大洞山と尼ヶ岳周回


- GPS
- 04:54
- 距離
- 8.2km
- 登り
- 745m
- 下り
- 745m
コースタイム
天候 | 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大洞山雄岳から倉骨峠への下り、尾根を離れる地点でルートを外しやすい。 |
その他周辺情報 | 姫石の湯 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
先週末は滋賀・福井県境の百里ヶ岳でイワウチワを愛で、タムシバ咲く明るい尾根道で本格的な春の訪れを体感する山行を楽しんだ。ここから季節の進行は加速度的だ。一週間後にはもう違う花々が咲きだして大わらわとなる。この土曜日も、ちょっと前の天気予報とは違って穏やかな晴天となり、気温は真夏日をうかがうレベルに上昇するだろう。これまで手薄だった三重・奈良県境の山々にこの頃は目が行くようになり、この地域で花の山を探ってみる。すると、かねてから気になっていた大洞山が、意外、と言ってはなんだが花の評判も上々なのだった。特にトウゴ クサバノオがこの時期に見られるというので、ターゲットはおのずとこの山に絞られることになる。
2週間前、車で古光山に向かう途中、西名阪に入り損ねて下道に一旦降りるという失敗をしでかしているので、今回はその轍を踏まずに高速を走ると胸に誓っていたが、なぜかナビは西名阪ではなく南阪奈へと我々を誘導した。この辺の高速道路は名前もややこしいが、そのネットワークがどうなっているのか、接続関係が自分には難解なのである。曽爾村や御杖村への行き帰りでは、ナビも西名阪にするか南阪奈か、悩んでいるのか、その都度、違うことを言ってくる感じだ。まあいい、とにかくナビの言うことに従って登山口に向かうのだった。
去年、学能堂山にベニバ ナヤマシャクヤクを見に行った際、登り始めの林道から大洞山が視界に入り、思わずワッ、とその大きさに驚かされた。この山、登りたい!となったが、同時にありゃ大変だな、と恐れを抱いた。なんせ、大きいし、急峻だ。そこですぐに、何かズルする手はないか、と考え始めたわけだ。地図を見ると、山腹南面を林道(車道?)が横切っている。ほほー、これを使うといいかも。とほくそ笑んだが、その後記録を調べているうちに、東面の大洞山頂直下にキャンプ場があり、その最上部まで車で上がれることを知った。これなら、山頂まで数十分で到達できる!というわけで、今日の車の終点はスカイランドおおぼら、である。例によって狭隘道路だが、舗装状態はいい。DELICAでは車幅いっぱいで対向車の来ないことを祈りつつ、最上部の舗装された駐車スペースに向かう。到着時、登山者の車は一台もなかった。
夏の朝のような空気があたりを覆い、サクラは満開の木々もあって何だか気持ちがいい。やっと新芽を吹いた疎林が広がり、冬季休業から再開する前のキャンプ場は静けさに包まれている。
そんな中を歩き始める。登山口に向かって舗装道路を少し登り、道標に従って植林の下の階段道に入る。急勾配ではあるが整備された道で、これと言って気を惹くものもないから、ただひたすら歩を進める。自然林にかわって眼前が明かるくなると、もう大洞山雌岳の肩である。広々と芝地が続く稜線上から北を見れば、はやりの髪型に刈り込みを入れた雄岳が重量感をもって座している。次はアレに登るんだな、結構大変そう、などと思いつつ、のんびり感あふれる雌岳山頂に寄っていく。
山頂で360度の眺望を味わったら、踵を返して雄岳へと向かう。意外にも緩やかな稜線を辿ると、先の不安とは裏腹の容易さで雄岳山頂に達した。北側に目を向けると、きれいな逆擂鉢状の山がちょっと遠くに見えている。尼ヶ岳だ。あそこに行くのか。結構遠いな。と気合を入れなおす。ここからはしばし下り一方の道である。途中、灌木にべたべたとテープが巻きつけられていて、何かな、とは思ったが深くは追及せずにそのまま尾根をかっ下る。が、それがバカだった。予定ルートはさっきのマーキングのところから右に折れて急な斜面を下っているのだった。気が付いた地点からそのまま尾根を進んでも下を走る林道経由で倉骨峠に行くことができたが、今来過ぎたのはわずかな距離だったので、ここは元に戻って予定ラインに復帰することとした。
倉骨峠は舗装車道の切通となっていて、道路を渡ったのちしばし林道を見下ろす平坦路となり、その後はアップダウンをこなしていく。やがて傾斜が増して急な階段路となり、水平巻き道との分岐を過ぎると自然林下のジグザグの登りとなる。眺望が開け、振り返ると大洞山の雌岳、雄岳が綺麗な山容で横たわっていた。尼ヶ岳の丸い山頂は広々とした芝地となり、三方に眺望が開けている。大洞山の右、少し奥には、倶留尊山が一際目立っている。何基か備えられているベンチに腰掛けて昼食とする。
昼寝でもしたい気分だが、この後、花の探索が待っている。伸びやかな山頂を後にして、倉骨峠近くの巻き道との分岐へと取って返す。巻き道に入るとすぐに石畳が始まる。岩石流がいくつも走る大洞山の東面は苔むした大きな石の世界だ。しかし、苔は乾いてしまっている。ネコノメソウの類やヤマエンゴサクがあちこちで花をつけている。目当てのトウゴ クサバノオは去年氷ノ山で見たサンイ ンシロカネソウの仲間なので、水流のあるところに生えていると想像していたが、ここは水がない。道標には「水場→」と書かれていたので沢があると思っていたが、ないのだ。それでも地面が湿っているところを通過したので、特に注意を払ったところ、それらしき葉が目に留まった。これかも、と思って見まわすと、kinuasaが蕾のついているのがあるわ、という。やっぱりこれかな。早すぎたかな、と言いつつわずかに進むと、小さな黄色い花があちこちに咲いている。発見の瞬間であった。サンイ ンシロカネソウは花が下向きに咲くので写真にとり辛かったが、トウゴ クサバノオは上を向いて咲いている。それでも旨く撮れないのが悲しい。それはそれとして、とにかく今日のミッション、達成だ。
ほとんど全くアップダウンのない巻き道をひたすら進み、キャンプ場の最上部に出ると、登山口横の小広い空き地には車が4,5台停まっていて、この時期、大洞山は人気の高い山なのだということを改めて知ることになる。それにしても、水が涸れているのは地球温暖化の仕業だろうか。この先、トウゴ クサバノオはじめ、この地の植物は生き延びられるのか、思わず不安に襲われる我々なのであった。
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