雪の大和三山と三輪山を歩く


- GPS
- 09:00
- 距離
- 23.8km
- 登り
- 827m
- 下り
- 837m
コースタイム
9:00 橿原神宮参拝
10:00 畝火山口神社登山口
10:15 畝傍山山頂
11:35 天香久山山頂
12:35 藤原宮跡
13:30 耳成山登山口
13:45 耳成山山頂
14:15 近鉄大和八木駅
奈良へ移動
20日 8:30 JR三輪駅 大神神社参拝へ
9:05 狭井神社、三輪山登山口
10:15 三輪山山頂
11:00 下山
11:30 桧原神社
12:00 JR三輪駅 奈良駅に移動
天候 | 19日:雪ときどき霙、雨 20日:曇りときどき晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
20日 JR奈良駅〜JR三輪駅(万葉まほろば線) |
コース状況/ 危険箇所等 |
大和三山は畝傍山、香久山、耳成山のことを言う。 藤原宮を囲むように位置し、古代より人々の信仰の対象、また万葉集によく詠われている。 よく知られた中大兄皇子の歌に大和三山の関係が詠われています。 “香久山は 畝傍を愛しと 耳成と 相争ひき神代より かくにあるらし いにしへも しかにあれこそ うつせみも 妻を争ふらしき” ※畝傍山(うねびやま) 麓には神武天皇を祀る橿原神宮がある。 登山口は傾斜の緩い畝火山口神社から入り橿原神宮北門から伸びるイトクの森古墳に下山。 橿原神宮北門からの登山道は急で雨雪だと滑りやすい。 ※天香久山(あまのかぐやま) 登山口がわかりにくく、民家の路地の坂を上った場所にあった。 天岩戸神社の東側からも登山口がある。 下山は天香山神社の脇に出た。 山の東側は万葉の森公園になっていて、ミニ植物園もある。 月の誕生石、蛇つなぎ石の巨石についての民話や伝承がありこの周辺巡るのも楽しいかも。 南側には飛鳥の里が広がり、レンタサイクル徒歩、バスなどで一帯を史跡巡りできる。 ※耳成山(みみなしやま) きれいな円錐形の山。 神社の参道の急坂を上り、神社の脇から山頂までの道が整備されている。 眺望は無いが、麓の生活音がよく響く。 靄がかかっていると独特の雰囲気がある。植生の違いかな? 三山とも常緑樹の緑が雪や雨に濡れて瑞々しい。花の季節ではないが生命力が溢れている。 東北の雪山とは全く異なる冬の里山を歴史のロマンに思いを馳せながら巡ることができました。 ※三輪山(みわやま) 大神神社(おおみわじんじゃ)のご神体そのもの。 山全体が不思議な霊気と気力に満ちあふれている。 信仰の対象なので参拝する人も多く、山裾にはさらに多くの神社や摂社が位置する。 登山口は大神神社から北に10分ほど歩くと湧水のある狭井神社(さいじんじゃ)にあり、そこから入山可能。 入山料¥300と簡単な登山届けに記入し、鈴のついた参拝用の襷を首にかけて自分でお払いいすること。 写真撮影も飲食も禁止。登山口も本来は撮影拒否らしいです。 この日は積雪と凍結のため、初めて入山する人はお断りされましたが 自己責任であれば行けるところまでということで、行きました。 滑落して30m落ちたとか防災ヘリが9回ほど飛んだとか宮司さんは厳しい状況を説明されましたが お参りで入山される女性二人がいたので迷惑にならない程度に後ろからついていくという事で 認めて頂きました。 積雪と凍結と危険な状態、しかも初めて入山するからこそ厳しく言われましたが お天気のよい登山道も状況が良ければこんな事は言われないと思います。 登山口を写真に撮ったという事で印象悪くしてしまったようです。 山自体が神聖なものなので傷つけてはいけない、穢してはいけないというのはわかりますが。 登山道は階段が多いですが緩急な坂を繰り返し、次第に磐座(いわくら)と言われる岩がごろごろと多くなってきます。 さらに積雪も深く(5㎝〜10㎝程度)土も凍っていて岩や根っこ等で滑りやすいかもしれません。 奥津磐座(おくついわくら)が山頂です。 岩がゴロゴロしてここに神様が依り代として降りてくるようです。 神聖で清らかで雪の効果もあり素晴らしい雰囲気です。 写真は撮影できませんが言葉でもうまく伝えられません。百聞は一見に如かず。 すっきりした気持ちで下山しました。この山に受け入れられたようです。 降りる途中、たくさんの方が入山してきました。やはり信仰の山ですね。 注)ヤマレコなので登山情報として書きましたが、 信仰の山は微妙な表現の行き違いがあるかもしれません。悪意は無いのでご了承を。 観光でも歴史巡りガイドでもないので詳細は省きました。 ※宿泊地:スーパーホテルJR奈良駅前LOHAS http://www.superhotel.co.jp/s_hotels/lohasnara/ |
写真
感想
一日目(2月19日)
今日は雨が上がり曇りのち晴れの予報でした。
しかし
橿原神宮駅前は雪が降り、傘を差さねばならない。しかも寒い。
東北の雪山ほど寒くないけれど、やはり底冷えします。
上も下もしっかり着込んでザックカバーをつけて歩き始めました。
橿原神宮は人もまばらでお参りする人もほとんどいない。こんな天気の日に誰が歩くだろうか。
でも境内を歩く人も山を登る人もいました。(笑)
雪をかぶった鎮守の森は綺麗で静かであまりにも清らかで
この雪の風景を撮りにきたおじさまもいた。
登山口をあちこち探しながら歩いてやっと畝火山口神社の脇から登山道を見つける。
静寂な、しんとした登山道、ある程度整備されててなかなか歩きやすい。
山頂に着くとおじさまが二人、さらに一人、こんな天気の日でも山に登るのは私だけではなかった。
枯れた杉の木にも雪をかぶるとそれは美しくて雪の魔法はなかなか素晴らしいものだった。
深い霧の中に山頂は包まれて眺めは真っ白。
樹木の枝に降り積もるそのさまはまた静かな趣があって風情がある。
下山していくと
次から次へと山に登る人もいる、団体さんまでいた。
毎日のように登ってお参りされる方も多いのだろう。
次の目的地は天香久山。
線路を超えて住宅街を歩き生活道路を歩きひたすら東へ進む。
歩きながら、畝傍山、天香久山、耳成山に囲まれた藤原宮跡の広さを感じ取る。
南には明日香村が位置し、更に古い飛鳥時代の宮跡も多数存在する。
持統天皇の詠んだ歌
“春過ぎて 夏来るらし しろたへの 衣ほしてう あまのかぐやま”
その爽やかな情景が目に浮かぶようでいいですね。
季節は違えど、山というより丘というに相応しい “あまのかぐやま”は 雪景色も似合う。
月の誕生石や蛇つなぎ石の巨石を巡り、昔の人々の想像力に感心。
下山して藤原宮跡の大極殿の場所を少し歩き、昔の都の大きさを歩いて感じる。
朱塗りの柱の模型だけそこに置かれて建物の大きさを感じる事はできるがどことなく殺風景。
まだまだ周辺は発掘調査の最中らしいのでこれからの新発見が楽しみな場所です。
歴史好きには何回歩いても何度訪れてもこの周辺の史跡巡りはいつも新鮮な気持ちになれる。
そろそろ雪もあがり、小雨状態になってきた頃最初に登った畝傍山が姿を現してきた。
耳成山は近鉄の線路のすぐ北側に位置し、円錐形の小さな山。
南側の池のある公園から登山口があり神社への参道を歩く。
やはりこの山も靄に包まれて独特の雰囲気がある。小さい山ながらも存在感は大きい。
三山巡りを終えて近鉄八木駅まで歩き奈良に戻って宿泊。
JR奈良駅前の宿は温泉があるのでゆっくり浸かって歩き疲れを癒しぐっすり眠りました。
二日目(2月20日)
大神神社のご神体三輪山を初めて登る日。
昨日の天気とは打って変わって晴れ。
電車の中から葛城山〜金剛山がきれいに見えていた。写真に撮れなくて残念。
大神神社には何回も参拝していたのに三輪山には登った事が無い。
ここは山がご神体なので敬虔な気持ちで登ろうと気を引き締めたつもりが
入山するにあたって宮司さんとのちょっと残念なやり取りがあり今回も登るのを諦めかけていた。
これからお参りするという女性親子に距離を空けて後ろからついていく事にした。
山歩きを慣れている人や雪山の歩き方を知っている人なら危険もさほど感じない登山道です。
信仰の山なので単なる遊び心やハイキング気分だと気持ちを見透かされるとでもいうのでしょうか?
宮司さんのおっしゃる通り危ない目に遭うのかもしれませんね。
ゆっくり慎重に登り聖地の奥深くに入る一歩一歩を踏みしめる。
下山するおじさまがこのように言われました。
「雪の下には”みいさん”がいらっしゃるから気をつけて」「???」
途中で先行者の女性親子は雪と凍結のため下山しました。
お礼を言って私一人でさらに奥へ歩いていきます。
山の雰囲気がただただ雪という効果もあってさらに神秘的でした。
しんとした静けさ、風に吹かれて葉っぱの積雪が雪煙のように舞う様子、樹木の佇まい
磐座の上に積もった雪、地面に這うように伸びた根が積もった雪で輪郭を型取られている様
雪の上を踏むときゅつきゅつと鳴る音、怖れもせずに近づく山鳩のつがい
清らかで“清明”という言葉がよく似合うと三島由紀夫が述べていますがまさにその通りです。
優しくて柔らかいという感覚なのか、どうやら三輪の神様は心が広くて受け入れられているようでした。
こんな私でも無事に登り下山できました。感謝です。
たくさんの方々が入山されていました。昔からの人々の純粋な気持ちは大事ですね。
山の辺の道を桧原神社まで歩きそこからJR三輪駅に戻りましたが
昨日歩いた大和三山を見ながら春になればまた表情がどんなふうに変わるのかまた歩きたいと思います。
麓の箸墓古墳、宮内庁から調査の立ち入りが認められ初めてこの日に調査が入ったようです。
時間がなくて調査しているところを見られなくて残念。これからの調査にどんな発見があるのか期待したいです。
二日間の山巡りを終えて、気分は清々しく雪でもしっかり汗をかいた山行になりました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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meikenさんこんにちは。
奈良生まれの奈良育ちなので、他府県の方から好感を持っていただけって、嬉しくて思わずコメ入れてしまいました。
私達家族も、史跡、寺社などがすきで他府県に行った時には、よく観て回ったりしています。
仙台市の方には、一度も行った事は無いのですが
(高速1000円の時に行く予定だったのですが)
伊達政宗や幕末関連の史跡も多い所なので一度、伺ってみたいとは思っております。
まだ少し先ですが桜の咲く季節には、吉野山の桜の花のグラデーションはホント良いのでお勧めです。
もう、すでに行っておられるかな?
地元の私達でも何度観ても感動します。
PS。三輪神社の魔除けのお守り龍馬鈴はご存知でしょうか?
登山の際に熊除けにも使えるので一石二鳥でいいですよ。
私の拙いレコにコメント頂いて感謝感謝です
歴史好きで若い頃はこの周辺巡っていました。
でも、こんなに歩いたり、山歩きもしていなかったので
今更ながら初心に戻って歩いたりしております。
主に東北の山々を歩いていますが、たま〜に京都奈良に出没しております。
吉野の桜、素敵ですよね〜
最後に訪れて○○年も経ってしまいました。西行庵まで歩いた記憶があります。
天川村も訪れてみたいのでこの春行けたらいいなと思っております。
仙台の青葉城(仙台城)は石垣が残るのみです。
周辺には政宗ゆかりの史跡がありますが
博物館も近くにあるのでそこで政宗について仙台城についていろいろと勉強できます。
震災後の復興のためにいろんな地域の方に東北を訪れて頂きたいです。
関西とはまた違った東北の山、食べ物、温泉良いですよ〜
機会があればご家族で おいで下さいませ
※大神神社の魔除けの鈴、今度行った時にゲットします。情報ありがとうございました。
そちらに行かれていたんですね
私、聖徳太子あたりから聖武天皇あたりまでの歴史がすきなので、天香具山も畝傍山も耳成山も、ものすごくあこがれがあります!(天上の虹のファン…)
三輪素麺が好きだから
仙台に戻ってきました。雪が積もってさぶっ!
(奈良も京都も寒かったですが)
天上の虹…里中満智子さんの漫画かな?読んでないんですよ。
私の時代は、井上靖さんの「額田女王」を読んで想像を膨らませて
二人の皇子との三角関係、額田王の人柄に憧れておりました。
聖徳太子は山岸涼子さんの「日出処の天子」で革新的な聖徳太子像に惹きこまれました。
今も昔も人間は変わらず同じ事やってるな…
年を経るにつれて時代を動かす側の立場がよくわかってきますね。
いつ来ても歩いても素敵な場所です。時間があれば大和三山歩いてみてください。
そして大和三山を見渡せる飛鳥の甘樫の丘もお薦めです。
コメントありがとうございます。<(_ _)>
ヤマレコでは参考にする情報がいっぱいなので
自分のレコも参考にできるよう、できる限り詳しく状況説明しているつもりです。
三輪山については、ここまでは書いていいだろうという自分の基準で述べてみました。
登山口も斜めからなので載せてもいいという判断です。
山自体、写真撮ってるのでどこに線引きしていいかわからないんですけどね
naonaonさんのレコ楽しくて面白いです。関西弁の明るいノリいいですわ〜
奈良に近いのでいつでも行けますね
羨ましい距離ですね〜。
これからもノリノリのレコ紹介してくださいね〜
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