古光山を小さく周回


- GPS
- 02:07
- 距離
- 2.9km
- 登り
- 288m
- 下り
- 288m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ルートの両側が終始絶壁斜面(木や篠竹が生えているので気にならないが)。山中の全行程、滑落転落に要注意。 |
その他周辺情報 | お亀の湯 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
天気が心配なこの週末だったが、いざその日になると雲一つない快晴だ。若狭・近江の境付近の山へイワウチワを見に行くことも考えていたが、今年は雪融けが遅く、咲きそろうのはまだ先になりそうな気配である。天気も午後は曇になっている。そんな時にはここ! と思っていたのが奈良・三重県境近くの山々である。夏には暑くてとても登れないだろうから、今、登っておきたい。この山域でタフな相手と思われるのが古光山(こごやま)だ。まずはこの山から登ってみよう。古光山は関西百名山の一つでもある。そういえばこの辺りには未踏の関西百名山の山々がいくつもある。古光山の近くにある住塚山という山もそうだ。ならば、古光山を手早く登った後、住塚山に行ってみるというのはどうだろう。どちらの山も単独であれば短時間でこなせるので、抱き合わせ登山にはちょうどよかろう。予想天気は、というと、晴マークが並んでいて、その意味でも好都合なのだった。
この地域では学能堂山が唯一のぼった事のある山という状態で土地勘がない。西名阪自動車道路に乗り損ね、下道を経て南阪奈道路から奈良に入ることになった。道々、咲き誇るサクラを眺めつつ宇陀、そして曽爾村に達すると、この地ではサクラの開花はまだこれからの様子である。この辺りは大分、寒いようだ。「美しき村」を標榜する曽爾村は、確かに小綺麗で、山間部でありながら広がりを感じさせる。伊勢本街道から脇に入り、みつえ高原牧場へと入っていく。道路はそれなりの幅があって不安なく車で走れる。牧舎の横からふきあげ斎場のある峠に上がって、登山口前のスペースに車を置く。
ソーラーパネルとスギ植林帯の間の防獣柵に沿って登っていく。すぐに激急斜面となってロープが下ろされている。足元は水気を含んだ粘土で滑りやすく、時には四つん這いの姿勢を強いられるが、これはほんの序の口である。周囲は雑木林で林下は篠竹藪となり、そのトンネルをくぐるように急登は続く。振り向いて南側には次第に眺望が開けてくる。雑木と篠竹に覆われているため、怖さを感じることはないが、実態として鋭く切れ落ちた(というか、ハングしてえぐれた)岸壁上を歩いているのである。落ちたらお陀仏なので、転倒や滑落はご法度である。落石を起こすと後続の者を直撃しかねないので、要注意だ。
そんな登りが続く尾根だが、ところどころ幅広で穏やかな区間も現れる。明瞭なピークに達したので、南峰についたと思ったら、わずかに下がって再び登った次のピークが古光山南峰のてっぺんであった。視界の開けた岩の山頂から眺めを楽しむ。北側には古光山北峰の背後に倶留尊山、亀山、後古光山の個性ある山容を一望に見渡すことができる。かの有名なススキの原が、二本ボソの稜線までせりあがっているのが目を惹く。南峰を後にして小鞍部を越え登りに転ずると、すぐに露岩のピークに出る。むしろ、ここからの展望のほうが南峰からよりも優れている。
露岩のピークの先も激急降下と激急登の繰り返しとなる。その先、一旦「普通の尾根」となって古光山北峰の山頂に着く。周囲は樹木に覆われて視界は利かないが、かろうじて北側が開けており、そこから倶留尊山が綺麗に見える。
南峰から来ると直進方向に思える尾根にも道があるが、主稜線は「右折」する。山頂直下は尾根型を把握しがたいが、指導標とロープの存在でルートは明確である。これまで通ってきたところに勝るとも劣らない急傾斜で、ロープが左右にぶら下がっていたりする。下降には落石を起こさないよう細心の中を要する。激下りは、後古光山との鞍部に達するまで続く。この間、ところどころで倶留尊山と後古光山が目前に現れ、そのたびにどんどん大きく迫ってくるのが面白い。鞍部に立つと急に穏やかな山容となり、植林の中の十字路には指導標が立つ。ここから右に折れて作業道を下る。緩やかな道を少し下ると、もう舗装林道の終点である。この道をみつえ高原牧場の牧舎の方角に進む。左手には牧野が広がり、周囲は枯れススキに覆われている。ふと振り返ると、後古光山がピラミッドのような姿で天を仰いでいた。
みつえ高原牧場は広大な敷地を持ち、単なる牧場の機能を果たしているだけではなく東屋などもあって、観光資源としての価値を有しているようだった。牧野に家畜の姿はなかったが、きっと牛たちが牧舎に暮らしていることだろう。この地であれば、それはやがて松坂牛になるものたちか。今でこそ神戸牛は国際ブランドとしての地位を得ているが、かつては(今も、か)何といっても松坂牛こそ、和牛のトップの座に君臨したものだ、などと話しながら、駐車地へと向かう我々なのであった。
さて、お次は住塚山の予定である。空は相変わらずきれいに晴れ渡っている。二座目にもベストのコンディションで挑めるのがありがたい。一路、屏風岩公苑に向けて車を走らせる。
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