【乗鞍岳】厳冬期3000m峰の頂で人生最強の爆風を体感💦(Mt.乗鞍スノーリゾート・やまぼうし第三駐車場より)


- GPS
- 07:49
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 1,087m
- 下り
- 1,488m
コースタイム
- 山行
- 6:35
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 7:46
天候 | 天候:朝方は曇り時々小雪、9時ごろから晴れ 風:スキー場トップからツアーコース〜位ヶ原手前までは微風 位ヶ原〜肩の小屋〜乗鞍稜線上は10m〜15m/s前後の寒風 剣ヶ峰山頂直下〜山頂間は風速20m超の暴風が吹き荒れる *瞬間的には30m/sくらいの場面もあったと思う。 自分の登山経験としては最大の風で、山頂直下で吹き飛ばされる 場面もあるほどの爆風だった💦 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
■アクセス ・長野道/松本ICより一般道を利用してブルーリゾート乗鞍 (Mt.乗鞍スノーリゾート)の”やまぼうし第三駐車場”へ(7:50着) <長野道/松本ICからやまぼうし第三駐車場まで> ・距離:約41km ・所要時間:渋滞無しの直行で約1時間ほど (Googleマップのナビによる) ■駐車場について ・駐車場は上記の通り、やまぼうし第三駐車場を利用 (県道84号線/鈴蘭橋の手前にある大駐車場) ・駐車料金:無料 ・駐車場内の建物にトイレ、水道、更衣室有り ・駐車台数はパッと見で100台以上 *Mt.乗鞍スノーリゾートまでのアクセス他、詳細情報はこちら↓ https://www.brnorikura.jp/(ブルーリゾート乗鞍HP) ■スキー場の最上部(ツアーコースの入口)までの移動について ・やまぼうし第三駐車場から夢の平クワッドの乗り場までは ゲレンデ内をハイクアップで移動(10分ほど) ・その後「夢の平クワッド」と「かもしかリフト」の2本を乗り継いで スキー場の最上部(ツアーコースの入口)まで移動しました。 ここから登山がスタートします。(リフト料金:600円/本) *現在は分かりませんが、以前このスキー場のリフトは上り専用で、 下り線の乗車は出来なかったので、この日も下りはスキー場の 最上部から駐車場までゲレンデ内を歩いて下りました。 ■コンビニ ・松本IC周辺及び、R158沿いに数軒あります。 *最終コンビニ(長野側:松本IC〜Mt.乗鞍スノーリゾート間)は R158、アルピコ交通 新島々営業所付近にあるコンビニが最後です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【山小屋・トイレなど】 2023/02/09 現在 1)山小屋について ・今回辿ったルート上の山小屋は、肩ノ小屋と頂上小屋ですが、 2/9時点で全て冬期閉鎖中です。 従って、ルート上での水や食料の補給は基本的にできません。 またトイレも利用できないのでご注意下さい。 *今回のルートから少し外れますが、位ヶ原山荘は2/4から営業開始 のようです。 *積雪期の乗鞍日帰り山行の場合、位置的にここを利用することは あまりないと思いますが一応情報として記載します。 位ヶ原山荘の情報はこちら⇒ http://www.kuraigahara.jp/ 2)トイレについて ・基本的に今回のルート上にトイレはありません。 上記の通り、山小屋も冬期閉鎖中で使用不可。 肩の小屋口のトイレも閉鎖されており利用できません。 *やまぼうし第三駐車場のトイレが最初で最後になるのでご注意を。 【コース状況、積雪状況、雪質など】 2023/02/09 現在 1)ツアーコース〜位ヶ原〜肩ノ小屋まで ・しっかり雪がついており特に問題なく進めました。位ヶ原手前の 急斜面も同様に雪がついていました。 ・位ヶ原に出ると樹林がなくなり広大な大雪原のエリアになります。 *このエリアは濃霧になると非常に迷いやすいので要注意。 ・肩の小屋口から肩ノ小屋までの区間は、完全なノートレースの区間 でした。位ヶ原もトレースのある個所と消えている個所があり、 この日はツアーコースも含めて、肩ノ小屋まではアイゼンよりも スノーシューの方が圧倒的に有利なコンディションでした。 2)肩ノ小屋〜朝日岳〜剣ヶ峰まで ・肩ノ小屋から先の稜線までの急登区間はクラストの大斜面でしたが、 表面はそれほど硬くなく、アイゼンの爪が十分食いつく雪質でした。 ・朝日岳の山頂から剣ヶ峰までの区間(乗鞍稜線上)は雪質も良く ルート自体は特に問題なく歩けました。 *但しこの日は剣ヶ峰の山頂直下から山頂までの僅かな区間で かつて経験したことがないほどの強風に見舞われ、山頂からの 下山時に吹き飛ばされて転倒してしまいました。 (詳細については感想の方に記載してあります) *積雪期の場合、ツアーコース終点から先は基本的に道標や赤リボン、 マーカー等は殆んどありません。特に広大な大雪原と化す位ヶ原は、 今回のように晴れていれば問題なく進めますが、ガスなどで視界が 悪くなると道迷いの可能性が高くなるので十分注意して下さい。 |
その他周辺情報 | <下山後の温泉はこちらを利用しました> ■松本ICから約2分のところにある日帰り温泉 ”瑞祥(ずいしょう) 松本” http://zui.sakura.ne.jp/matsumoto/index.html (TEL 0263-29-2686) ・シャンプー(リンスin)、ボディーソープ有り。 ・シャワーは制限無しのタイプで使い勝手が良い。 ・館内には食事処もあり、メニューも豊富で値段も手頃、 味の方もそれなりに良く一定の満足感があった。 (個人的にはこちらの”もつ煮定食”がおススメ) *乗鞍スキー場から1時間ほどかかるが、温泉施設としての充実度や 食事処も含めて総合的な観点から松本IC経由の山行時は、 「やっぱりここだな」と思えるような日帰り温泉施設。 ■スキー場の直近にはこちらの日帰り温泉施設もあり。 ”乗鞍高原 湯けむり館” http://www.norikura.co.jp/yukemuri/ *県道84号線沿いの好立地 (やまぼうし第三駐車場からクルマで数分のところにあり) *乳白色の天然温泉が楽しめる。 |
写真
現在の気温-8℃、天候曇り。今日は朝から晴れ予報だったはずが…
イマイチな気分ですが、ここまで来たので身支度を始めます
ちなみにあの建物の中にトイレと水道、更衣室もあります
あそこに見えるのが”ツアーコース”の入口。ここでスノーシューを装着し、
約4年ぶりとなるツアーコースから冬の乗鞍岳へ。青空も全開でいざ出発です!
2014年に登りましたが、トンデモない急斜面で怖くて生きた心地がしなかった
ちなみに春になれば大岩の右の大斜面で最高のスキー滑走が楽しめます♪
この時期は全て閉鎖中でトイレも使用不可。あのコル上に肩ノ小屋があります
この先は完全なノートレースですが、スノーシューパワー全開でこのまま直登です!
やはりこういう所でスノーシューの真価が発揮されますね
これがツボ足アイゼンだったら相当キツかったと思うなぁ…💦
強風とノートレースのプチラッセルで結構キツかった…💦
ここから乗鞍3000mの稜線上まではクラストの急斜面となるので、
小屋横の風を避けられる場所でスノーシューからアイゼンに換装します
クラストしていますが、富士山のようなカチカチ氷ではなく、
アイゼンの爪がしっかり食い付く程度の硬さだったので安定して登れました
剣ヶ峰まで近道するのですが、この日はあまりにも風が強くて
トラバースは危険と感じたので、このまま朝日岳へ直登して稜線に乗ることに
山頂の祠は雪に埋もれてどれだか分からず(たぶん手前の盛り上がりだと思う)
これで乗鞍の稜線上に乗ったので、後は左の剣ヶ峰までビクトリーロードを進みます
右端は大日岳。この辺からは絶景見ながら最高の稜線歩きが楽しめるのですが、
この日はとにかく風が強くてそこまでの余裕はなかった…(^^;
その後、何とか解いて岩を掴みながら決死の思いで下って来ました
あの山頂からたかだか数十メートルのこの区間がトンデモない爆風で危険な状態だった
あとはあのスキー場内を徒歩で下って駐車場へ
(肩の小屋口を過ぎた辺りでコンデジが故障し、ここからはスマホ撮影になりました)
久しぶりに訪れた冬の乗鞍。山頂は爆風で危険な場面もあったけれど、
厳冬期の3000m峰から眺める冬の北ア大絶景とその空気を満喫できた充実の一日でした
感想
今回の山旅は2020年お正月の北岳登頂以来、約3年2か月ぶりとなる厳冬期3000m峰の頂へ。冬の乗鞍岳は2019年1月以来、約4年1ヶ月ぶりとなります。
久々の厳冬期3000m峰ということで行く前からいつになく気持ちが高ぶっていたのですが、まずは駐車場に到着すると予報に反して小雪が舞う空模様。
「I先生、話が違うじゃん…」と心の中で叫びつつも、せっかくここまで来たこともあり身支度を済ませて出発すると、ほどなくして予報通りの青空が広がってきました。
「やっぱりさすが、I先生の予報は的確だわ〜」と心の中で評価がガラリと逆転です(^^)
そんなことで大快晴の空の下で臨んだ約4年ぶりとなる冬の乗鞍岳でしたが、上部の風が強くて思いの外難儀することに。
写真のキャプションにも記しましたが、特に山頂手前のたかだか50mくらいの地点から一段と風が強まり、山頂ではまともに立っていられないほどの爆風に見舞われました。
これほどの強風は自分の登山史上というより、人生の中でも体験したことがないほどの強風で、これまで標高の高い冬山では20〜25mくらいの強風は耐風姿勢を取れば対応できていたのですが、今回はそれを遥かに上回るほどの爆風でした。体感的には恐らく瞬間で30mは超えていたように思います。
この危険な状況で引き返せば良かったのかもしれませんが、山頂までの距離はたかだか50m程度。まさに目と鼻の先だったのでそのまま登頂しました。
登頂後も風の強さは変わらず、立っているのも厳しいほどの爆風で今度はここから無事に降りるにはどうしたものかと。
取りあえず奥宮の横に逃げ込んで風を避けることで落ち着きを取り戻し、冷静に風の弱まるタイミングを見計らって一気に下山しました。
しかし、下り始めてすぐのタイミングで爆風に吹き飛ばされて転倒し、その際に両足のアイゼン後部の歯が絡み合ってしまい足が動かせなくなるという緊急事態に陥ってしまいました。
その状態で暫く立ち上がることもできず、倒れたままもがいて何とか歯が解けてくれたので大事に至らず生還できましたが、あのまま歯の絡まりが解けなかったら、あの爆風の中で倒れたままアイゼンを外してまた付け直すという、想像しただけでも非常に難儀でヤバイ事態になるところでした。
今振り返ってみると、このような状況になったのも「あと僅かだから…」と、風速が一気に上がる危険なゾーンに立ち入ってしまったことが今回の失敗だったと思います。
それと、これまである程度の強風は雪山などで体験しており、その経験から大概の場合は耐風姿勢を取れば飛ばされることはまずないだろうと。
これまで実際に飛ばされたことは一度もなかったのですが、今回はまともに立っていられずに75kgの身体が本当に飛ばされてしまったことで、これほどの強風があることを身をもって知りました。
特に山で風をナメるとこのような恐ろしい目に遭うということを実体験した次第です。
このように山頂では危険な目に遭いましたが、それ以外は抜けるような冬の青空の下で厳冬期の雪山登山を目いっぱい楽しむことが出来ました。
コロナ禍の遠征自粛ですっかりご無沙汰となっていた冬の乗鞍岳。
その稜線上から眺める厳冬期北アの白い峰々。
特に真正面に見える穂高連峰の存在感は際立っており、その険しい山容も含めてさすがの貫禄だなと思いました。
その他にも御嶽山、遥か遠方には白山、さらに南ア北部の北岳と間ノ岳、甲斐駒も見えてまさに絶景三昧♪
久しぶりの高峰から望むこれらの冬景色と真冬特有の凛とした空気も含めて最高の一日でした。
今回は反省すべき点も多くありましたが、今後は無理せず安全第一で雪山登山を楽しんで行きたいと思います。
下から山頂に向けての数枚でヤバいのは分かる(笑)
無事のご帰還、よかったです。
私も山頂にはムリだけど、久々位ヶ原山荘に行きたくなりました。
乗鞍岳って、いいですよねぇ。風はともかく、絶景を楽しめましたね〜!ウラヤマシイ!!
ホント、風は写真に写らないのでその凄さとかは分からないですよね。
まぁ、爆風でひっくり返された時はビビリましたけど、その後のアイゼンの歯が
左右で絡まって足が動かせなくなった時はマジで焦りました。
本当に山では何が起こるか分からないですよ。
前回の伊吹山から寒風にヤラレまくっているので、
次回はちゃださんの後追いで、ゆったり春を感じに行きたい気分ですよ。。。
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