剱岳源次郎尾根撤退

- GPS
- 13:04
- 距離
- 16.9km
- 登り
- 1,571m
- 下り
- 1,530m
コースタイム
- 山行
- 2:43
- 休憩
- 1:47
- 合計
- 4:30
- 山行
- 5:09
- 休憩
- 3:23
- 合計
- 8:32
| 天候 | 26日は強風でガスガスも、27日午前中から快晴 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
源次郎は夏道を行くように言われました。ルンゼは通れないようです。剱沢キャンプ場のトイレは使用できました。 |
| 予約できる山小屋 |
|
写真
感想
以前よりいつか行こうと思っていた源次郎尾根にチャレンジすることになりました。天気予報もずっとチェックしていて、最高の天気になりそうな週末に休暇を一日付けて計画することに。アルペンルート立山駅発のWEBチケットも、5月当初は売り切れだったのがキャンセルされたのか、26日の分が少ないながらも出てきたので予約をし、出発することにしました。
北陸道リニューアル工事の影響も考え、移動時間は余裕をもって立山駅へ。さすがに平日なので駐車場はゆったり停められました。さて、行きましょうか。チケット売り場ではこの時間でも1時間待ちになっていました。ガラガラだと思っていたのにこれはすごい!人気なんやなぁ。ゆっくりトイレなど済ませて乗り場の列に並びます。
ケーブルは満員。ツアーの団体がいっぱいだったので、多分それで押さえられてるんでしょうね。ケーブルの次のバスも満席で出発しました。景色も見たいわけでもなかったので、ただただ室堂への到着を待ちます。室堂直前に目指す剱が見えるはずでしたが、どっしりした雲に覆われていて姿は見えず。そして室堂に到着。
思ったより気温が低かったという第一印象。むしろ気温が低いほうが雪が締まってありがたいです。しかしこの小雨はちょっといただけません。まずは登山届を提出します。そこにいらっしゃった山岳警備隊の方と思しき人から情報をいただきます。源次郎のルンゼは通れないとのこと。夏道を行くのか。まあこれは事前情報から想定済み。剱沢ではトイレが使えることと、平蔵谷は上部に雪崩の危険があるものの下山に問題ないということを教えていただけました。
さて、いよいよ出発です。今日は剱沢への移動だけなので、気持ちは楽です。まずは雷鳥沢を目指します。出たところですぐに雷鳥に遭遇(^^)。ラッキー!もう夏の羽の色になっていました。雷鳥沢までは下り基調なので楽なのですが、そのあとの登り返しが憂鬱ですね(^^;)。雷鳥沢で水をいただき、剣御前に向けて登り始めます。
うっすらガスがかかっているうえに、登りの途中からはすっかり雲に覆われていて終わりが見えない中、登っていきます。赤旗がずっと見えていますので、それに従って登ります。約500mの登りですが、重い荷物を背負った直登なのできつい。だいぶ来たかなと思ったものの、地図を確認するとまだ半分(^^;)。先が長いぜ。
ようやく這松に入ったと思うと残りはあと少し。視界がない中の直登はメンタルに来ますね。稜線に出るとまさかの強風。てんくらAだったのにこの天気はどうしたものでしょう。悪いほうに振れてしまったかな?剱御前小屋のあたりでは本当に飛ばされそうな爆風でした。しかしこの先の剱沢方面は風の裏になるので、少し弱まるかと期待します。
剱御前小屋のあたりはちょうど風の通り道になっているせいか爆風でしたが、下り始めるとだいぶ風はましになってきました。こちらも赤旗が設置されているので、それに沿って剱沢キャンプ場を目指します。下りになるとペースアップ。降りるにつれガスも薄くなってきて、ようやく本日の幕営地である剱沢キャンプ場へ到着しました。時間的には予定通りの到着でしたが、思ったより疲れました(^^;)。
とはいえもう午後4時ですので、すぐに幕営して食事をして寝る準備をしなければなりません。先客はテントが2張り。閉鎖中の診療所の周辺に我々もテントを設置することにします。壁に沿って地ならしをして設営。これが風のせいで結構てこずりました。風が強いのでしっかりペグダウンもしなければ。石をお借りしてしっかりと設営します。
ようやく食事にありつき、明日に備えて8時には就寝準備を。相方と明日について少しミーティングします。なんか、今日の天気にちょっとお互いテンションダウン。今日も本来ピーカンの予報だったので、明日はどうなるか。雨交じりの雪も降ったりなので、源次郎に行くべきかどうか。まあ3時に起きて最終決定をしようとなりました。
今日は移動もあって疲れているので爆睡できると思っていたのですが、11時頃に風に起こされてしまいました。耳栓もしていたのに、風の音とテントの揺れで眠れない。あまりの強風にその後もウトっとしたら起こされ続け、時計を見るたびに15分程度しか経っていない状況が続きます。これはよくないなぁ。気づいたら時計のアラームで3時を知らされました。テントを開けると、その音で相方もテントから顔を出しました。とりあえずトイレを済ませ、周りを見てみると流れるガスが見えるだけ。とりあえずは予定通り4時に出発できるよう準備を整え、4時を迎えました。
そして最終決定。うん、源次郎は撤退します。取り付き前に撤退とはなんとも不甲斐ないですが、今日の天気予報がここでは取れない上に、夏でも雨なら行かないだろうということから源次郎撤退を決定。でもせっかくここまで来たのですから、剱沢を降りて源次郎周辺の下見をすることに。ロープやハーネス類は、撤退を撤回しないようにテントに置いていくことにして、出発を5時に決めて夜明けを待ちます。
そして出発。まずは剱沢小屋を見て、それから雪渓を下っていきます。不思議なことに南風が突然北風になったりと、気流が安定しません。薄暗い中を順調に下っていきます。そのうち平蔵谷に到着。先は見えませんが、結構穏やかなルンゼですね。もっとも、谷は最後が急なことが多いので、できれば見通したかったところです。
その隣の源次郎の夏道の取り付きが明瞭に見えました。せっかくなのでちょっと取り付いてみます。最初の岩場まで登ってみました。バリエーションだけあって、やっぱり石が落ちやすい。この急登が延々続くのかと思うと、これはなかなかしんどいですね。降りてくると、冬道のルンゼを見てみることに。こっちは平蔵谷より立っています。それだけに、デブリや一緒に落ちてきた岩などが下部に溜まっていて、侵入しないように言われた理由に納得でした。
さて、下見も終了したので登り返します。荷物はなくとも登りはしんどいですね。本来だったら源次郎を登った上にこの登り返しがあったのか。たまらん。体力不足を感じます。そもそも天気が良かったとて届いていたのかな。そのうち天気が良くなってきました。振り返れば源次郎がどどんと見えております。もう登らないけど(^^;)。
剱澤小屋まで戻ると、ちょうど小屋の方が出て来られました。なんと佐伯友邦さんの息子さんでした。NHKで見ましたと挨拶すると、小屋開けの準備をされているとのこと。もうすぐシーズンインですね。友邦さんは昨年亡くなられたとのことでした。ご冥福をお祈りします。
テントまで戻ると撤収開始です。でも今日は下山だけなので、眼前に見事に姿を現してくれた剱岳をしばし堪能します。なんとも素晴らしい。この姿を拝めただけでも満足としましょう。1時間ほどゆっくりしてから室堂へ向けて出発しました。
剱御前までの登り返し、荷物もあるのでやっぱりきついです。気温も一気に上がってきたので、もはや手袋も外し、インナー1枚で汗をかきかき登っていきます。こうなったらもうちょっと風が欲しくなりますが、今日は全くの無風。残雪期は本当に振れ幅が大きすぎて難しい。剱御前で一休みしていると、ヘリが来るので移動してほしいとのこと。直後、目の前でヘリの荷揚げを見ることができました。操縦めちゃめちゃうまい。ダウンバーストは想像以上でしたが、間近で見たヘリの荷揚げは大迫力でした(^^)。
ここからは雷鳥沢へ下ります。たくさんのBCスキーヤーたちとすれ違い、あっという間に下り切りました。ここまでは楽ですが、このエリアの核心はこの先の室堂への登り返しにあります(^^;)。下山なのに最後が登りというこの鬼仕様。源次郎に登ってもいないのに残り体力ゼロの体に鞭打って室堂へ。雪の大谷を見に来られているたくさんの人に混じると、ようやく登山終了。
今回は源次郎尾根を登ることはできませんでした。結局はピーカンだったので行けば良かったのかもしれませんが、取り付きまで行ったという小さな一歩だけで今回は終了です。またレベルアップして、いつか再チャレンジしたいと思います。ありがとうございました。
kinnikubucho










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