太平山


- GPS
- 07:40
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,036m
- 下り
- 1,036m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
標高700mの岩場について。残置トラロープがあるが経年劣化でいつ切れてもおかしくない状態でした。 |
写真
装備
個人装備 |
MSRスノーシュー
軽アイゼン
BD10本爪アイゼン(不使用)
ストック
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
携帯
サングラス
タオル
カメラ
|
---|
感想
秋田市から太平山を望むと
中岳から南西に伸びる稜線が見える。
国土地理院の地図を見ると中岳までの破線もあり
さらに2013年に登った方の記録も見つけた。
自分も行ってみたいと3年ほど前から考えていたが
バックカントリーの時期と重なり忙しいこと、
秋田市の山なので積雪時期が極端に短いこと、
そして何より行く勇気がなかなか持てないことも
これまで実行に移せない要因であった。
そして先日の2月15日は
夕方からどうしても外せない用事があり、
さらに天気は終日快晴予報。
前日までは少し気温も高く、
早朝であれば雪が硬く締まり
雪崩の心配も軽減されると判断し
計画決行を決意した。
日の出から出発しようと5:30には自宅を出発。
金山滝登山口へ続く道の除雪最終地点に車を停めて
ゆっくり準備を始めた
まずは金山滝の対面にある峰の上にある
作業道に上がることが必要。
小さい沢が取り付きに良さそうだったので
軽アイゼンを装着し上がることにした。
笹のヤブは雪に隠れていたが
それほどしっかり積もっている訳でもなく
何度か踏み抜きながらも作業道へ。
スノーシューに履き替え作業道を進むと
大福のように白く丸い丘が見えてきた。
秋田スギの伐採地なのかつるんと開けており
金山滝方面の峰峰が朝日に美しく照らされていた。
スキーが出来そうな斜面に別れを告げて
地図を頼りに小黒沢川方面の作業道まで
薄いヤブを移動する。
しばらくすると大きく下降する斜面に出る。
下をのぞき込むと目的の作業道が見えた。
登山道は巻道となっているが
危険な斜度でもないので直線で降りる。
そしてここから長い作業道歩きが続くが
標高300mあたりの細い尾根が素晴らしい!
左右が切れ落ち少し危険ではあるが
展望が開け中岳まで続く尾根が正面に見える。
自衛隊のレーダー反射板までよく見える。
ここから見える尾根道はかなり急坂に見えて
つい弱気の虫が顔を出すが
勇気を振り絞り、また歩を進める。
ちなみにこのあたりまでは
熊の足跡らしきものはたくさん見たが
以降はカモシカやウサギのみであった。
作業道ということもあり難所は少なくホッとしたが、
くるぶしあたりまで沈む新雪には
ずいぶん体力と時間を削られた。
長い作業道歩きが終わり
400mあたりから杉林を縫うように歩く
本格的な尾根歩きが始まった。
かなり急な部分もあったが
スノーシューとストックで問題なく通過。
ただ進行方向右手には大小の雪庇が出来ており
林を避けて少し右側を歩こうものなら
踏み抜いて穴に落ちるということが数度あった。
最大では胸付近まで一気に落ち
雪庇を踏んだか!と一瞬肝を冷やした。
そんなこともありつつ700m付近の
小黒沢から登ってくる尾根と合流する。
そこからまた少し進むと
前述の過去ログにもあった岩場が見えてきた。
近づくにつれて緊張感が高まる。
垂直に見える岩に雪がつき
両サイドはそれなりの斜度で落ちている。
さらに近づくと黒く汚れたトラロープが付いている
見るからに切れそうな劣化度だ。
地図を見ると左側より巻くようになっているが
ロープを見ると垂直に見える岩の左側に
亀裂のような裂け目がありそこを足場に登るようだ。
スノーシューから軽アイゼンに履き替え
危険なロープを頼りにせず
岩の間や周辺に生える木などを手がかりに登っていく。
ぐいっと身体を岩に乗せ、岩の上の景色を確認すると
岩を起点にできた雪庇が右方向に大きく伸びていた。
岩が最も難所だと思っていたが
この大きな雪庇がやっかい。
パウダーで構成された雪庇に手応えはなく
一歩ずつ奥にある堅雪まで掘り進め、
足がかり手がかりにして登っていった。
最後は全身を使って乗り越えると
それまでの緊張が嘘のような
広いゆるやかな尾根道が待っていた。
ゆったりと右方向にカーブする
中岳稜線までの尾根道は美しく
直下の自衛隊レーダー反射板が
まるでゴールゲートのようだった。
あとは右手に出来た大きな雪庇に近づかず
油断することなく登っていく。
反射板近くになると
左手に三角井戸からの登山道が見え、
チリンチリンと登山者の鈴の音も聞こえた。
久しぶりのひとの気配に安心感を覚えつつ
反射板を間近に見るルートで中岳へ。
11:30中岳山頂到着
5時間もかかってしまった。
中岳から奥岳を望む
いつもながら素晴らしい展望を調味料に
カップヌードルを楽しみ下山。
2時間40分かけて駐車場に戻った。
結論としては行って良かった。
金山滝から女人堂を経由するルートは安全ではあるが
展望がほとんど無く、そこが難点でもあった。
しかしこちらのルートは開けた場所も多くあり、
太平山を楽しむという点ではこちらが上だろう。
700mの岩場だけ気をつければ
冬山に慣れた方で装備もあれば問題ない。
過去ログのように3月の硬く締まった堅雪であれば
足も取られずもっと早い周回も可能だと思う。
すぐに2回目に行きたいということではないが
また行っても良いくらいのルート。
いつものルートに飽きた太平山好きの方なら
いつか挑戦してみてはいかがでしょうか。
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