10月15日（日）長崎雲仙遺跡と博物館めぐり
hirokok510
コースタイム
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
写真
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復元住居（縄文晩期）ー多分茅葺ではなかっただろうー関東の黒井峰の古墳時代の火山灰に埋もれた住居でも茅葺でなかった＝多分樹皮と土葺きか？茅葺は多くの人員と鉄器が必要らしい（カヤ育成の土地の火入れ、収穫、屋根ふきは大人数＋鉄器でないとできないという）
感想
昨日までの疲れが残り、5時過ぎにアラームがなったが中々起き出せない。何とか起きて今日の予定をチェックするが、頭がボーッとしてよいプランが浮かばない。あれやこれや考えたり支度しているうちに六時を回ってしまい、慌てて身支度をして外に出る。最初は長崎駅前の吉野家で朝食の予定だったが昨夜の中華街でいつもより食べすぎたので余り腹も空かず、先に遺跡巡りとなる。最初に曲崎古墳群を目指す。長崎特有の海から山がはじまるようなうねった道を進むととある漁船のような場所に出て、道は漁師の港の縁を進み行き止まりとなる。この先に少しこんもりとした場所があり車を降りて海辺の水際を進むと薮の暗がりの奥になにやら石積みのようなものと遊歩道デッキのようなものが見えた。デッキを進むと大小の窪みに数多くの石が転がっており、積石塚らしい。塚や窪みなど500箇所の遺構、百基以上の積石塚がはっけんされており、国史跡に指定され、文部省が立てた石碑が奥に立っている。朝日が入り込んで逆光で撮影しにくかった。
長崎県によると竪穴式あるいは竪穴系横口式石室のうえに石を積んでいて北九州系の文化が及んでいるようだ。
参考:曲崎古墳群（長崎市HP)＝
曲崎古墳群（まがりざきこふんぐん）
国指定史跡 曲崎古墳群 指定年月日 昭和53年12月21日 所在地 長崎市牧島町
この古墳群は、5世紀末から7世紀初めにかけて、つくられた古墳群である。平成16年度末現在で、101基の積石塚（つみいしづか）と性格不明の遺構約500か所が確認された。 又ガラス製の玉類や、 当時の人々が使用した壺や、甕が発見された。古墳は、一般的に遺体を入れる室を石で築き、その上に土を盛りあげているが、ここのものは、土ではなく丸い石ころを積みあげているところに特徴があり、このようなものを積石塚と呼んでいる。
石室構造には竪穴系横口式石室の特徴をもつものが見られ、 北部九州に分布する同種の石室構造をもつ古墳群と同様で、このことからこの地域が北部九州の文化圏に属していたことが判明した。
曲崎古墳群見学を終えて、一路原山支石墓を目指す。ここは、雲仙市の南、南島原市にあり、長崎市からは60キロメートル以上、一時間以上と遠い遺跡だが、長崎県、いや列島最大、最古クラスの支石墓らしい。何とか探し当てて第三墓群の前に車を停め、中にはいって見学可能な支石墓群を見る。
長崎県によると1961年以降三度の発掘調査が行われ、縄文晩期の土器た籾跡、箱式石棺な�慨修覆匹�出土、そのうち第一群は、農作業で破壊され、第二群に六基、第三群に四十基の支石墓が残っており、第二群は保護のためフェンスで囲まれて見学できないらしい。今見ても埋め戻されたお墓のうえに石がバラバラと乗っているだけで往時の様子を推し量るのは難しい。最古クラスというが、縄文晩期の紀元前四世紀頃と書いてあるが、歴博の炭素年代測定で数百年遡った弥生時代の始まり、稲作導入の時期と比べ遅い気がする。炭化物のついた土器でも出ていれば改めて年代測定するとどうなるのか？専門家に聞きたいものだ。壱岐にある埋蔵文化財センターにでも尋ねるしかないか？支石墓は、これまで弥生時代の始め頃大陸からやってきた渡来人が海流に乗って九州の西側から入り、渡来の波は次第に東側に移動し、北部九州に至ったとする説が有力視されていた。すると年代ももっと遡る可能性があるはず。九州大学でも研究がありそうだが？
復元住居は、コンクリート造りで、茅葺き風の作りで、あり得ない復元か？茅葺きは茅の生産管理、収穫など、鉄器が普及して集落の人口が増えないと造るのも維持管理もできそうもなく、実際茅葺き屋根の考古学的証拠は古墳時代までには存在せず中世にならないと出てこないという。
第二群は残念ながら上手く探せず時間切れで急いで長崎に戻った。
参考＝原山支石墓群（長崎県）
島原半島の南西部，雲仙岳に連なる標高250mほどのなだらかな高燥地にある。縄文晩期終末の墓地で，もと3群あったが2群60基余が現存する。石棺，甕棺(かめかん)，穴を掘っただけの土壙墓(どこうぼ)などの下部構造のまわりに支石を置き，巨石で覆う構造をもつ。巨石と支石からなる上部構造からして碁盤形支石墓とよばれ，朝鮮半島のものに酷似するところから南鮮式支石墓とも呼ばれる。石棺墓の場合，極端に短くて深いものが多く，被葬者はそんきょの姿勢で埋葬されたと考えられる。甕棺は刻目突帯(きざみめとつたい)をめぐらせた縄文晩期土器の特徴をもつ。浅鉢や壺形土器を副葬する遺構もあるが，副葬品はきわめて少ない。また，土器に籾(もみ)の押し形のついたものがあるなど，わが国への稲作技術伝来と原山支石墓群は深くかかわっていたと考えられる。
参考文化財オンライン・S47-5-108原山支石墓群.txt: 島原半島西南部、雲仙岳から連なる高原地帯にこの遺跡はある。繩文時代終末期の共同墓地で、昭和30年代に一部が発掘調査されている。
支石墓は、数個の支石の上に安山岩の蓋石をのせ、その下に箱式棺または土壙を設けたもので、箱式棺は長さ1メートル前後、幅50センチのものが普通である。支石墓の約半数では、蓋石の下に副葬品として土器を置いており、いずれも繩文時代晩期に属し、副葬品のなかには弥生式土器はまったくない。したがって、この支石墓は繩文文化の伝統のなかで生活した人々の墓制に朝鮮半島からの影響が明らかにあらわれているものとして、繩文時代から弥生時代への転換期の動態を知るうえで重要な遺跡である。
曲崎古墳群、原山支石墓群を見学し、雲仙市歴史資料館国見展示館を見学したかったが、残念ながら土日は休館なので、昨日見かけた大村市にあるミライON大村市歴史資料館に立ち寄ってみる。原山支石墓群からは橘湾岸を半周して50�劼把杭蟷堝發貌�り、吉野家で朝牛丼セットで腹を満たす。それからミライONに向かい、10時半前に到着。ここには県立中央図書館と大村市歴史資料館がある。
最初に企画展「西海の恵み」展を見る。この展示は近世以降の漁民「海人」の活動をテーマに勇魚漁、海鼠（ナマコ）、鮑（アワビ）、ウニなどは、古代国家時代から貢物であり、また古くから潜水漁をしていたことが確認されている。縄文人や弥生人骨から外耳道外骨腫という潜水を生業とするもの特有の耳の骨の変化が知られている。
江戸末期の資料によれば大村湾には「家船」と呼ばれる海の上の舟で暮らす人々がいて、魚介類と農民の芋などを交換して暮らしていた。また大村藩は干し海鼠などの海産物を対外貿易などで売りさばき、大きな富を得ていたが、取りすぎで資源量が低下したようだ。
常設の考古資料ではこの地域の先史研究のパイオニアの井手寿謙の活動と資料の展示があり、収集した資料の遺跡地図なども出ていた。
弥生時代では集落跡、石棺墓などが出土した富の原遺跡など、木製農耕具なども出土している。
古代では九州新幹線西九州（長崎）ルート建設において発掘調査がなされた竹松遺跡の「土馬」をはじめ、様々な出土品が並び、中世、近世の貿易陶磁などの展示もあった。
他に中世武士団と一揆、潜伏キリシタンを産んだ大村藩の政策、五教館という藩校の役割などについての展示があった。
参考：富の原遺跡（wikipedia =大村市の縄文〜弥生時代の複合遺跡）
富の原遺跡（とみのはらいせき）は、長崎県大村市富の原2丁目に所在する縄文・弥生時代の複合遺跡である。
概要
大村市中心部に近く、多良岳山麓から大村湾に向かって広がる大村扇状地の扇端部にあたる。
第二次世界大戦（太平洋戦争）中に航空隊飛行場が造られ、戦後には工場進出や民家が増加するなどして破壊された部分もあるが、1980年（昭和55年）以降の発掘調査で竪穴建物跡（弥生時代）、甕棺・石棺墓、祭祀遺構等が発掘され、土器・石器等とはらんで国内でも例の少ない鉄戈と鉄剣の出土をみた。
特に鉄戈の分析から得られた情報は大きく（後述書）、原料鉱石として、磁鉄鉱が用いられ、錆分析から推定される鋼の炭素量は0.5から0.6パーセントで、刃部には真鍮を削れる程度の硬度があり[1]、別の鉄戈の棟部の錆びから調べられた炭素含量は0.1から0.2パーセントであり、棟部が軟鋼であることが確認されている（前掲書 p.73）。すなわち刃部に高炭素の硬鋼を使用し、棟部に低炭素の軟鋼を組み合わせる「合わせ鍛え」の技法（日本刀や農工具に用いられる技法）が弥生期から確認された（前掲書 p.73）。この鍛造技術は、刃の鋭利さを保ちつつ、折れにくい刀作りに必要とされるものであり（前掲書 p.73）、日本刀（平安期）以前の日本独自の大型鉄戈から確認された（前掲書 p.71）ということになる（技術の源流に関しては「備考」参照）。
2002年（平成14年）調査で濠跡が発掘され環濠集落であったことが確認された。
県立博物館に向かう前にシーボルト旧宅と記念館に立ち寄る。あまり時間がなく、館内も撮影禁止だったせいか、展示内容の記憶が確かでない。
HPには、
「シーボルト記念館案内」
更新日：2019年4月15日 ページID：009217
館案内
フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトは、江戸時代の日本に西洋医学や博物学を伝え、科学的な総合調査にもとづきヨーロッパに日本を広く紹介しました。本館は、日本の近代化に貢献したシーボルトを顕彰するために長崎市が設置したもので、平成元年（1989）10月1日に開館しました。国指定史跡シーボルト宅跡（鳴滝塾跡）に隣接し、建物の外観はオランダ・ライデン市のシーボルト旧宅を、玄関はシーボルトの祖父カール・カスパル宅をイメージしたものです。
1階ホール・ロビーでは、映像でシーボルトの生涯を紹介しています。2階常設展示室では、シーボルトの生涯と功績を6つのコーナーに分けて展示しています。3階企画展室では、年に数回の企画・特別展を開催しています。
シーボルト来日200年記念大シーボルト展：
参考＝県立博物館HPより：シーボルト来日200周年記念 大シーボルト展
19世紀、二度にわたり来日したドイツの医師で博物学者のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト。文政6年（1823）に彼が長崎・出島のオランダ商館付医師として初来日してから本年（令和5年（2023））は200周年を迎えます。
シーボルトは江戸時代の日本に近代西洋医学を伝え、出島の外に設置した鳴滝塾で医学や自然科学を教えました。それまでも長崎へは海外からの最先端の知識を求めて国内各地から多くの遊学者が訪れていましたが、シーボルトから教えを受けようと全国各地からより多くの入門者が長崎の地に集まりました。長崎で修学した門人のある者は故郷に戻り、ある者は別の土地にてその分野の第一線で活躍していきます。門人同士の親交もこの長崎で育まれ、深められたものでした。
また、シーボルト自身、門弟の教育の傍ら、日本の研究にも力を注ぎ、門人たちもその協力者となりました。特に、文政9年（1826）の商館長の江戸参府に随行したシーボルトは立ち寄った各地で彼を訪ねてくる学者や知識人たちと学術的な交流を行い、新たな人脈を構築、彼の日本研究を前進させていくこととなります。
本展覧会は令和5年度に長崎市が中心となって行うシーボルト来日200周年記念事業の一環として開催する特別展です。約6年間の日本滞在中、その大半を過ごしたここ長崎で、そして江戸との往復で訪れた各地で、門人や蘭学者、大名や通詞などシーボルトに関わった人々の資料や江戸往復の際に立ち寄った地域に残る関係資料をとおして、シーボルトの「足跡」をたどります。
シ−ボルト記念館から長崎県立歴史文化博物館に移動し、2階の外にあるレストランでランチ、13時前頃会場に向かうとすでに受付は開始されていたが、幸い前のほうの堰が取れた。少し時間があるのでシーボルト展などの会場の様子を見て回り、時間前に戻り、シンポジウムを聴講。
出島や記念館での展示その他を見聞きして、これまでシーボルトに関して知っていたことはほんの一部で、幕末の日本の医学、博物学、蘭学などの西洋の自然科学、国際情勢の認識などに大きな影響を与えただけでなく、鳴滝塾での全国各地の塾生の教育、江戸との往復などで得た様々な知識や事件を起こした地図に関する裏話などばかりでなく、ドイツやオランダなど西欧諸国に日本の情報を伝え、博物学や博物館の設立にも巨大な影響を与えた偉人として、お菊評価され、研究されてきた人物として改めて認識を新たにした。
今回のシーボルト来日200年記念展覧会とシンポジウムは、歴博の協力で開催され、歴博のシーボルト関連研究の成果の報告も兼ね、ドイツ側の研究者も招かれ、盛大に行われた。
長年にわたる大勢の研究者による資料整理、研究の積み重ねを丹念にひも解いて、在外試料を調査して、世界に散らばるシーボルト関連資料のデータベース化ーそれも共通のアプリケーションで見られるようにするための基礎的な仕事の積み重ねが行われてきたことを知る。歴博にとってもデータベースに関しては古いタイプのものであったために、海外の進んだデータベースと互換完形を築くための努力など、他では聞けない話がたくさんあった。
特に大シーボルトだけでなく、その子孫や現在のシーボルト家関係者全体を研究する大きな事業となり、歴博側と長崎の研究者との連携作業も行われてきたようだ。互いに刺激し合って、より高い次元のシーボルト研究が発展することを願いたい。
シーボルト展自体は撮影が禁止だが、分厚い図録が発行されている。
また常設展示と長崎奉行所の展示は撮影可能で、近世以降・幕末における長崎の国際関係・貿易における役割やその背景について大いに学ぶことができた。
シーボルト来日200年記念大シーボルト展：
開催日時：令和5年10月15日（日）13：30〜17：00（13:00受付開始予定）
開催場所：長崎歴史文化博物館（長崎市立山1丁目1-1） ホール
参加費：無料
定員：100名（要事前申込・先着順）
使用言語：日本語・ドイツ語（同時通訳付）
主催：人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館・長崎市
協力：長崎歴史文化博物館
開催趣旨
シーボルトの死後、彼の功績はさまざまな形で顕彰され研究されてきました。
本シンポジウムでは、これまでのシーボルト研究を振り返り、とくに1996年の生誕200年記念事業以降に展開したシーボルト研究について整理し、最新成果を広く共有することを目的とします。シーボルト関係資料を多く所蔵するドイツの研究者や、歴博のプロジェクトに参加したメンバーに加え、長崎の研究者からの報告により構成し、今後の研究の展望について議論を深める機会としたいと思います。
なお、国立歴史民俗博物館では、人間文化研究機構「日本関連在外資料調査研究」事業の一環として、2010年から継続的にシーボルト父子関連資料の調査研究を推進してきました。本シンポジウムは、同機構の共創先導プロジェクト（共創促進研究）日本関連在外資料調査研究「外交と日本コレクション―19世紀在外日本資料の世界史的文脈による研究と現地およびオンライン空間における活用」の成果を反映するものです。
登壇者
報告1 日高薫（国立歴史民俗博物館教授）
報告2 ブルーノ・リヒツフェルト（ミュンヘン五大陸博物館前副館長）
報告3 堅田智子（関西学院大学助教）
報告4 木村直樹（長崎大学教授）
報告5 織田毅（シーボルト記念館前館長）
コメント 小林淳一（東京都江戸東京博物館前副館長）
コメント 沓澤宣賢（東海大学名誉教授）
司会 宮坂正英（長崎純心大学客員教授）
参考＝県立博物館HPより：シーボルト来日200周年記念 大シーボルト展
19世紀、二度にわたり来日したドイツの医師で博物学者のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト。文政6年（1823）に彼が長崎・出島のオランダ商館付医師として初来日してから本年（令和5年（2023））は200周年を迎えます。
シーボルトは江戸時代の日本に近代西洋医学を伝え、出島の外に設置した鳴滝塾で医学や自然科学を教えました。それまでも長崎へは海外からの最先端の知識を求めて国内各地から多くの遊学者が訪れていましたが、シーボルトから教えを受けようと全国各地からより多くの入門者が長崎の地に集まりました。長崎で修学した門人のある者は故郷に戻り、ある者は別の土地にてその分野の第一線で活躍していきます。門人同士の親交もこの長崎で育まれ、深められたものでした。
また、シーボルト自身、門弟の教育の傍ら、日本の研究にも力を注ぎ、門人たちもその協力者となりました。特に、文政9年（1826）の商館長の江戸参府に随行したシーボルトは立ち寄った各地で彼を訪ねてくる学者や知識人たちと学術的な交流を行い、新たな人脈を構築、彼の日本研究を前進させていくこととなります。
本展覧会は令和5年度に長崎市が中心となって行うシーボルト来日200周年記念事業の一環として開催する特別展です。約6年間の日本滞在中、その大半を過ごしたここ長崎で、そして江戸との往復で訪れた各地で、門人や蘭学者、大名や通詞などシーボルトに関わった人々の資料や江戸往復の際に立ち寄った地域に残る関係資料をとおして、シーボルトの「足跡」をたどります。
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