K2ベースキャンプ＆ゴンゴドロ峠
Doppie
体力度について
- GPS
- 272:22
- 距離
- 150km
- 登り
- 4,050m
- 下り
- 3,945m
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- 山行
- 7:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:50
- 山行
- 2:47
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:47
- 山行
- 6:43
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:43
- 山行
- 3:46
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:46
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:50
- 山行
- 6:51
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:51
- 山行
- 9:41
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:41
- 山行
- 3:09
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:09
- 山行
- 4:09
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:09
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
- 山行
- 6:03
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:03
- 山行
- 6:46
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:46
| 過去天気図（気象庁） | 2024年07月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
写真
イスラマバードで最も大きなファイサル・モスクです。大勢の方がいらっしゃいました。中国人を狙ったテロもあるので警戒していましたが、非常に友好的な方ばかりでした。建物の中も見学させてもらえました。
1
1日目のジョラのテント場。地図上は湖の中だがご覧の通りの平地。風が吹くと猛烈な砂嵐となりテント内まで侵入する。トイレもないので男女問わず草むらで用を足す。
1
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒（保温性）
地図（地形図）
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
カメラ
ポール
テントマット
シェラフ
ヘルメット
ハーネス
ロックカラビナ
カラビナ
スリング
アッセンダー
|
|---|---|
| 共同装備 |
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
|
感想
※YAMAPとほぼ同様の投稿です。
※初日のアスコリ〜ジョラのデータが消えてしまい2日目からのデータになります。
昨年のエベレスト街道に引き続き、8000m峰を間近で見るための長期トレッキングに挑戦。エベレスト街道は現地ガイドと2人の登山になったが、こちらは個人単位での参加は難しいようで、グループツアーに申し込んだ。
日本の会社か現地の会社のどちらを利用するかでトレッキングの雰囲気が全く異なるが、既にエベレスト街道の経験もあったため今回は現地のTrango Adventureを利用した。
日本の会社を利用する場合、グループ全員が日本人なので、英語を話さずに済むことはかなりのメリットとなる。現地の会社に申し込むと多国籍のグループとなり、同じメンバーで2週間行動を共にすることになるが、基本的に会話は全て英語となる。英語が苦手でコミュニケーションが取れないと中々に辛い思いをする。自分は会話の3割を理解できる程度。
また、食事の内容も大きく異なる。現地の会社だと、カレー、チャパティ(薄いナンのようなもの)などの現地の料理が連日提供される。メンバーの一人が誕生日の時はケーキを作ってくれることもあり、スパゲティなどの洋食が食べれることもある。
一方日本の会社だと毎日日本食が食べられる(米も日本から輸入)らしい。ちらし寿司も食べられるとの噂。現地の食事が口に合わなかったり、高山病で食欲を失うこともあるので、非常に大事なポイントとなる。やはり日本人にとって現地の料理が口に合わない可能性は少なくない印象。
日本の会社のデメリットとしては、現地の会社に比べ2，3倍と高額な費用がかかること、60代前後の参加者が多く、若い人には雰囲気や歩くペースが合わない可能性がある。また多国籍のグループならではの異文化交流も味わうことは出来ない。逆に女性、中高年、食事の懸念が強い方は日本の会社のメリットが大きくなる。(差別と言われかねないが、やはり文化的影響で若年女性が嫌な思いをする可能性があるのは間違いない。日本の会社を利用しても現地住民がスタッフとなる点は変わらないが、相談はしやすいだろう)
自分のグループは、大半のスタッフやメンバーが親切で、英語が苦手でも積極的にフォローしてるので現地の会社に申し込んで良かった。さぼったり問題を起こすスタッフも居なくはなかったが、基本的に大きなトラブルは無かった。メインガイドはスカルドゥ出身でモンゴロイド系のためなんとなく日本人にも親しみやすく、実際に西〇旅行のガイドもしていたそう。
とあるフランス人の団体が、グループが分裂する程に揉めた話を聞いて、他人事で良かったと思えた。
また、いずれの場合も毎日必ずテント泊となる。設営などはポーターが行ってくれる。充電設備はほとんどないので大きめのソーラーパネル持参推奨。インターネットは現地のSIMカードを購入していればゴロ��〜コンコルディア周辺のみ辛うじて利用可能。それ以外は利用不可。自分はその間ガイドにテザリングをお願いして最低限のメールの確認のみ行った。
ここから具体的な現地の話を始める。だが、トレッキング開始前に非常に大きな失敗を犯した。首都イスラマバードを観光中、現地の人が搾りたてのさとうきびジュースをくれたのたが、どうもこれが汚染されていたようで、後々大変な症状を引き起こす。
イスラマバードから拠点となる町のスカルドゥまでは飛行機で移動、途中ナンガパルバットが綺麗に見れた。スカルドゥに到着後、高度順応も兼ねて近くの城跡などを観光。そしてメンバー全員が合流。ドイツ、オーストリア、スイス、チェコ、オーストラリア、現地のパキスタンと多国籍のグループとなった。登山未経験から歴戦の猛者のような熟練者まで、個性豊かなメンバーだった。それに加え、グループには100カ国以上の探訪歴のある日本人がもう一人おり心強かった。
スカルドゥ到着の夜から消化器症状に見舞われたが、 この時点では高山病、慣れない食事、疲れなどが原因と考えていた。翌日はトレッキングの起点となるアスコリまで車で6時間ほどかけて移動。ここからテント泊開始。基本は2人用テントだが、追加料金を払って1人用に変更する人が多かった。自分は追加料金は払っていなかったが、幸いテントが余っていたので、気を利かせてくれたガイドが体調が悪い間は1人用に泊まらせてくれた。この頃ようやくさとうきびジュースの食中毒の可能性に気付いたが今更どうしようもなく、トレッキングを中止しようかと悩むぐらいには症状が酷かった。
翌朝からいよいよトレッキング開始。朝の集合写真の撮影だけでもしんどかったが、それでも昨日よりは回復傾向だったので様子を見ながら進むことに。道はしっかり整備されており、難所という難所はない。一方でまず驚かされたのが欧米人の歩く速さ。自分の体調不良の影響もあるが、体調が良くても決して追い付けないと思われた。日本だとトレランなどに参加しているようなガチ勢が、このグループの標準となった。
次に驚いたのが、飲用水、調理用の水などが全て濁った川の水を煮沸しただけだったこと。現地の人は煮沸すらせずに飲んでいた。一応濾過フィルターは持って行っていたが、結局毎食の調理にもその水が使われ、避けられないので諦めた。更にトイレ事情も非常に悪い。初日のテント場には全くトイレがなく、女性を含めて野外で用を足すしか無かった。翌日以降はテント場にはトイレテントがあるものの、ハエがたかって不潔、鍵がかからない、外から丸見えで問題だらけだった。当然女性の参加者は苦い思いをしていた。また、衛生事情が悪く下痢になる人も多かったので、野外で用を足さざるを得ないことも多かった。自分も激しい下痢は3日程で治まったが、それからも慢性的に便の緩い状態が続いた。テント場や道沿いで人糞を見かけることは少ないが荷運び用のラバなどの糞は至る所に落ちていて、更に衛生的に気になった。
あと、標高が高く夜の冷え込みは強い一方、日中は連日南国の灼熱の陽光が降り注ぎ、地面からも照り返しの熱線が浴びせられ、相当体力を奪われた。もう一人の日本人の方が持って来ていた日傘は変わった目で見られていたがとても有効だった。
トレッキングの話に戻ると、初日のジョラ、2日目のパイジュまではアップダウンは少なめで、暑さ、速さ、体調不良を除けば大きな問題は無かった。ブロードピークも一瞬顔を覗かせていた。ただ他にも消化器症状を訴える参加者が出たため、予定より2日速くパイジュで高度順応を行った。パイジュは大きなキャンプ地で1000ルピーで1.5Lのコカコーラも買えた。
高度順応日はパイジュピークのベースキャンプまでの道をトレッキングしたが、意外と標高差があり軽度の高山病症状を訴える人もいた。ただ、基本的には毎日少しずつ標高を上げていくので、高度順応に関してはエベレスト街道などに比べても問題とならない印象。
その翌日からはいよいよ氷河上の歩行を開始。氷河と言ってもツルツルの氷の上を歩くことは少なく、大小の石が混ざったザレ場のような場所が続く。地図では表し切れない小さなアップダウンが続き、思った以上に体力を消費した。
以降大きなキャンプ地のコンコルディアまでは似たような道が続いた。
途中、マッシャーブルムやクライミングの聖地のトランゴタワーなど名峰を通過し、ガッシャーブルム�犬筌屮蹇璽疋圈璽�が徐々に近付いて来る光景は壮観である。また、コンコルディアに辿り着いた者だけが見れるK2の姿は格別。ここまでチーム全員が脱落せずにその感動を分かち合うことができた。
だが残念なことに、この少し前のウルドゥカスのあたりで何台かのヘリコプターが通過するのを目撃し、日本人2名がK2で遭難したとのニュースをガイドから耳にした。その直後に2名の日本人が登頂に成功したとの情報も得たが、この時点ではネットも満足に繋がらず詳細を知る者は皆無であったため、現地の情報が錯綜しているものと考えていた。
だが数日後にその両方が真実であることが判明した。自分がコンコルディアからK2ベースキャンプに向かった7月31日、およそ2週間ぶりに新たな日本人と何人も遭遇したのである。それは表情を暗くした取材班の方々であったり、登頂後にシェルパを引き連れて下山するクライマーの姿であった。彼らは皆別々に行動しており、各々に話しかけてようやく全貌が理解できた。複雑な状況でありかけるべき言葉にも悩んだが、K2登頂者の日本人に現地で2人も出会えたことはこれ以上ない経験となった。そのうちの一人、日本人女性初の8000m峰を完全制覇した渡邊さんとは後日講演会でお会いすることが出来た。大変面白いので興味のある方は是非。
さて、K2ベースキャンプの外れには、ここで命を落とした登山者たちを追悼する慰霊の場が作られている。斜面の上に作られた狭いスペースだが、亡くなった仲間を偲んで記念プレートなどが捧げられており、訪れる人々にとって静かで厳かな空間となっていた。自分が足を運んだ時には早くも遭難した2人に対するメッセージプレートが掲げられており、自分も祈りを捧げた。
コンコルディアに戻ってからは標高約5600mのゴンゴドロ峠を経由して周回ルートで下山するグループと、元来た道を戻って往復するグループとに別れた。日本の会社ではゴンゴドロ峠を通れるツアーを組むところは少ないが、自分のグループだけでなく別のグループを見渡してもその大半がその難関の峠を目指していた。
自分のグループは元々後者の予定を組んでいたのはもう一人の日本人の方だけたったが、その前から体調不良を訴えていた別の1名もゴンゴドラ峠は諦め、また、近くの6000メートル級の山の登頂を目指す方もここでお別れすることとなった。
ゴンゴドロ峠登頂の起点となるアリキャンプまでの道は氷河歩きで難しい箇所はない。ただ最近、はっきりと視認できるクレバスに不注意で落ちたポーターがいたという怖い話を聞いたため油断はできない。また、動物は峠を越えることが出来ないので、今まで彼らに運搬を任せていたテントなどはこことでは使えない。その結果、アリキャンプではまさかのダイニングテントで8人で雑魚寝することとなった。いずれにしろ午後11時起床なのであまり眠れないが...
また、アリキャンプでは入念な装備のチェックがある。一応道具は全て揃えていたが、ハーネス、ユマールなどはほとんど使用経験が無く、しっかり使い方を確認した。
さて、いよいよ登頂当日、予定通り午後11時に起床。自分を含めたメンバーの何人かは下痢に悩まされているが、幸いにも登れない程の不調はない。寒さに備え入念に着込んでいたが、この日は気温が高くすぐに汗だくとなったため出発早々にインナーウェアを脱ぎ捨てた。しかし1,2時間程度で氷河に差し掛かると急に気温が低下し再度着込んだ。
元々自分のグループは各々のペースで歩くため先頭と最後尾では1時間以上差がつくことも珍しくなかったが、あたりは真っ暗でヘッドライトの明かりしか見えないためメンバーがどのあたりまで進んでいるのか皆目見当がつかない。後ろには少数の明かりしかなく、最後尾付近にいる可能性は高かったものの急いでも仕方ないので一定のペースを心掛ける。途中で何人かのメンバーとすれ違い健闘を祈りながら、別の中国人グループの集団に追い付いた。
次第に急勾配となり、アイゼンを装着して、ロープが設営された箇所をユマールを使って登り始めた。技術的な難度は感じなかったが、中国人の集団を掻き分けながら登る羽目になりどうしてもペースを乱されてしまった。ただ途中で落として回収困難となったストックを拾い上げてくれたため後で深く感謝した。ひたすら無心に登っているとちょうど日の出前に登頂した。じっとしていると体の芯から冷えるため、無理して早く登らないで正解だった。
ゴンゴドロ峠はK2,ブロードピーク、ガッシャーブルム��,�兇�4つの8000m級の山を一度に拝められる世界でも希少な場所。この日は快晴でその全貌を眺められ、メンバー全員と喜びを分かち合えて最高の思い出となった。
ただ、ゴンゴドラ峠の本当の難所はこれからの下りであった。かなりの急勾配を設置されたロープにカラビナをかけながら下るが、ロープは適切に張られているとは言い難い。片側がぶらんぶらんになっていてカラビナをかける意味がなかったりする。
自分を含めてクライミング未経験者が多いのでかなり危険な状況だった。会社側から事前の説明もなし。しかもこの日は複数いた中国人のグループが渋滞を作り頂上付近で1時間近く待ち時間が発生し、集中力まで切れてしまった。他の参加者に助けてもらいながらただひたすら危険箇所を乗り越えて、その後は氷河上のモレーンをひたすら下った。誰も怪我しなかったのが奇跡のように感じる。
行動時間は12時間を超えたが、疲労は限界と言うほどでもなく、標高4800m程度まで降下すると植生豊かな緑の景色が広がり、やがて川辺のキャンプ地まで辿り着いた。皆ヘロヘロかと思ったら案外そうでもなく、少し仮眠を取ってからは雑談で盛り上がった。それと同時にこのグループにも別れの時間が迫っているのを感じ始めた。
残り2日は下り基調であり、特に何事もなく歩みを進めた。最後に宿泊したサイチョは大きなキャンプ地でコーラも購入出来る。サイチョ付近では時間つぶしのためK6,K7方面に通じる道を半日だけトレッキングした。
最終日、出発してすぐの箇所で橋が崩落していたためワイヤーに吊るされた小さなリフトで人も荷物も運ばれた。川は激流で荷台も不安定なので相当スリリングだった。
最終目的地のフシェで一晩を過ごし、翌日ジープを6時間ほど走らせてスカルドゥまで戻った。予備日も含めて2日ほど現地に滞在しメンバーと共に観光、食事をしてからイスラマバード経由で帰国した。地方都市ではあるが観光客も多いため変に擦れた人が少なく過ごしやすかった。
2週間のトレッキングを振り返ると、天気やグループのメンバーには非常に恵まれていたと感じた。正直英語は苦手で会話の半分も理解できなかったが、皆親切で冗談を言い合い励まし合いながら全ての行程を終えられた。
ポーターやコックも概ね良く働いてくれていたが、後半別行動となった日本人の方に話を聞くと、メインガイドの監視から外れるとどうしても問題を起こすようである。
中国人、台湾人、韓国人などはたくさん出くわした(しかも若年層中心)が、日本人は同じグループの方とK2登頂を果たされた方々以外には一切会うことはなく、日本人の旅行離れの印象を受けた。
過酷な旅となったがこれを糧に更なる経験を積みたい。
こっそり拍手
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