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農鳥岳(のうとりだけ)

都道府県 山梨県 静岡県
最終更新:ヤマレコ/YamaReco

白鳥の雪形で親しまれる白根三山南端の山

"農鳥岳"
"農鳥岳"

農鳥岳は南アルプスに属し、山梨県と静岡県の境にそびえています。この山には2つのピークがあり、標高3026mの本峰に加え、標高3051mの西農鳥岳が存在します。
日本二百名山に選ばれており、さらに白根三山の一座にも数えられています。

"白根三山(左:農鳥岳、中央:間ノ岳、右:北岳)"
"白根三山(左:農鳥岳、中央:間ノ岳、右:北岳)"

白根三山は南アルプス北部の連山で、北から北岳間ノ岳、農鳥岳と並び、その間の中白根山と西農鳥岳も含みます。
白根三山をたどる縦走登山は、3000m級の稜線を歩くことができる贅沢なルートとして、登山者たちに「天空の稜線歩き」として親しまれています。

鳥の雪形が見える山

"農鳥岳の雪形(赤線で囲んだ部分)"
"農鳥岳の雪形(赤線で囲んだ部分)"

山名の由来は、春から初夏にかけて東斜面に現れる雪形にちなみます。雪形は白鳥に例えられ、古くから人々が農作業の始めどきを知る目安とされてきました。
なお、鳥の雪形は隣の間ノ岳でも見ることができます。そのため、明治時代より前には、間ノ岳が「農鳥岳」と呼ばれ、現在の農鳥岳は「別当代(べっとうしろ)」と称されていた記録が残っています。

日本の高峰を見晴らす山頂部

"稜線上のお花畑(間ノ岳〜農鳥岳)"
"稜線上のお花畑(間ノ岳〜農鳥岳)"

農鳥岳の山上は、ハイマツや高山植物が点在し、雄大な景観を作り出しています。
また農鳥岳から間ノ岳にかけての稜線は、二重山稜と呼ばれる特徴的な地形が見られ、稜線が2列に並びその間が凹んでいます。

"農鳥岳山頂より間ノ岳(中央)と北岳(右)、八ヶ岳(右奥)を望む"
"農鳥岳山頂より間ノ岳(中央)と北岳(右)、八ヶ岳(右奥)を望む"

農鳥岳の山頂は岩がごつごつとしており、二等三角点と歌人・大町桂月(おおまちけいげつ:1869-1925年)の歌碑が建っています。

"富士山(中央奥)と農鳥岳山頂(右)"
"富士山(中央奥)と農鳥岳山頂(右)"

全方位で眺望が期待でき、間ノ岳や北岳塩見岳といった南アルプスの重厚な山岳群をダイナミックに望みます。さらには富士山の端正な姿も見ることができます。

直接目指す登山道は奈良田から

"登山道概要(奈良田〜農鳥岳〜農鳥小屋)"
"登山道概要(奈良田〜農鳥岳〜農鳥小屋)"

農鳥岳への最短ルートは、奈良田からの登山道です。
最短とはいえ標高差は2000mを超え、長い時間と体力が求められます。一般的には2日以上をかけて臨みます。

"橋を渡る登山者"
"橋を渡る登山者"

奈良田から大門沢小屋までは沢に沿うように道が付いています。
吊り橋や丸太橋がいくつもあり、沢を渡りながらの変化に富んだ山道です。

"大門沢小屋"
"大門沢小屋"

大門沢小屋は森林に囲まれた静かな山小屋です。水が豊富で、温水シャワーを備えています。

"登山道(大門沢小屋〜大門沢降下点)"
"登山道(大門沢小屋〜大門沢降下点)"

これより上、大門沢下降点までは、森林限界に向けてひたすら急登が続きます。

"大門沢降下点:鐘を鳴らす登山者"
"大門沢降下点:鐘を鳴らす登山者"

大門沢下降点で稜線上に出ます。目立つように黄色い金属フレームが建っており、中央には鐘が吊るされています。この道標は、かつての登山事故の遺族によって設けられました。

"稜線の登山道(大門沢降下点〜農鳥岳)"
"稜線の登山道(大門沢降下点〜農鳥岳)"

大門沢下降点から農鳥岳へは、広々とした稜線歩きが楽しめます。

"農鳥小屋と農鳥小屋"
"農鳥小屋と農鳥小屋"

農鳥岳と西農鳥岳のピークを越えた先には農鳥小屋があります。

白根三山の縦走登山が人気

"登山道概要(白根三山縦走)"
"登山道概要(白根三山縦走)"

泊りがけが前提の農鳥岳登山ですが、多くの登山者はせっかくならと、白根三山縦走するプランを立てています。

"稜線を歩く登山者(北岳〜北岳山荘)"
"稜線を歩く登山者(北岳〜北岳山荘)"

定番のルートは広河原から出発し、北岳間ノ岳を経て、農鳥岳へと至ります。農鳥岳から先は、奈良田へ下山します。

"広河原インフォメーションセンター:バスを待つ登山者"
"広河原インフォメーションセンター:バスを待つ登山者"

下山後は、奈良田から広河原へ南アルプス登山バスで戻ることができます。

"北岳山荘"
"北岳山荘"

宿泊地としては農鳥小屋大門沢小屋のほか、北岳山荘北岳肩ノ小屋、そして白根御池小屋も利用されています。
登山口 奈良田駐車場
奈良田第一発電所
奈良田バス停
広河原
周辺の山小屋 農鳥小屋
大門沢小屋
熊の平小屋
北岳山荘
北岳肩ノ小屋
白根御池小屋
両俣小屋
基本情報
標高 3026m
場所 北緯35度37分16秒, 東経138度14分12秒
カシミール3D
山頂
展望ポイント

山の解説 - [出典:Wikipedia]

農鳥岳(のうとりだけ)は南アルプス国立公園内の赤石山脈(南アルプス)にある標高3,026 mの山である。山頂は山梨県と静岡県の県境にまたがる。日本二百名山、新日本百名山および山梨百名山に選定されている。
山頂は東西に分かれ、南東側の農鳥岳は標高3,026 m, 北西側の西農鳥岳が3,051 mである。名称の上からは農鳥岳が本峰扱いされ、三角点も農鳥岳にしかないが、標高は西農鳥岳の方が高い。山頂付近は森林限界のハイマツ帯で、高山植物が自生し、ライチョウ(雷鳥)の生息地となっている。北岳・間ノ岳とともに白峰三山の一つに数えられる。
名前の由来は、春に山頂東面に白鳥の形の残雪(雪形)が現れることから。しかし、似たような形の残雪は間ノ岳にも現れるため、明治時代までは現在の間ノ岳が農鳥岳と呼ばれる場合もあるなど、呼び方は一定していなかった。深田久弥の「日本百名山」には選ばれていないが、同書「間ノ岳」の項に農鳥岳の雪形についての記述がある。

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