日方泊川から増毛天狗岳


- GPS
- 09:25
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,019m
- 下り
- 1,013m
コースタイム
- 山行
- 9:25
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:25
天候 | 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
5:30 日方泊トンネルスタート 6:10 日方泊川入渓 7:10 古い砂防 8:10 310二股 9:00 500二股 9:50 740二股 10:20 900最初の一滴 11:20 大滝巻き終わり 12:20 310二股 14:20 海岸線 15:00 ゴール 日方泊川は日本海から増毛天狗岳に突き上げる川で、約20年前に日方泊トンネルが開通してからは、長い海岸歩きをしなければ到達できなくなっている。この辺の海岸線をつないで、プチ知床岬の様な事ができないか妄想していた折にこの川の存在に気がつき、情報を収集してみたが、沢登りの記録は見つけられなかった。 釣り人のブログ等で、日方泊トンネルの脇から日方岬の手前まで歩けることを確認、また廃道マニアの動画により、水量がけっこう多そうなことも確認できた。地形図的には海から150くらいまでと、500より上に面白いところがあるのではないかと思い、ワクワクしながら遡行の機会を伺っていた。 今月の沢を選ぶにあたり、流石に11月は寒いので高い山は避け、同行者の予定により、旭川から前泊せずに日帰りできる沢…ということで今回遡行の運びとなった。当日が近づくにつれ悪くなる天気予報にやきもきしながらも、旭川から移動、沖合ではひっきりなしに稲光が走っていたが、とりあえず現地まで行き、着いた時に雨が降っていたら止めようと話し合う。 5時頃に現地に着くと、幸い雨は止んで星が見えていた。多少風が強くても、雨さえ降っていなければ大丈夫だろうと言うことで身支度を整え、5:30にキックオフとなった。まだ真っ暗だったので、降り口がわからず多少まごついたが、トンネルの山側から沢に降りることができた。なお、帰り道に明るいところで見ると、トンネルから沢を挟んで向こう側に草のない斜面が広がっていたのでそちらから簡単に登れた。まぁ傾斜があるので下りは素直に沢を使った方がいいかも知れない。 下りの沢自体は短く,5分程度で海岸線に到着。ここから1.5キロ程度の海岸歩きとなる。釣り人のブログでは波打ち際のゴロタ場を歩いていたが,護岸の上に鹿道があったのでありがたく使わせてもらう。この時期だからイタドリ主体のヤブは枯れていて見通しが良かったが,盛夏はうるさくて歩けないかもしれない。 およそ30分程度で日方泊川に到着。息を整えて入渓する。 最初の砂防は右岸側に鹿道がある。辿って行くと,落石防止のフェンスがかぶせてあり,それを掴んで砂防の上まで容易に到達できた。下流域は大きめの岩がゴロゴロしているが、河床は岩盤がちで、スケールの大きなナメも出てきてアタリを確信する。 100あたりまでは岩盤がちで楽しく遡行するが、その後しばらくは我慢の河原歩きとなる。晩秋の落葉に彩られた渓流は寂しくも美しいが、いかんせん1時間半くらいは何もないので飽きてくる。新緑の季節なら癒しの風景だったのかもしれないが… そんな中、150で唐突に砂防が現れる。鉄の柵で出来ている、いわゆるバッドレス式のダムで、相当古いものと思われる。帰ってきてから、銘板を確認しておけば良かったと反省。その他は大体地形図どおりだが、240には顕著な二股を見つけられなかった。 450あたりから徐々に両岸は狭く、沢も傾斜がつきはじめ、高度を稼ぎ出す。中小の滝が増え、三者三様に登りを楽しんでいると、遠くに明らかにデカイ滝が見えてくる。近づいてみると全体で50mくらいはありそうで、中段までは問題なく登れたが、最後の10mくらいは厳しいと判断し右岸側から高巻き、ドンピシャで大滝の上に出る。その上にも2〜3の滝がある。滝場は全体的にそこまで難易度は高くなく、直登できるレベルであるものの、ややヌメるので注意が必要。 その後は若干荒れた渓相となり、730辺りの二股を左、最後に830で再度二股となる。河床が低いのは左だが水は枯れている。右はそれなりの量の水が流れているのと、方角的には山頂に直接向いているようなので、約束の時間になったが水が枯れるまでとの約束で、単独空身で偵察に行ってみた。 二股のすぐ上こそ多少ゴミゴミしているものの、その後は多少笹が被ったトンネルといった風情であり、900辺りまで問題なく遡行できた。最初の一滴を味見して引き返すこととしたが、笹のトンネルはまだまだ続いているようであった。山頂直下のヤブがどの程度かは未知数であるが、おそらくこのルートが山頂に最短距離で迫ることができるルートであろう。違ったらごめんなさい。 |
その他周辺情報 | 留萌の神居岩温泉へ |
写真
装備
個人装備 |
長袖インナー
クロマプレンタイツ
靴下
グローブ
雨具
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
GPS
携帯
タオル
ツェルト
カメラ
ザイル
スワミベルト
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
スリング
ロープスリング
アブミ
タイブロック
ハンマーバイル
アングルハーケン
渓流シューズ
ヌンチャク
ネックウォーマー
|
---|---|
備考 | フェルト推奨 |
感想
かねてよりの課題がひとつ片付いた。
0〜100は岩盤とナメ
100〜450は我慢の河原歩き(良く言えば癒し系)
450〜600はナメからの滝場となり
600には50m級の大滝が待っている
大滝を超えて、2、3の小滝を越えると沢は平凡となる。しかし900あたりまでは水は続いており、沢形もさらに続いていることから、無雪期に増毛天狗を詰めようとすればこれ以上エキサイティングなルートはないだろう。
なお、ややヌメリ気味のため、フェルト推奨。また、段差も多く、体力がいる沢なので、メンバーによってはかなり時間がかかるだろう。おそらく山頂まで行った場合登り5時間半、下り5時間と行ったところで、日帰り圏内ではあるが、歩くのが遅いパーティーだと余裕を持って一泊した方がいいだろう。250くらいまではテン場に困ることもない。三角点に執着しないなら大滝から帰ってきても良いだろう。
下流〜中流域では河原が発達しており、鹿道もちらほらある。使えるところは使うと早いが、中流域では油断していると枯れたイタドリに混じって蔦系植物が絡まったりするので、ルート取りは慎重にした方がいい。なお下りの時は高い所に追いやられがちだが、海風のあたるところの方がヤブが薄いので、後で降りられそうな場所なら高いところに乗ってしまってもいい。
海岸線のアプローチが片道40分弱で、長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれだと思うが、個人的にはそんなに長いと感じない。ただしイタドリが枯れたあとならば楽に護岸の上を歩いて行けるが、盛夏はゲンナリだろう。釣り人のブログでは護岸下のゴロタ場を歩いているので、真夏でも行けないことはないが…
増毛の海岸に直接落ちている滝とは違い、日方泊川は堂々たる川である。水が少ないこの時期ではあるが、雨の日の遡行かつ少しヌメることもあり、下流域では慎重に渡渉する必要があった。アプローチや増毛の虫の多さも考えると、遡行の適期はイタドリが枯れた9月末から10月初めくらいではないかと思う。
余談ではあるが、調べてみると、昭和41年の航空写真で、南の銀鱗の滝あたりから、日方泊川の河口まで林道のようなものが伸びているのがわかる。日方泊川の砂防工事については、確定できないが昭和44年という記録を見つけたので、このために伸ばしたものと思われるが、不思議なのは標高150に忽然と現れるバッドレスの砂防と、210に落ちていた茶碗の欠片である。
地形図で見ると、昭和45年の時点では河口付近に数件の建物が存在し、北側からの道路が河口につながっているが、南側からの道も、日方泊川沿いの道も記載がない。さらに古い昭和20年代の航空写真を見てみると、川の右岸に標高300あたりまで伸びた道の様なものが見えるような気もする。今回歩いた感じでは、どちらかと言えば左岸側に林道の気配を感じていたのだが、どうなのだろうか。少なくともいつかの時点では150砂防まで道路が伸びていた事は間違いのであるが…いつか増毛町史を見て調べてみたいものである。
最後に。今回は、気温も低い中、行程の半分くらいは雨が降っており、ツライ山行となった。そんな中でも付き合っていただいた山友には感謝したい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する