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ハイキング
道南

函館山 寒川海岸一周

2004年09月25日(土) [日帰り]
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GPS
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距離
4.6km
登り
319m
下り
340m

コースタイム

9月25日立待岬(9:00)→大鼻崎→寒川集落跡(12:00-16:00)→ペンギンズバレー(17:00)→谷地頭温泉
過去天気図(気象庁) 2004年09月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
【ルート】
立待岬→寒川→穴間→入船町
【メンバ】
米山悟、野入善史、松田圭史、河津尚、高山琢馬
【行程】
9月25日立待岬(9:00)→大鼻崎→寒川集落跡(12:00-16:00)→入船町終点(17:00)→谷地頭温泉

函館は北海道本島と海上に浮かぶ函館山との間の砂嘴の上の町で、僕は函館山の坂を少し登ったところに住んでいる。山の津軽海峡側、5キロ近くの海岸線は断崖と岩礁に遮られ、人の往来は出来ない。近所の歩いていける所に無人地帯があるとは。引っ越し後、まずは最初のご近所探検行だ。

函館にある北大水産学部ワンゲルOBの大学院生、野入、松田、高山君と、ラグビー部OBで船乗りの河津君とで行く。南東の端、立待岬駐車場から時計回りに、途中50年近く前まで集落のあった寒川を通り入舟町へ。歩き行程は4時間ほどだが何度か泳ぐ。

立待岬でフェルト地下足袋に替え、まずは草付きの踏み跡を海岸へ降りる。最初の岩場で早くも泳ぎ開始。横にいた一人釣りのおじさんがおもしろそうにこちらを見ている。気温は19度、水温は23度で、作業服やジャージ姿で泳いでも寒くない。間もなく数十メートル泳ぐポイントになる。波は穏やかで津軽半島もよく見える。足ヒレをつけ、ライフジャケットを着ると気楽な物だ。全行程を泳げそうなほど、威力が強い。船隠し岩という窓の様な形の岩をくぐり、10mほどの鞍掛岩を過ぎると巨岩の上を歩く単調な海岸線。ゴミや人の痕跡がほとんど無い。頭上にはクライミングで有名な函館山南壁がつり下がっている。

最南端の大鼻岬少し手前には大きなテーブル岩の下に深みのある所があり、素潜りをして遊ぶ。水深6mほどの底を水中めがねで観察する。鯛に似た魚や10センチもある透明プランクトン、無数の小魚、ウニもいる。深い海でヒレを付けて泳ぐのは楽しい。空を飛んでいるようにおもしろい。元水泳部の野入君は潜るのがうまい。僕は耳の空気抜きがうまくないので3m以下は耳が痛い。

岬を越えしばらく行くと行程唯一の細長い平地、旧寒川だ。石垣と、建物の柱だった材木の一部が残っている。ここで流木を集めて焚き火をして、肉を焼く。 河津君のザックから肉や野菜がじゃんじゃん出てきた。ビールも。河津君手製のイカご飯(イカの円筒に餅米を詰めて炊いたもの)は海水に濡れてかえってうまかった。寒川の背後は小さな沢型地形があって他より少し傾斜が緩い程度だ。一時はここに50戸があったというが今はほとんど平地がない。50年前の洞爺丸台風で土砂崩れが起き、ほとんど壊滅したそうだ。集落はその3年後無人になった。青函連絡船洞爺丸が沈んで1300人が死んだ洞爺丸台風は1954年9月26日で、ちょうど50年前だ。ここでも水深3―4mの海をシュノーケルくわえて漂う。アイナメの大きいやつもいる。

西日がずいぶん低くなってきたので荷物をまとめて北上する。寒川と入船町を繋いでいた道の跡がすこし残っている。岩壁をコの字にくりぬいた道、小さなトンネルなど人が歩くだけの寸法のものだ。最後に高さ7m、幅7mほどの洞穴を横切るところで橋の落ちた跡がある。ここで最後の泳ぎ。水面下も6,7mある。皆橋げたの上から飛び込みする。穴は天然だろうか。泳いで洞穴の奥へ進む。30mも進むと暗くて奥が見えないのが怖い。水面下も澄んでいるのに何も見えない。人間、闇は怖い物だ。これだけの人数でも、黙って闇の中で水に浮いていると、ぞっとする。目を慣らしてゆっくり進んでいくと結局5―60m奥 まで続いていた。一番奥は広い丸天井で小さな小学校の体育館ほどあるホールだ。潜水艦の隠し場所では、という説もあるがそれには少し小さい。橋跡まで戻ると釣り師が数人竿を伸ばしている。何を釣っているのか聞いても応えない。さっきの人と違ってこちらは人が良くない。

この先は入舟町の行き止まり地点まですぐだ。デポしておいた車で立待岬へ戻り、谷地頭温泉で風呂。九月の海がこんなに暖かいとは。何事もやってみなくちゃわからない。

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