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記録ID: 8778459
全員に公開
沢登り
北陸

【越美】鈴谷川シナケ谷〜街道の尾〜黒谷

2025年10月05日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
9.5km
登り
982m
下り
984m

コースタイム

日帰り
山行
7:40
休憩
0:00
合計
7:40
6:50
10
駐車地
7:50
190
鈴谷川沿いの林道終点→シナケ谷に入渓
11:00
30
街道の尾
11:30
150
黒谷に下降開始
14:00
30
広野ダムの外周道路に出る
14:30
駐車地
天候
過去天気図(気象庁) 2025年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
広野ダム奥〜二ッ屋導水施設の間が工事のため通行止めとなっており、通行止めバリケードの手前の路肩に駐車した。通行止め期間は10月30日までとのこと。沢登りなどで広野ダムの奥の大河内川や前谷方面に行かれる方はご注意ください。
コース状況/
危険箇所等
・ 鈴谷川の右俣が今回入ったシナケ谷。左俣のミノマタ谷は美濃俣丸への登路として使われるため時々記録を見るが、右俣のシナケ谷は全く記録を見たことがないため今回入ってみた。結果、640m二俣の左俣に2段3mと2段5mの2連瀑があるくらいで、基本的には平凡。ただ、谷の雰囲気自体はとてもいいので、越美国境稜線や金ヶ丸谷への登路としていかがでしょう。
・ 街道の尾は、鈴谷川と黒谷に挟まれた標高点535、849、1025のある尾根。その昔、越前・二ツ屋集落と美濃・門入集落をつなぐ古道「街道(カイドウ)」が通っていたと言われている伝説の尾根。基本的に藪尾根のはずなのだが、近年のシカ食害のためか藪が薄く、明瞭な獣道まであって、意外に歩きやすい(もちろん、その基盤として古道の存在もあるだろう)。
・ 黒谷は、鈴谷川の一本西側の谷。遡行記録は見たことがない。出合は堰堤の連続で始まるが、最初は右岸、途中から左岸に移る道の跡があり、それを辿れる。堰堤が終わると今回出会ったミニゴルジュがあり、両岸の切り立ちっぷりはなかなかのものだが、中には小滝と浅い淵が数個あるだけで通過は容易。それを抜けるとあとは平凡。やや人臭さを感じるが(この谷も上述の古道が通っていたらしいので当然かもしれないが)、基本的に自然林で、トチノキの巨樹もあったりして雰囲気は悪くない。街道の尾や三周ヶ岳とからめてお散歩はいかが。
広野ダム奥〜二ツ屋導水施設の間は工事で通行止め中。期間は10月30日まで。近く大河内川や前谷の支谷に沢登りに行かれるご予定の方、またはロボット尾根経由で笹ヶ峰をたしなまれるご予定の方、ご注意ください。(どっちもかなりレアだと思うけど)
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広野ダム奥〜二ツ屋導水施設の間は工事で通行止め中。期間は10月30日まで。近く大河内川や前谷の支谷に沢登りに行かれるご予定の方、またはロボット尾根経由で笹ヶ峰をたしなまれるご予定の方、ご注意ください。(どっちもかなりレアだと思うけど)
鈴谷川沿いの林道は廃道化しているが、藪はそれほどでもなく問題なし
鈴谷川沿いの林道は廃道化しているが、藪はそれほどでもなく問題なし
藪に呑まれゆく日産パルサー
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藪に呑まれゆく日産パルサー
記録を見たことがない右俣のシナケ谷へ
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記録を見たことがない右俣のシナケ谷へ
さすが広野の谷、雰囲気はとてもいいです
さすが広野の谷、雰囲気はとてもいいです
数か所に炭焼き窯跡。よく人が入っていた谷だったようだ
数か所に炭焼き窯跡。よく人が入っていた谷だったようだ
640m二俣の左俣には2段3mと
640m二俣の左俣には2段3mと
2段5mの2連瀑。滝はこれだけ。
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2段5mの2連瀑。滝はこれだけ。
それでも大トチがあれば満足
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それでも大トチがあれば満足
お花はもう終盤のようで、アキギリとか、
お花はもう終盤のようで、アキギリとか、
ハクサンカメバヒキオコシの散り残りくらい
ハクサンカメバヒキオコシの散り残りくらい
ほぼ藪漕ぎなく稜線へ
ほぼ藪漕ぎなく稜線へ
街道の尾。登山道と見紛うほどの鹿道で歩きやすい。これも美濃へ通じる古道のなごりかも。
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街道の尾。登山道と見紛うほどの鹿道で歩きやすい。これも美濃へ通じる古道のなごりかも。
ブナの美しい尾根です
ブナの美しい尾根です
そして黒谷へ
黒谷も雰囲気の良い谷
黒谷も雰囲気の良い谷
なぜかこの谷にはヤマハッカしかなかった。隣の鈴谷川のハクサンカメバヒキオコシと棲み分けてるの? 同属異種の不思議。
なぜかこの谷にはヤマハッカしかなかった。隣の鈴谷川のハクサンカメバヒキオコシと棲み分けてるの? 同属異種の不思議。
2年前の古道探索のときに見た大トチも健在
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2年前の古道探索のときに見た大トチも健在
大トチのある風景
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大トチのある風景
そうそう、この炭焼き窯跡のあたりから…
そうそう、この炭焼き窯跡のあたりから…
杣道(古道?)が左岸大高巻きをはじめるのだ。前回は古道を追ってこの道を辿ったけど、今回は水線沿いを行きます。
杣道(古道?)が左岸大高巻きをはじめるのだ。前回は古道を追ってこの道を辿ったけど、今回は水線沿いを行きます。
さっそく谷が狭まりはじめ…
さっそく谷が狭まりはじめ…
ややっ、急に両岸が立ってゴルジュっぽくなってきたぞ! しかもクネクネしていて先が見えない…。進んで大丈夫なんだろか。
ややっ、急に両岸が立ってゴルジュっぽくなってきたぞ! しかもクネクネしていて先が見えない…。進んで大丈夫なんだろか。
意を決してゴルジュ内へ
意を決してゴルジュ内へ
ほう、これは…
最狭部。側壁のおっ立ちぶりはなかなか。
なるほどねぇ、これを巻くために杣道(古道?)が左岸を高巻いていたのか。2年越しの納得。
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最狭部。側壁のおっ立ちぶりはなかなか。
なるほどねぇ、これを巻くために杣道(古道?)が左岸を高巻いていたのか。2年越しの納得。
小滝もいくつか
さあ、黒谷さん、次は何を魅せてくれるんだい?
さあ、黒谷さん、次は何を魅せてくれるんだい?
さあ大滝でもゴルジュでも持ってこい! …って…あれ? まさかもう終わり?
さあ大滝でもゴルジュでも持ってこい! …って…あれ? まさかもう終わり?
はい堰堤。
終了〜! 黒谷さん終了です!(泣)
はい堰堤。
終了〜! 黒谷さん終了です!(泣)
広野ダムの外周道路に戻ってきました。
広野ダムの外周道路に戻ってきました。

装備

備考 ・ フェルトソール沢足袋使用
・ ロープなど沢登りの基本装備は携行したが、不使用。今回のルートでは基本的に不要と感じた。

感想

 2年前の5月、越前広野の二ツ屋集落と美濃徳山の門入集落を結んでいたという伝承のある「街道(カイドウ)」と呼ばれる古道を探索するため、3日間にわたり越美国境の山と谷をさまよった(個人的には、ここ数年で最も思い入れのある山行の一つ)。

【関連記録】
失われた古道「カイドウ」を辿る https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5427808.html

 この山行を通じて、いくつかの発見と同時に様々な疑問が生まれたが、その一つが、越前側の黒谷での道の付けられ方の奇妙さだった。黒谷の下流域に入ったところで、急に古道(ただの杣道の可能性ももちろんあるが、とりあえず)がこの谷の左岸を大きく高巻き始めるのである。それまでの黒谷の穏やかな渓相からすると、この大高巻きはかなり大げさな感があり、どうしてこんな道の付け方がされているのか、実際に辿りながら疑問を覚えた(というか、急峻な斜面に付けられた道が崩壊気味でめっちゃ怖かった)。が、この時は古道探索が目的だったので、黒谷の谷底の様子まではつぶさに調べられずに終わった。
 この不可解な高巻き道について、考えられる可能性はただ一つ、「黒谷の下流域に何らかの悪場があり、それを回避するために道が高巻いている」、ということだろう。全体的に平凡な雰囲気しか感じられず、沢登りの記録すら聞いたことがない黒谷に、そのような悪場が存在しているとはにわかに信じがたいが、一度確かめてみる価値はありそうだと思った。
 そして今回、2年ぶりに黒谷を再訪し、今度はきっちり水線沿いに下降してみたわけだが、果たして問題の高巻き区間に、「悪場」はしっかり存在していた。側壁の切り立ったミニゴルジュ。黒谷の滝一つない穏やかな流れを下ってきた先で突如として現れるので余計禍々しく見え、初見時はゴルジュ内に降りていいものかどうか、一瞬本気でためらってしまった。ここらへんはさすが、小粒でも険しい支谷が居並ぶ大河内川や前谷に隣接した谷だけのことはある。まあ、実際の中身は小滝と浅い淵が何個か連なっているだけであり、通過はごく簡単だったけど。それでも古道?がこの区間を高巻いている理由が分かっただけでも満足でした。
 あわせて入った鈴谷川の右俣(シナケ谷。ここも記録を見たことがない)も平凡だったけど、谷の雰囲気という点では、越美国境稜線に突き上げる谷にはやはりハズレがない。秋雨がしとしと降りしきる一日、散り残る花を眺めながら歩き回る谷としては申し分なかった。

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