越百山・安平路山
長野県
山キチどん
その他3人 - GPS
- --:--
- 距離
- 27.3km
- 登り
- 2,353m
- 下り
- 2,174m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 3:09
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 3:30
- 山行
- 6:53
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 7:42
| 天候 | 1日目(10/6) ：晴れ時々ガス 2日目(9/23) ：晴れ一時ガス 3日目(10/8) ：雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2007年10月の天気図 |
| アクセス |
登山口：伊那川ダム上流の駐車場 下山口：飯田市黒川沿いの林道の駐車地点 |
写真
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南越百山山頂より
南越百山山頂より
浦川山北斜面より
感想
1日目(10/6)
効率的な縦走を目指し、4人のパーティーながら長野さんと私の車2台で、先ずは下山口の大平（おおだいら）高原に向かった。木曽谷と伊那谷を結ぶ大平街道（県道8号線）で大平峠を越えると、嘗ては大平宿として栄えた集落跡がある。この集落は昭和45年11月最後に残った村人の集団移転により廃村となったと云う。しかしその3年後「大平宿をのこす会」の活動により旅籠街の街並み保存に乗り出し現在に至っている。
この集落跡から分岐する東沢林道の終点が摺古木自然園で分岐から8�劼△襦�最初の1キロ余りは舗装されているが、ダムの先でダート道になると路面は凄まじい状態になり分岐から2�卉賄世巴杷阿靴拭�この先はRV車でないと難しいだろう。路肩に私の軽四をデポし、N野車に乗換え伊奈川ダムを目指した。登山口の駐車場(標高1,085m)には数十台の車があり、10月の3連休の賑わいを感じさせられた。今朝沢橋を渡ると伊奈川林道と分れ今朝沢の林道へと入って行った。左に行けば空木岳への登山口に至る2.6�劼諒盥圓琶‘癖燭謀�るといよいよ越百山への登山道となった。N野さんをトップに急斜面を登ること20分、標高1,530mまで来るともう汗びっしょりだ。登山道脇に水場があり冷たい水でホッと一息つくことができた。
遠見尾根の先端に乗りあがると“下のコル”と標識のある鞍部で一休み。ここからは、なだらかな稜線歩きでP1749を超えると“上のコル”に達した。特に何も無く更に7合目の展望台を目指して傾斜が増した尾根を只管登って行った。この辺りからガスが出だしたが、天気が崩れる心配はなさそうだ。展望の利く場所がないまま、いつの間にか見晴台を通り越してしまったようだ。後から考えるとあの標識の所がそうかなという程度の“見晴台”だった。軈て上の水場分岐に達し30mほど下ると美味しい水が得られ今夜の水を確保した。前後して歩いていた男性は摺鉢窪まで行くと言っていた。下山者とも結構すれ違って、伊奈川の駐車場から越百・南駒・空木を周回してくるルートの人気を知らされた。
越百山の福栃山(2,436m)北斜面を巻くように進み鞍部に下ると越百小屋に達した。標高2,340m、時刻はまだ10:43。しかし今日はここまで越百小屋に並んで建つ避難小屋が今日の宿だが越百小屋で受付が必要と書かれている。手続きをすると2,000円徴収された。こんな古くさい小屋で料金を取るかと思うがテン場も無く仕方がない。越百小屋は、定員以上は泊めないので予約のない人は泊れない。あぶれた人はみんな避難小屋に流れ込む。この日は結果的に17人も泊まることになった。
一番早く着いたので2階の一番良い所を確保し小屋で缶ビールを買って乾杯。小屋前でうだうだしているとガスが晴れ、目の前に越百山・南駒ヶ岳の雄姿が現れいい感じで写真を撮ることができた。深夜に出発した疲れで女性陣はお昼寝、N野さんはコックリこっくり。私は眠気を我慢して他の登山者とお喋り。15時過ぎから夕食を食べて寛いでいると、なんとK藤さんの大学時代の友人夫婦が現れ感激の再会シーンを演じていた。続々到着する登山者で2階を4人で占領することが困難になってきた。階下に割り込もうとしていた小柄な単独行の女性を誘い5人の寝場所を確定した。この女性、以前「山と渓谷」の山岳会情報を編集する仕事をしていたそうで京都比良山岳会の名も知っていてくれた。沢専門の東京の山岳会に入っているそうで冬でも沢に入っているという凄い会だ。普通の縦走を提案しても誰も乗ってこずいつも単独行になってしまうとこぼしていた。そして17時もう眠い。
2日目(9/23)
今日も晴れ。まだ暗いうちに小屋を出発したが、小屋の下にある水場に寄ったので実際の出発は5:37とかなり遅くなってしまった。2,500m位で樹林帯を抜け西に御嶽、乗鞍、北アルプスの3,000m峰が雲海に浮かび素晴らし景色だ。実質40分弱で越百山(2,613m)山頂に達した。3等三角点「越百」があり360°の展望が得られるが風が強い。東を見ると南アルプス農鳥岳に朝日が昇り切りもう少し早く来るのだったと後悔したが及ばず。南アルプスは北から南まで全てくっきり見え、塩見岳と小河内岳の間から富士山が顔を覗かせている。甲斐駒ヶ岳の左手には八ヶ岳も見える。展望を楽しんでいると途中で追い越してきた同じく安平路に縦走するという5人の中高年者、それに山渓の女性も登ってきた。
南に続く縦走路に目を転じれば薄くガスが峰を越えている。その向うに安平路山が横たわっている。安平路への藪山に覚悟を固め南へと踏み出した。飯島町へ下る中小川ルート分岐に到ると其処は2年前に下った道、沢沿いの険しい道だった。分岐を過ぎると笹藪が始まり少しの登り返しで南越百山(2,569m)に達した。振り返ると越百山が大きい。この先は処女ルートで本格的な藪となりなだらかな斜面を下った。しかし心配していたほどでは無く足元の踏み跡はしっかりしている。ただ夜露をたっぷり含んだササはたちまちズボンや服を濡らしトップを行くN野さんは露払いで最も濡れてしまった。雨具を着けるのだったと後悔するがもう手遅れでそのまま進んだ。
20分余り歩くとP2454に達し展望が良いので暫し休憩。邪魔になったストックをしまい本格的な藪漕ぎに備えた。下りはまだ続き鞍部は標高2,270m位まで下ってしまった。西側に大きく崩れた崩壊地の縁で休憩を取った。登り返して奥念丈岳(2,303m)に到る頃にはガスが覆う時間が長くなり遠望は見えたり隠れたりの状態となった。山頂から南東側を見ると与田切乗越の先に念丈岳から池ノ平山、烏帽子ヶ岳に続く尾根がある。見れば微かな踏み跡があり、テープも巻かれている。何か気になりいずれ行かなければならないような気が・・・
次の袴腰山(2,239m)までは1.4�辧�結構時間が掛かり略コースタイムどおりの時間で山頂に達した。標識も無く樹林帯の山頂域はルートが分かり辛く間違ってしまいそうだった。笹に覆われた登山道には倒木や木の根が張り出して足を取られ、泥濘んだ傾斜で滑ったり皆それぞれに格闘し、膝や脛に一つや二つの傷は当たり前となってしまった。下り斜面から見る浦川山は大きい。その後ろに安平路山が控え藪漕ぎも漸く半分来たようだ。
斜面を覆う笹原を下り切ると松川乗越（標高2,080m）で、縦走路を外れて南に行ったところに昔の安平路避難小屋があったようだが登山地図には「使用不能、接近困難」と書かれている。この先の登り返しは約200mあり今日の縦走路で最大の登りとなる。急登も熟し辿り着いた浦川山(2,259m)は薄れた山頂標識があり少しだけ笹が開け、暫し休憩した。
浦川山の支峰のような小茂吉沢ノ頭（約2,250m）を越え、さらに小ピークを幾つか越えるといよいよ安平路への最後の登りとなり、本来の道は山の北側に大きく巻き込み真北から安平路山(2,363m)に到る。しかし山頂直前でテープがあちこちに出現し結構それらしい踏み跡がそれぞれに伴っている。市村界に沿って直登路を選んで進んだ。決して歩き易くはないが微かな踏み跡を辿り山頂に到った。薄れかけた山頂標識があり、藪漕ぎの末到着したことを祝して記念撮影、健闘を称え合った。
この先は赤実線の登山道で藪漕ぎは無いだろうと思っていたのに現実は甘くなかった。かなり笹が被り北部縦走路と殆ど変わらない状態だった。20分ほど下ると「水場」と表示された標識があり5mほど下の沢で美味しい水が取れた。2,138mの鞍部から少し登り今日の宿泊地、安平路避難小屋に到着した。平成10年に建った避難小屋は綺麗でしかも無料で越百との違いが歴然だ。ただしトイレはない。屋根裏の2階もあるが1階の天井の方が高く1階の奥を確保した。
越百山手前で追い越した5人組は2時間ほど後に到着した。このパーティーの女性の一人が途中で首に掛けていて失くしてしまったタオルを拾って持ってきてくれたのには感激した。15:30頃外に出るとガスが取れ待望の安平路山が姿を現していた。左の方には越百山、南駒ヶ岳も見ることができ大満足。この日の避難小屋の宿泊者はこの9名だけだった。昨日泊まった人のうち二人は南から北に縦走し途中袴腰山辺りだっただろうかですれ違った。
3日目(10/8)
夜中3時頃ザーっと雨が降った。すぐ小降りになるが夜が明けてもそのまま降り続き、辺りは濃いガスに包まれていた。この日は下山するだけだが歩く距離は昨日よりも長い。明るくなり出し5:33雨具を着て小屋を出発した。なだらかな登りで先ずは白ビソ山(2,265m)に登る。藪は相変わらずで、とても“実線”登山道とは思えない。30分で山頂に達するが雨の中ではどうしようもなかった。
更に50分歩き摺古木山(2,169m)に達した。越百山以来の三角点峰で、しかも1等三角点だ。点名は「摺小木山」とどうして字が変わるのだろう? 何れにしても今山行の締めくくりの山でゆっくり味わいたいところだが、雨の中、展望もなくそのまま通過した。K川さんの持っていた2001年版登山地図に載っていた摺古木山西峰の休憩舎を求めて迂回路を行くが、無い。今の地図に載っていない休憩舎はどうなってしまったのだろうか。諦めて下山に掛かり摺古木山から風穴山の山麓を巻くように、いくつもの沢を越え下ること3�辧�45分で摺古木自然園（標高1,770m）に達した。
立派な避難小屋がありやっと休憩することができた。雨が激しくなり林道は川のようになっている。RV車ならここまで入れるが、普通車では余りの悪路に進入を断念したところだ。しかし上部ではそれほど問題もなく普通車でも走れそうな路面だった。ダート道の東沢林道を6�卻發�大平高原付近の駐車地点に戻った。歩いて分かったことだが最悪の区間は駐車地点の前後200m程の間だけで後はそれほど問題のない道だった。しかし駐車地点から数百m先で通行止めの表示があり、開閉自由のロープが張られていたので不法侵入になるのだろうか。
ずっと横に流れている黒川は増水して濁流となっていた。右岸を高巻き進む林道を歩き終え傍らに止めたMRワゴンを見つけるや雨中の山行を果たしホっとした。下山後の楽しみといえば温泉、大桑村のフォレスパ木曽に立ち寄った。女性二人を残して伊奈川の駐車場にN野車をPick upに向かった。駐車場から相前後して出発した車に乗っていたのはなんと越百避難小屋で出会ったK藤さんの友人だった。
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