中ノ宿から 布引岳-笊ヶ岳-布引岳−稲又山-青薙山(降雨で笊・布引は中止)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 28.4km
- 登り
- 2,089m
- 下り
- 2,088m
コースタイム
沼平 3:20 - 中ノ宿吊り橋 4:50 - 6:10 天狗岩 - 大休憩 - 8:26 1,800m地点 - 9:00 2,000m 尾根越 - 11:00 所ノ沢テン場 - 11:30 所ノ沢越
29日
所ノ沢越 5:45 - 7:15 稲又山 - 8:50 青薙山 - 10:50 池ノ平 - 12:10 林道 - 13:20 沼平
天候 | 初日: 曇り時々晴れ 2日目: 雨のち曇ったり晴れたり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
一昨年の秋、 池の平より 青薙山・稲又山を登って 所ノ沢を経て中ノ宿へ下りる計画をしたが (雨は降らなかったが)雨になりそうで 下山路の状況が判らなかったので 稲又山より折り返しピストンに変更した。
今回は、 逆経路で中ノ宿より所ノ沢へ上がり、 最近ヤマレコのお知り合いが 相次ぎ笊に登られているので少々刺激され、その笊ヶ岳にも4度目の登頂をし、 一昨年歩けなかった所ノ沢越-稲又山間も歩いてみようという思いで計画した。 実際のところ、 (非常な汗かきのせいか) 暑さにはきわめて弱いので 少々二の足を踏んでいたが、 駄目なら帰ってくるのみ・・・と意を決した。
27日午後、 家を出て18時過ぎに畑薙第一ダムへ到着、 できれば明るいうちに登山口まで歩いて中ノ宿の吊り橋でテント泊にしたいと思っていたが 空模様がなんとなく怪しいので ダムの駐車場で車中泊とし あまり好きではないが 早朝 ヘッデンを頼りに歩いて明るくなるころ中ノ宿着の 予定とした。(もちろん雨なら中止で・・)
取りあえず 沼平の登山指導所まで行き 入山届の用紙を入手。 この用紙に 中ノ宿-所ノ沢ルートは”不可”と記されていた。
初日(28日)
前日ダムの駐車場に戻り 夕食をとって19:30頃 就寝。 ・・・・だが 少々暑いせいか寝付かれない。 うとうとしただけで朝(28日)3:20 沼平を出発。 睡眠不足と暑さのせいで登れるかどうか心配だったが中ノ宿までは順調に歩けた。 以前歩いた時、 吊り橋を渡って川沿いに中ノ宿沢に行くまでの間の道がかなり荒れていた記憶が有るので 十分明るくなるのを待って4:45に登山道に入った。 やはり相変わらずこの道が荒れており、 崩壊部分もあって空中のとんでもないところにロープがあり赤テープの付いているところもあった。
中ノ宿沢が本流に流れ込むすぐ上を渡渉し(水量は少ないので全く問題ない)尾根にとりつく。(この辺りチョッと判りにくい。) 藪っッぽいがすぐに踏み跡が出てくる。 しばら歩くと天狗岩と案内のある岩(標高1,200m辺り)や、 トロッコのレールが放置されたところを通り過ぎる。
この辺りから 昨夜の寝不足の影響がモロに出てきて 欠伸が何回も出、 激しく発汗してきて絶不調で 足取りもあやしくなってきた。こうなると 心の中で引き返す理由を探し始める。 アーダコーダと考えるうち 半身を横たえられるぐらいの平たい岩があったので小休止とばかりに横になった。 実に快く、幸か不幸か虫がおらず 目を閉じて気がついたらかなり長い時間眠ってしまっていた。 時間を計測していなかったが おそらく数十分は眠った。
あわてて起きて 再出発するも 頭は比較的すっきりしたが足は相変わらず重い。 行動水は 一応2リットル担いだが 少ししか歩いていないのに 既に600cc以上は飲んでしまって 少々心配になってきたが 幸い多分標高1,600m辺りかと思うが沢筋に水が流れており 念のためここで水を補給。(この沢は 私が水を採った所より下の方では水が伏流しており 干天が続くと枯れるかもしれない。)
今日は出来れば布引山の山頂まで・・・と思っていたが この時点ですでに ”所ノ沢まででイイや” に変わっていた。
吊り橋から2000mのトラバースに入るまでの昭文社地図の標準タイムは3時間40分だけれど、 私は4時間20分位かかってしまった。 トラバース道はその割に 比較的順調に進めた。
以前歩いた記憶では 途中大きなガレが2ヶ所有ったが所ノ沢の最初の支流を超える少し前に 1ヶ所小さな崩壊地があり 注意しないと危険。 大きな岩や垂れ下がった木の根をホールドにしてクリアー。 岩は 風化が進んでもろい。
最初の支流を渡って 2つ目のガレ/崩壊地に出る。 ここにはトラロープが渡してあり向こう側は上の方にある木にフィックスしてある。(・・・と云うより 実際には 歩いてきた登山道とほぼ同じ高さにある木にフィックスしてあるが そのロープがこちら側に斜めに垂れ下がっているので ロープを使おうと思うと数メートル下らないといけない。) ロープを使わなくてもギリギリ行けそうでもないが念のため ロープに体重を掛けられるかどうか確認し、 振り子でそのガレをクリヤー。
少し歩くと 最後のガレに着く。 (前の2つのガレのどちらかが私の記憶にある2つのガレのうちの一つで これがもう一つのガレ) 20年ぐらい前に通った時より少し状況は悪くなっているようだ。 写真で見るより結構手強い。
このガレは細かい土と石でできた蟻地獄状態で 幅が2〜30mぐらいあり確実なホールドは一切ない。足を踏み出すとザーっと崩れてゆく。 渡る自信がなければ高巻くか 下を巻く以外に方法は無いがブッシュと傾斜がきつそうで道があるかどうかは定かではない。
私は1〜2年前のヤマレコを参照していたので このガレのため 50Cmのピッケルを持参し ダガーポジションまがいで確保しながら蟹の横這いでクリヤーした。 歩を進めるごとに細かい土と石が崩れ土ぼこりが舞いあがっていた。 土の上でこの格好は 我ながらおかしかったが とにかく渡ることができた。
すぐに2つ目の所の沢支流を渡り 所ノ沢のテン場はすぐだ。 展望以外のテン場としての条件はここが良いが 前回は所ノ沢越に」テントを張ったので 今回もそちらに・・・と思って 荷物を置き 歩いて10分の所ノ沢越まで現況の偵察。 少し傾斜しているがソロテントならば張れることを確認した。 結局、 所ノ沢越にザックともども着いたのが11:00と 吊り橋から6時間15分も掛ってしまった。(標準タイムは5時間20分)
天気は ほぼ曇りで 時折陽が射していたが 低い雲間から積乱雲が発達しているのが見えた。 また 確か所ノ沢越よりは 天気が良ければ富士山が見えたと思うが、 グレーのガスに覆われて全く展望は利かなかった。
2日目(29日)
朝、 4:30にはテントを残して笊へ出発しようと思い 3:30に起床。 外はガスってはいないが曇りの様子で星は時折薄く見え隠れする。 すぐに食事をし出発の準備を始めたが なんと雨が降り出してきた。大降りではないがなかなか止まない。 これでは山頂での眺望は望むべくもなく あっさり方針転換で 笊は諦め 稲又・青薙山経由でそのまま帰路につき 天気が回復しそうになければ 池の平でのテン泊も止めて 今日中に下山することとした。
しばしふて寝をして 雨が上がったすきに荷物をまとめ5:45出発。 ここから稲又山までは歩いたことのない初めてのルートだ。 青薙山〜稲又山は思いのほかルートがはっきりしていたので こちらも問題なかろうと思っていたが所ノ沢越(2,039m)からおよそ2,300mの間はルートが非常に不鮮明、・・と云うよりほとんど踏み跡は無い。 下りに使用する場合は要注意だ。私は稲又山までひたすら高みを目指すのみで問題ない。(下りに使う場合も早川町寄りがほぼ切れ落ちているのでそれを気にしながら歩けばそれほど問題ないと思う。) 登り始めて15分もすると平坦地に作業小屋の残骸らしきものがあり大量の錆びたトタン板などが散乱している。また あちこちに残置ワイヤーロープなどがある。 ブッシュはほとんどないが倒木はところどころにありとても苔むしている。 これぞ南アという雰囲気だが 産業廃棄物が悲しい。 7:15、 稲又山着。 [稲又山へ上がる直近のルートは山頂部を東側に巻いてから右に折れて〈西進して〉直登しているようだ。 登りに使う場合は(私の場合は)山頂と思しき所を巻いているのが判り 直進すると山頂に上がらない形になりおかしいと気がつく。 したがって 下りに使う場合は山頂から東進して下ってから北進する形になり 要注意。]
ここから先は 既に歩いているのでおおよそは判る。 ところどころで道に木がかぶさり、 おかげで雨露がしっかりとかかり カッパを付けなかったのでアンダーウェアーまで水浸し (ノ◇≦。)。 (寝袋が濡れると厄介なので ザックカバーだけは事前に付けた。) しかし どう云う訳か 稜線より西側は羽虫が少ないが稜線上はうっとおしい。 たまに口の中に飛び込むので メッシュを被った。
2,300mほどのピークを2つ越え 8:50青薙山に到着。 最初の2300のピークで よせばいいのにアライテントのエアーライズ2のテントポールを拾ってしまった。 放置しようかとも思ったがゴミになるだけなので 沼平にあずけておけばいいかと持ち帰った。(沼平は不在だったので 持ち帰りました。 心当たりの方はお知らせください。)
青薙山よりの下り、 展望は無いが 雨でしっぽり濡れた趣のある樹林帯を下る。 2,000m辺りまで下りてくると辺りは一面のシダとカニコウモリの草原?となり 道に覆いかぶさるので遠目には全く道が分からない。せっかく乾き始めたズボンがこの草原でまた濡れてしまった。
10:10 赤崩の縁に到着。 相変わらず迫力の崩壊地だ。 崩壊地のところどころにピンクの花が見えるが何の花か分からない。 多分タカネビランジかシナノナデシコだろう。
10:50、 池ノ平に到着。 (時折 陽が射すが)相変わらず曇っており 時間も早いので下山することに・・・。 最近の雨の為か 池ノ平らは湧水量が多いようで アウトレットからひときわ大きな音を立てて流れ落ちていた。 後は急な斜面をジグを切って下り 林道を歩くのみ。 高度を下げお昼も近くなってきて 明らかに気温が上がり暑くなってくるのが分かる。林道に降り立つとシナノナデシコが咲いていた。 沼平にも咲いていた。 これからすると赤崩のピンクもシナノナデシコだろう。
どっと疲れて 13:20 沼平に到着し 白樺荘にて汗を流して帰宅した。 目的の完遂は出来なかったが前回歩けなかった所を歩けてマァマァの山行だった。
総括: 年寄りは盛夏にテント泊は慎むべき (^ー^; )
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
こんばんわ〜
馴染みがない山域のため二度くらいじっくり読みました
昭文社地図に載ってるルートらしいですが、レコに散りばめられているワードは
「中ノ宿-所ノ沢ルートは”不可”」
「ルートが非常に不鮮明、・・と云うよりほとんど踏み跡は無い」
一般ルートを行くつもりでもijikemusiさんの本能が藪’s道を求めているのでは 〜?ふふふ〜〜
私もそろそろ山行きたい病が出てますが、月半ば過ぎるまでガマンです
また またァ〜。
"藪’s道"って ”武士道”、みたい。 ”藪道 ≪ヤブドウ≫”って云った方がイイかも・・・ ”自己研鑽の為 敢えて困難な道を突き進む”みたいで ”武士道”精神にも通じる?? 藪部の皆さん、 カッコ良いですね〜。
それにしても 云いたくないですけど 毎日暑いですね。中旬以降も暑そう
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する