岡山県赤磐市 熊山山頂駐車場〜熊山駅最短コース〜反射板Aコース

Machapuchare
その他1人 - GPS
- 05:33
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 720m
- 下り
- 720m
コースタイム
- 山行
- 4:40
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 5:32
歩行距離11.5km、歩行時間4時間40分、歩行数21,600歩、消費カロリー1,470Kcal
| 天候 | 曇り後時々晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
また、往路の熊山駅最短コース途中、蹄(ひづめ)岩<写真14>を過ぎ地形図の実線の道に出合うと、同規模で未舗装の駐車場があります。熊山駅の駐車場は現在も登山者も無料で利用できるのだろうと思いますが、平日の通勤ラッシュ時だったので利用者が多いかもしれないと思い利用は控えました。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
熊山山頂駐車場から熊山駅最短コースで下りて反射板Aコースで登りました。 前者は比較的緩やかで歩きやすいのですが、石畳や粘土道など濡れていると滑りやすい箇所があります。今回はぬかるみや水たまりはほとんどありませんでしたが、雨天や大雨後は道に水が流れる箇所がありそうです。 後者は足元は見えますがシダが体に当たる箇所がいくつかあり、マダニ対策はしたほうがいいかもしれません。今回は大丈夫でした。取り付きからしばらくは急でロープ場もありますが、上りでも雨上がりの今回は歩きにくかったので下りはあまりおすすめしません。 なお、標高507.2m頂上三角点「熊山」のある熊山三角点峰への道は関係者以外立ち入り禁止<写真03>です。通行する場合はNTTドコモ中国岡山支店に連絡し許可をいただかなければなりません。 熊山駅最短コースは比較的緩やかで歩きやすいのですが、石畳や粘土道など濡れていると滑りやすい箇所があります。 最初に舗装道路を東に進み標高507.2m頂上三角点「熊山」のある熊山三角点峰に行こうとしましたが、そちらへの道は関係者以外立ち入り禁止<写真03>でした。通行する場合はNTTドコモ中国岡山支店に連絡し許可をいただかなければなりません。8時過ぎだったので、電話せずに引き返しました。 駐車場まで戻るとチェーンをまたいでコンクリート道を西へ、さらに竜神二つ井戸<写真04>に向かう土道に入りました。井戸からすぐに舗装道路を横断して熊山池<写真05>へ。途中に溝状に掘れた粘土道がありましたが、水たまりはなく滑らずにすみました。 展望台の小さな道標に従い細道に入りましたが、展望台は立ち入り禁止でした。地形図上は途中で道がなくなりますが大丈夫です。熊山駅最短コースに復帰すると、一部、石が埋まった粘土道がありました。 「見晴らし台」の道標で左折するとまず鉄塔<写真06>があります。周辺の崩れやすい斜面はなんとなく道のように見える箇所を選んで北を巻くように進み赤白ポールのほうへと下りました。そこからは木の間道で、一部ロープのある上りがありました。祠跡?<写真07>は分岐で、のぞき岩<写真08,09>へは北から西に延びるきれいな細道を進みます。気づかずに直進すると雨上がりで崩れやすく急なロープ場の下りが続きました。途中で気づいて引き返しましたが、上りでもロープが必要でした。この道は段谷コースへと続いているようです。祠跡?<写真07>からのぞき岩<写真08,09>まではきれいな木の間の細道です。 熊山駅最短コースに戻るとすぐに石が埋まった粘土道になり、一部濡れていると滑りやすい岩盤やよけられる程度の水たまりがありました。 蹄(ひづめ)岩<写真14>を過ぎ地形図の実線の道に出合うと、周辺は未舗装の駐車場で中央に1つだけベンチがありました。ここからはまた土道で、色あせキノコ<写真16>を過ぎるとしばらく石段が続き、そのうちに微妙に水がたまった沢のような岡川沿いを歩きました。 標高75m辺りから標高55m辺りまで石畳が続きました。水はほとんどなく、気をつければ滑らずにすみますが雨天や大雨後は要注意です。 ここからは砂利やコンクリート道で、標高35m辺りで直進すると舗装道路ですが、左折してきれいな土の細道に入り岡山白陵高校の寮の横を通り抜けました。柿<写真19>撮影地点辺りからはしばらく舗装道路です。 反射板Aコースは2014年発行の「熊山登山詳細図(改訂版)」に載っているコースで、地形図では途中まで破線の道が記載されています。足元は見えますがシダが体に当たる箇所がいくつかあり、マダニ対策はしたほうがいいかもしれません。今回は大丈夫でした。取り付きからしばらくは急でロープ場もありますが、上りでも雨上がりの今回は歩きにくかったので下りはあまりおすすめしません。 岡山白陵高校前の舗装道路を過ぎ、鉄塔No10と9に向かう鉄塔巡視路に入りました。だいたい地形図の破線の道通りです。細道でロープのない急な箇所には一部ステップもありますが、それでも雨上がりは歩きにくく、勢力トンネルの上辺りはロープにしがみついて登りました。 標高270m辺りは分岐で、直進すると熊鷹山に行けるようです。今回は左折し尾根上をキープしました。 展望の効かない302m峰南尾根の標高280m辺りは北東に延びる道のほうが明瞭でしたが、南下しました。 標高360m辺りは岩盤があり、溝状に掘れた粘土道がしばらく続きました。緩やかですが雨天や大雨後は足元の水に要注意でしょう。 標高485m辺りには「経盛山テラス」というプレートがあり、奥の細道を進むと経盛山テラス西端<写真29>に出ました。細道はさらに東へと延びており、経盛山テラス東端<写真32,33>まで岩盤が続きます。正規ルートに合流すると経盛山<写真35>へは引き返すような形になります。 経盛山頂上南の展望地<写真36>を過ぎると小石がゴロゴロした粘土道で黒いプラスチックの階段が断続的に続きました。標高460m辺りで左折すると、緩やかですが溝状に掘れた粘土道で小石がゴロゴロしていました。 標高450mを切ると地形図の実線の道に出合いました。右折してわだちのある土道に入ると小さな水たまりがあり、少しぬかるみかけていました。間違えたことに気づき引き返して右折、細道に入りました。 熊山天然杉二本<写真41>からは平坦で歩きやすい土道が続きました。 |
| その他周辺情報 | 熊山南麓、香登(かがと)駅の北東に鷹取醤油醤房燕来庵があります。営業時間は3〜10月が10〜18時、それ以外は10〜17時半、木曜と年末年始が休業日です。しょうゆソフトクリームやぽん酢ソフトクリームが人気です。 |
写真
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子(フード付き)
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
ザックカバー(防水用)
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
タオルハンカチ
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(地図アプリ使用)
eTrex22x(GPSナビゲーター)
虫よけスプレー
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|---|
感想
【往路は熊山の熊山駅最短コースを下る】
熊山は岡山県東備(とうび)地域である赤磐(あかいわ)市と備前市にまたがる大きな山塊です。奈良時代から霊峰として崇められ、周辺は合併前は熊山町と名付けられていたことからも信仰の深さが伺えます。人気もあり、多くの登山コースがあります。
往路は熊山駅最短コースで下ることにしました。最もポピュラーなコースなので、平日の雨上がりでも10人ちかくとすれ違いました。
最初に舗装道路を東に進み標高507.2m頂上三角点「熊山」のある熊山三角点峰に行こうとしましたが、そちらへの道は関係者以外立ち入り禁止<写真03>でした。通行する場合はNTTドコモ中国岡山支店に連絡し許可をいただかなければなりません。8時過ぎだったので、電話せずに引き返しました。
駐車場まで戻り、チェーンをまたいでコンクリート道を西へ。熊山神社<写真57〜62>のある標高509mの熊山頂上には最後に立ち寄ることにして竜神二つ井戸<写真04>に向かう土道に入りました。井戸からすぐに舗装道路を横断して熊山池<写真05>へ。
展望台の小さな道標に従い細道に入りましたが、展望台は立ち入り禁止😅地形図上は途中で道がなくなりますが、行けそうだったのでそのまま進みました。途中でピンクテープに従い池へと踏み跡を下りました。かなり干上がっているようで、池の底を歩いている実感がありました。予想通り、きれいな道が続き、すんなり熊山駅最短コースに復帰。一部、石が埋まった粘土道がありました。
「見晴らし台」の道標で左折するとまず鉄塔<写真06>がありました。雨上がりで雲が多かったのですが、それなりに遠くまで見えているようでした。
ここからは初めてです。鉄塔周辺の崩れやすい斜面はなんとなく道のように見える箇所を選んで北を巻くように進み赤白ポールのほうへと下りました。そこからは木の間道で、一部ロープのある上りがありました。
祠跡?<写真07>は分岐で、のぞき岩<写真08,09>へは北から西に延びるきれいな細道を進みます。気づかずに直進すると雨上がりで崩れやすく急なロープ場の下りが続きました。途中で気づいて引き返しましたが、上りでもロープが必要でした。雨上がりに歩く所ではありませんでした😅この道は段谷コースへと続いているようです。
祠跡?<写真07>からはきれいな木の間の細道で、やっとこのコース一番の展望スポットであるのぞき岩<写真08,09>に到着しました。想像よりはるかに小さく2,3人立つといっぱいになってしまいますが、吉井川や倉懸山(くらかけやま)など北西方面がよく見えました。
引き返す途中、岩盤だと思っていたケルン岩<写真10>の下に下りて一周してみました。展望は効きませんが広く、12畳程はありそうです。ただし、ケルンがあるので信仰上の理由から飲食はしにくいです。周辺には他にも小さめの岩がいくつかあり、興味が湧きましたが今回は先を急ぎました。
熊山駅最短コースに戻り蹄(ひづめ)岩<写真14>を過ぎ地形図の実線の道に出合うと、周辺は未舗装の駐車場で中央に1つだけベンチがありました。ここからはまた土道で、色あせキノコ<写真16>を過ぎるとしばらく石段が続き、そのうちに微妙に水がたまった沢のような岡川沿いを歩きました。
標高75m辺りで平らで苔むした岩盤の上を通過、濡れて滑りやすかったので気になって振り返ると、連れが仰向けにひっくり返っていました😅幸い、怪我も汚れもなし😊ここから標高55m辺りまで石畳が続きました。その後は特に問題はなく、柿<写真19>撮影地点辺りからはしばらく舗装道路を歩きました。
【復路は熊山の反射板Aコースを上る】
復路は反射板Aコースを進みました。2014年発行の「熊山登山詳細図(改訂版)」に載っているコースで、地形図では途中まで破線の道が記載されています。熊山駅最短コースと組み合わせて歩かれることが多いようですが、この日は誰一人お会いすることはありませんでした。
岡山白陵高校前の舗装道路を過ぎ、鉄塔No10と9に向かう鉄塔巡視路に入りました。だいたい地形図の破線の道通りです。細道でロープのない急な箇所には一部ステップもありますが、それでも雨上がりは歩きにくく、勢力トンネルの上辺りはロープにしがみついて登りました。
三つ岩<写真25>の周辺だけ岩がいくつかあります。以前は「三つ岩」のプレートがありましたが、見落としたようです。岩が3つ並んでいたはずですが、サークル状に見えました。
経盛山頂上<写真35>に近づくと、標高485m辺りで「経盛山テラス」というプレートが目に入りました。初めてでもあり、テラス好き?の我々は迷うことなく、プレートの奥に向かいました。細道を進むと経盛山テラス西端<写真29>に出ました。鉄塔が正面に見え、テンションが上がりました。下りてきた熊山駅最短コースの尾根や和気町の三保高原の辺りまで見えたので、経盛山テラスとはここのことかと思いましたが、細道はさらに東へと続いていました。再び岩場に出ると、目の前に広がったのは、この尾根上で最高の展望地かつ休憩スポット<写真30〜34>でした。岩盤は横に長いので、一列に座ってゆっくり休憩できます。
目の前の景観に見とれているうちに、経盛山頂上付近にあった石積遺構のことをすっかり忘れてしまい、テラスを出た後、引き返すような形で経盛山<写真35>に立ち寄り、そのまま南東へ。すると、すぐに切った枝を積み上げてある向こうに海が見えることに気づきました。枝類の上に立ち南方面少し西寄りを望むと、おくの細道アルプスや瀬戸内海、豊島(てしま)などの島々まで見えました。
こうして、熊山遺跡<写真46,49>などの見どころのことまで忘れてしまい、後はのんびり帰るだけ。いや、そうは問屋が卸さない。ここを過ぎると小石がゴロゴロした粘土道で黒いプラスチックの階段が断続的に続き、下りが苦手な連れは予想通りのペースダウン😅
風神山1号遺跡<写真37>などの小さな石積遺構はなんとなく覚えていました。熊山天然杉二本<写真41>からは平坦で歩きやすい土道が続きました。
熊山山系は今まで何度も訪問していますが、展望が楽しめる山という印象はあまりありませんでした。特に、今回は雨上がりで天候の回復が遅れる予報だったので、とりあえず歩ければいいくらいにしか思っていませんでした。期待していなかった分、喜びは大きかったです😊しかし、熊山ならでの魅力は、頂上付近にある数々の遺跡や史跡にあります。
【全国唯一の石積遺構?「熊山遺跡」】
熊山には33か所に及ぶ石積遺構が存在します。その中でも最大のものが国指定史跡の熊山遺跡<写真46,49>で、階段ピラミッドを思わせる特殊な三段方形の石積遺構です。基壇の上に三段の石積を構築し、二段目には四方に仏像などを納める龕(がん)があります。三段目のてっぺんに穴があり、陶製筒形容器と奈良三彩小壺が出土しました。仏塔ではないかと考えられています。類似の遺構として奈良県の頭塔(ずとう)と大阪府の土塔(どとう)が挙げられていますが、共に土や瓦が使われており、石積は熊山が唯一といわれているようです。
ただし、気になるのは古墳で似たようなものがあるということです。総社市の狸岩山にある狸岩山古墳群は、県内唯一の石積みの古墳群です。また、真庭市(旧北房町)の大谷(おおや)1号墳は3段の墳丘と前面に2段の基壇という5段築成の階段ピラミッド状の方墳で、国指定史跡の大谷・定古墳群のひとつです。見た目は熊山遺跡によく似ていますが、龕(がん)はなく代わりにちゃんと石室があります。積石塚と呼ばれるこれらの石積みの古墳と同じようなものは香川県、長野県などにもあり、朝鮮半島北部に多いことから、渡来人の影響が指摘されています。
渡来人で有名なのは秦氏で、今回は見に行きませんでしたが、帝釈山霊山寺石段跡<写真50>の南には7世紀頃に彼らが掘ったとされる井戸があります。また、熊山南麓で備前焼制作の盛んな備前市香登(かがと)本にある大内神社は、秦大兄(はたのおおえ)が修繕したと伝えられています。製鉄や作陶など渡来人よりもたらされ発展した技術は県内に多く、熊山周辺は特にその影響が残っているのかもしれません。
かつて山頂にあった帝釈山霊山(りょうせん)寺は備前焼生産の後ろ盾でした。渡来人がもたらした技術を保護し支えたともいえるこの寺は、足利氏と新田氏との兵乱により焼失しましたが、その遺構は健在で熊山神社と名称を変え現在に至ります。熊山遺跡は渡来人の影響を今に伝える全国的にも珍しく貴重な文化遺産なのかもしれません。周辺の小さな石積遺構と合わせ、現況のまま大切にしたいものです。
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