黒部上ノ廊下
富山県
UPW
hiresenbei
体力度について
- GPS
- 33:46
- 距離
- 23.8km
- 登り
- 1,718m
- 下り
- 1,492m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 9:20
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 9:50
- 山行
- 10:10
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 10:30
- 山行
- 11:50
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 13:00
| 天候 | 9/19 快晴 9/20 快晴のち晴れ 9/21 快晴のち晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス タクシー
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
水量は平水くらいだろうか。gpsは2日目までです。 口元のタル沢出合を過ぎたところの核心部の大岩の配置が昨年までの記録と大きく変化していました。出口付近に渡渉ポイントがあり、失敗して流されました。 |
写真
拍手
そのまま右岸側を進む。左岸は激流と5mの真っ白な釜があり近づけない。左岸を進んだり、廊下内で右岸から左岸に渡る記録が多かったので違和感を感じた。
ゴルジュの出口はすぐそこだが、最後に右岸側の岸壁がせり出してくる。右岸をへつるのは水流が強くて無理そう。対岸へ泳いで渡ることにする。ロープを出して自分がトップで行くが、
もみくちゃにされるも、なんとか生きていた。水流とロープのなすがままにするしかなく、非常に怖かった。とりあえず引き返し、口元のタル沢出合の左岸側にこの日は泊まる。
翌日。水量が減っていなければ例の場所の渡渉は行わないことにする。（元々多いわけではないので、当然減っていなかった。）高巻きルートも見ながら行く。
渡渉ポイントの手前から右岸巻き。�掘銑元蕕�らいの左岩壁を登る。フェルトだと厳しいので同サイズの相方のラバーの靴を借りて登る。いくつかハーケンで支点がとれた。反対側へは水中へ懸垂下降。ルートを探しながらではあるが、出合いから3時間くらいかかった。
3日目。屈曲部の廊下で朝一の泳ぎ。ロープを出して空荷で行く。最初は水流沿いの突破を試みる。右岸は水圧に負けて進めず、白い水流を超えて左岸の水流が逆流している個所に泳ぎ渡ろうとするも、水流が強すぎてダメだった。流されながらふりだしに戻っているときに、右岸にトラバースルートを見つけて突破できた。
岩苔小谷出合の先の廊下帯。数回渡渉した後、後半部は渡渉失敗すると危ないポイントが多かったため、左岸側をずっと進む。絶妙なところに岩棚が続いている。
装備
| 個人装備 |
ウェットスーツ(1名フル・1名ロングジョン)
ライフジャケット(うち1名モンベルフロートベスト)
長袖インナー
靴下
グローブ
ザック
行動食
非常食
地図（地形図）
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
保険証
携帯
ナイフ
ハーネス
ヘルメット
確保機
カラビナ
スリング
渓流シューズ
|
|---|---|
| 共同装備 |
調理用食材
ファーストエイドキット
ツェルト
ロープ40m
ハンマー
ハーケン4枚
|
| 備考 | 沢靴は1名ラバー、1名フェルト |
感想
普段は面倒であまり記録を上げることはないのですが、今回は自分自身非常に危ない目に遭ったので、戒めという意味を込めて。また、口元のタル沢出合の核心部の様子が昨年までの記録と大きく変わっているようだったので、今後行く人の参考になればと思い記録を残しました。
・事故の詳細
口元のタル沢出合から先のゴルジュの出口付近での、右岸から左岸への渡渉。
腰がらみビレイでロープを出してもらい、自分がトップで行く。まず右岸をできる限り上流に進んでから飛び込み、左岸斜め上流方向へ向けて全力で泳ぐ。対岸の岩に触れるところまで行くも、ツルツルで岩にしがみつけず、足もつかない。そのまま水流に乗って足から釜へと吸い込まれる。
1段目直径1~2mの釜に落ち、ビレイでロープが止まる。水中に沈んだまま猛烈な水圧を真正面から受け、全く動けない。数秒後ロープが緩み、上半身から先に浮き上がって一瞬顔が外に出る。
息継ぎをしたのもつかの間、今度は頭から2段目直径1~2mの釜に落ち、再度ロープが止まる。落ちる際に足がロープに絡まって、釜の中で上下さかさまになった状態で動けなくなる。末端はカラビナがけだったが、外すことは到底できない。ロープが再度緩むのを祈っていると、数秒後にまたロープ緩んで再度体が流れ始める。次は直径5mの真っ白に泡立った釜へと落ちていくが、もう体勢がどうなっているのか全くわからない。落ちている瞬間、このまま死んでしまうんだろうかと思った。
落ちた後、水流を受けることを覚悟したが、流心から外れたのか思ったほど水圧を受けず、体を動かす余地があった。とにかく手を掻いてもがいていると、顔が外に出て、いつの間にか自分の下に大岩があった。後ろから水流に押されて次の釜に落ち込みそうになったが、その岩にしがみついて止まり、無事だった。
運よく外傷はなかったが、安全な場所に移動した後しばらくは寒さ・恐怖・安堵で呆然としていた。
・反省
釜に落ちる可能性のある場所で安易に渡渉するべきではないと再認識した。ここに至るまで難しい個所がなかったので、水量が少なめ〜平水だと思っており、過去の記録から見て水線沿いに行けると思い込んでいたのもよくなかった。
今回ロープに引っ張られたことで、水中に押しとどめられる事態に陥った。万が一岩の隙間にロープが引っかかって動かなくなってしまったらどうにもならなくなるところであった。一方で、ロープがあったおかげで5mの釜に落ちた際に流心から右岸側に少し外れることができた。このおかげで助かった面もある。ノーロープだと流された後はギャンブルになってしまうが、渡渉時にロープが受ける水圧に引っ張られることがないので、泳ぎやすくなるという利点はあると思った。フローティングロープ（今回は持参しなかった）があればロープの水圧は受けなかったかもしれないが、釜に落ちた際の水の重みにフローティングロープが耐えられるかは微妙である。
もしこういう場所を渡渉せざるを得ない事態に陥った時に、どの選択肢がベストかはわからないが、どれにしてもリスクが大きいことには変わらないと感じた。あの場で渡渉を行わないという判断ができなかったのは、自分にとって大きな反省点だった。
コメント
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UPWさん, hiresenbeiさん
いろいろ反省点はあるようですが、
黒部上の廊下、突破成功おめでとうございます。
もうかなり前になりますが、
ボクらも2013年8月に、ここを突破しました。
薬師沢小屋に着いたときは、同じく
『生きててよかった！』でした。
黒部上の廊下は泳ぎがキーポイントになる沢です。
深いゴルジュで高巻きが難しい部分が多いからです。
そこで効果を発するのが、
クロールのプル練習用に販売されている
水かき付きのグローブ（ネオプレーン製）です。
安いものなので、一度試してみてはと思います。
クマ
クマさん
ありがとうございます！
念願叶ってよかったです。
確かに、水線を進めたらたった10数mなのに、高巻くとなるとかなり時間が掛かるような場所がいくつかありましたね。
今度泳ぎ沢に行く機会があったらぜひ使ってみようと思います。
hiresenbei
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