバース中に豊永さんが振られてきたら怖いですねー」と話していたが何の危なげもなく突破。続いて梶原がトラバースを試みるが、足を滑らせてふられそうに。「ちょっとー、ふられてこないでよ(笑)」と丸山さんに言われながらもなんとか3段目の取り付きに成功。ここで先に登っていた豊永さんを見てみると少々苦戦している。思っていたよりも難しそう。しばらくして豊永さんが登り終え、梶原が登り始める。確かに良い感じのホールドがなく、足場もぬめっていて登りにくい。もたもたしていると丸山さんが登ってきたので「もしここで滑っても丸山さんで止まるかー」と思ったら登れた。
・雌滝
ナメ床をしばらく歩くと雌滝が登場。水量が割と多い上に水流も強く、ハングしているので水線の直登は無理そう。右岸壁を丸山さんがリードで登る。「割と簡単」らしい。続いて豊永さんが登るが、岩が脆いため落石が多発。下でロープの末端を持っていた梶原はもろに受ける。直径20cmぐらいの落石が足に直撃したところで危険を感じ退避。痛い…。豊永さんはゴボウして登っていき、無事登り終える。笛の合図を聞き、梶原も登り始める。ガバガバでとても登りやすい。一カ所ガバがぬめっているところがあるがTシャツを犠牲にして一旦手を拭くと問題なく登れた。
・雄滝
時々石積み堰堤を越えたりしながらまたしばらく平凡な沢を歩くと雄滝が見える。雌滝よりも大きく、迫力がある滝だ。丸山さんがリードで4カ所ほど中間支点を取りながら登る。そんなに難しくはなさそう。続いて豊永さんが登るが、途中少しルートを迷っていた様子はあったものの、テンションをかけることもなく登り終える。梶原は支点を回収しながら登ったが、支点回収時に思いっきりシャワーにやられる。先方2人の登攀を待っている間にすでにガクブルしていたが、登り切った頃には全身の震えが止まらなかった。
・林道まで
少し歩いた後、踏み跡をたどって登ると楽に林道に出ることができた。とりあえず日向を求めて休憩場所を探すが、日がささやかすぎて全然暖かくない。つらい。
休憩しながら中俣と右俣どちらを下降するか話し合う。結果、当初の予定を変更して中俣を下降することに決定。
・沢下降開始
しばらく休憩したのち、沢下降開始地点を探して適当に林道から逸れて下りはじめる。土が湿っていて踏みやすく、下りやすい。丸山さんについて行くとそんなに歩かないうちに沢に出た。
・三俣まで
下降を始めてしばらくは平凡な沢が続く。途中倒木に生えたきのこを見つけると、丸山さんが立ち止まってしばらく観察した後、徐に袋を取り出して袋いっぱいに回収。前回の沢で毒きのこにあたったというのに、懲りない丸山さん。ちなみに家に帰ってから調べてみたら今回も毒きのこだったそうです。
感情を無にして歩き続けるとようやく滝を発見。クライムダウンは厳しそうなので懸垂下降のためロープを出す。丸山さんに教わりながら設置。「こうやって投げるんだよと」とお手本のために丸山さんが投げたロープは思いっきり木の枝に引っかかる。「まあ降りるときに体重で自然と落ちてくるから〜」という丸山さんの言葉を信じて梶原は懸垂下降を開始。半分くらい降りたところで確かにロープは落ちてきたが引っかかっていた木の枝も一緒に落ちてきて梶原の頭に直撃。ヘルメットをしていて良かったと初めて感じた。
次の滝はクライムダウン。丸山さん、梶原、豊永さんの順で降りるも、豊永さんは少し苦戦。丸山さんが登り返してお助け紐を設置。
続く3つの滝は全て懸垂下降。2つ目の滝は懸垂下降の始めに木にぶら下がる必要があり、少し怖い。懸垂下降後少し歩くと三俣に到着した。
・林道まで
三俣から8mCS滝までまたしばらく平凡な道を歩く。長すぎて再度感情を無にしなければ耐えられない。ようやく8mCS滝が見え歓喜。ここから左岸の踏み跡をたどって林道に出るはずが、中々踏み跡が見つからない。登ったり下ったりしてしばらく踏み跡を探してみたが、結局よくわからず適当なところを上がって林道に出る。
・解散まで
また林道をしばらく歩いてゲートに到着。トイレを我慢している梶原のために装備解除もほどほどに丸山さんの運転でトイレまで直行。間に合って良かった。
装備解除後、着替えているとぶくぶくに太ったヒルを発見。梶原の背中から血がダラダラと流れているのを考えるとどうやらやられたのは梶原のようだ。ヒルが大の苦手な梶原に代わり、豊永さんが車の外にはじき飛ばしてくれ、丸山さんが石でつぶしてくれた。ありがとうございます(1kgの塩の出番はありませんでした)。
その後こんにゃくパークへ。こんにゃく料理を堪能したのち帰宅。
■感想(梶原)
平凡な沢が長くて飽き飽きするが、滝の登攀は楽しかった。
■反省(梶原)
岩が脆いことを知っていたにも関わらず、登攀している人の下にいたのはよくなかった。落石の影響を受けない場所で待機するべき。
■感想・反省(豊永)
・沢が綺麗に3又に別れているのが面白かった。比較的大きく綺麗なナメも初めて見ることができて、今までナメだと思って喜んでいたものはなんだったのかと思った。かっこいい滝も多く初めて好きだと思える滝と出会えた。(どの滝だったかは忘れてしまった)
・雌滝の登攀で下に梶原さんがいることを知りながら落石を多く起こしてしまった。もっと大人しく登れるように気をつけたい。
・少しでも寒いと思ったらすぐにレインウェアを着るべきだった。微妙に風邪をひき2週間弱経った今も咳を引きずっている。
■CLコメント・感想
・3段滝の上段で豊永を先に行かせた判断はあまり良くなかった。
・梶原の沢評価は結構厳しめ。個人的にはなかなか良い沢だったと思う。
・滝を登るときは落石を起こさないようにしましょう。
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