台ヶ森 ~瓶ヶ森を登頂する生徒についていけず撤退~

								Katsuhara
			
				その他9人	- GPS
 - 06:43
 - 距離
 - 6.3km
 - 登り
 - 1,000m
 - 下り
 - 997m
 
コースタイム
| 天候 | 晴/曇 | 
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 | 
| アクセス | 
												 利用交通機関: 
								
																																								自家用車										
																																																 
						 | 
			
| コース状況/ 危険箇所等  | 
					ほぼ,杉林の中で、ガレ道です。 | 
| その他周辺情報 | 石鎚山ロープウェイの手前にある石鎚山温泉(\500)で汗を流し、涼みました。カルシウム成分の多い濁った湯でした。 | 
写真
装備
| 個人装備 | 
														 
																長袖シャツ
																ズボン
																靴下
																グローブ
																日よけ帽子
																登山靴
																サブザック(19L)
																昼食(あんぱん+らいとみーる)
																行動食(飴)
																非常食(シリアルバー)
																飲料(麦茶600mL×2+ミネラルウオーター500mL)
																地図(コース図・地形図)
																スマホ(GPS+ナビ)
																iPad mini(GPS+ログ)
																カメラ
																手拭い
																ファストエイドセット
																虫除けスプレー
															 
												 | 
			
|---|---|
| 共同装備 | 
														 
																小電力デジタルトランシーバー
															 
												 | 
			
| 備考 | スマホとiPadを昨晩モバイルバッテリーでフル充電しておきました。スマートウオッチがまさかの充電切れで全く使えませんでした。 | 
感想
					 山岳部の石鎚山遠征3日目は、石鎚山東隣にある瓶ヶ森(かめがもり)へ向かう。ただ、計画段階でこのコースの踏破は私には荷が重いと思っていた。歩行距離13kmは何とかなるにしても、累計標高1600mというのはこれまで経験したことがない。山レコの標準コースタイムが11時間オーバーというのも過酷だ。この日生徒たちはバスと列車で地元鳥取へ帰らなければならない。私は荷物を載せた車を運転して帰るのだが,それも5時間ぐらいかかる。どう考えても無理だし危険だ。引率するもう一人の顧問に「私にはちょっと無理なので途中で引き返します」とあらかじめ伝えておいた。
 生徒は幕営した西之川登山口近くから出発し、一旦東之川登山口へ、私は車で東之川登山口まで移動し、そこから山へ入った。登山道は杉林の山腹を斜めに上る道が続く。時々樹林の隙間から近くの山の姿を見ることができるが、広く展望できるような場所は殆ど無い。あまり変わり映えしない景色の中を黙々と歩く。生徒はペースが早いのですぐに姿が見えなくなってしまい、孤独な山行が続く。生徒が読図チェックで留まって私との距離が縮まり、話し声が聞こえてくると、ほっとする。しばし生徒の姿を目にしても、また歩き始めた生徒にすぐに距離を開けられて、再び孤独な山行に戻る。ある程度標高が上がると、杉林が広葉樹の灌木の森に変わる。人があまり手を入れていない、昔の姿を保った天然林なのだろう。薄暗い杉林よりやや賑やかになり、雑然とはしているが生き物の暮らす森の雰囲気が感じられるようになる。歩き始めて3時間ほどで山腹に続く登りの道から尾根の分岐に突き当たり、勾配が緩やかになった。ここが台ヶ森分岐のようだ。標識があり、左方向が「瓶ヶ森」と記されている。そこから少し尾根を進んだが、歩き始めてからの標高差がほぼ1,000mとなり、ここから更に600m標高を上げて山頂へ到達して下りてくるのはやはり体力的にも時間的にも難しいというのが現実のこととして実感できた。ここで、無線機(トランシーバー)で生徒と共に先を行くもう一人の顧問に連絡をとり生徒のことを託して、私は登ってきた道を引き返すことにした。
 下りは気分的には少し楽にはなったが、やはり孤独な山行は続く。ただ、気持ちに余裕を持って歩けるようになったからか、足元の石の縞模様などが目に付くようになった。四国山地の複雑な地質を反映するように、様々な色・模様の石が見られる。以前歩いた同じ四国の剣山でよく見かけた真っ白な石灰岩は無さそうだったが、緑色や暗褐色に白い線が入った縞模様のホルンフェルス(接触変成岩)だと思われる石が多く見られた。それも一様ではなく様々な色、結晶状態のものが見受けられ、変わった模様の石を見つけるたびに気分が高揚した。ただ、独り歩きなのであまり無理をせず、ペースを上げ過ぎず、適度に休憩を取りながら下ったのだが、休憩で腰をついて目を閉じると意識が遠のいていく。やはり体力的にはかなり負担がかかっているようだ。目を開けて、気分を奮い立たせて、足を滑らせないように、躓かないように足元を踏みしめながら登山口方向へ向かった。
 東之川登山口には午後2時頃に下りてこられた。一息ついて車に乗り、ロープウエイ駅直下の石鎚山温泉へ向かった。\500を払って乳白色の湯に浸かり汗を流した。外はこの日も30度を超える暑さだったが、温泉の更衣室や廊下は冷房が効いていてしばし気持ちよく過ごすことができた。
 山頂へ向かった生徒があまり遅くならずに下りて来られてたら、温泉で汗を流してくつろいでもらおうと思っていたが、実際下りてきたのは夕方の5時近く、バスの乗車時刻ぎりぎりだった。残念ながら生徒は風呂に入ることはできず、帰りの荷物を手に取ってバスに乗り込んでいった。聞くところによると、瓶ヶ森山頂までは順調に進んだが、下山ルートの釜床谷の下り道が荒れていて時間を食ってしまったとのこと。またこの日、山頂から石鎚山は雲に覆われて見えなかったとのこと。
 私の途中撤退の判断は適切だったと評価したい。頑張ってあれ以上歩いていてもどこかで無理をして事故や怪我をしていたかもしれないし、そうでなくても生徒たちに随分遅れを取って帰りのバスには間に合わなくなって、迷惑をかけていたことだろう。これまでの無理や油断をして苦い目を見た経験を活かすことができた。登頂できなかったのは正直残念だが、自分の身の程を自覚して行動できる分別がついたのは、「年の功」なのだろう。今度瓶ヶ森を訪れることがあったとしたら、今回のコースではなく反対側(南東方向)からのショートコースで望むことにしたい。高校生に伍して歩けない現実を自覚するのは寂しいところだが、見栄を張って無理をして身体を壊したり迷惑をかけたりしては元も子もない。山歩きが楽しく末永く続けられるように、自分の体と向き合いながら賢く行動していくよう心掛けよう。
					
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