雄松山荘道〜釈迦岳〜見張山☆雲上の稜線から冬枯れの北比良へ


- GPS
- 05:11
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 1,474m
- 下り
- 1,468m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雄松山荘道はバリエーション・ルートですが明瞭な道があり、危険箇所はない。 尾根への取り付きは分かりにくく山と高原地図は正確ではない。参考までに過去のレコを引用。 no2さんによるレコ https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1585300.html HB1214さんのレコ https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1074907.html |
写真
感想
前日は大阪で用事があり、この日は大きく出遅れることになった。午後からの短い山行を考え、京都駅から湖西線を経由する新快速に乗る。山行先は北比良か湖北のあたりの何処かにと乗ってから考えることにする。
新快速が堅田を過ぎると左手の車窓には比良の山々が見える筈ではあるが、山麓の低いところまで雲がかかり上の方は全く見えない。琵琶湖の方に目を向けても岸から先はほとんど視界がきかない。これは雲海の下にいるのだろう。この時間まで低層の雲が残っているのは珍しいが、比良の稜線に出れば間違いなく上から雲海を見晴らすことになるだろう。朝早くに家を出てこなかったことを今更ながらに後悔する。
新快速の次の停車駅、近江舞子で下車する。ここからは釈迦岳に上がる雄松山荘道がある筈だが、残念ながらこの道は通ったことはなくヤマレコのアプリでもルートのログが全くない。スマホで検索をすると雄松山荘道分岐を通った最近のレコが上がってきて、過去のレコを検索することが出来ない。
山と高原地図に記されているルートを頼りに別荘地を登ってゆく。しかし地図で登山道が記されているあたりには登山道の入口らしきものはない。別荘地の敷地内に入り込まないようにして左手の尾根の斜面を登ると、尾根に上がったところで明瞭な掘割の古道が現れた。どうやら別荘地の奥から入るのではなく、少し手前から左手に分岐する道に入るのが正解だったようだ。
比良の東側斜面は植林の杉林が多いのだが、緩やかな尾根上には自然林が続き、広々とした道が続く。このような明瞭な道がなぜ地図から消えてしまうのだろうと不思議に思うほどだ。
ワンゲル道との合流部が近づくと急登となり、踏み跡が分かりにくい箇所もあるが、下生の少ない尾根芯を辿れば全く問題はない。急登が落ち着くとすぐにもワンゲル道との合流する。分岐点には「近江舞子」とだけ記された木のプレートが低木に掛けられていた。
ワンゲル道はしばらくは明瞭で快適な道が続く。葉を落とした広葉樹の樹間からは山麓に雲海が広がっているのが見えるが、残念ながら写真に撮れるような展望が広がる箇所がない。やがてイチョウガレと呼ばれる急峻な岩場となり、ここを登りきって一気に高度を上げるとすぐにもイン谷からのルートと合流する。
ようやく樹林のから突き出した箇所があり、蓬莱山の山麓に雲海の展望が広がった。まるで雲の白波が蓬莱山に押し寄せているようだ。
冬枯れのブナの疎林を山頂まで緩やかに登り詰める。山頂が近づくとテン泊装備と思われる重装備を背負った単独行の男性が脇目もふらずに山頂を通り過ぎていくのが目に入る。
山頂に到着すると刈り払いのされた北側斜面に出る。こちら側にも見事な雲海が広がり、蛇谷ヶ峰の山麓を雲の白波が洗っている。
釈迦岳からフジハゲ、ヤケオ山にかけては尾根上に樹々がまばらであり、北比良随一の爽快なパノラマ尾根が続く。右手の後方には蓬莱山の山麓に広がる雲海、左手には高島方面の雲海を眺めながらヤケオ山に到着する。山頂では一人の男性が休憩しておられる。
ヤケオ山の北斜面も草原地帯であり、しばらくは好展望が続く。ススキの彼方に冬枯れの北比良の山並みを見下ろしながら斜面を下ってゆく。ここで前を行く重装備の男性に追いつく。昨夜は蓬莱山でテン泊されたようだ。今朝は雲海の上は晴れていて景色がとても綺麗だったとのことだった。
斜面を下るとしばらくは眺望のない地味な樹林が続くが、植林が少ないのが有難い。ヤケ山、寒風峠、滝山、鵜川越とアップダウンを繰り返す。岩阿沙梨の山頂の北側にある大きな岩は仏岩と呼ばれるところだろう。岩の上からは再び高島の鴨川方面の展望が大きく広がる。雲海はさすがに薄れてきたように思えるが、この時間まで低い雲が残っているのが驚きだ。
前回、権現山から北比良まで縦走した時には岳山に向かったので、今回は鳥越峰から見張山に向かうことにする。展望のない地味な尾根が続くが、小刻みにアップダウンを繰り返す岳山への尾根と異なり、見張山への尾根はほとんどアップダウンがない。
雲の下から夕陽が顔を出し、林の中を柔らかな橙色に染めてゆく。見張山は名前に反して展望はなく、山名標がなければ山頂とは気が気づかずに通り過ぎてしまいそうな平坦なピークだ。見張山を通過して広々とした尾根を進むと送電線鉄塔が現れ、ようやく琵琶湖方面への展望が広がった。空と湖の境界が不明瞭なので対岸に見える奥島山はまるで空に浮かんでいるかのように見える。
近江高島に向かって小さな谷を下降するばかりだ。標高が低くなるとまだ僅かに残っているタカノツメの黄葉が冬枯れの樹々の中では一際よく目立つ。日吉神社の近くでは樹林の中にカエデの大樹にも黄葉も残っていた。
駅に到着し、コンビニでビールを購入するとすぐにも湖西線の列車が到着する。湖西線の車窓には辿ってきた稜線が広がるが、まもなく夕闇の中に稜線のシルエットは薄れていった。
いろんなお山のレコを拝見しているので、比良はお久しぶりなんかなと思いましたが、先月に大縦走されてましたね。あれは凄かった。
今回歩かれたルートで意外だったのが「雄松山荘道」が初めてとのお話。
紹介していただいたように私も以前「雄松山荘」というのが気になってこの雄松山荘道歩いてみたことがあり、結構広めの古道で感じも良かったのですが、歩く方が減ると荒れたままになっちゃいますかね。
ネットで検索しても「雄松山荘」というのはヒットしなく確認は取れておりませんが、登山口辺りに山小屋があったのかな? なんて思いを馳せておりました。堂満小屋というのも名前だけ残っておりますよね。
もう一つ歩かれたルートで気になっていた箇所は、鳥越峰から見張山への尾根ルート。地理院地形図を見ていると歩き易そうな尾根かと想像しておりました。眺望はもう一つのようですが歩き易そうですね。
日吉神社へのルートは、バリルートも合わせ色々とある様子。神社へは実線ルートじゃなく谷沿いにルートがあるようですね。
地形図を見ていて気になるのが日吉神社の裏山辺り。ウサギの耳のような形をしている登山道なんて「なぜこんな形に?」「80mも標高を下げてすぐ横を登り返す??」「ショートカットすれば直ぐ合流できそうなのに…」とか他愛無い事を考えておりました。調べに行く気力が無いのが歳を取った証拠でしょうか(笑)
この部分を通らないバリルートが存在しているようですね。
前述の尾根ルートは、近江高島駅から音羽登山口へ行かず日吉神社経由でリトル比良ルートへ上がるときにでも歩いてみたく思っております。
そうそう、イチョウガレの写真。山猫さんが撮られると凄さが違いますね〜 木の根っこを掴んで登る個所なんて「こんなエグソウな場所だったっけ?」って思っちゃいました。
大概の「感想」よりも長いでしょう
雄松山荘道を歩かれたレコは驚くほど少ないですね。ののさんのレコは実に貴重なレコでしょう。しかし驚くほど良い道が続いており、雰囲気の良い自然林でもあるので、是非、多くの人に歩いて欲しいと願いながら歩いておりました。
>ネットで検索しても「雄松山荘」というのはヒットしなく・・・
私も勿論のこと「雄松山荘」が気になって検索したのですが、どこにどのような建物があったのか分からずじまいです。どなたかご存知の方がおられれば是非ともご教示願いたいところです。
>鳥越峰から見張山への尾根ルート。地理院地形図を見ていると歩き易そうな尾根かと・・・
確かに歩きやすい尾根です。詳しくは書いておりませんが、高木の疎林もあり、紅葉の時期はかなり綺麗かと思います。
>ウサギの耳のような形をしている登山道なんて「なぜこんな形に?」「
地図を見直してみて、確かにウサギの耳のような形の登山道がありますね。確かに探索する価値がありそうなところです。歳のせいになさらず、是非とも探索にいらして下さい。ウリさんをお誘いすれば絶対に喜んで同行されますよ
>こんなエグソウな場所だったっけ?
距離は短いですが、エグいですよね。
ここも是非、ご来訪を・・出来れば雪の日にでも
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