夕暮れの屋島縦走+栗林公園


- GPS
- 01:17
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 341m
- 下り
- 364m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
写真
感想
この日は高松への出張。前日に休みを入れたのだが、石鎚への登山を楽しみにしていたのだが、悪天で石鎚は諦める羽目になる。翌日の別の出張のるために夜には高松を去らねばならないなだが、少しだけ時間を作ることが出来たので出張先でトレラン・スタイルに着替えると関係者に見つからないようにこっそりと会場を後にする。
通りでタクシーを捕まえると屋島の北嶺の登山口へと行き先を告げる。普段でも北嶺から登る人は滅多にいないであろうし、ましてやこの夕方の時間からである。タクシーの運転手が驚いたのはいうまでもない。驚くことに、タクシーの運転手にとってはこの北嶺は少年時代の秘かな遊び場であり、思い入れの深い場所であったようだ。どこから来て、何故、この北嶺から屋島に登るのかといろいろ詮索が入るのは致し方ない。
まずは海に突き出た突端の長崎ノ鼻を訪れてから海岸から登り始めようかと思案していると伝えると、タクシーの運転手もあそこはいいところですよ、「子供の時は海水浴場でした」と仰る。
屋島の西の海岸に沿って車は走る。忽然と瀟洒な建物が出現する。高級フレンチ・レストランらしい(オーベルジュ・ド・オオイシ)。人家もなくなり、寂れた雰囲気の林道の入口で車が停まる。そこが長崎ノ鼻への入口であった。
長崎ノ鼻から振り返る屋島の北嶺はかなり峻険な鋭鋒に見える・・・というより、ここからの屋島北嶺を眺める機会はそうそうないに違いない。どうせこの屋島に登るのであれば海抜0mから・・・というこだわりではなく、なんとなく岬の突端の光景が気になってここを訪れてたのであったが、屋島北嶺を仰ぎみることが出来ただけでもこの長崎ノ鼻を訪れる甲斐があったというものだ。
さて、ここからはいよいよ北嶺を目指して登山を開始する。まずは古墳への道標に導かれて鬱蒼とした林の中へと入る。滅多に通る人はいないのだろう、落葉の堆積した踏み跡は薄いが、下草は少なく意外と歩きやすい。
車道に出ると、車道を渡ったところに北嶺への登山口がある。ここからは木の階段の道となり、整備された広い登山道だ。登るにつれて岩場が現れる。間もなく遊鶴亭に出ると、女木島、男木島、豊島、小豆島といった瀬戸内の島々を見晴らすことが出来る。雲のせいで既に空は薄暗いが、高松の街のあかりはまだついていないようだ。女木島の上で雲の切れ目の向こうで空が色づいている。
北嶺の平坦な山上の両側に舗装路がついているのだが、山の中央を辿る登山路を辿る。樹林の中なので眺望はないのだが、樹林が切れるところで大きな公園に出る。東側には眺望が開け、屋島湾を隔てて五剣山を間近に望む。
ここからは舗装路を辿り、北嶺と南嶺の間の鞍部に至るが、尾根上に踏み跡がついていることに気がつき、途中からは尾根上の踏み跡を辿る。小さなアップダウンを繰り返しながら登ってゆく。この尾根上のトレイルを辿る人は少ないのだろう、登山道とは呼べない代物であり、完全なヴァリエーション・ルードである。ところどころで東側の眺望が開け、五剣山の山麓では徐々に街の明かりが灯ってゆく。踏み跡がなくなり完全に藪となったと思うと、展望台の直下であった。
道なり辿って水族館の方に向かう。それまで暗い林の中の道だったのが、観光旅館が立ち並ぶあたりに出ると、突然、人の姿も多くなる。水族館の前を横切って先に進むと再び広い展望台に出る。すっかり夜の明かりを灯した高松の市街が一望のもとである。ここが獅子の霊巌と呼ばれる展望地らしい。天気が良ければ夕焼けを背景に夜景を望むことが出来るであろうから、それは素晴らしい景色になると思われる。既に男性の先客が一人いらした。さすがに風が強く、急速に寒くなっていくように思われる。明日からは強い冬型の気圧配置となるようだ。
屋島寺まで店じまいをした土産物屋が両脇に立ち並ぶ暗い通りを辿ると、下山は舗装された屋島寺の参道を駆け下りる。驚いたことに夜景を愉しむためであろうか、幾人もの人が登ってこられる。懐中電灯を携えて登っている人もいれば、全くライトを灯さずに登るひともいる。向こうから薄暗がりの中を4人の人影が歩いてくると思えば、なんと制服姿の男子高校生であった。口々に「こんばんは」と挨拶してくれる声は爽やかだ。
参道を駆け下りて、琴電屋島の駅に辿り着くと、丁度琴電の電車が到着するところであった。終点の瓦町までたどり着いて忘年会で賑わう繁華街を小走りに走り抜けてホテルに戻る。クロークにあずけておいた荷物を受け取るり、素早く紺ブレにネクタイを締めると何食わぬで会場に戻るのだった。
私の部下のchimachuと出会う。彼はこれからヘッデンをつけて屋島に登りに行くとのことだった。さぞかし、いい夜景の写真が撮れることだろう。この上司にしてこの部下あり・・・か。
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