大毛無山〜不動山 (熊と遭遇)


- GPS
- 09:55
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,316m
- 下り
- 1,320m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
・林道大毛無線は駐車地点の先まで除雪されており進入できたが、6/9〜10/11まで道路復旧工事のため車両通行止の看板あり ・地形図の不動山の登山道(破線)の位置がGPSログと比較して多少ズレている。 ・熊出没注意!(雪渓の沢周辺) ⇒ 熊との遭遇記(感想に掲載) |
写真
装備
個人装備 |
アイゼン サングラス
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感想
大毛無山は日本海からの季節風で毎冬10m近い降雪があり、その恵みは麓の田畑やスキー場に恩恵をもたらしている。また大毛無山には熊野修験の信仰があり、古来は「おほけなし山」(恐れ多いほど尊い山)と呼ばれており、それが山名由来となっている。山頂部は毎年6月末ごろまで積雪が残り多様な高山植物が楽しめ、雄大な頚城三山を望める好展望地になっている。
不動山は知名度は低いが「新潟100名山」の一座で上越市の最高峰(1430m)でもある。登山道にアクセスする南葉山林道は災害により長期にわたり閉鎖中であり、上越市名立区側、妙高市側のどちらからも遠く孤高の存在となっている。またどの方角からも端正な三角錐をした山容は魅力的である。山頂には日本武尊を祀る祠があり雨乞いの儀式が行われた伝説が残っている。
今回は梅雨入り前の賞味期限前の残雪を利用できる最後のチャンス、残雪を拾いながら大毛無山の南西尾根、悪水乗越を経由して不動山を往復してみた。
大毛無山から1336mまでは高低差が少ないが、数か所で大きく残雪が切れており、根曲がり竹の薮こぎや急雪渓の登下降を強いられた。1336m平頂から悪水乗越までは薮と残雪の割合が半々程度の緩降。悪水乗越手前からは不動山登山道(トラバースコース)が合流し、通常の登山道並みになるが、山頂までは息をつく間もないほどの350mの急登が続き気が抜けない。それでも足元に咲く多様な初夏の花々に癒される。登山道の真ん中にコバイケイソウやヤグルマソウがあったり、入山者を感じさせない静かな雰囲気も魅力的。刈払われた不動山の山頂広場からは荒々しい妙高山・火打山北面が迫るようで、他に焼山、海谷山塊、容雅山なども望まれた。
----------------------------熊遭遇記-----------------------------
斜度が緩むまであと50m地点、ヒィーヒィーと急な雪渓を膳棚リフト頂上駅を目指して登っていた。左下方から、何の前触れもなく荒い鼻息、サクッ、サクッと雪渓を蹴る爪の音が聞こえてきた。顔を上げると体長1m弱の熊が左からこちらへ突進している。既に自分との距離は僅か3mしかない、万事休すか。慌てる間もなく持っていたストックを熊の方に突き出すので精一杯だった。熊は自分の下方50cmを勢いよく通り過ぎ、右側の茂みに飛び込み静止した....とりあえず、助かった〜!
しかし、まだ熊はこちらを睨みつけている、いつ襲いかかってきても不思議ではない。渾身の力を振り絞り雪渓を駆け上がった。無我夢中で30mほど登り振り返ってみると、雪渓の中央に熊が出てきているではないか。どうも熊の縄張りにおじゃましたようだ。その後は、熊と遭遇することもなく無事に山行を終えることが出来た。改めて、今回の現場が急な雪渓であり、もしバランスを崩して滑落しても、ただでは済まなかっただろうと思う。本当に危機一髪だった。
前回の熊遭遇記録(2017年の5月下旬)
会越、下田、川内山塊が接する秘境の薮山、駒形山(1072m)に訪れた、下山時のことだった。残雪と薮の混在する尾根筋(たまたま獣道上)で休憩中に、獣道の後方から熊がゆっくりと歩いてきた。体長は1.5m、熊との距離は10m程度だが、迫力は今回の比ではない。お互いに目が合うと、すぐに熊は威嚇するようにこちらへ走し出してきた。自分は飲みかけのカップを放り投げすぐに立ち上がった。その時、既に熊との距離は2mを切っていた。何も考える間もなく熊と反対側の藪に飛び込むのが精一杯だった。全く背後から襲われていても不思議のない状況だった。が、気が付くと自分の身に何も起きていなかった。薮の中からそっと振り返ってみる、周囲は静まり返り、熊の姿はどこにもなかった。飛び込んだ際の大きな音で、驚いて逃げたのかもしれない。熊も突然遭遇した人間が怖かったのかもしれない。良く対処法で「熊に背中を見せずに後ずさりせよ」と言われるが、至近距離での遭遇では逃げるだけで精いっぱいだと思う。幸い被害は薮に飛び込んだ際の軽い打撲だけ、その後は熊と遭遇することもなく無事に下山できた。
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