兵庫県宍粟市 笛石山〜後山〜おごしき山〜河久保山 作業道プチ冒険
兵庫県
岡山県
Machapuchare
その他1人 
体力度について
- GPS
- 07:21
- 距離
- 10.7km
- 登り
- 1,208m
- 下り
- 1,208m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:24
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 7:20
歩行距離10.5km、歩行時間6時間30分、歩行数23,300歩、消費カロリー1,930Kcal
| 天候 | 曇り後晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
河久保山＜写真47＞から出発点の松の木公園駐車場までの尾根は、作業道により一部歩けない箇所がありました。崩れやすい斜面を数mトラバースしましたが、数m下の谷に滑落するとシャレにならないのでおすすめしません。河久保山すぐ東から北東に延びる尾根上に水色のテープが続いているので、そちらは下りられるかもしれません。 後山南尾根及び東北東尾根は、一部ササがかぶさってくる箇所があります。かき分けるのは3m程ですみます。また、ツキノワグマの糞＜写真32＞がありました。 松の木公園に下りる直前は、標高450mを切ると、尾根の少し左（東）寄りを心掛けながら下ったほうがいいです。標高420m辺りに朝来電力所の発電用水路があり、階段が下まで続いていますが、フェンスで囲まれた立ち入り禁止区域の中なので、フェンス沿いに迂回しました。 松の木公園駐車場から笛石山＜写真22＞を経てハサミ岩＜写真30＞までは、渡渉点を見落としたらしく、一部道から逸れた箇所があります。 松の木公園駐車場からしばらくはコンクリート道です。鉈取（なたとり）淵＜写真11＞の橋を渡ると登山口の道標があり、そこから土の細道が始まります。 標高450m辺りで渡渉点を見落としたらしく、すぐに道が不明瞭になりました。引き返せばよかったのですがそのまま進んでしまい、気づけば沢を左下に見下ろしながら崩れやすい斜面を歩いていました。振り返ると対岸にピンクテープが見えたので、そこが見落とした渡渉点だったのかもしれません。水深1cm程で小石がゴロゴロした幅2m程の沢を渡るとすぐ標高460m辺りで道に出合いました。地形図の破線の道よりも北側をキープしなければならなかったようです。 ここからしばらくは明瞭な細道で、オトギリソウ＜写真16＞撮影地点辺りからシダやアセビの間の細道が断続的に続きました。脚に当たりますが足元は見えます。標高810〜840m辺りだったでしょうか、ガレ場ですが6年前よりもずいぶん小石が減って歩きやすくなっているように思いました。 標高850mの道標で猫石＜写真17〜20＞に向かう細道に入りました。猫石の南斜面は低いシダが茂って崩れやすいですが、細い踏み跡があっちこっちにあり、以前よりも歩きやすくなっていました。 猫石＜写真17〜20＞から少し引き返し笛石山の道標から最初は崩れやすい斜面で道が不明瞭ですが、どこでも歩けます。標高870mを過ぎると明瞭な踏み跡を辿って笛石山＜写真22＞に到着しました。 笛石山＜写真22＞からハサミ岩＜写真30＞までは松やアセビが脚に当たる細道が断続的に続きます。足元はギリギリ見えます。また、巻き道のある岩場が点在しています。標高1,008m地点のすぐ北で茂みの右（東）にある水色のテープにつられかけましたが、不明瞭なので引き返して左（西）のピンクテープのほうに進みました。 ハサミ岩＜写真30＞から後山頂上＜写真33〜38＞を経ておごしき山頂上＜写真42＞までは、一部ササがかぶさってくる箇所があります。また、ツキノワグマの糞＜写真32＞がありました。 ハサミ岩＜写真30＞から笛石山＆おごしき山分岐までは、アセビなどが脚に当たる細道が断続的に続きます。足元はギリギリ見えます。 笛石山＆おごしき山分岐からは高さ10〜60cmのササが脚に当たる細道になりますが、足元は見えます。上乢（かみだわ）＆笛石山分岐（1253m峰）を過ぎ、行者コース分岐すぐ北のアキアカネ＜写真31＞撮影地点辺りからササは高さ1mを超え、次第にかぶさってくるようになりました。かき分けながら歩くのは3m程ですみました。 後山頂上＜写真33〜38＞からすぐのおごしきコース道標＜写真39＞から同コースに入ると、再び高さ10〜60cmのササが脚に当たる細道になりますが、足元は見えます。そのうちに高さ1mを超えるササが左肩に当たる細道になりました。右（南）側は斜面です。距離は数m程ですみ、標高1,280m辺りからマシになり、そのうちササはなくなり歩きやすくなりました。岩場を越えるとすぐおごしき山頂上＜写真42＞に着きました。 おごしき山頂上＜写真42＞から河久保山＜写真47＞を経て松の木公園駐車場までは、作業道により一部尾根上を歩けず、崩れやすい斜面を数mトラバースしましたが、数m下の谷に滑落するとシャレにならないのでおすすめしません。河久保山すぐ東から北東に延びる尾根上に水色のテープが続いているので、そちらは下りられるかもしれません。 おごしき山頂上＜写真42＞から細道を辿ると、標高1,060m辺りで地形図の破線の道は南方面に延びており、そちらに道標があります。しかし、今回は東尾根を下ることにしました。GPSを持った連れは杉の左を巻いて北東に進みかけましたが、杉の右側にも踏み跡があるので、戻ってきました。右側が正解で、すぐに青やピンクのテープが現れました。踏み跡はあったりなかったりですが、境界標柱やピンクや水色のテープが断続的にあり、尾根上をどこでも歩けます。河久保山＜写真47＞西尾根は一部急斜面でした。 河久保山＜写真47＞を過ぎると、尾根は北東と南東の二手に分かれます。どちらにも水色のテープが続いており、北東に進みかけて南東に戻りました。北東尾根のほうが若干きれいに見えたので、最近はそちらのほうが歩かれているのかもしれません。南東尾根に入ると、今までの尾根よりも少し荒れ気味の感じがしました。 標高700mを切ると、作業道が尾根を横断するように延びて段差ができていたので、南西に進んで踏み跡から作業道に下りました。踏み跡を辿って作業道を横断しましたが、標高680m辺りで再び作業道に下りました。尾根のすぐ下を並行していたのでそのまま作業道を進みましたが、標高650mを切ると前方は伐採された木を積み上げて進める状態ではなく、作業道は左折し北東方向に延びていました。 標高630m辺りはT字路で、右折するとほどなく北東に延びる道との分岐がありましたが直進、尾根上標高640m辺りの東で突然作業道は終わりました。 作業道終点から西の尾根、東の谷、どちらに進むにも崩れやすい急斜面なので、そのまま直進（トラバース）しました。幸い、踏み跡が見つかりましたが、連れは気づかなかったようで、足元に落ちたピンクテープを見ながら何度も滑りかけました。標高620m辺りで尾根に戻れましたが、踏み跡に気づかなければ滑落の危険があるので、ここはおすすめしません。トラバース区間は標高615m前後で距離は数mでした。GPSのログが細かくジグザグに乱れているのでわかりやすいと思います。 ここからの尾根上は小石が転がっているなど今までの尾根よりも多少歩きにくさはありますが普通に歩け、テープもあったように思います。標高450m辺りまでは尾根上キープで大丈夫です。 標高450mを切ると、尾根の少し左（東）寄りを心掛けながら下ったほうがいいです。標高420m辺りに朝来電力所の発電用水路があり、今回はその真上に出てしまいました。階段が下まで続いていますが、フェンスで囲まれた立ち入り禁止区域の中なので、フェンス沿いに迂回しました。連れによれば、この手前から細道が見えていたそうですが、またしばらく尾根上を下り、最後は踏み固められた細道をジグザグに辿ると、コンクリート道に下りた箇所には地面に近い所にピンクテープがありました。 |
| その他周辺情報 | 松の木公園＜写真01〜03＞内に行者霊水があります。後山の麓、地下26mから湧出している名水で、30リットル100円で給水できます。 |
写真
02平成之大馬鹿門登山口…登山口の道標の平成之大馬鹿門は、おごしき山＜写真42＞にあり、途中の道標では「おごしき」、「平成之大馬鹿門」の二通りの表記があります。
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03大馬鹿之和（おおばかのわ）…平成之大馬鹿門＜写真42＞の作者空充秋（そらみつあき）氏により平成9年に制作されました。氏の作品は宍粟（しそう）市千種（ちくさ）町内にたくさんあります。
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04西大峰鳥居…後山は西の大峰とも呼ばれ、板馬見（いたばみ）渓谷の延長上の谷にある行者コースには行場があります。ここをくぐりしばらくはコンクリート道を歩きます。
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08霊浄水…不動明王のお堂＜写真07＞すぐ手前右側です。水は常時たまっていますが、一滴ずつポタポタ落ちているのを見たのは初めてのような気がします。撮影後はトタンのふたを元通りにかぶせました。
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11鉈取（なたとり）淵…橋の上から右側に見えます。この橋を渡ると笛石山登山口の道標があり、土の細道が始まります。今回撮影した滝の中で唯一、公式に名前がついています。ここに鉈（なた）を落としてしまった女性が義母に責められ身を投げたという伝説があります。
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14ツノホコリの仲間…直径0.5〜1cmの白い塊をズームしてみました。キノコではなく、粘菌の一種です。粘菌は動物のように動きまわり、静止して胞子を飛ばして増える単細胞生物です。
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15コテングタケモドキ？…カサの直径は10cm程で表側に条線はなく、つぼとつばがありました。また、カサの縁に白い膜片が付着していました。コテングタケモドキでしょうか。
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17猫石北側面…細道を辿ると不意に現れます。笛石山頂上＜写真22＞はあまり展望が効かないので、いつもここで景色を楽しみながら休憩します。てっぺんはもちろん、見えていない一段下＜写真18＞にも座れます。
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18猫石越しに上谷山＆千種町…南方面がよく見えます。連れ越しに正面手前が標高534.3m「西山」、その左は河呂地区、左端が標高783.7m「宗山」、その手前は岩野辺地区で右が上谷山、中央奥は標高742.5m「大鳴山」、その右は室地区で手前が西山地区、さらに右は標高856.9m「室」、右端は日名倉山（ひなくらさん）ですが、頂上はギリギリ見えていないかもしれません。動画も撮りました。
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19猫石より宍粟市立千種中学校＆北側の田んぼ…南南東方面です。中央奥は宍粟（しそう）市立千種（ちくさ）中学校、その手前の田んぼが青々としてきれいでした。
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20猫石見上げて…シダに覆われた崩れやすい斜面を少し下りて猫石を南西から見ると、ネコが寝ている後ろ姿に見えます。ちゃんと三角の耳が2つあり、丸い背中がキュートです。動画も撮りました。ちなみに、南東から見ると、猫の正面顔のように見えます。
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21リョウブ…笛石山頂上に1本だけあり咲き始めでした。直径1cm程の花は長い花穂の付け根から次第に咲きます。いい香りがしますし、この時期に白い花穂はよく目立つのですぐに気づきます。2週間程前から山に行くたびにつぼみを見かけ、ずっと楽しみにしていました。動画も撮りました。
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22笛石山頂上…標高894.2mの頂上三角点です。周辺は開けており空は見えますが、木立で展望が効かなくなっていました。周辺を動画にも撮りました。山名は悲しい史実に基づいてつけられました。落城した長水城の城主・宇野政頼らは秀吉軍に追われ河呂に至りました。美作の竹田城城主・新免伊賀守の援軍の到着を知らせる笛の音が対岸の大岩から聞こえてきたのを敵方のものと勘違いし、押し寄せる敵中へ斬り込み自刃したといいます。以来、この山を「笛石」と呼ぶようになったそうです。
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23展望岩場…ここまで行く必要はないのですが、地籍調査のテープはここまであります。北西方面が見えますが、このときはガスって展望はいまいちでした。今回は岩の上には上がらず、岩越しに動画も撮りました。
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25ロープ場…岩場にはたいてい巻き道がありますが、ここはありません。いつの間にかロープが設置されていました。後ろ向きなら連れでもロープなしで下りられます。
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28マンネンスギ…3m程のマンネンスギロードを過ぎて振り返ったところです。群生を動画に撮りました。岡山県のレッドデータブックには記載されていませんが、兵庫県の2020年版では絶滅危惧�砧爐忙慊蠅気譴討い泙后�よく杉の幼木と間違えられますがシダ植物で、高さは15cm程にしかなりません。仲間には、長く伸びて地面を這うヒカゲノカズラなどがあります。
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30ハサミ岩…登山道はこの岩の間を通り抜けるようについています。今回のコースで唯一、公式に名前がついている岩場です。通り抜けながら動画を撮りました。
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31アキアカネ…第一アキアカネ発見！ナツアカネに似ていますが、胸部側面の3本の黒い筋模様のうち真ん中の線が先細りになります。動画のBGMはエゾハルゼミです。
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32ツキノワグマ糞＆クロボシヒラタシデムシ…ササの間の細道のど真ん中です😅太さ3cm程の糞が直径15cm程の範囲にかたまっていました。中央に体長2cm程のクロボシヒラタシデムシが写っていますが、お掃除屋さんがこの1匹だけなので比較的新しい糞かもしれません。
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36後山頂上の祠…詳細は不明です。修験道の開祖である役行者（えんのぎょうじゃ）をお祀りしてあるのかもしれません。あいにく、ガスって周辺の山々は見えませんが、ピーク標などを動画に撮りました。
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37ヒメキマダラヒカゲ…幼虫はササを食べるので、山中でよく見られます。動画のBGMは、ビーンというコエゾゼミとグワァーヒー、グワァーヒー、ウィウィウィウィというエゾハルゼミの鳴き声です。
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38後山頂上三角点に止まるアキアカネ…休憩していると、下から湧き上がるように急に増えてきました。動画は別の個体です。エゾハルゼミは岡山県側ピーク標＜写真33＞に止まったのですが、撮る前に逃げられました。
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42おごしき山頂上「平成之大馬鹿門」…平成之大馬鹿門は佛教大学の門柱として空充秋（そらみつあき）氏により制作されましたが、大学に拒否され宍粟（しそう）市千種町に引き取られました。ちなみに、もう片方はこの北東の空山頂上にあります。これを機に全部で1,000個のブロックを使った石の作品群が町に贈られました。各ブロックには番号が彫られており、おごしき山の門柱は一から五、空山は九九六から千です。動画には小さいですが数字が映っています。
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44ヒグラシ♂…もぞもぞしていたので気づきましたが、動かなくなってしまいました。翅が曲がっているのが気になります。見えているのはお腹側で、ヒスイ色の丸い腹弁があるのでオスです。
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下（厚手）
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子（フード付き）
雨用帽子
登山靴（防水加工）
靴ひも予備
ザックカバー（防水用）
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
タオルハンカチ
カメラ
飲料水（スポドリ＆茶）
水筒（保温）
非常食（栄養補助食品）
スマホ（地図アプリ使用）
eTrex22x（GPSナビゲーター）
虫よけスプレー
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感想
【夏山行トレーニングとして後山東尾根コース】
今回は夏山行トレーニングを兼ねて、できるだけ高度差がある山域を歩くことにしました。標高370mの松の木公園駐車場を出発点とし標高1,344mの後山に登れば、高度差1,000m近く、中国地方最高峰である大山（だいせん）に登るのと同じくらいになります。ちなみに、後山は岡山県では標高1,344m＜写真33＞、兵庫県では標高1,345m＜写真34＞とされており、三角点＜写真35,38＞の標高は1,344.4mとなっていますので、小数点以下を四捨五入し岡山県の標高を用いました。
松の木公園駐車場からの登山コースは3通りありますが、笛石山＜写真22＞から北西尾根を進み、兵庫県と岡山県の県境尾根に合流すると、そのまま県境尾根沿いを北上し、後山頂上＜写真33〜38＞に向かうことにしました。そして、下山ルートは後山の東尾根を進み、おごしき山＜写真42＞を経由し、そのまま東から南東方面に延びる尾根を歩き、松の木公園に戻ります。結局、上りも下りも累計高度差はおよそ1,200m、トレーニングとしては十分な高度差でした。
【板馬見（いたばみ）渓谷下流から猫石へ】
出発点からしばらくはコンクリート道です。板馬見（いたばみ）渓谷下流の小さな滝を見ながら歩き、鉈取（なたとり）淵＜写真11＞の橋を渡ると登山口の道標があり、そこから土の細道が始まります。
迷う心配はなかったはずですが、標高450m辺りで渡渉点を見落としたらしく、すぐに道が不明瞭になりました。引き返せばよかったのですがそのまま進んでしまい、水深1cm程で小石がゴロゴロした幅2m程の沢を渡るとすぐ標高460m辺りで道に出合いました。
ここからしばらくは明瞭な細道で、シダやアセビが脚に当たりますが足元は見えます。標高810〜840m辺りだったでしょうか、ガレ場ですが6年前よりもずいぶん小石が減って歩きやすくなっているように思いました。
標高850mの道標で猫石＜写真17〜20＞に向かう細道に入りました。猫石は不意に目の前に現れますが、このアングル＜写真17＞だと全く猫には見えません。どこが猫なのかは次項にて。
【ネコの頭から千種町集落の綺麗な景観を楽しむ🐱】
標高850mの道標で猫石＜写真17〜20＞に向かう細道に入ると、突然、宍粟（しそう）市千種（ちくさ）町の集落およびその周辺の山々の美しい景観が広がる展望地に出てきました。その中心にはシンボル的な存在の巨石があり、猫石＜写真17〜20＞と呼ばれています。このてっぺんに立ち、南方面の展望を楽しみました。千種町のきれいな田園風景とそれを取り囲むグリーンの山々＜写真18＞が美しく、見ていて飽きません。
さて、この猫石ですが、なぜ“猫（ネコ）”という名がついているのか？低いシダが茂って崩れやすい猫石の南斜面を下りて南西から見ると、ネコが寝ている後ろ姿＜写真20＞に見えるのです。ちなみに、南東から見ると、猫の正面顔のように見えます。
猫石＜写真17〜20＞から少し引き返し笛石山の道標から最初は崩れやすい斜面で道が不明瞭ですが、どこでも歩けます。標高870mを過ぎると明瞭な踏み跡を辿って笛石山＜写真22＞に到着しました。標高900mにも満たない低山ですが、松の木公園からの高度差がおよそ500mもあり、予想以上に時間がかかったと焦りましたが、実は6年前とほぼ同じでした😄
【道のど真ん中にクマの落とし物💩】
笛石山＜写真22＞から北西方面に延びている尾根を進みました。兵庫県と岡山県との県境尾根の標高1,253m地点まで高度差は350mですが、アップダウンの連続で累計高度差はその1.5倍ぐらいありそうです。尾根を歩いている間はずっと涼風が吹き続けており、疲労感をそんなに感じずにすみました。松やアセビが脚に当たる細道が断続的に続き、巻き道のある岩場が点在しています。岩の上を歩く練習をしたかったのですが、木が生えて歩けず、ほとんど巻き道を歩きました😅
笛石山＆おごしき山分岐周辺は展望は効きませんが開けているので、ここで休憩を取り栄養補助食品でエネルギー補給しました。ここからは高さ10〜60cmのササが脚に当たる細道になりますが、足元は見えます。
上乢（かみだわ）＆笛石山分岐（1253m峰）を過ぎ、行者コース分岐すぐ北のアキアカネ＜写真31＞撮影地点辺りからササは高さ1mを超え、次第にかぶさってくるようになりました。下りてこられる方にお会いしたのはこの少し北だったでしょうか。以前に行者コースを歩かれたそうで、鎖場のことを聞いてこられました。この南に行者コースとの分岐があり、プレートが割れて落ちていることをお伝えしました。
お別れしてさらに登っていると、連れが声を上げました。振り返るとササの間の細道のど真ん中に太さ3cm程の黒っぽい塊＜写真32＞が直径15cm程の範囲にかたまっていました。ツキノワグマの糞は2週間前に見たばかりです。人間の肩幅よりも狭い道、クマも歩くんかい。で、するんかい😅あの方は、上手によけて下りられたようですが、お気づきではなかったのでしょうか。
ここを過ぎるとササはかき分けなければ歩けなくなりましたが、距離は3m程ですみました。それでも気がつくと衣類がびしょ濡れで、ササの間から後山頂上に到着😅
【避暑で後山頂上に集まるアキアカネ＆吸血鬼アカウシアブ】
予想通り、後山頂上＜写真33〜38＞はガスっており、展望を楽しむことはできませんでした。とりあえず水分とエネルギーを補給し、ゆっくりしていると、本日2人目となる登山者にお会いしました。ガスっている東方面を眺めていると、その方についてきたかのようにアキアカネが下から湧き上がるように急に増えてきました。まるでトンボ天国に迷い込んだようでした。
その方は頂上でゆっくりくつろいでおられましたが、突然、我々に「何か（自分の）頭に止まっていませんか？」と、聞いてこられました。近寄ってのぞきこんだ連れ、「あっ、アカウシアブ！」
アカウシアブは体長3cm程の日本最大のアブで、やっかいなことに人間の血を吸おうと隙あらば刺してきます。遠目にはオオスズメバチに似ていますが、大きな赤い目がほぼくっついているので見分けることが出来ます。オオスズメバチは巣に近づいたり追い払おうとしたりしない限りは襲ってきませんが、アカウシアブは吸血のチャンスとばかり、とにかくしつこく体に止まろうとします。また、お腹や頭の周りをずっと飛びながらついてくるオオスズメバチに対し、持久力のないアカウシアブは、すぐにザックなどに止まって休みたがります。アカウシアブなのが確認出来たらハンカチで叩くなどして追い払い、どこにも止まらせないようにし続けると、ヘロヘロで吸血どころではなくなるので大丈夫です😁
アカウシアブは出発時から我々にずっとついてきたようですが、なぜか今回はほとんど気にならずここまで来られました。後山の頂上はアカウシアブの天敵となる鳥やオニヤンマがおらず、小柄なアキアカネが大量にいても意に介さないようでしたが、連れがハンカチでぶっ叩くと（人様の頭なのにすみません）、すっ飛んで逃げていき、その後は寄ってくることはありませんでした。あの方に心変わりしていないといいのですが😅
【令和も健在の平成之大馬鹿門】
後山頂上＜写真33〜38＞からすぐのおごしきコース道標＜写真39＞から同コースに入ると、ササが体に当たる細道がしばらく続きます。標高1,280m辺りからマシになり、そのうちササはなくなり歩きやすくなりました。岩場を越えるとすぐおごしき山頂上＜写真42＞に着きました。
おごしき山といえば平成之大馬鹿門で、道標では「おごしき」、「平成之大馬鹿門」の二通りの表記があります。宍粟（しそう）市千種（ちくさ）町のシンボルになっており、これを見ようと登られる方もおられるようです。
佛教大学の門柱として空充秋（そらみつあき）氏により制作されましたが、大学に拒否され千種町に引き取られたという騒動も有名になりました。「馬鹿」という言葉は謙虚な姿勢の大切さを表したものという氏の主張には賛同しますが、大学側には受け入れられなかったようで残念です。
見上げて動画を撮り終わり、いざ出発しようという頃になってやっと晴れてきましたが、後山でのんびりしすぎ時間が押していたので先を急ぎました。
【まさかの作業道出現でプチ冒険】
おごしき山頂上＜写真42＞から細道を辿ると、標高1,060m辺りで地形図の破線の道は南方面に延びており、そちらに道標があります。しかし、今回は東尾根を下ることにしました。GPSを持った連れは杉の左を巻いて北東に進みかけましたが、杉の右側にも踏み跡があるので、戻ってきました。右側が正解で、すぐに青やピンクのテープが現れました。
河久保山＜写真47＞を過ぎると、尾根は北東と南東の二手に分かれます。どちらにも水色のテープが続いており、北東に進みかけて南東に戻りました。北東尾根のほうが若干きれいに見えたので、最近はそちらのほうが歩かれているのかもしれません。南東尾根に入ると、今までの尾根よりも少し荒れ気味の感じがしました。
標高700mを切ると、6年前にはなかった作業道が尾根を横断するように延びていました。踏み跡を辿って作業道を横断しましたが、標高680m辺りで再び作業道に下りました。このとき、二人ともなんとなく嫌な予感がしていました。
尾根のすぐ下を並行していたのでそのまま作業道を進みましたが、標高650mを切ると前方は伐採された木を積み上げて進める状態ではなく、作業道は左折し北東方向に延びていました。しばらく進むと、尾根上標高640m辺りの東で突然作業道は終わりました。そう、これ、作業道あるあるなのです。ここからヤブコギになることがどれほどあったことか😓
作業道終点から西の尾根、東の谷、どちらに進むにも崩れやすい急斜面なので、そのまま直進（トラバース）しました。幸い、踏み跡が見つかりましたが、連れは気づかなかったようで、足元のピンクテープ（落ちていると怖さ倍増😓）を見ながら何度も滑りかけました。「これ、踏み跡ぉ〜？」と半泣きの顔で（表情だけで泣きはしません）聞く連れ。やっとつかめる木の枝を見つけ、あと1m程で私に追いつく所で、無情にも枝がボキッ😅「ギャー、折れたー！」わめくわりには、二本の脚でしっかり立っていましたが、頼みの綱、いや、枝を失ったショックでかたまってしまいました。仕方なく、手をつかんで安全な所まで引っ張りました。
こうして標高620m辺りで尾根に戻れましたが、踏み跡に気づかなければ滑落の危険があるので、ここはおすすめしません。トラバース区間は標高615m前後で距離は数mでした。距離からすればたいしたことはないのですが、転倒して数m下の谷まで滑落すると、そこから無事に沢を渡って出発点の松の木公園まで戻れるかどうかわかりません。今回はラッキーでした。
ここからの尾根上は小石が転がっているなど今までの尾根よりも多少歩きにくさはありますが普通に歩け、テープもあったように思います。
標高450m辺りからは尾根の少し左（東）寄りを心掛けながら下ったほうがいいです。標高420m辺りに朝来電力所の発電用水路があり、今回はその真上に出てしまいました。階段が下まで続いていますが、フェンスで囲まれた立ち入り禁止区域の中なので、フェンス沿いに迂回し踏み固められた細道をジグザグに辿ってコンクリート道に下りました。
最後に思わぬプチ冒険となりましたが、晴れてくるのが遅かったため日射の影響による雷雨はなく、トレーニングは無事に終了。頑張ったご褒美に岡山市内で焼肉食べ放題を楽しみました😊
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