恐怖・指取れちゃうかと思った金峰山

- GPS
- 32:00
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,242m
- 下り
- 1,223m
コースタイム
《1日目》
瑞牆山荘0855→富士見平0953→1140大日小屋1150→1450金峰山頂1455→1515金峰山小屋
(合計=6時間20分 休憩時間=15分 行動時間=6時間5分)
《2日目》
金峰山小屋0905→砂払いの頭0943→1029大日小屋1059→1142富士見平1217→1301瑞牆山荘
(合計=3時間56分 休憩時間=1時間5分 行動時間2時間51分)
| 天候 | 1日目 晴れと曇り半々くらい 2日目 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ノーマルタイヤのみでは無理かと思います。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
顕著な危険箇所はありません。 アイゼンは必須。前爪は必ずしも必要ではありませんが 土踏まずにのみ爪のあるタイプの軽アイゼンでは少々心許ないです。 最低でも6本爪程度あるいはチェーンアイゼンが欲しいところ。 登りでは大日小屋までなら粘れますが富士見平小屋がお勧めの装着ポイントです。 下りでは富士見平小屋手前で外してしまいましたが少々早過ぎでした。 富士見平の下で林道を横切る地点までは装着しておいた方がいいでしょう。 全体を通してピッケルは使いませんでした。 |
写真
感想
[color=ffffff].[/color]
[b][color=0000c0]《今年もやります、年末年始シリーズ》[/color][/b]
「年末年始シリーズ」も今回で3回目です。
何せ連休というものにほとんど縁のない勤務形態で12月29日から
1月3日までの6連休は私にとって1年で一番長い連休なので有効に使いたいものです。
しかし、29日の天気はまずまずとの予報ですが30日が悪く、
31日以降は悪くなさそう…。さてどうしたものか。
29日にどこかに登り、30日は下界で休養し31日に再度山に入るというのが
一番無駄のない方法に思えますが、28日の月末の仕事の締めに時間がかかり
面倒になってしまったため29日、30日は山行はなしとしてしまいました。
で31日に仕切りなおしです。行き先はいろいろ迷ったのですが
山上で初日の出を拝める場所ということで金峰山にしました。
[b][color=0000c0]《防寒対策》[/color][/b]
自分は寒さには強い体質だと思っていました。しかし今回は標高2600Mの稜線まで
上がることになるので油断は禁物です。普段よりも防寒対策を万全にしてきました。
特に手袋はマイナス25℃まで耐えられるスペックのものを使用しました。
[b][color=0000c0]《瑞牆山荘から大日小屋》[/color][/b]
瑞牆山荘近くの無料駐車場はガラガラでした。元日の天気予報は悪くないのですが
こんなものですかね。混雑するだろうということで避けた丹沢の蛭ヶ岳山荘や
奥多摩の雲取山荘、あるいは燕山荘などはどうだったんでしょう。
ともあれ駐車場でご年配のご夫婦を見かけて以降富士見平に至るまで誰にも
会わないほど静かな序盤でした。富士見平付近からは登山道に凍結した箇所が
出てきましたが、登りなのでさほど危険はないですし、あまり早くアイゼンを
着けると雪や氷のないところを歩いた時にアンチスノープレートが痛むので
もう少々粘ります。安全第一の私は本当は早くアイゼンを着けたいのですが。
ところで他の方のレコを拝見しているとなるべくアイゼンを付けずに歩くことを
好まれる方が多い印象です。いつも疑問に思っているのはその理由です。
[b][color=0000c0]《大日小屋前でアイゼン装着し山頂へ向かいます》[/color][/b]
大日小屋の前まで来ると下山してきたパーティーが休憩していました。
そろそろ着けてもいいタイミングか聞いてみたところ「着けてもいい」と
言うより「着けなきゃムリ」と言う返事だったのでそこで装着。
確かに大日岩の下辺りはノーアイゼンでは無理でした。
その後は下山してくるパーティー何組かとすれ違いましたが
いずれにしてもそれほど混んではおらず静かな山歩きでした。
[b][color=0000c0]《森林限界突破・指がヤバイ…》[/color][/b]
樹林帯を抜けてようやく展望が開けてきましたが、天気は一応晴れでは
あるものの一番グレードの低い晴れって感じです。
それより問題なのは両手の小指が冷えてきてジンジンすることです。
しかしこんなこともあろうかと今回はスペックの高いグローブを用意してあります。
慌てず装着ししばらく指を動かすことを意識しながら歩いていると好転しました。
稜線上はそこそこ風が強いものの体を揺さぶられるほどではなく想定内。
昭文社の地図によると山梨側の絶壁が危険とありますが普通に歩いていれば
落ちるような崖ではなく問題ありません。特に苦労することもなく山頂に到着。
あわよくば五丈石に登ることも考えていましたが氷がビッシリと着いており
私の力量で何とかなるはずもなくあっさりと断念します。
山頂標識の近くで何枚か写真を撮って小屋に撤収と思っているとやはり指がヤバい…。
とにかく早いところ小屋に逃げ込まなくては…。
可能な限り急いで小屋まで下りて、受付もまだ済んでいないのにとにかくストーブで
指を暖めさせてもらいます。その効果もあって多少回復したところで受付を済ませ
さらに時間をかけて指を暖めます。とりあえずまともな色に戻ってきましたし
感覚もあるのでこのままもげてしまうことはないだろうなというレベルまで回復しました。
その後大晦日ならではの年越しそば付きの夕食や無料で振舞ってくださったワインなどで
人心地ついたら早めに寝てしまいます。それにしても小屋って暖かくて素晴らしい場所です。
[b][color=0000c0]《初日の出は断念》[/color][/b]
前の晩人心地ついた時点で翌朝の初日の出はどうしたものか、と考えていました。
それを目的にここまできた訳で出来るものなら山頂で拝んでみたいところです。
翌朝起きてみると両手の小指は依然痺れたままです。これは上手くないです。
いくらこちらが医学の知識がないとは言え、指先の毛細血管の何%かがまともに
機能していないことくらいは想像がつきます。
とりあえず出発はしてみましたがやはり厳しそうなので5分も登らないうちに
再び小屋に逃げ込みました。
おせち料理風の朝食を頂き、これからの問題はどうやって無事に小指を持って帰るかという事。
なるべく気温が上がってからの行動が無難と考え、しばらく粘ってみましたがマイナス15℃から
マイナス14℃になったくらいで大した変化はなく、いつまで待ってても仕方なさそうです。
[b][color=0000c0]《我に秘策あり?》[/color][/b]
ここで思いついたのが片方の手をポケットに入れた状態で歩く作戦です。
幸い今回のルートは比較的緩やかでピッケルを必要とするような場所はありません。
よほど間抜けなことをしなければ転ぶこともなさそうです。
前日はダブルストックでしたが、下山は1本のみ使って片手をポケットに突っ込んでおく。
で、ある程度時間が経過したらポケットに入れる手をチェンジする…いけるかも。
決して褒められた作戦ではありませんが、これは効果絶大でした。
初日の出を見ようと外に出た際には5分でギブアップでしたが今回は10分経っても
指先にヤバい感じは表れません。やれやれこれで小指を無事に持って帰れそうです。
[b][color=0000c0]《瑞牆山をどうするか?》[/color][/b]
小指の安全がほぼ確保出来たので景色を楽しむ余裕が生まれてきました。
この日は絶好の快晴。最初から片手ポケット作戦を思いついていたら初日の出も
拝めたかも知れませんが、贅沢言っちゃいけませんな。
富士見平に到着したのは12時チョイ前でした。富士見平から瑞牆山への往復は
標準CTで3.5時間。行って来られないこともありませんが…。
一度林の中に荷物をいくつかデポして登りかけたのですが、すぐにアイゼンが
必要な状況になり、一度外したアイゼンを着け直すという行為を考えると
気力が萎えてしまいました。登っていけばいずれ着け直す必要があるので
同じことのはずなんですが、人の心理は不思議なものです。
[b][color=0000c0]《瑞牆山を断念して下山》[/color][/b]
ということで瑞牆山を断念した為時間には余裕が出来ました。
富士見平から下り始めるとすぐにアイゼンの必要な場所が現れました。
富士見平のちょっと上の方で既にアイゼンを外してしまっていたのですが
これは早過ぎでした。面倒ですが安全には代えられません。
手早く装着し難所を切り抜けると今度は10分もしないうちに林道に至り
アイゼンを外すことになりましたが、まっ仕方ないでしょう。
ともかく小指を失わずに下山できたことを有難いと思うべきですね。
本当に良かった。今時業界人でも指の数が少ないと出世に響くって話ですから。
[b][color=0000c0]《今回のピンチを考察》[/color][/b]
しかし今回結構スペックの高いグローブを使っていたにも拘らず
どうして指を失いかけたのか。或いはただの取り越し苦労で指を失う段階は
まだまだ先だったのか。素人なりに考察してみたいと思います。
まず状況はかなり切迫していたと感じています。
下山したのが1月1日、現在5日ですが未だに左右とも小指の第一関節から先が
痺れています。初日に山頂から小屋に下山するのが30分遅れていたり
2日目の朝リスクを押して初日の出を拝みに行っていたら相当危険だったと
思われます。健全な状態からでもそこそこ危険なのにダブルリーチ状態からの
スタートですから…。
次にそこそこのスペックのグローブだったのになぜ指を守れなかったのか。
サイズが合っていなかったことが問題だったのではないかと思っています。
このグローブはオーバーグローブ扱いをする為に少々大きめのものを
購入しました。すると力のない小指などは動かし難いのです。
ストックを握っている時に小指はカラオケマイク状態で単独で寒風に
さらされることとなってしまいました。他の指もそれなりにまずい状況
ではありましたが、現在まで痺れが残っているのは小指のみなので
グローブをしていたとは言え孤立して寒気にさらされたのはまずかった。
もう一つの要因として考えたのは体幹の保温が不充分だったのではないか
ということです。聞きかじったところによると末梢の循環が悪くなるのは
体のバイタルパートを守る為に末梢を見捨てる反応だとか。
感覚的には極端に寒いとは感じていなかったのですが、年齢を重ねると
感覚が鈍くなるという話も聞いています。暑いと感じる、或いは発汗を生じる
一歩手前くらいまでの保温を心がける必要があったのかなとも思います。
いずれにせよ現状小指の循環が良くないのは確かです。
当分の間は相当に気を遣っていく必要がありますね。
いや本当に怖かったです。
残念ですが今回の「年末年始シリーズ」はシリーズでなく単品で終了でした。








私も指先が凍えます。
体質なんでしょうかね。
グローブも幾つか試しましたが、今ひとつですね。
(ワークマンのスノーグローブとか安いやつですが)
ポケットに突っ込む作戦もよくやります。
自分はストックを使わないので、両手を入れています。
更に、ポケットには使い捨てカイロを入れることもあります。
手は手袋をするよりも素手の方が暖かいように思います。
それと、今日やってみてよかったのは、両手で鼻を囲んで手にハアハア息を吹きかけると結構暖かいです。
鼻が冷たい時にネックゲイターで隠すと暖かくなりますが、メガネが曇って困っていました。
この方法だと、指先も暖められて、且つメガネも曇りません。
ストックは使えませんが....
もっといい方法があればいいのですが。
私はグローブで指が冷たくなるときはゴアのオーバーミトンをつけるようにしています。ミトンは写真撮影のときなどの操作性が問題ですがジッパー付きで、なかから指を出せるものを使ってます。それでも動き始めなど、体が温まってくるまでは指先が冷たくしびれることがあります。
あと、血管拡張剤の服用で予防できた方も知っていますが、適応症からはずれるのでどこの医師でも処方してくれるかどうか・・。
今年もよろしくお願いします
年越し、金峰山でされたんですね
お天気に恵まれて良かったですね
そして指〜
すごいよく分かります!
うちも赤岳行ってから2週間も経つのにまだ指先のしびれ取れない…(T_T)
高度上がったり風吹いたりして気温下がると一気に指先がギューっとしびれて痛くなって、感覚なくなっちゃうんです
あと、左より右の方がひどい。
たぶん、カメラのシャッター押したりアイゼン付けたりするのに右手の方がよくアウターグローブ外すからだと思います。
あと、ピッケル持ってるとテキメンに冷えます(鉄だから?)
前回本当に怖かったので、今回うちはブラックダイヤモンドの3つ指グローブにインナーグローブ、両内側に使い捨てカイロ貼った上、
ストックは片手だけにして、使わない方の手でベンゼンカイロ握りしめて温めて、左右交代でストック持ちました。
でもダメだったです(T_T)
ほんと、どうすればいいんでしょう?
冷え性に雪山は無理なんでしょうか?
muscatさんの「体幹の保温も大事」とのお言葉、考えさせられました。
今度は体も着込んで登ってみます
コメントありがとうございます
ポケット作戦の効果は高いですよね。
おかげで何とか指を持ち帰ることが出来ました
ただ私の場合はヘタレ登山者なのでどうしてもダブルストックに
頼りがち…。なるべくならポケット作戦は使いたくないところです。
本日(1月6日)の時点で大分痺れは収まってきましたが
今後冬山をやるにあたっては色々と考えてみないとですね
コメントありがとうございます
そうなんですよ。私もグローブよりミトンの方が保温効果が
高いのではと思い、本日=1月6日蓼科山で試してきました。
と言ってもゴアのミトンを用意する時間はなかったので
以前買って置いた某スポーツ用品チェーンオリジナルのミトンを
試してみました。インナーはグローブでアウターにミトン。
保温効果はバッチリでした。ただ今回のミトンは透湿素材では
なかったので中が結構蒸れてしまい、インナーのグローブが
湿ってしまったところは問題です。ゴアのミトンを調達しようと
思います。
血管拡張剤ですか。中々敷居が高そうですね
ゴアのミトンを調達すればしばらくは持ちこたえられそうなので
様子を見てみようと思います
こちらこそ今年もよろしくお願いします
>ブラックダイヤモンドの3つ指グローブ
そう言うものがあればいいのに…と思っていたら
本日=1月6日、一緒に蓼科山に行ったnyorotan15さんが
そういうものが既にあるのをご存じで、購入を検討している
様子でした。CATさんは既に入手されていたのですね。素早い…
>でもダメだったです(T_T)
>ほんと、どうすればいいんでしょう?
うーん困りましたね〜
ベンゼンカイロにせよ、使い捨てカイロにせよ気温が低すぎると
所定の効果を発揮しないようです。
なのでカイロとストックを持っていない方の手をポケットに突っこんでおく
というyaimatsuさん作戦はいかがでしょう?
色々試してみて何とか解決できるといいですね
本年もよろしくお願いします〜
雪の金峰山いいですね〜。瑞牆山&金峰山は初めてのテン泊の地なので思い出深いです。僕の場合は台風
指のその後はいかがですか?回復傾向にあるようで一安心ですね。
それにしてもやはり雪山は怖いですね。-25℃対応のグローブでもダメとなると、ほんとどーすりゃいいんだぁという感じですよね。やはりオーバーミトンですかねぇ。
昨日は蓼科山にも行かれたんですね。うらやましいぃ。
僕はですね、2日にスキーで大破しまして尾てい骨を強打してしまい、当分スキーも山も無理そうです。
尾てい骨やっちゃうと痛みがとれるのに最低2-3週間くらいはかかるみたいなんで。痛くて仰向けに寝られないし椅子にも座れないしで、正月早々
ということでmuscatさんのレコみて、しばらくおとなしくしてます〜
本年もよろしくお願いいたします
末梢循環への対策はどうやらゴアのオーバーミトンで
何とかなりそうです。またUSアマゾンですな〜
>2日にスキーで大破しまして尾てい骨を強打してしまい…
それは大変でしたね。状況が分かりませんが最低2-3週間とは
かなりの大破っぷり…、相当な修羅場だったのでは
2013スノーシューキャンペーン開始は大分先になってしまいそうですが
焦らずまずは完治を目指してください
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