三ノ沢から三ノ峰


- GPS
- 06:14
- 距離
- 7.1km
- 登り
- 798m
- 下り
- 797m
コースタイム
- 山行
- 5:16
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 6:15
天候 | 曇時々晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ガレ上部から稜線、滑落転落要注意 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
先週、今年初の大山だった。木谷口からキリン峠東の草付き上部に上がり、鳥越峠経由で周回したが、期待通りの花と眺望を堪能することができた。あのアルペンな雰囲気は西日本では大山にしかない。そしてこの暑さ、高山のない西日本では最高点で1700mを越える大山に避暑登山というのもいい選択だろう。そんな癖になる大山、やはりまた登りたくなったというわけで、今回は三ノ沢から三ノ峰に照準を合わせる。昨年も同じく三ノ峰に登っているので、今回は少し先まで足を延ばすか、槍ヶ峰の山頂を踏むか、少し色を付けたいと思いつつ、まずは三ノ峰だ。
中国道・米子道とつないで蒜山ICを目指すが、これが長い。てんくらでは一日中「A」で大山町の天気は終日「曇」となっている。だが、蒜山ICでは霧雨が降っており、肌寒い空気が漂っている。大丈夫かなー、と不安を抱きつつ下道に降りると、ここは雨の気配はない。いつも正面に見える烏ヶ山はしかし、すっかりガスに包まれて全く見えない。大山観光道路に入って車を走らせる。幸い雨滴は落ちてはこず、木谷口を過ぎて鍵掛峠の駐車場に到着。道路は相変わらずこの先で閉鎖になったままだ。普段なら正面に見事な大山連峰を拝むことのできる展望地であるが、今日は白い世界。山は全く見えない。気象協会の予報では10時からは晴ということになっているので、都合よく解釈する癖のあるasakinuは三ノ沢の炎熱地獄の作業道を登る間は陽射しなし、稜線近くまでいったらすっきり晴れ上がる、というシナリオを描いて三ノ沢橋へと車道を歩くのだった。ところが!だ、三ノ沢橋に着くかつかないかのその時、周囲を覆っていた雲がたちまちのうちに消え去って青空の広がる空間からお日様がさんさんと降り注ぎ始めたのだ。あの炎熱地獄の作業道登りが始まった。作業道が終わって山道に入る頃にはもうばてそう。
堰堤上で左岸に渡り、そのまま左岸の灌木中の踏み跡を辿る。前回、間違えて文鳥水尾根方向に登りそうになった地点に注意を払い、そこから一旦三ノ沢のゴーロに降りて次の堰堤を左(右岸)から越える。ここが堰堤側壁のロープ場である。これを越えると広いガレへと導かれる。山々は再びガスに覆われ始めていた。ここで、すでに剣ヶ峰から下山中の観察指導員の方たち2名と出会って立ち話をする。午後は雷の恐れがあるから3時ごろから登ってすぐくだってくる、とのことで、さらに今から尾根を巻いて二ノ沢に向かうとのことであった。我々はここからガレ登りとなる。単独行の方とすれ違いざまに状況をお聞きする。さらに進んで傾斜が増してくるあたりで、古くからの道は右に灌木中に続き、左のガレには別のトレースが見えている。我々は昨年通り右の古い道に入る。この先、急傾斜地は泥の崩壊箇所となっているのだが、登山による崩壊の進行に加え、手掛かりとして引っ張られた木々が次々と抜けかかって、確かなホールドが乏しくなっている。かなり厄介な登りとなり、来年はもう登れないかも、と思う。この厄介な登りをだましだまし乗り越えて進むと、ザレをまっすぐに登ってくる「道」とは思えぬ道と合流する。ここで4人の若者パーティーとすれ違う。この先、ガレ横の急斜面を足元を確認しながらまっすぐに登ると、このコース唯一のロープ場となる。これを越えると二か所ほどガレ上の崩壊気味の地点を通って、いよいよ槍ヶ峰下の岩の殿堂に入っていく。この辺り、三ノ沢の源頭の一つとなっており、水はないがやや湿っぽく、小さなお花畑になっている。ここで一息入れていると、単独行の男性が登ってこられた。この辺りキリン峠方向へのバイパスとなる踏み跡が2,3あり、三ノ峰への道は左へ、雨後の流水や雪に削られたへこみを渡り西に向かっている。このトラバースをこなすとすぐに槍ヶ峰下の稜線の鞍部に出る。見上げると、先の単独行の方が、槍ヶ峰のてっぺんに立っておられた。我々はそのまま三ノ峰に登頂した。ここは珍しくやや広い頂である。腰を下ろして簡単な昼食をとる。しかし、今回も剣ヶ峰はおろか、周りの山々はことごとくガスに隠れて見えない。
食後、とにかく少しでも剣ヶ峰方向に行ってみようと、縦走路を西に下ってみる。わずか10mかそこらで直下の小鞍部に達したが、なんだかすでに疲れていて集中力が低下している感があり、天気も不安なところがあって、あっさりとここで引き返すことにした。だが、この往復20mほどの「無駄足」が幸運をもたらした。三ノ峰の山頂に戻ると時を同じくして、周りを支配していた白いガスがさっと消滅し、剣ヶ峰がその立派な山容を顕したのだ。山頂のモチーフも視認できる。これはラッキーとばかり、写真にその姿を収めるのに余念のない我々である。
ひとしきり写真を撮って気分を良くしての下山開始だ。登りでも気を使ったあの道を下るとなると、気を引き締めてかからねばなるまい。一歩一歩慎重に下っていく。天気は一段と良くなってゆき、見上げる剣ヶ峰は青空を背景に輝かしい。その左肩辺りに端正な姿の尖峰が姿を見せる。あれはたぶん弥山なのだろう。登りで苦労した旧ルートをとらず、急なガレをまっすぐに下る踏み跡を試してみる。この石ザレ下りも骨が折れるが、滑落の危険は少ないだろう。途中、黒い雲があらわれて不安になるも、雷雨にまみれることもなく無事、三ノ沢橋に降り立った。見返すと、先ほど自分の足で踏んだ三ノ峰のピークが、槍ヶ峰と並んでちょこんと天高く聳えているのだった。よくもあんなところに、と感心しながら、車道を鍵掛峠へと向かう我々である。さあ、また道の駅風の家で、スイカとトウモロコシを買って帰るんだ、と張り切るkinuasa。今日も充実の山行だった。
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