富士山デビュー(吉田口)

コースタイム
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
天候 | 晴れ一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
(以下、当時書き込んだブログ転載です)
http://yellowbird3776.livedoor.blog/archives/640084.html
2009.8.8−9 デビュー戦(0泊2日)
恥ずかしながら、ミッドクライシスなる言葉を知ってなるほどなぁ、と思いました。
なんとかしなきゃ、と思いながら、ナニカがみつけられない、みつけようとせずに、先送り。
2009年、全て歩いて四国八十八箇所をまわってみたら、ナニカみつけられるのではないか、と考えましたが、長期フリーの時間が作れない身。
こまぎれに、通い続けるには遠すぎる。
ほかに、少しハードルが高くて、でもがんばればできる、ことはないかな、
というのが、富士登山のきっかけでした。
ガイドブックなどを熟読して、2009年8月8日、初富士山に挑戦。
・普通のリュック
・普通の運動靴
・ゴルフ用キャップ
・ゴルフ用レインウェア(タイトリストロゴで、東レがつくったゴアテックス)
・ゴルフ用ポロシャツ
・緩めのジーンズ(←これは今思えば無謀でした)
・フリースなどの防寒着…etc
で挑みました。
当時はゴルフをやっていましたので、身の回りのものはほとんどゴルフ用品で、富士山のために事前に購入したのは、ヘッドランプと、ゴアの手袋と、酸素缶w、だけでした。
金剛杖はなし、です。
当時の職場は、フレックス制度があったので、少し早めに退社して、帰宅後、用意しておいた荷物を背負って出かけようとしたらものすごい土砂降り。
いわゆる夕立で、夜から明日にかけては天気良好とのことでしたが、ただでさえ不安なのに、やっぱりやめようかな…などと雑念が入りましたが…エイッがんばれ、と出発。
不安でもんもんとしながら、新宿から特急に乗車して大月へ。周りはサラリーマンばかりでしたが、富士急行に乗り換えると、本格的な登山スタイルの人がちらほら。
「みんな私のこと、ヘン、だと思っていないかな、やっぱり、普通のリュックにスニーカーじゃ、目立つかな」と一人びくびくしてました。
河口湖駅でバスに乗り換える頃には雨も上がり、月も見えてきました。
ガイドブック通り30〜40分くらい5合目に留まり、その後、カメのようにゆっくりゆっくり進みました。
みんなにどんどん抜かされます。高山病ってどうなっちゃうのか怖かったので、あえてトロトロ進みました。
6合目につくと、頂上まで連なる山小屋の明かりが見え、山の姿もクッキリ見えました。
「え?意外と近いじゃん。あっという間に登れんじゃない?」
と、大きな勘違いをした私。
つづら折りの砂利道をゆっくり登り続けること1時間。突然、道がなくなってしまいました。動揺してヘッドランプを強めにし、よく見回してみると、目の前の岩の崖が登山道のようで、その上に山小屋が見えました。
今となっては、どう見ても登山道ですが、当時の私は、5合目からそこまでの道しか経験してませんので、まさかそんなに急な岩場が突然現れるとは思っておらず、びっくりしました。
と、ここでポツっときたと思ったら、あっという間に雨がきました。真上の山小屋までまずは、と思いましたが、あっという間に雨が強くなってきたので、あわててレインウェアを取り出して着ました。今思えば、ザックカバーも持っていませんでした…。このレインウェアは、ゴルフ用ですが、奮発して買ったもので、雨の日でも比較的快適でしたので、富士山でも威力を発揮するだろうと信頼してました。
岩場をよじ登り、7合目に到着。雨はどんどん強くなりました。素人の私は、下山したほうがいいのだろうか、と弱気になりましたが、みんなどんどん登っていきます。私も、少し雨が弱まったところで、あとに続きました。
ここまではガイドブック通り、ゆっくり30〜40分歩いて、10分休憩、を時計を見ながらきちんと繰り返していたのですが、このあとは息が上がってしまい、全然シミュレーション通りいかず。延々と続く岩場に苦戦。「これが、頂上まで続くの?無理かも〜〜〜。でもみんな登ってるし…」
しかも、山小屋をいくつ通過しても7合目から進まない「7合目っていったいどこからどこまでなのさ?!」
そうこうしているうちに、雨が上がり、8合目の目印がようやく出てきて、再び砂利道に変わりました。雲が多いながらも、すきまから星がちらほら見えてきました。御来光が拝めるとは限らないと聞いていたけど、見られることを祈ってぜぃぜぃ登り続けました。
だんだんと地平の方が明るくなり、8合五勺、登山道最後の山小屋、御来光館を過ぎたあたりで、いよいよ周囲が明るくなってきたので、登山道脇に寄ってご来光を待つことに。ところが、雲が厚いので光が出そうで出ません。
今思えば、もう少し登ってから立ち止まっても良かったな、と思います。
雲の隙間から、ようやく光が見えると、雲がサーモンピンクというか紅鮭というか、何とも言えない色に変わります。
富士山への挑戦のきっかけにもなった、周囲の様々な出来事に頭をたれ、手を合わせてみんなの幸をお祈りしました。そばにいた女性に、携帯で写真をとってもらいましたが、御来光を背にすれば、モロに逆光。荷物の重さが心配だった私は、古いデジカメは、かさばるし、重いので置いてきてしまい、携帯電話のカメラのみだったのを後悔しました。
一旦太陽が顔をのぞかせると、幻想的なご来光の瞬間は、あっという間に過ぎ去り、すっかり明るくなってしまいました。顔を上げると9合目手前の鳥居と、頂上が見えています。大勢の登山者が一斉に列をなして山頂を目指して進み始めました。
明るくなって改めて付近を見回すと、火星のような(行ったことないけど)赤茶けた斜面に、非日常!と感動し、登山道を見下ろすと、真っ暗闇の中、登っていた時にはイメージできなかった斜面の様子がよく見えました。母が、「9合目の鳥居から頂上なんてほんの数十メートルなのに、これがどうして、なかなかつかないんだよ。上から声かける人と話せるくらい近いのに」と言っていたことを思い出します。実際に鳥居のところまでくると、確かに山頂で賑やかにしている人の姿はよく見えますが、数十メートルなんてことはありません。母の話は、ちょっと大げさでした。
登山道は連なっているものの、立ち止まることはなく、ゆっくり流れていたので、息の上がった私は、ときどき脇にそれて、呼吸を整え、また登る、の繰り返しでした。足が少しずつ上がらなくなってきて、目の前の石をよけるのもきつくなってきました。
山頂直下は再び岩場となり、数メートル進んではとまる繰り返し。5合目から一貫してゆっくりペースでしたが、更にスピードは落ちました。岩場の最後の折り返しを終えると、あとは階段状になった登山道を突き進めば、山頂直下の鳥居です。この段差、情けないですが、真っ直ぐに足が上がらず、横から足を回して一段ずつ登りました。大腿と、股関節のところがへばっていました。ジムに通って、それなりに運動はしていましたが、登山で使う筋肉は鍛えられていなかったようです。
ようやく山頂につきました。感無量です。神社でお参りし、時計回りに進みました。神社の御守りはもちろんですが、山小屋のお土産や、飲料、食料の値段の高さに愕然。高いとは聞いていましたが、そこらへんの観光地の値段の更に3倍くらい高いです。山頂のキーホルダーや通行手形など、欲しいと思いましたが諦めました。
それから、山小屋の裏手にまわり、火口を覗き込みました。この、お鉢についても、ガイドブックや、母からの話で想像していたものとは全く異なり、大きいの何のったら!
そのまま、ゆっくりとお鉢(火口のふち)を回りはじめます。眼下には登山道や町並み、樹林帯が綺麗に見えました。
と、その時に、下から霧が湧き上がってきたかと思ったら、あっという間に景色が見えなくなってしまいました。
またすぐ晴れるのかと思ったら、その後、下山までずっとガスが出たまま。もっと写真を撮っておけばよかったと思いながらも、ほんの一瞬でも、頂上で景色を眺められたことに感謝です。あと数分遅れていたら、下界の景色は拝めませんでした。当然、宝永山も、富士側の景色も見えません。
そして御殿場口山頂。
そして、富士宮口山頂に到着です。噂の郵便局に人だかりが出来ています。
初めての馬の背は、こんな急な坂、初めて!というほど傾斜がきつく、お鉢の回り始める方向を、よく考えずに歩き始めましたが、時計回りでよかったと感じました。下りだったらムリ〜![+д+]/ ムリダーヨ
そうしてようやく剣ヶ峰。ありがたや。。。奥の鉄階段を登ってみましたが、ガスで何も見えなかったのは残念。剣ヶ峰で写真を撮ってもらい、「念のため、もう一枚」とおっしゃってくれたご好意に甘えようとすると、そこでバッテリー終了。えぇっっ!?携帯電話なんて、3〜4日放っておいてもバッテリー切れなんておこしたことなかったのに。母に下山を知らせるメールもできないではないか〜〜〜。(スマホは、すぐ電池切れますが、このころの携帯はもちがよかったです。電波の弱い山ではバッテリーがすぐなくなるということを学びました)
あとは、ガスガスで下界の景色が見えない中、そのままお鉢を1周。山頂まではガスは上がってきませんでしたので、火口は終始よく見えました。
息は上がるけれど、ヘタるほどじゃないので、高山病ってやつは大丈夫だったみたいです。
さて、下山です。ガスで先は見えませんでしたが、このジグザク砂利道がいったいいつまで続くの?先が見えない不安と戦いながらひたすら下る・・・。しかも、滑るんです。おんぼろスニーカーなので、砂利も入ってくるし。足痛い…。先が見えるのも嫌だけど、初めての富士山で、先が見えないのもこれまた不安。永遠に下山できないんじゃないかという錯覚すらおこしちゃいます。
おぉ!ガイドブックに書いてあったWCが見えてきた!と思ったのも束の間、ただの雷退避小屋。ここでようやく半分でした。だんだん気温も高くなってきて、暑くなってきましたが、レインウェアを脱ぐのも面倒なほど疲れていて、そのままがまんして歩き続けました。
WCを超えて、落石よけのシェルターが見えてきました。最初は、シェルターをちゃんと通っていたのですが、この中の階段みたいなのの段差が堪えます・・・。で、シェルターを出て、シェルター沿いの道を歩きました。シェルターが終わったあとの下りは、私にとって富士吉田口下山ルートの最大の難所です。急だし、滑るし、まっすぐ降りられないので横向きになってカニみたいに降りますが、股関節にききます。そんな姿を、お馬さんと、「お馬さんに乗らないかい?」と声をかけるおじさんがよ〜く見ていて、ターゲットになりそうなお客さんを狙っています。このお馬さん、5合目まで乗せていってくれるのですが、すっごく高いんです〜〜〜。(゜д゜lll)
お馬さんを横目に、しばらく行くと、ほんの少しだけ樹林帯に入り、少し坂がゆるくなって、瞬間的に登り道などもあって、(このころは、逆に少し登りの方が楽だったりする)いよいよ6合目は間近です。
樹林帯を抜けると、視界がひらけます。左手には、昨晩登った登山道が見えるのですが、昨晩は暗闇を登ったので、実感がわかず、登山道だとは気づかずに、「別なルートでもあったのか?」と思います。そうこうしているうちに、その道と合流し、多くの人が逆方向に登っていくようになります。ここでようやく、登山道と下山道が合流したことに気づきました。
これから登っていく人たちは、みなさんまだ元気です(6合目ですから)。山ではすれ違った人と挨拶するように本には書いてあります(観光地では、人が多すぎてどこまで挨拶すべきか困ったものです)ので、時折挨拶してくださる方がいれば、歯を食いしばって?、笑顔で元気よく挨拶を返します。元気なみなさんに、ボロボロの姿を見せないようにがんばります。この辺りから、6合目の安全指導センターまでは階段状になっているところがあって、段差の大きいところは一苦労。
そして、猛烈な悪臭がしてきました。風向きの関係で、6合目の仮設WCの換気扇から出された空気が登山道方面に流れているようでした。(後に何度かここを通っていますが、あれほどひどかったのは、この時だけです)
安全指導センターを超えると、確かに昨晩通ってきた道を下っていくのですが、ついさっき通ったような、いや、かなり昔のことだったような、不思議な気持ちになります。登山道を降りきると、後はスバルライン5合目に向けて、砂利道のゆるい登りのトラバースだけなのですが、こんなに傾斜があったっけ?と思うくらい登りがきつく、長く感じます。
昨日、家を出るときにあまりにも雨がひどかったので、ビニール傘をさしてきて、荷物になるから、と、スタート地点の道の脇の手すりにコッソリ引っ掛けておきましたが既になくなっていました。
バス、富士急行、JR中央線を乗り継いで帰宅したのは14時をすぎていた気がします。当たり前のような電車の乗り換えのアップダウンがきつくて。
「一度登頂できたので、こんなにキツイならもう行かない。適度な運動を超えて、絶対体に悪い」と思いながら、埃まみれで帰宅し、ようやくシャワーを浴び、携帯を充電して母に帰宅を伝え、泥のように眠りました。
携帯の写真撮影時間からのコースタイム
23:00 スバルライン5合目出発
23:40 6合目
0:50 7合目
3:20 8合目白雲荘
3:40 8合目元祖室
4:55 御来光(雲が多め) 小休止
5:30 9合目
6:20 登頂
以降、データなし…
写真もないのに、最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する