明神山(観音滝経由で古道を登り大明神を下る)


- GPS
- 05:22
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 691m
- 下り
- 698m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備された登山道 |
写真
感想
先週土曜日は宍粟の天児屋山で雪と霧氷を存分に楽しみ、今週水曜日は氷ノ山国際でゲレンデスキーに興じた。そしてこの土曜日も、雪を求めて蛇谷ヶ峰(比良)か皆子山(京都府最高峰)に行くつもりでいた。が、滋賀、京都の予想天気は悪い方向にシフトして、曇ベースで降雪有、となっている。雪の美しさは青空のもとでこそ発揮される。降雪の下で登るのは精神と肉体の鍛錬にはなっても、晴々気分とはいかない。東北時代に不安な雪中行軍を散々しているので、西国に来てまたそれをやる気にはなれないのだ。そこで西に目を向け兵庫県内の山を物色する。宍粟の1000m以上の山々は、てんくらでは軒並み「C」。麓の町は晴マークである。強風のせいで「C」になっているのだろう。そういう時はさらに低い山がよい。そうだ、随分前に行ったきりの七種山はどうだ。さらっと計画ルートをつくってみたが、立て込んだ1週間の疲れが残っている我々にはちょっと重い。もっと楽な線となると、そう、七種山の隣の明神山あたりか。ここも数年前に行ったきりだ。ということで、夢前の明神山に決定だ。これなら、金銭的にもお得。当初予定の蛇谷ヶ峰や皆子山だと名神高速と阪神高速を使うので、非常に割高だ。それに引き換え中国道は料金設定がuser friendlyで、大体半額で済むからありがたい。高いお金を出してさえない天気の山に行くより、安上がりでお日様が降り注ぐ山がいいに決まっている。
そんなわけで、中国道を西に車を走らせる。福崎が近づくと正面に明神山のとんがり帽子が目に飛び込んでくる。夢前のスマートICで下道に降り、「ゆめやかた」の幟に導かれて登山口駐車場に達した。広々した駐車場に先客は一台。真冬の朝7時台には、さすがの明神山も来る人は少ない。簡易トイレを借りて出発準備が整ったら、舗装された林道を「観音滝」方向へと歩を進める。前回は、CコースからAコースへと尾根を小回り周回したので、今回はまだ通ったことのない谷沿いのBコースで登り、Cコースよりさらに東の大きな尾根のDコースを下山に使うことにする。Bコースの走る谷沿いはヤマビルの多いところであり、行くなら冬場の今がいい。林道を少し登ると、観音滝への道があるので、立ち寄っていく。写真で見ると見栄えのする滝だが、果たしでどうだろうか。横の沢には水が流れていないので、今は涸れているのでは、と思いつつ登ると、目前に大きなハングした断崖が現れる。確かに水の落ちた跡はあるが、完全に今は涸れている。雨のあとならば、ハングした岩の上から落下する滝となるのであろう。
林道に戻って沢に沿った山道を進むが、すぐにナメ滝の上を行くようになる。「よく滑る。注意」とあるが、今日は乾いているので全く問題なく登って行ける。ナメ滝が終わると植林帯斜面のジグザグ登りとなる。水曜日のゲレンデスキーの余韻が尾を引いていて、足が重い。喘ぎながら登ると尾根上のAコースに合流する。尾根道は巨大な岩盤を踏んでいく。この辺りの山は、山一個丸ごと一つの岩で出来ている感じで、尾根は外に出た岩のエッジ部分だ。間もなくして剛力台の看板の付された見晴らし台につく。ここで馬谷からの道を合する。馬谷と書いてモウダニと読むらしい。モウ、だから馬じゃなくて牛だろう、とバカ言いながら先を急ぐ。目前には擂鉢型の山頂が見えている。一気に登りきると、360度の眺望が開けた。
山頂の山名看板には、「夢前 播磨富士」とある。三角点のすぐ後ろには石の祠がたつ。北西遠くには白く雪化粧をした三室山がのぞまれる。反対に東に目をやると端正な容姿の笠形山が気を惹くように座している。笠形山は播磨富士として知られる山だが、夢前とすれば、あちらは「神河 播磨富士」なんだろう。山座同定の一助として、各方角に取り巻く山々の説明版が配置されている。そのほとんどはすでに登ったことのある馴染みの名なのであった。いつも賑わうこの山頂に、今日は我々しかいない。爽快な空気を吸いながら、春のような陽光の下、早い昼飯とする。
長い休憩を終えて、大明神の尾根に向かう。山頂直下からしばらくは痩せ尾根で、両側が切れ落ちている。特段、問題はないが、躓いたりしてバランスを崩すとアウトなので、ゆっくり慎重に足を置いていく。一気に高度を下げた後、尾根は幅広になり、ゆるい傾斜となる。小明神(しょうみょうじん)のピークを越え、五郎山を過ぎると再び大岩が次々に登場する。相変わらず眺めはよい。右後方には、今越えてきた明神、小明神のがっちりした山容が大きくのぞまれる。ぐいぐい下降して標高は300m台となり、その先、小さなアップダウンが続く。途中、「大明神」コースと分かれて「大短」というコースへの表示が現れた。「大短」とは大胆なネーミングだが、「大明神短絡コース」の省略形か。ヤマレコの地図には、この場所から分岐するトレースやオレンジ軌跡はないから、その先鞭をつけてやろうということで、こちらに入る。正直、そろそろ長い稜線歩きを終わりにしたい気分が膨らんできたところで、「明神池→林道」という副説明に引っ張られた感じもある。予想通り、「大短」コースは支尾根をさーっと下っていき、無理なく明神湖のダム直下の舗装林道に出た。この地点に道標はないので、登りに使う際は、「明神池」という道路標識が見えたところで、右の斜面に取り付く踏み跡を拾うことだ。あとは淡々と下って、駐車地に戻る。
駐車場には何台もの車がとまり、すでに下山してきている人々の姿もあった。今日は全く雪のない陽光さんさんと降り注ぐ春先のハイクのような一日だった。いい選択をしたと自画自賛して帰路につく我々であった。
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