薬師岳・水晶岳・鷲羽岳・黒部五郎岳【2泊3日ルート定数135】

- GPS
- 30:52
- 距離
- 61.7km
- 登り
- 5,098m
- 下り
- 5,099m
コースタイム
- 山行
- 13:12
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 14:17
- 山行
- 8:03
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 9:09
- 山行
- 7:09
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 7:45
| 過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
【全行程】61.7km ↑5098m ↓5099m ルート定数135
今まで山小屋泊は何となく遠慮していたけど、折立スタートで百名山をめぐるなら宿泊の方が効率が良かろうという事で、山小屋泊のトレイルラン(というか私のレベルでは早歩き)にチャレンジ!
荷物は、RUSH 20に、2日分のフル着替え、シュラフカバー、耳栓、エマージェンシーセット、防寒具(アームカバーとレッグカバー)、ライト、雨具(下は半ズボン)、ライト、モバイルバッテリー×2、初日の食料、水、柿ピー500g、靴が壊れた時の予備のワラーチにて構成。7~8kgだろうか?食料は山小屋頼みなので、2泊3日の荷物としては相当軽いのでは。AIに補給食どれくらい?って聞いたら柿ピー1.4kgとか言われたけど、500gが限界!(サイクルジャージのバックポケット3か所に柿ピー、RUSHの前ポケット2か所に柿ピー、よって全身360度柿ピーGUYの爆誕である)
【1日目】27.6km ↑2601m ↓1840m ルート定数64
折立→太郎平小屋→薬師岳→太郎平小屋→薬師沢小屋→雲ノ平山荘→高天原温泉
荷造りにまごついて、出発時間が予定より1時間遅くなってしまい、5:00スタート。
いつも休憩込みで標準コースタイムの0.7倍で見込んで計画を立てている。
いつもなら登りでこれより速いので、最初の山頂くらいでオンタイムに戻るかと思っていたが、今回は違った。
いつもより荷物が多いことと、今後の工程が長いことから心理的なブレーキが掛かって、あまりスピードが出せないのである。今回の山行、これをずっと引きずる事になる。
薬師岳へは、ひたすらに登り。前半はゴロゴロとした岩だらけの樹林帯、後半は眺めのよい稜線でテンションが上がる。そして予定より30分遅れの9:35に百名山1座目の薬師岳山頂へ。
最高の眺め!ではあるものの、今日は絶対に温泉に入りたいので、のんびりしていられない。苦手な下りを頑張って進む。
薬師峠でしっかり給水したのち、太郎小屋まで戻り、今度は薬師沢へ。
薬師沢小屋には13:11到着。なんと、既に予定より1:50も遅れている。とはいえ、予定自体に2:30くらいのバッファはあるのでまだ大丈夫。雲の平への登り返しを頑張ろう。
薬師沢の恐ろしいつり橋(私は高所恐怖症)を渡ったのち、ルートが増水時と平水時に分かれている。まずは平水時のほうに行き、こちらは問題なかった。赤いリュックの男性が増水時ルートに行った上にルートを読み間違えて?5mくらい滑落してきたシーンに遭遇。特にケガは無さそうだったが、増水時ルートは注意が必要そうである。
そして、雲の平への登り。「雲の平 直登」とか看板が出ている。高天原山荘への最短である大東新道を選ばなかったのは、沢沿いのルートが怖そうな予感がしたので、体力ゴリ押しのこっちを選択したのであるが、これはこれでひっじょーーーに辛い登りであった。
ゴロゴロ岩だらけの樹林帯の標高差500mを一気に登る感じであった。
予定では1:50程度で薬師沢から雲の平山荘まで行く想定だったが、2:40も掛かって15:11になってしまった。登りでこんなにビハインドするのはちょっと想定外。今度から連泊時はコースタイムの0.8倍くらいにしないとダメと悟った。
雲の平ではライチョウに遭遇!前のハイカーが「ライチョウですよ!」って教えてくれなかったら全く気づけないくらい余裕がなかった。雲の平自体は非常に良い眺めの場所なのに、急ぐしかない。バッファを使い切ってしまっているが、17時頃までのチェックインを目指して高天原峠を目指して鬼下り。
これまた雲の平の直登を逆行するような感じで、なかなかの斜度の下りである。特に怖い点はないが、結構長めの梯子(斜度は緩やか)が数か所あった。日も傾いてだんだん暗くなってくる。
ようやく16:28、高天原峠に。そして17:10、なんとか高天原温泉にチェックインである。そのままお風呂に飛び込みたいところだが、夕飯の時間が先になってしまったので、急いで夕飯を食べてヘッデン装備でお風呂へ。と、思ったら、なんとかなりの雨になってきた。こんな時こそ裸足+ワラーチの出番という事で、持ってきたワラーチが大活躍である。レインウェアも軽量化の為にひざ丈でハサミでちょんぎっているが、これはこれで濡れたクマザサとかでハーフパンツが濡れるのを防いでくれるので、これまた結構役に立つのである。
お風呂までワラーチで片道20分の18:30。雨も降っていたので誰も居ない秘境露天風呂を満喫である!
お宿に戻って、後は寝る準備である。生まれて初めての山小屋泊であったが、高天原山荘はとにかく暗い。ランプの宿という事で味わい深いのだが、窓際の座席じゃないと夕飯が見えないくらい暗い。もはや味わい深いってレベルじゃねぇぞ。2階の寝室に至っては、ヘッデンが無いと何もできないのがちょっとつらい。が、耳栓、シュラフカバー、寝巻(ズボンだけ)も事前情報で準備してきたので、まったくもって快適に寝ることが出来た。こんな山深くで快適に寝られる事に感謝しかない。
【2日目】15.6km ↑1541m ↓1321m ルート定数38
高天原山荘→ワリモ北分岐→水晶岳→ワリモ北分岐→鷲羽岳→三俣蓮華岳→黒部五郎小舎
お弁当を受け取って6:00出発。昨日のルート定数64からどれだけ回復できるかが最大の懸案事項であったが、朝イチの感じでは極めて快調である。山小屋の回復力、あなどれない。なんたってやる事ないから20時より前に寝ちゃうもんね。
スタートの天気は、あいにくの小雨。
今日は軽めのルートだし、予定より1時間早く出発できたので余裕やろ、という事で昨日のように切羽詰まらずに開始。
途中で水晶池なんてあるもんだから、寄り道までしてしまう。名前からしてさぞかし美しい池でお山が映り込んでいるんじゃないかな・・・なんてワクワクしながら行ってみたら、どう見ても干上がった沼の跡地でした。本当にありがとうございました。今調べたら、水、ある時にはあるし、本当に鏡みたいに綺麗な時もあるみたいだけど・・・
そのまま岩苔乗越を目指して岩苔小谷へ。ゴロゴロ岩の登りでミスルートして、近くにいた女性まで道連れにして5分くらい余分な登りをしてしまった。あって良かったヤマレコのルート外れ警告機能。2人で違うね〜なんて言いながら無事元のルートに。
8:32にワリモ北分岐。あれ、1時間巻きのはずが30分巻きに・・・。そのまま進んで、9:34、百名山2座目の水晶岳に。結構な岩場を行くけど、特に怖い鎖場のような場所は無し。ハシゴが1か所くらい。ガスっていて水晶岳の全貌が見えないまま登り、上でも何も見えなかったのが残念だったな〜。水晶小屋、水不足で外の水場提供が無くなっていた。
10:39、ワリモ北分岐。また予定よりビハインドしてきてしまった(´・ω・`)
そのままワリモ岳→鷲羽岳へ。
11:29、百名山3座目の鷲羽岳に登頂!何とかガスが晴れて景色を楽しむ事が出来た!高天原山荘のお弁当をいただく。朝ごはんも山盛り食べて、途中で柿ピーもつまみながら来たこともあり、なかなかの満腹度である。
鷲羽岳から三俣山荘への下りは結構長い。やっぱり昨日の疲れが効いてきて、予定タイムとの差が広まるばかり。
三俣山荘のテン場で水分補給をしたのち、三俣蓮華岳へ。途中で、登山道の整備をしている方々に会う。こうやって道を整備してくれている事に心から感謝。
予定より1時間遅れ(出発が1時間早いので、実質2時間押し)の13:42、三俣蓮華岳登頂。本当は双六岳までピストン往復する予定であったが、正直この時点で脚にだいぶ来ているし、俣蓮華岳から黒部五郎小舎まで結構な距離の下りがあることが分かっているので、こちらのルートは断念。黒部五郎小舎まで素直に向かう。
結果、双六岳まで行かず大正解であった。黒部五郎小舎までの下りは、ゴロゴロ岩区間が長く、足元が悪くてかなり体力が削られた。黒部五郎小舎に到着するころには小鹿状態であった。双六岳までピストン往復を削って、15:10のほぼ予定時刻に黒部五郎小舎に到着できた。
黒部五郎小舎は、至れり尽くせりの本当に快適な小屋であった。まず、靴底のソールが一部剥がれ掛かってしまったところを接着剤で修理が出来た。(アルトラのモンブラン、まだ300kmも使ってないのに!)更衣室、乾燥室完備、コンセントは16時以降自由に利用可能、水も館内にあり、個人スペースもパーティションで区切られて結構ゆとりがあり、Wifiまで繋がっちゃうといった感じ。2日も電波が無いと家の人も心配するので、連絡できるし、下山以降の予定も組めたりで本当に助かる。お夕飯もサクサクの揚げ物ありで本当においしかった。20時には寝てしまう。
【3日目】18.6km ↑957m ↓1938m ルート定数33
黒部五郎小舎→黒部五郎岳→北ノ俣岳→太郎平小屋→折立
さて、最終日である。今日は下山の鬼下りがあるし、昨日の小鹿状態で果たして無事か?と思ったが、山小屋で入念にストレッチをした甲斐もあり、昨日と同じくらいの感じで歩きだすことが出来た。
5:25、朝焼けの中、山小屋出発。
7:15、百名山4座目の黒部五郎岳登頂。黒部五郎カールもぎりぎりガスらないで楽しむ事が出来た。山頂は残念ながらガスってしまったので、10分と時間を決めて休憩するが、一行に晴れる気配もないので撤収。
薬師沢で落ちてきた赤いリュックの男性(以後、赤リュックマン)とは昨日の三俣蓮華岳からずっと工程が同じようで、黒部五郎小舎でも色々とお話をしたが、ここでも再会。昨日から良いペースで下っているところを目撃しているので、追いつこうとし始める。
9:48、北ノ俣岳に登頂。黒部五郎岳からは緩やかなアップダウンの稜線コース。晴れていたらまさにご褒美区間なのだけども、今回は残念ながらガスって景観はほとんどなし。赤リュックマンはずっと視界にいて時々熊鈴も聞こえるが、一行に追いつかない。結構小走りとかしながら頑張っているんだけどなぁ?はやいなぁ。
10:54、太郎平小屋に到着。ようやく赤リュックマンに追いつき、軽く談笑しながら最後のお昼。大盛カレー1500円を堪能し、「多分抜かされちゃうと思いますけど〜(*‘∀‘)」なんて言いながら、私のほうが数分早く出発。太郎平小屋からはかなり歩きやすい下りなので、下りが苦手な私でもあまり減速せずに進む事が出来る。と思ったら、さっそく背後から「チリンチリン」と熊鈴が。赤リュックマンである。
「ストックがあると、こうやって、下りの時の推進力としても使えるんですよ〜〜ハハハハ(フェードアウト)」と満面の笑みで走り去ってしまった。軽量トレラン装備の私と比較して、かなりの重装備であるのに、本当に軽快な下りである。「ストックは下りの加速に使う」とは初めて知った。なるほど勉強になります。
赤リュックマン氏が視界から消えてしまった後、だんだん疲れてきて緩やかペースに。その後、謎の山岳部のような若者が猛烈なスピードで下ってきた。先頭の一人はちょっぱやだったので何もせずに見送ったが、2人目は熊スズの近づくペースがそれほどでもないので、私も最後の力を出し切って全力で下ることにした。脳がブーストした感じがして、反射神経ゲームみたいに楽しく最後を下ることが出来た。
そんなこんながあって、ただ辛いだけと思っていた最終日の下りが、ペースメーカとなった赤リュックマン氏や謎の山岳部のおかげで楽しく、しかもかなり高速で降りる事が出来た。
振り返ってみれば61.7km ↑5098m ↓5099m ルート定数135の長大なルートであったが、ケガをしたり凍えたりすることもなく、山小屋も快適に過ごして帰ってくることが出来た。次回への反省としては、宿泊時はもうちょっとコースタイムに余裕を持たせること!山頂でゆっくりしている人とか、ちょっとうらやましく感じたので笑 あと柿ピーめっちゃ余った。
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