サスナベ山〜片波山;オソゲ谷左岸尾根↑右岸尾根↓

- GPS
- 03:20
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 630m
- 下り
- 631m
コースタイム
| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
サスナベ山、片波山に至るルートなし。サスナベ山〜片波山の間、サスナベ山南稜〜鉄塔には踏み後あり。詳しくは感想参照。 いずれのルートにおいてもそれなりの読図およびルート・ファインディングが必要と思われる。 |
写真
感想
以前から非常に気になっていた北山の山々であった。まず片波山、北山の山と高原地図には湯槽山とも記され、google mapでも同様だ。実際、こちらの方が古くからの呼称であり、片波山とは南西に流れる片波川に因んで後から森本次男氏によって命名されたものということらしい。しかし、PH氏の山頂標にもこの名称が記されていたこともあり、今回は片波山とさせて頂く。
そしてサスナベ山である。この山名を記した地図は少なく、756mという三角点がポツンと記されているのみである。勿論、ここに至る一般登山道はおろか破線すらない。北山の中でもマイナー度は抜群ではないだろうか。
午前中に八桝川を挟んで対岸のチセロ山〜ちしょろ山に先週の失くしものを探す山行を決めていたのだが、その山行のみでは物足りないので、ついでにこの山々に登ることに。失くしものは結局、見つからずじまいだったのだが、失意と虚しさを解消するためにも、引き続いてどこかの山にでも登らないと気が済まなかったのである。ついでにというにはこの山々に失礼なほどに存在感の大きな山であり、逆にこれらの山々に登るついでにチセロ山〜ちしょろ山を再訪したとも云える。正直なところ、これらの山への期待感のほうが遥かに大きかったのは確かである。チセロ山に至るちしょろ谷林道からこの山々を眺めつつ、早くも午後の山行に胸を躍らせていたのだった。
というのも、この山々、知る人ぞ知る芦生杉の巨木達に出逢えるところである。レコにあげることを躊躇がないわけではない。果たして、この山のレコがあるのだろうかと思って検索すると、さすがヤマレコである。少なくとも二つのレコがヒットするので、私も安心してレコをアップすることに。
サスナベ山に至るルートであるが、東にのびるオソゲ谷の右岸と左岸の尾根を辿るコースの他、湯槽谷に沿って丹波広域基幹林道を辿り、片波山との鞍部に達するルート、湯槽谷左岸の尾根を辿るルートが考えられるが、夕方に京都で用時もあるので、車は駐車場に止めたままオソゲ谷の左岸と右岸を周回することにした。
山村交流の森でおでんとラーメンのランチをとると、八桝川に沿って府道を北上する。ほどなく横差橋、椿橋と桂川に連続してかかる橋の間を左折し、山に向かう細い林道に入っていく。ほどなくオソゲ谷の沢に出合い、林道はその左側に続いているのだが、驚いたことに林道の上には裁断された樹木の断片が堆く積み上げられているではないか。人が通行しないことが前提とされているようだ。果たして、こんなことがあってもよいのかと思い、半ば憤慨しながら無理矢理、進んでゆくとその先では林道そのものが大きく崩落している。ふと沢筋の対岸をみると細い山道が目に入ったので、谷に降りて沢を渡渉し、この踏みあとを辿る。間もなく見慣れた関西電力の送電線巡視路特有の黒いプラスチック製の階段が目に入り、階段を上り、斜面に取り付く。
踏みあとはすぐに不明瞭となるが尾根を目指して登っていくと、すぐに送電線の鉄塔に出る。ここまでかなりの急登であったが、谷から吹き上がってくる風の涼しさが火照った体には何とも嬉しい。鉄塔の周囲ではタムシバが多く咲いていた。鉄塔から上では踏みあとが明瞭である。しばらくすると赤いプラスチック製の火の用心の看板がある。ここからは尾根の薮が増えるが、右手には踏みあとの先に赤テープがあるではないか。この赤テープに安心し、尾根をトラバースする踏みあとを辿る。しかし、トラバースの先は尾根からますます離れて次の送鉄塔を目指しているように思われる。この赤テープを含めて送電線巡視のためのルートであったのだろうと思い至る。先ほどの「火の用心」にまで戻るのも一法だが、果たして尾根筋にリカバリーする法はないかと辺りを見回す。ゆずりはの樹の下を掻い潜って斜面を登ると突然、開けた伐採地に出た。目の前は午前中に登ってきたチセロ山をはじめとした山村交流の森の好展望が拡がる。こういう時、伐採地は有難い。伐採地の上部まで一挙に上がると、まもなくオソゲ谷左岸尾根に合流し、尾根の頭に到達する。
ここから尾根はなだらかになり急に歩きやすくなる。そして、いよいよ、次々と現れはじめる。他の山域で出会ったら一本でも驚嘆するような杉の巨木が群生する様は圧感だ。杉の巨木達と戯れているうちに時が経つのを忘れそうになる。芦生杉の巨人達。傾きつつある午後の陽の光が杉の樹皮を黄金色に輝かせる。午前中のチセロ山、ちしょろ山でも感じたのだが、いざ写真に撮ろうとすると、私の技術が拙いせいもあるのだろうが、コントラストが強すぎて、露出を上手く調整するのが難しい。曇りの日や霧の中のほうが樹々の写真を撮るには遙かに適するように思う。芦生杉の周りを道草しているうちに緩やかな尾根を辿り、サスナベ山の山頂に至る。山頂には標識の類はなにもないHehe氏お手製のプレートがあることを期待していたのだが見当たらず残念だ。
次は片波山を目指して尾根を西に向かう。この尾根にもしばし、芦生杉の巨木達が現れる。尾根には南側の斜面から終始、心地よい薫風が吹き上がってくる。まもなく植林の杉林の中の急降となる。尾根の右手(北側)を下るのが降りやすいのだが、倒木が多くいのが難点だ。この斜面を再び登るのはかなり大変そうだ。片波山との鞍部には上述の丹波広域基幹林道が通じているが、驚くことにこの峠まで舗装されている。
峠の手前(南側)の開けた斜面から尾根筋に挙がるかすかな踏みあとを見出し、ここから斜面にあがると、すぐに尾根に出る。有難いことに、ここからは踏みあとも辿りやすく、頻繁に赤テープも現れる。樹林帯の薄暗い中、なだらかな尾根を辿るとまもなく片波山に到着した。頂上は眺望はないものの樹林の間から光が差し込み、そこだけ明るく輝いている。
PH氏の山頂標は切り株につけられていたが、通常はこのような低いところにつけられる筈はないので、一度、飛ばされたののを誰かがつけたのであろう。よく見るとプレートの後ろで針金も切れてしまっている。湯槽山と書かれたアルミの山頂標も近くの草叢の中に見つけたので、PHの山頂標の切り株に一緒につけ直させて頂く。さて、これから折り返しである。山頂近くの尾根筋でタムシバの花の芽が多くついている倒木があり、家内が欲しがるので、持ち帰らせていただくことに。
サスナベ山との鞍部からは先ほど下ってきた杉の急斜面が多少憂鬱だ。鞍部からは山の南斜面に沿ってトラバースする地図には記載されていない林道が伸びているので、この林道に入ってみることに。あわよくば湯槽谷の左岸の尾根にたどり着ければ・・・と期待したのだが、そうは甘くない。林道はわずか数100mほどで終わってしまう。林道終点からそのまま斜面をトラバースしてその先のタムシバが多く咲いている南斜面に到達すると意外にも登りやすい尾根筋である。ほどなくサスナベ山の西稜の尾根に復帰する。鞍部から直接登るより楽に登れたのではないかと思う。もしもこの道を辿られる方がいらしたら、是非、参考にして頂きたい。
サスナベ山からはしばらくは湯槽谷左岸に伸びる南稜を下るが、こちらも踏みあとを辿りやすい。見覚えのある「火の用心」のプレートに出遭うと、このプレートが示している先が目指すオソゲ谷右岸の尾根であることに気付く。左岸尾根とは異なりそれなりに急降であるが、尾根に沿って下っていくと、すぐに鉄塔広場に飛び出す。南に滝谷山、東にチセロ山、北に桑谷山と好展望が拡がる。オソゲ谷を挟んで先ほど登ってきた尾根と伐採地が目に入る。杉林の中を下るとすぐに二本目の鉄塔となる。いつしか山の影が長くなり、夕方が近いことに思い至る。
ここから斜面が急に広くなり、踏みあとも不明瞭となる。斜度もきついので、タムシバの枝を左右に持ち替えながら樹から樹へと伝うように急斜面をおりていく。斜面の左が尾根筋であると判断して杉林の端を下る。このコースのうち、ルーファイに最も注意を要する箇所と思われる。やがて再び尾根が狭まり、明瞭化するとやがて足元も歩きやすくなり。林道の入り口のあたりに着地した。折しも、林道の入り口付近では滾々と岩から水が湧き出ているではないか。今回の山行でほぼ飲み干してしまった二本のペットボトルを差し出し、水を汲み入れるとその美味しいこと美味しいこと。あっという間に一本を飲み干してしまう。
山村交流の森に戻りつき、ふと気が付くと先ほどまで手にしていたタムシバが見当たらない。しまった。先ほどの林道脇の清水のところだろう。水の美味しさに頭の中が空白になってしまったようだ。16時半近くであったにもかかわらず、電光板に表示されている気温は20℃であった。道理で日中は暑かったわけである。6月を過ぎると日中は暑すぎて、今回のルートは相当な発汗と消耗を覚悟しなければならないところだろう。むしろ冬場にスノーシューやワカンを装着した時の方がはるかに登りやすいことだろう。今度は厳冬期の降雪後にでも再び訪れてみたいものだ。
コメント
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山猫
yamaizu











芦しう杉はすごい迫力だね。貴重な原生の森、素晴らしいものを見させて頂きました。
コメント有難うございます。比良山系にも素晴らしい巨木がありますが、このサスナベ山の山頂の周辺は群生が凄すぎて、異次元世界に思われました。レコにも書きましたように、積雪した時期こそ良さそうです。doiご夫妻がWILD1にでもいらした時についでに立寄るのは如何でしょう。
グッドアイデア!
ご一緒して下さい😄
勿論、喜んで😀
レコタイトルに、サスナベ山って出てきてびっくりしました!
私の名前も出てきて、またびっくり!
初めまして、yamaneko0922さん。
登山目的で登る人もない様な山なのに、
このお山の3つ目のレコになりましたね
プレート、無くなってしまったのですね。
風で飛ばされてしまったか…
写真#10の真ん中の木に付けたような気がします…。
経験値も実力も雲泥の差の私ですが、
ひょとしたらどこかのお山で出会う事があるかもしれません。
その時はどうぞよろしく、です。
コメント有難うございます。秘かにコメント頂けますことを期待しておりました。こちらからheheさんのサスナベ山のレコにコメントを入れさせて頂こうと思って、以前の山行記録をめくっていたところです。山頂標を写真に納めてご報告したかったのですが、折角の山頂標が無くなってしまって、本当に残念です。私も確かこの木につけられていたかと思って、山頂の写真をとりました。
悪いのは昨年の台風21号ではないかと思います。他の山でもそれまであった筈のPH氏のプレートも吹き飛ばされているようですし。
こちらこそ、いつかお会い出来ますこと、期待しております。北山の北山の尽きせぬ魅力を愛する者同士としてお話しさせて頂けますことを。
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