今季最後の好天、錦秋の下の廊下


- GPS
- 09:44
- 距離
- 33.0km
- 登り
- 6,565m
- 下り
- 7,401m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 6:13
天候 | 好天 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
装備
備考 | 念願であった下の廊下。 昨年は登山道が全線開通しかったため断念したが、今年の小屋案内では10月の1か月間通れるとの事。 しかしながら天候不順で週末の予定が定まらない。 10月の最終週、何とか天気が持ちそうとの予報。 29日は小屋じまい、10/28〜29はとても混むだろうから1日前の27に泊まることに。 予約の電話の際「予約は90名、布団1枚に2名でお願いします。」との事。 その際に「何処から入るか」を聞かれ「立山からです。」 すると「ダム発は10時になるね、到着は5時を過ぎるから辺りは真っ暗ですよ。気を付けてきてください。」とのアドバイスを受ける。 さて困った。ダムの出発時間をあと2時間早めることはできないものか? 扇沢側から入れば可能なんだが、金沢からのアクセスがとても厳しい、下山後、扇沢に戻ることが至難の業。 新幹線を使う手もあるが、なんだか現実的ではないし。回送サービスも・・・ 仕方ない、当初の計画通り立山から山越えしてダムに入ることにする。 (後で聞いた話だが、ロッジくろよんとかに前泊すれば朝一から歩けるとの事、そうか〜) 当日は朝3時半に家を出る。 今回の車はカーナビが付いていないので「地図」を見ながらの道中。 ひと昔前の旅行スタイルを思い出す。途中何回か「道迷い」を繰り返し、立山黒部アルペンルートの富山側起点「立山」に6時前に到着。 チケットセンターは6:40にオープンとの事なのでしばし休憩。 しばらくすると「気仙沼から来たという3名」が現れる。 復興事業に携わっているとの事ですが「復興は遠い」との事・・・ 聞くと私と一緒で「阿曽原温泉小屋」に泊まるよう。どうやらこの日は「ロッジくろよん」に泊って翌日発との事。 7:00になり最初の乗り物「ケーブルカー」に乗り込む、所要時間7分で美女平に到着。 この後は50分の「高原バス」で弥陀ヶ原ツアー。 立山、劔岳の山頂は一面の雪景色、そのまま弥陀ヶ原まで雪が続く。 積雪は40〜50cmでしょうか、頂はそれ以上ある。 道は除雪が進んでいるので問題なく「室堂平」に到着。 3番目の乗り物となる「立山トローリーバス」で山腹を貫通するトンネルを進む。 抜けると今度は「立山ロープウェイ」が待つ「大観峰駅」へ。 支柱が1本もないロープウェイ、理由は下の「タンボ平」の積雪〜雪崩で建てることが出来ない由。 ロープウェイ直下の「一の越山荘からの登山道」もなかなか楽しそう。 無事「黒部駅」に到着。次は最後となる乗り物「黒部ケーブルカー」 一旦駅舎の屋上に登り鹿島槍、針ノ木岳、振り返って立山の紅葉に身を包んだ雄姿に見とれる。 さあ、最後の「ケーブルカー」を乗り終え、黒部第4ダムに到着。時刻は9:35 下の廊下へのアクセス口は扇沢方向。ダム上の広い道を歩くが意外と長く約10分間。 グリーンのウェアが素敵な女性2名が先行している、多分小屋泊まりで一緒でしょう。 ダム対岸の扇沢からのトロリーバスの駅まで行って、ようやく「登山口」の看板を見つける。 さあ「下の廊下」に向けて出発! 何とか10:00には出発できた。 |
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感想
今日はケーブルカーで一緒になった「福井の健脚の方、Iさん」と。
ペースが合えば引っ張って行ってもらうことに。
最初は急坂を下り、沢まで降りる。渡渉点で左上方を見上げると186メートルの高さの黒部第4ダムが!
よくもまあこんな巨大な建造物を造ったものだ。
幾つかの山番組やNHK「ブラタモリ」を見たことで期待は高まる。
室堂は肌寒かったがもう時間も時間、暑くなってきているので上着を一枚脱ぐ。
沢沿いの道は普通の登山道、気持ちいいペースで進む。
真砂岳との分岐(内蔵助谷出合)に到着。このあたりから道は険しくなる。
看板にもはこの先、落石・滑落の危険があるので通行できません。」とある。が、進みます。
黒部三大絶壁、黒部の魔人、南東壁を左上に見ながら棒ノ木平を進む。
確かに絶壁だ。
右手の山は鳴沢岳か、紅葉が目に鮮やかである。今日は終始この素晴らしい紅葉を目にすることになる。
この後1時間ほど絶壁を削り取った道を進む。
ここらで小休止、岩の上で行動食を摂っている際、下から戻ってきた女性2組とすれ違う。
笑顔でテン泊の大荷物を担いでいる。昨日ダムから下りきて、今日またダムに戻るとのこと。
ものすごく細身なのにすごいパワー。「この道は登りの方が景色も良くて楽しいですよ。」とのアドバイスをもらう。
とても素敵な女性達でした。(同伴者さんも同感とのこと)
渓流側まで道がおりている場所が1箇所があるので、水に触ってみる、意外と冷たくない。
雪渓が川の中で鎮座している。遠くに見えるのでそうは感じないが「巨大」だ。1辺はゆうに20mは超える。
大ヘツリあたにに到着。道は丸太で組んだものがあちこちに、もちろん宙に浮いている状態。怖いがこれが無ければ通れない。
この道、いわゆる「核心」が多すぎる、どこもかしこも気が抜けない。
今日は天気が良いのでさほどではないが、雨の日、この道はいやだ。
そろそろ白竜峡あたりか、いやまだか。
高巻きのハシゴが見えてきた。いやはやすごいものを組んだものだ。
高さは10〜15mでしょうか。しびれる高度感!
無事、通過。
「小屋」のホームページで見た「雪渓にかかるハシゴ」が見えてきた。
先行者1名が休憩中。
会釈をして先に進む。
ハシゴの下は深い切れ目に割れ目、落ちるとかなり冷たい。
雪渓の上はそれほど滑らず、ロープもあり無事通過。
この後は期待の「十字峡」、右手に見える「エメラルドグリーン」に輝く沢の水が気分を高める。
木立ちの中の「十字峡広場」に着く。この場所は「劔沢」からの流れの上手。
正面に棒小屋沢を見、右手が上流、左手が下流となる。
記事では下に降りれるとの事だったが無理せず吊り橋の上から見ることに、時間もかぎられているし・・・
そしてこの吊り橋、ものすごく揺れる、おまけに板と板との間隔が人一人がすり抜ける事ができる微妙な隙間、ファンキーだ。
無事通過、この後は引き続き岩を削った道を進む。
もうこの頃には感覚がおかしくなってきて、200m下を覗いても恐怖心が薄れている。
おお、こんな道もあるのかと目を疑ったのは
「お菓子のミルフィーユ、これを縦にしたような道」が出現。
おまけにおあちこち隙間が開いていて、その隙間にくさび状に石が埋まっていて、「エイ」っと踏んだらバリっと崩れ落ちそう。
あすの朝もこの状態だと誰が言いきれるのか?
写真もそこそこにさっさと渡ろう。
滝が流れている場所が2か所ある。
途中最初の休憩をした時に登りの方から聞いた話。
ザックカバーを付けた方が無難とのことだったので付ける。
えいっと渡るが、やはりウェアは濡れる、今日の天気ではすぐに乾く。
右手に「宮崎駿」のアニメキャラクター出現。どうやらここが黒四ダムの発電所のようだ。
半月峡、S字峡を過ぎ、ビューポイントである「東谷吊橋」に到着。
先行者2名が撮影中。私も一枚ぱちり。
この橋も揺れる揺れる。降りた先は関電の保守用トンネルの出口、10名程が休憩中、ゆっくりしていると日が落ちますよ。
この後は自動車道、すぐに真っ暗なスノーシェードが表れるが、ヘッドライトは不要。
仙人谷ダムが現れる。ダムサイト左岸を見ると「アルミ梯子」が4段、どうやらここが「雲切新道、登山口」のようだ。
アルミハシゴがスタート地点の登山道なんて、あり得ない!
ダム上部を渡り、関電施設内の登山道に向かう。施設の看板は「関西電力仙人ダム管理所」、面白い。
ほの暗い通路を進むと関電の「高熱隧道」に繋がる線路に着く。
職員さんがいらして「丁度工事中で明かりが点きません、気を付けて通って下さい」との事。
通路を一旦外に出る。ここは「関電人見平宿舎」、実はこの先が厳しかった。
このまま「温泉小屋」までいけるのかと思ったがさにあらん。
一度激坂を登る必要あり。同伴者さんのスピードがかなりなものだったので疲労が溜まっているところにこの坂か・・・
足、つりそうになりました。
無事、上部の平たん路に、テント場が見えてきた、近い。
この後、小屋までは激下り。
何とか小屋到着。日暮れまでに着けて一安心。
同伴者さんはテント泊とのことなのでここで一旦別れる。
小屋の受付をし、主人の説明を受け、歓談場所でお男性の風呂タイムの5:00を待つ。
サッポロ黒ラベル500を飲みながら周りの方々と歓談、楽しい時間を過ごす。
5:00の男性タイムなり5分ほど下の温泉場に行く。もう大盛況!
あいたスペースに入らせてもらい、ここでも楽しい会話を。
「山の温泉好き」が多く、白馬鑓温泉や高天原温泉の話で盛り上がる。
若い眼鏡の男性は「高天原温泉」だけのために行って来たとの弁。剛毅な方だ。
さっぱりした後はお待ちかねの夕食、名物のカレーを頂く。お代わり自由とのこと、1,5杯を頂く。
19:00からビデオタイム、歓談室で皆が集まり、主人の佐々木泉さんの仕事を取材したTV番組を見る。
見ながら小屋の歴史や山での仕事、新道を付けた事の話を聞き、みな感動する。
そろそろ就寝時間、明日の5:00スタートに向け準備を終え、1枚の布団に2名が入り暖かくして休む。
少し窮屈だがこの寒さ、くっついている方が暖かくて良い。
3:00、皆が起き始める。
女性は準備が大変。
こちらもゆっくり用意、朝ごはんを食べ、外で靴を履いた頃は丁度5:00
さあ、2日目、頑張ります。
早い日人は4:00〜4:30には出ているよう。
欅平11:00発のトロッコに乗ることができれば本日の「大観光客群」を避けて戻れるとのことなので頑張って歩く事に。
ヘルメットにヘッドライトを付け暗い登山道を登る。
辺りが明るくなってきた頃、道が岩壁にへばりつくようになる。
そろそろ「水平歩道」か、こんなのが5Kmも続くんだ。
今日も紅葉がきれいだ、ゆっくり眺めていたいが先を進む。
折戸谷の「砂防堤内トンネル」に着く、ここは短い。
昨夜、布団を一緒にした方が休んでいる。
挨拶をして先に進ませてもらう、すみません。
名勝「大太鼓」に到着、やはり撮影ポイント、何人かが撮っている。
そこを通る人がいると写真にさらに迫力が出るようだ、確かに。
おお、ここが150mのトンネルか。
確かに中は真っ暗、おまけに川も流れているから靴はそこそこ水に浸かる。
明るくなりやがて出口に、向かいの壁の道に下山してくる登山者が小さく見える。
この後、岩をくりぬいた短いトンネルがいくつか現れる。ちっと安心できる場所。
欅平の赤い鉄橋が見えた!もうゴールは近い。
鉄塔も目の前に現れ、疲れも消えていく。
何回かのアップダウンを繰り返しだんだん高度を下げる。
この前の10/9に「関西電力のパノラマツアー」に来た際に来た広場に到着。
先行者とすれ違う。カッコいい黒いヘルメットをしている。
もう一回眺めてみようと降り立つ。
左手に「毛勝、猫又」、右手に「鹿島槍、白馬鑓」を臨む同定盤を前に一枚。
さあ、最後の下り。そろそろ足にも来ているからゆっくり降りる事に。
先ほどの先行者の後について降りていく。
欅平からスタートする人はすこぶる厳しい登山になる。
いくら階段があるとはいえ、のっけからこの坂道は・・・
先行者さんとともに、誰もいない欅平に到着。
お店の方がベンチでゆっくりしていたので少し歓談。
9:16の始発(8:54は特別列車)までには少し時間がある。
駅下の「猿山温泉」は開いているのかと聞くと「開いているよ」と
早速、朝風呂に入る事に。
チケットセンターはまだ開いていないので改札口手間のベンチにザックを置く。
硫黄の匂いが立ち込めるお風呂は誰も居ず、ゆっくり入る事が出来た。
髭をそり、洗髪してさっぱりとしてお風呂を後に。
駅に戻ると下山してきた方々が列車待ち。
昨夜の布団の方と少しお話を。
その後、黒部ダムから同伴していただいた方に会い、またお話を。
出発の9:16になり、トロッコ電車でも同席して1時間20分のツアーを楽しむ。
一緒になった「富山の183cmナイスガイ」と3人で楽しく歓談する。
どうやらこの人も立山駅から登って来たようで、帰りまでずっと一緒だった。
福井の方は「折立〜雲の平〜水晶、三俣蓮華、黒部五郎の3山を1泊2日」で回ったり、
福井の方は「冬山テン泊大好き」とかで、みな健脚の方。
いろんな山の話を聞かせてもらいながら欅平〜宇奈月〜寺田〜立山の2時間ツアーを堪能。
無事、立山駅に着き、皆笑顔で別れ、それぞれの家庭に戻る。
地図を見返すとぐるりと一周、満足感ひとしお。
とても良い登山でした。
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