県境尾根から氷ノ山目指すも爆風の三ノ丸で撤退


- GPS
- 09:04
- 距離
- 12.9km
- 登り
- 769m
- 下り
- 783m
コースタイム
天候 | 雪 森林限界以上は暴風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
最近流行の山の天気予報を見てないのでいつも通りヤフーの宍粟市の天気見たら良さそうだったので行ってみたが、なんと山から下りてきて知ったが寒波襲来で特に日本海側は荒れるとのこと。 まさに三ノ丸手前の無雪期は笹藪で通れない雪原に出ると遮る物のない西からの爆風がすごく、小回りのきかないスノーシューではまともに歩けないほど。 こんなこととは知らずゴーグル着けずにメガネのままだったので雪でたたかれ続けた左目が見えなくなり、這々の体で三ノ丸手前のトイレ兼展望所の風下にたどり着いてメガネ外したら凍ってた。 もしかしたらマジでやばかったかも。 特にこの季節は天気しっかり調べるの大事と反省した。 |
写真
トレース痕が分かるところも逆にそのくぼみに新雪が溜まってる状態だったので忠実に辿って歩くのも微妙にしんどく、結局段々自分のルーファイだけで歩くように。
根雪の上の新雪は出だしの急登部分よりちょっと深くラッセルは足首から臑くらい。
それでも森林帯の中は途中10時前くらいだったか飯食べたりしながら順調に進む。
納得なんてしながら写真撮ってられたのはここまでで、雪原を上って木も無くなるともう爆風。
小回りのきかないスノーシューで風によろけると下手に抵抗して腰や膝ひねってしまったらやばいので素直に転けるしかない。
風が強まる度に耐風姿勢で耐えたがそれでも数回転んだし、その上雪面の凹凸が全く分からずいきなり凹凸があっても転けるので、GPS頼みで進んだこの短い区間で結局4〜5回くらい転けたか。
ゴーグル着けようとメガネ外したらなんと凍ってて、通りで前が見えないはず。
やばかった。
気温は森林限界上はマイナス10〜11度で、それにずっと吹き続けてる風はきつい時で10メートル以上あると思うので体感はマイナス20度くらい。
これで避難小屋に入れないのはやばい。
その上ここでスマホバッテリー残量20パーセント切り。
これはほんとにやばいので避難小屋の風下でモバイルバッテリー繋ぐが、満充電なのでスマホ1.5回分くらいは充電出来るはずなのにこの後下山中気が付いたら50パーセント充電したところでモバイルバッテリーが空になってた。
これは家に帰ってから充電器に繋いだらなんと7割くらい残ってたので、このときどれだけ寒かったかが分かる。
すでにだいぶ消えてしまっててちょっと不安がよぎる。
ついさっき通ったところなのにもう消えてるところの方が多かった。
そういうところでもスノーシューの踏み跡ではなくダブルストックで持ち上げ落とした雪の小さい塊が完全に埋まらず点々と残っていて、時にそれも分からずさまよいながらも遠くを透かし見るようにその痕跡を探して戻っていく。
こういうのでいいんだよ。
こういうのがいいんだよ。
ほんとはずっとこんな感じでもっと早く楽に下りてこれると思ってたのが、実際はほとんど埋まっててラッセルに関しては上りとあまり変わらない感じだでもう疲れた。
まあ緊急用だから当然ながら、バーナー使うのは相当神経使って慎重にやらないと悲惨なことになりそう。
それに積雪期用に沈まない椅子も持ってきてるのでその方がスノーシューも外さず足も楽出来るのでなんとかそれに座ってかぶれるようなシェルターがないものか。
もうすぐ先が駐車地というところまで来て道路に下りてスノーシューを脱ぐ。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
アイゼン
スノーシュー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
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感想
家の事情で年末から丸一ヶ月登れず1月も終わりかけ。
年初だったか寒波が来てどこも結構積もったのも知ってたがどうにもならず、せめて一月中に初登りはしたいものとギリギリの30日に。
年末2度ほど新しいスノーシュー使ったが、関西でスノーシュー楽しめる時期は限られてるのでまだ雪が残ってるところ探したらやはり日本海側。
久しぶりで体力も落ちてるとは思いながらもたっぷり楽しみたくて毎年行ってる氷ノ山南側、戸倉トンネルから県境尾根で三ノ丸に上るコースに。
ここから氷ノ山は結構ロングで、自分的には気力、体力、雪の状態、天気、全て揃ってなんとか三回に一回くらい到達出来るかというところ。
去年は大雪警報二日続けて出た次の日に行ってあまりの積雪量に普段2時間くらいのところまで5時間かかって断念。
ところが今回は行ってみれば年初に積もった雪がしっかり根雪になってラッセルも足首から臑くらいまででとても状態が良く、去年5時間かかったところが1時間半で行けてしまい、もしかすると今年は行けるかもと希望が出てくる。
しかし気になるのは風の音で、森林帯の中では雪は降っててもそこまで風は感じないながらなんか頭上でゴーゴーと電車でも走ってるようなすごい音が断続的に。
その正体がはっきりしたのは森林限界超えて無雪期は笹藪が酷くて通れない広くなだらかな稜線の雪原に出たところ。
爆風。
温度計は森林帯上部からずっとマイナス10〜11度で、体感で言うとマイナス15度以下だったと思うが、関西では珍しくハードシェルが心強い。
困ったのはスノーシューで構造的に後ろに下がるのが難しくとっさの小回りが利かないのでバランス保つためにもダブルストックで歩くわけだが、遮るもののない雪原を西から吹き続ける強風は時に体をぐらつかせ、出来るときは風に背を向けて耐風姿勢で待つわけだが、それでもいきなりだとよろけてしまい、そんな時下手に抵抗すると腰や膝捻って危ないので素直にうまく転けるように。
風力階級表とやらによると最大12段階中7あたりのようで、風速は秒速13.9〜17.1メートルとのこと。
体感的にも確実に10メートル以上あると思った。
そしてもう一つ困ったのが目。
まさかそんな風とは思わずゴーグル持ってきたのに着けずにメガネのまま雪原に出てしまい、当然ハードシェルのフードはかぶって出来るだけ風から顔背けるように歩くわけだがそれでも顔面左には雪が吹き付け、メガネの横からも入って左目がたたかれ続けてしまい、途中からなんか雪面もよく見えなくなり、ちょっとした凹凸が見えなくてこれまたスノーシュー引っかかると転ける。
こんな経験初めてだが、そもそもホワイトアウトで目指す晴れてれば見える距離の三ノ丸手前のトイレ兼展望台の建物も見えるはずもなく、スマホのGPSだけを頼りにヨロヨロと進み、なんとか建物の風下に入ったときは助かったと思った。
そこでゴーグル着けようとメガネ外したらなんと凍ってて、そりゃ見えないはずと、でもあんな状況で外して拭いたりザック下ろしてゴーグル出すなど出来ず、マジでやばかったかもと思った。
ゴーグル着けたら一気に見やすくなり、すぐ側の避難小屋に入れるかと移動するが、なんと年末来たときと同じく戸が固着してしまっててびくともせず入れず。
こんな時のための避難小屋なのにと思いながらも外で天気の回復待つわけにもいかず、とりあえず三ノ丸山頂まで行って撤退と決定。
そこでスマホ見るとなんとバッテリー容量20パーセント切り。
慌てて小屋の陰でモバイルバッテリー繋ぐが、これは満充電だとスマホ1.5回くらいは充電出来るはずなのに下山途中気が付くとスマホ50パーセント充電したところで空になってた。
でも帰ってから充電器に繋ぐとなんと7割くらい残ってて、やはりマイナス10度以下になるといろいろ危ないなと。
下りも雪原のトレースは当然消えててスマホの電池大事にしたらさまよいまくったり、森林帯入っても最初はトレース探して右往左往。
見てると森林帯の中でも常に風は吹いてて小さい地吹雪のようにパウダーの新雪が雪面を流れ、踏み跡を見る間に埋めていく。
そうやって凹部分は埋められてくけど凸部分は小さくても埋められにくいようで、ダブルストックで掘り起こした雪の塊が点々と微かに続いていく。
無理して氷ノ山までって時間的にはギリギリ行けたかもしれんけど、帰りはおそらくもうこの点々も埋まってしまっててスマホの電池も切れてただろうと思うと三ノ丸で引き返したのは大正解だった。
その三ノ丸避難小屋で休憩出来ず、おそらく10時前くらいに飯食べてからはほとんど休みもせずに歩き続けてもう力入らなくなったので1073の木に着いたところで新兵器の被るだけのシェルター被ってカップラーメン食べ、最後のスノーシューでは怖い激下りでもひと迷いしながら雪を被ってしまった車に帰り着きました。
一ヶ月ぶりでいきなりこの状態のこのコースは体力的にもきつかったけど、結果的にはいろいろあって充実した山行になりました。
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