鷲羽岳は富山県と長野県の県境に跨る標高2924mの山です。北アルプスの最深部に聳えており、遠いからこそ登山者に憧れを抱かせる一面を持ちます。
鷲羽岳を三俣蓮華岳から眺めると、滑らかに裾野を広げた姿をしています。この山容は鷲が羽を伸ばした形に例えられ、山名の由来でもあります。

また、近接する黒部五郎岳や水晶岳などとともに日本百名山に選ばれており、日本屈指の急流河川である黒部川の水源を担います。

鷲羽池と槍ヶ岳が成す絶景

鷲羽岳の山頂部は岩でごつごつしており、360度の展望が期待できます。

北アルプスの名峰を隅々まで見ることができますが、よく目を引くのは鋭く尖った槍ヶ岳です。
山頂直下には火山湖の鷲羽池があり、槍ヶ岳と鷲羽池の共演は絵画を思わせるような美しさです。

3つの主な登山口

鷲羽岳に登る場合、主な登山口は新穂高温泉、折立、高瀬ダムです。
どこから入山しても道のりは遠く、数日をかけ、いくつかの山を越えて目指します。

最短ルートは新穂高温泉から

新穂高温泉から出発すると、最も短い時間で登頂することができます。
途中で双六岳や三俣蓮華岳を経由しますが、これらは山頂を踏まずに巻き道から通過することもできます。

折立から景勝地や秘境の温泉を巡る

折立からの登路は、黒部五郎岳もしくは、雲ノ平や高天原温泉を抜けて向かいます。
雲ノ平は"日本最後の秘境"と謳われる溶岩台地の草原で、「アラスカ庭園 」や「スイス庭園」などと名付けられたお花畑があちらこちらに広がります。

高天原温泉は日本一遠いとされる温泉です。露天風呂のみで開放感があり、乳白色のお湯をなみなみと湛えています。近くには高天原山荘が建っています。

憧憬の「裏銀座縦走コース」

高瀬ダムから烏帽子岳、野口五郎岳、鷲羽岳などを踏んで槍ヶ岳をゴールとする道は、「裏銀座縦走コース」と呼ばれるロングルートです。
燕岳から槍ヶ岳へ至る「表銀座縦走コース」と並び、多くの登山者が思いを寄せる縦走路の代表格です。

山小屋選びも楽しい

鷲羽岳登山はルート選びの自由度が高く、行きたい山小屋を軸にして行程を決められるところも魅力です。
鷲羽岳に最も近い山小屋は三俣山荘と水晶小屋です。

また、黒部五郎小舎、双六小屋、雲ノ平山荘などもよく利用されています。

鷲羽岳の難易度（信州 山のグレーディング）

21. 縦　裏銀座（高瀬ダム・上高地）　難易度C ★★★☆☆(3)