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Yamareco

記録ID: 352318
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
東北

失意の「1091独標」(会越国境敗戦レポ)

2013年09月28日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
8.4km
登り
664m
下り
644m

コースタイム

廃林道進入 9:15 → 10:12 林道終点 10:30 → 10:43 825P(地形図) → 11:50 1015M付近(負傷、敗退へ)
(所要 2:35)
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2013年09月の天気図
アクセス (福島県金山町)本名ダム → 三条林道 → 本名御神楽登山口手前
コース状況/
危険箇所等
(薮の廃林道と踏み跡が僅かに残る尾根ルート・・・正規ルートではありません)
1.本名御神楽登山口手前まで車両進入可能。
2,同登山口手前から右手に入る林道は地形図「731」ピーク先の終点まで所々背丈を越える雑草
  の蜜薮でほぼ廃道状態(近時の歩行形跡もなし)。
3.林道終点から地形図「825」ピークの間、及びその先標高800〜900Mの間は所々踏み跡が消
  失状態。
(直進)
登山口となる林道へはここを直進する。
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(直進)
登山口となる林道へはここを直進する。
(林道入口)
大鍋又沢の橋を渡り最初の二股右が今回の林道(本名御神楽は左を直進)。
(林道入口)
大鍋又沢の橋を渡り最初の二股右が今回の林道(本名御神楽は左を直進)。
(入口標識板)
入口にはテープが張られこんな標識板が立つ。
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(入口標識板)
入口にはテープが張られこんな標識板が立つ。
(廃林道)
林道は背丈を越える雑草が繁茂し徐々に濃密化、人踏の形跡もなく掻き分けながら前進。
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(廃林道)
林道は背丈を越える雑草が繁茂し徐々に濃密化、人踏の形跡もなく掻き分けながら前進。
(前景)
林道2つ目のカーブ地点(標高600M)から前方の尾根先端(同700M)の見上げる。
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(前景)
林道2つ目のカーブ地点(標高600M)から前方の尾根先端(同700M)の見上げる。
(オヤマリンドウ)
薮中に一輪。
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(オヤマリンドウ)
薮中に一輪。
(本名北西稜)
林道3つ目のカーブで前ガ岳南壁上部の稜線が現れる。
(本名北西稜)
林道3つ目のカーブで前ガ岳南壁上部の稜線が現れる。
(スラブ)
同じく霧来沢右岸「818」東壁のスラブ。これぞ奥会津の山の光景だ。
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(スラブ)
同じく霧来沢右岸「818」東壁のスラブ。これぞ奥会津の山の光景だ。
(アザミ)
季節を飾り尽くしたアザミ。
(アザミ)
季節を飾り尽くしたアザミ。
(林道終点)
「731」ピーク先で突如林道が終わり取り付き口を探す。進入後遥か前方にピンクテープを見付けるが踏み跡はない。
(林道終点)
「731」ピーク先で突如林道が終わり取り付き口を探す。進入後遥か前方にピンクテープを見付けるが踏み跡はない。
(ミヤマママコナ)
踏み跡が岩稜に変われば季節の使者が現れ、疲れを癒してくれる。
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(ミヤマママコナ)
踏み跡が岩稜に変われば季節の使者が現れ、疲れを癒してくれる。
(笠倉山)
「825」岩稜ピーク手前で北東県境尾根越しに憧れの「笠倉山」が頭を見せた。
(笠倉山)
「825」岩稜ピーク手前で北東県境尾根越しに憧れの「笠倉山」が頭を見せた。
(県境尾根)
同じく北方に本名御神楽(左)から目指す「1091独標」(右)への稜線も現れた。
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(県境尾根)
同じく北方に本名御神楽(左)から目指す「1091独標」(右)への稜線も現れた。
(ナナカマド)
季節のシンボル、清々しい秋の岩稜尾根に良く映える。
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(ナナカマド)
季節のシンボル、清々しい秋の岩稜尾根に良く映える。
(本名御神楽)
さらに前進、前方に本名稜線がはっきりと現れる。
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(本名御神楽)
さらに前進、前方に本名稜線がはっきりと現れる。
(独峰)
そして右手に手前鞍部から這い上がる「1091独標」も迫って来た。
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(独峰)
そして右手に手前鞍部から這い上がる「1091独標」も迫って来た。
(前ガ岳)
西方は壮絶な絶壁を見せる前ガ岳。ハイライトだ。
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(前ガ岳)
西方は壮絶な絶壁を見せる前ガ岳。ハイライトだ。
(825ピーク)
ビューポイントとなるピーク。稜線上に杉山ケ崎からの本名御神楽ルートが確認出来る。
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(825ピーク)
ビューポイントとなるピーク。稜線上に杉山ケ崎からの本名御神楽ルートが確認出来る。
(狢カ森)
遥か南西彼方には「狢ヶ森山」(1,314.9M、中央左)のピークも。
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(狢カ森)
遥か南西彼方には「狢ヶ森山」(1,314.9M、中央左)のピークも。
(松樹林帯)
825ピークから黒松の巨木帯を抜けて鞍部へ下る。
(松樹林帯)
825ピークから黒松の巨木帯を抜けて鞍部へ下る。
(鞍部)
細く可成り急な道、慎重に下る。
(鞍部)
細く可成り急な道、慎重に下る。
(杉巨木)
杉の細尾根を登り返す。
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(杉巨木)
杉の細尾根を登り返す。
(細尾根)
左手(西側)は深い鞍掛沢へ一気に落ち込む。
(細尾根)
左手(西側)は深い鞍掛沢へ一気に落ち込む。
(笠倉山)
1,000M付近で遂に憧れの「笠倉山」の全貌を捉えた。今日はこの光景を求めてやって来たのだ。(→この直後笠倉に繋がる県境稜線迄残り80Mを残して右足アキレス腱負傷)
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(笠倉山)
1,000M付近で遂に憧れの「笠倉山」の全貌を捉えた。今日はこの光景を求めてやって来たのだ。(→この直後笠倉に繋がる県境稜線迄残り80Mを残して右足アキレス腱負傷)
(県境尾根)
激痛の負傷事故の動揺を鎮めるため腰を降ろして写真撮影。北東には深い谷から険しいスラブが突き上げる会越県境尾根が覗く。左ピークは「鍋倉山」か。
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(県境尾根)
激痛の負傷事故の動揺を鎮めるため腰を降ろして写真撮影。北東には深い谷から険しいスラブが突き上げる会越県境尾根が覗く。左ピークは「鍋倉山」か。
(南東)
南東のピークは山麓の「かくんば山」(882.5M)か。
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(南東)
南東のピークは山麓の「かくんば山」(882.5M)か。
(825ピーク)
南方の825ピークを振り返る。これから鞍部へ200M余を下って登り返さなければならないが、時間が読めない。
(825ピーク)
南方の825ピークを振り返る。これから鞍部へ200M余を下って登り返さなければならないが、時間が読めない。
(林道へ戻る)
痛みに耐えながら何とか林道まで下山。北西の峰越林道方面を見る。陽はまだ高くひと安心。
(林道へ戻る)
痛みに耐えながら何とか林道まで下山。北西の峰越林道方面を見る。陽はまだ高くひと安心。
(ミヤマヒキオコシ)
気持ちが落ち着き、草花にも目が止まる様になってきた。
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(ミヤマヒキオコシ)
気持ちが落ち着き、草花にも目が止まる様になってきた。
(下山目前)
薮林道も残り1キロを切った。助かった、安堵。
(下山目前)
薮林道も残り1キロを切った。助かった、安堵。

感想

(恥を忍んだ敗戦レポ、まさにご笑納下さい)
1.奥会津の山に取り憑かれている小生には長らく憧れている未踏のピークがある。
2.御神楽岳の東方に聳える標高1,139.7Mの「笠倉山」という山だ。どっしりと構える御神楽岳
  に小さいながらも天を突く鋭さでいつもぴったりと寄り添っている秘峰だ。
3.今回もより近くで眺めてみたい、登頂するとなれば中継ピークとなる本名御神楽東方の
「1,091M」独標迄のルート状況を知りたい、中継ピークから笠倉山頂迄の”距離感”を掴んでお
  きたい等々の欲望から偵察登山に出掛けた。
4,ところが、独標ピーク直前の「1,015M」付近でアキレス腱を傷め、敢えなく途中敗退の憂き
  目に会ってしまった。
5.負傷の直接要因は足下の見えない薮ルートでツマ先を滑落させたことだが、藪山単独行の危
  険性を知りながら自らの慢心が招いた失態です。
6.事故直後は激痛から下山は無理か、ひょっとしてこのまま遭難か等と一瞬不安がよぎりました
  が、何とか自力下山が出来て胸を撫で下ろした次第。(足首が腫れて再び靴が履けない状況に陥ることを恐れ敢えて靴は脱がなかった。)
7.「あの鋭峰に登りたい!」と魅せられ、憧れるあまりに生じる心の隙、日頃から自戒していた
  つもりでもこの顛末で、ある意味「山の本当の怖さ」(魔力)を再認識させられた。
8.憧れの恋人(笠倉山)は遠くに去って失恋の心境にも。(それより帰還出来たことに感謝か)

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コメント

笠倉山
こんにちは、tonkaraさん。
アキレス腱の具合はいかがでしょうか。ソロでの薮山探訪、危険も一緒ですのでどうぞ気をつけてくださいね。
昨年本名御神楽に登った折、この山の写真を一枚とっていました。今は立ち入り禁止の本名御神楽からの周回ルートを撮ったときに写りこんだものです。
かつては、周回ルートの1091pから笠倉山に道があったようですね。1999年の記録では1091から笠倉まで3時間弱のようです。今は藪がどうなっているかでしょうが。

薮ロマンの道、なかなか魅力的です。が、なかなか遠い会越国境です。
おつかれさまでした。怪我、どうぞご自愛ください。また、思いがけない記録、拝見させてくださいね。
kiyoshi拝
2013/10/2 16:51
笠倉山(返信)
Kiyoshi さん こんばんわ

いつも拙レコを覗いていただき、又拍手も頂戴しありがとうございます。

今回は醜態をお見せし、お恥ずかしい限りです。足の方は休み明け病院に行きました。ご心配まで御掛けし恐縮です。

入山者も稀な薮コースで動けなくなったらどうなるかは、重々承知していてもこんなことになってしまい、やはり自戒が足りなかったと今は反省しきりです。当分の間はKiyoshi さんやKamadam さん等のレコを拝見させて戴きながら謹慎したいと思います。

東偏積雪に削られた会越県境のスラブ山塊は独特の魅力があります。遠路のようですがまた機会を作ってお出で下さい。
2013/10/2 21:13
遅コメ失礼いたします
「あの鋭峰に登りたい!」と魅せられ、憧れるあまりに生じる心の隙・・・
とても共感いたしました。と言うより今の自分に向けられたお言葉のようにも思います。

会越国境・南会津の山々は、とても手強いものと思います。昔、ヤマケイで丸山岳の記録を見て、強く印象に残っています。その地域の登山道のない山を単独で登るのは、リスクの高いものとは思いますが、ぜひこれからもすばらしい記録を見せてください。

憧れの恋人と一緒になれる日が来ることを祈っています
2013/11/21 21:28
遅コメ失礼いたします(返信)
kamadam さんへ

おはようございます。
拙敗退レコお恥ずかしい限りです。

kamadamさんもきっとそうかと思いますが、薮山に入れば主客逆転、山に”服従”しその山の吐息、鼓動を強く感じながら歩きますよね。今回は自分を負傷させた笠倉山が自分に何を訴えたかったのかを考える機会を貰った気がしています。

奥会津にも丸山岳等魅力的なピークが沢山ありますから、機会がありましたら是非お訪ね下さい。
2013/11/22 10:02
プロフィール画像
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