大仏岳(秋田県中央部) 篠岳〜大仏岳〜北峰周回


- GPS
- --:--
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 1,080m
- 下り
- 1,085m
コースタイム
天候 | 快晴! 微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
仙北市西木町上桧木内地区に向かい、国道105号から浦子内集落へ入っていきます。浦子内沢を右岸側へ渡る橋の少し手前まで車で入ることができました。その橋から100mほどのところで水路工事がされていて、そこから左手の尾根に取り付きました。 二神山と篠岳を結ぶ稜線はやや細いところもありました。小ピークに上がるごとに高さを増し、五つ目のピークが篠岳(902m)。そこまでは刈り払いがされた跡が見えました。篠岳からは一旦120mほど下がり、大仏岳との鞍部(牛首)へ。鞍部から大仏岳山頂まではブナ林の登り、最後は結構な急斜面です。 すぐ北に位置する北峰へは、凍っていたらアイゼンが必要になるような急斜面を下り、ひと登りで達します。そこからの下山は慎重にルートを探りました。 |
写真
感想
13日(日)は寒さで目が覚めた。車のフロントガラスには霜が張り付いている。車を少し走らせると、遠くに真っ白い鳥海山が見える。残雪期シーズンの週末に一度あるかないかの、最高の登山日和だ。
12日は仕事のため仙台へ車で往復、その翌日はいつも疲れで身体が動かないのだが、今日登らないでいつ登るというような好天に、自宅の冬囲いホゴシ作業は後回しにして出かけた。
ところが予定していた入山口へは冬季通行止めのため入れず、やむなくそこから歩き出したものの、1キロほど歩いたところで見回りの車に呼び止められた。歩行者も立ち入り禁止なのだという。なにしろこちらは道楽でやってきた身、まじめに仕事している人にわがままを通しても仕方あるまい、素直にそこで引き返した。
気を取り直して、地図を持ってきていた大仏岳へ向かう。家族には「大仏岳近くの篠岳」とメールを入れた。時間も時間だし、いくつかピークを連ねる篠岳ピストンが妥当な線だろう・・
篠岳へは小ピークを越えるごとに、展望が良くなってくる。山頂で大仏岳が大きな姿を現した。まだまだ距離があるが、見えると登りたくなる。鞍部に向けて急斜面を下りる時点で、大仏岳に登った後は北峰へ向かい、浦子内沢へ下りる周回ルートをとると決めた。時間の余裕はあまり無い。
最後の急登を喘ぎ登り、雪庇の小さい所から山頂に立った時の展望はすばらしいものだった。巨体を横たえる大石岳から存在感のある白子森にかけての長い稜線、時間に余裕があったなら、地図を広げて一つ一つ確認したかった。もちろん、遠く森吉山や秋田駒を始めとする真っ白い名山のオンパレードが広がっている。大仏岳に登ったのは初めてだったが、灌木に邪魔されない残雪期ならではの眺めだろう。
北峰へは意外にあっさりと到着、昨年秋に訪れた垂天池沼(たてぢぬま)が白く小さく見下ろせる。あの時は北峰からの下りで尾根を間違い、下りた沢から別の尾根に登り移ったりしたのだった。今日はそんなことのないよう、慎重に確実に下りようと自分に言い聞かせた。
北峰から北東側へ延びるブナ林の尾根は、幅も丁度良くて歩き易い。ところが目当てとしていた枝尾根(P839を経由する尾根)へは、雪庇を下りる必要があった。恐る恐る雪庇の縁に立って下を覗いてみると、高さ5mはある。前後を見ても、崩れ落ちつつある恐ろしげな姿があるだけだ。
やむを得ず、もう少し先のP980.7へ進んでみることにした。幸いこのピークからは東側の尾根へ下りることができた。だが読図・ルートの見極めは格段に難しくなった。何度も立ち止まっては地図を見、現在地を見極めながら下った。一か所、急斜面の岩場があってワカンを外し、ピッケルをザックにくくりつけた。その後も雪の斜面となったが、そのままツボ足で下った。
結果的に、最初に考えた下山ルート、すなわち林道とはいえ雪面の長いトラバースを強いられるルートよりも、慎重な見極めは必要だが小さな尾根を拾い辿るこのルートの方が、良かったのかもしれない。下山がうまくいくと疲れも少ない。帰宅後も雑用をこなすことができた。
秋田県内陸部は今年も大雪に見舞われた。ふもとでは小屋の雪下ろしをしている姿が見られた。まだ田圃は雪に覆われ、田仕事の遅れが心配されている。
大仏岳の東面を登るこのルート、雪たっぷりの残雪期に登れば、太平山地でも屈指の展望を楽しめることがわかった。またいつか登りに来たいと思う。最高の登山日和を大仏岳で過ごすことができて幸いだった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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本当に日曜日は天気がよく,最高の登山日和でしたね。
kamadanさんの選ぶルートは魅力的ですね。感心します。
最高の天気でした。日焼けがスゴイです
地図を広げながら、どのルートなら面白そうか、自分でも歩けそうかと探すのは楽しいですね。自宅の近くにそんなフィールドがあるのは、残雪期の長い雪国の住民の特権ですね
好天に恵まれたら、冬囲いホゴシ作業どころではありませんよね
急な変更でこのコースですか・・・
nyororo
秋田はいい天気が続きました。nyororoさんもお忙しい時期でしょうか。そろそろ遠征のチャンスを狙ってください
急な変更でしたが、直前までどっちにしようか迷っていたのですよ
kamadamさんならではの雪山歩きになりましたね。
このコースは北峰からの広尾根の見極めが難しそうです。
さらにP765東側の等高線が嫌な感じです
最初に計画されていた山の記録も楽しみにしています
秋田の藪山っていう感じですが、山頂に上がったときはいきなり太平山地全体の大きな展望が広がって、秋田県中央部の深さ・広さを感じましたよ。サイズ的にも自分にちょうどいい、いい山だと思いました。
篠岳までは尾根筋に刈り払いされた形跡がありましたが、篠岳から大仏岳との鞍部にかけては藪のようです。ちょっとの距離ですので、下る分には大したことないかと思います。tooleさんならここ登るかな
下山は単純な尾根ではなかったので、慎重に見極めました。今回は下山での読図が、楽しみの半分は占めている感じです
こんばんは
メッセージ遅くなりました。
東京に出張していました。
東京は暑くて大変でした。(笑)
大仏岳に行かれましたか。
良い天気で眺望も最高ですね。
積雪期は登ったことがありませんが、だいぶ以前に登った夏道は
堀内から田沢スーパー林道を上がり、途中の沢(黒滝沢?)から入山したように
記憶しています。
今は浦子内沢から入るんですね。
山頂も展望が悪かった・・・と思いましたが
積雪期は眺望も良いですね。
大仏岳を見直しました。
ところで・・・最初に向かわれた山は○神山ですか??
ダムの湛水の状況と見たことのある橋の高欄のような・・・・
お疲れさまでした。
当日朝、車を走らせながら、「今日は750RSさん、どこへ登られているのかな・・」
大仏岳は、実は初めてでした。昨年一度、田沢スーパー林道を歩いていったことがありましたが、土砂崩れがあちこちで道をふさぎ、歩き辛かったですね。時間もないので、途中で引き返しました。今も通常の登山ルートは田沢スーパー林道からだと思います。
今回は雪を踏んでの登山なので、アプローチのいい浦子内沢への道を入って行きました。民家が結構奥まであるので、舗装道路で助かりましたよ。篠岳への主稜線上は刈り払いされた形跡がありましたが、下の林道から夏道があるのか、どこから入るのかはわかりません。いつか探してみたいと思います。
雪に覆われていない時期は、やはり展望はイマイチなのですね。今回はすばらしい展望でした。残雪期お奨めの山ですね
最初に向かった山は、750RSさんご指摘の山です。伝説のある山のようですし、昔からのいろいろな言い伝えや歴史等々、750RSさんにレコを書いていただけたら、うれしいです
私はこの残雪期はやめました
読み応え有りました。ポイントポイントで地図を開く、降りる尾根を見極める。必要な装備をその場所できちんと取り替える。そういうことをきちんとしないと、雪山バリエーションは安全には歩けないのだと、改めて勉強させていただきました。
教科書のような記録ですね!本当にいいレコだと思います。
cheezeさん好みの?地味なレコですが
昨年秋の失敗を繰り返さないように心がけました。昨年、大仏岳北峰から垂天地沼遊歩道へ下山しようとした際は、だいたいの方向を決めただけで行き当たりばったりでした。結果オーライでしたが。今回は地図上での下山ルート、下山地点を下り始める前に決めて(それが当然ですが)、何度も細かくチェックしました。杉林に入ると見通しがいっそうきかなくなります。今回はうまくいきましたが、藪が雪の下だったこと、何より晴れていたことがラッキーでした。勉強と経験が引き続き必要だなと感じます。
必要な装備をきちんと取り替えることについては、私は結構ものぐさです
kamadam さん
(今日は4/20(日)、1週間も過ぎて今頃の”超遅コメ”すみません。)
積雪期の篠岳〜大仏岳周回素晴らしいですね。
大仏岳は5、6年前の秋、熊出没情報発令中に不安を抱きつつ入山時刻を遅らせて登った懐かしい山です。
荒れたオフロード(スーパー林道)、狭い山頂の不思議な?池塘、南方の魅力的な大石岳(未踏)等今でも思い出一杯です。
kamadamさんのスケールの大きさにはいつもながら脱帽ですが、秋田中部域の魅力をあらためて痛感させて頂きました。
tonkaraさん、コメントありがとうございます
tonkaraさんは登られたことがあったのですね。私は自宅からもそんなに遠くはないのですが、白子森と共にこれまで未踏でした。残雪期の最高の天気の日に登ることができてラッキーでしたが、今度は雪の無い時期に山頂部の池塘を確認しに登ってみようかなと思っています
スーパー林道は荒れたまま放置されていくような気がしています。地域の人口減少が歯止めなく進んでいますので、道路を整備したとしても、周辺を維持管理していく人、そもそも利用する人がいなくなってきていますから・・
でも山登り好きから見ると、残雪期に登りたい山には事欠きません。tonkaraさんが登られているような会越国境のような厳しさは少ないので、体力やコンディションに合わせてルートをくむことができますよ。
またぜひこの静かな山域へ足を踏み入れてくださいね
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