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Yamareco

記録ID: 7495882
全員に公開
ハイキング
六甲・摩耶・有馬

六甲山:比命大善神社と雲ヶ岩 法道仙人謎のヒト

2024年11月17日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
1
日帰りが可能
GPS
03:30
距離
6.7km
登り
300m
下り
295m
歩くペース
ゆっくり
1.21.3
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
2:08
休憩
1:00
合計
3:08
距離 6.7km 登り 300m 下り 295m
9:57
11
10:08
10:09
24
10:33
11:27
12
11:39
11:42
2
11:53
33
12:29
ゴール地点
天候 雨〜曇り〜ときどき晴れ〜小雨〜曇天
過去天気図(気象庁) 2024年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
JR六甲道〜神戸市バス[16]〜六甲ケーブル下〜六甲ケーブルカーで〜六甲ケーブル上駅(スタート地点)
コース状況/
危険箇所等
心経岩〜六甲比命大善神社までの上りの上部が絶壁に近い急登。超急階段の手摺り便り。短いが、なかなか手強いので、要注意。その他の7割くらいは、緩い車も走れるような整備万全の道。
JR六甲道からバスで六甲ケーブル下までやってきました。
2024年11月17日 08:29撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 8:29
JR六甲道からバスで六甲ケーブル下までやってきました。
これから六甲ケーブルカーに乗ります。
2024年11月17日 08:29撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 8:29
これから六甲ケーブルカーに乗ります。
クラシック ちょっとわくわく ケーブルカー
2024年11月17日 08:34撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 8:34
クラシック ちょっとわくわく ケーブルカー
ガタゴトと かなり搖れます 懐かしさ
2024年11月17日 08:43撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 8:43
ガタゴトと かなり搖れます 懐かしさ
六甲山は、山上をバス移動できるのでした。山上駅では、かなりの雨。急ぎ上下にカッパを着て、歩きだした晴れ間が……。
2024年11月17日 08:56撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 8:56
六甲山は、山上をバス移動できるのでした。山上駅では、かなりの雨。急ぎ上下にカッパを着て、歩きだした晴れ間が……。
ここを右に上るのがルートでしたが、行き過ぎてしまいました。
2024年11月17日 09:34撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 9:34
ここを右に上るのがルートでしたが、行き過ぎてしまいました。
ほんわかと 霧が漂う 森の道
2024年11月17日 09:35撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 9:35
ほんわかと 霧が漂う 森の道
ここは別荘地や保養所が点在してました。神戸ゴルフ倶楽部の方向に向かいます。分け道が多く、ルートはこまめチェクが必要です。
2024年11月17日 09:50撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 9:50
ここは別荘地や保養所が点在してました。神戸ゴルフ倶楽部の方向に向かいます。分け道が多く、ルートはこまめチェクが必要です。
六甲全山縦走路は右ですが、左の「Rokko森の音ミュージアム」方面に入ります。
2024年11月17日 09:54撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 9:54
六甲全山縦走路は右ですが、左の「Rokko森の音ミュージアム」方面に入ります。
ところどころに紅葉が映えです。
2024年11月17日 09:57撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 9:57
ところどころに紅葉が映えです。
車が通らない、ハイク道になりました。紅葉がボチボチ。
2024年11月17日 10:02撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:02
車が通らない、ハイク道になりました。紅葉がボチボチ。
登って下りると 「何じゃこれは?」、舟を模したような、アートなんだろうけど?
2024年11月17日 10:06撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:06
登って下りると 「何じゃこれは?」、舟を模したような、アートなんだろうけど?
ミージアムの水の公園がありました。が有料なので、パス。きれいなんだけど、自然観が薄いです。
2024年11月17日 10:08撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:08
ミージアムの水の公園がありました。が有料なので、パス。きれいなんだけど、自然観が薄いです。
ミーュジアムのところは大きな駐車場があって、そこを少し左に歩くと、右に入る道がありました。ここを行きます。
2024年11月17日 10:12撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:12
ミーュジアムのところは大きな駐車場があって、そこを少し左に歩くと、右に入る道がありました。ここを行きます。
車が通れる道が終わるあたり、「神戸市水道局六甲山高区ポンプ場」です。このあたりから、ハイク道の登りです。
2024年11月17日 10:20撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:20
車が通れる道が終わるあたり、「神戸市水道局六甲山高区ポンプ場」です。このあたりから、ハイク道の登りです。
登っていくと、広場があり、山上への登山道と案内がありました。今回の本命「六甲比売神社」は、ここからです。「六甲山吉祥院多門寺奥ノ奥」とも書かれていました。
2024年11月17日 10:35撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:35
登っていくと、広場があり、山上への登山道と案内がありました。今回の本命「六甲比売神社」は、ここからです。「六甲山吉祥院多門寺奥ノ奥」とも書かれていました。
まず「心経岩」。昔、法道仙人の時に心経が彫られたそうですが、ここに彫られているのは、大正五年ころ再建されたものとありました。
2024年11月17日 10:39撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:39
まず「心経岩」。昔、法道仙人の時に心経が彫られたそうですが、ここに彫られているのは、大正五年ころ再建されたものとありました。
磐座に 心の願い 刻み入れ
2024年11月17日 10:41撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:41
磐座に 心の願い 刻み入れ
さらに上に急登が続きます。神社直下には、過激な崖の梯子。そこはスリルが満点でした。
2024年11月17日 10:46撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:46
さらに上に急登が続きます。神社直下には、過激な崖の梯子。そこはスリルが満点でした。
登り切った左の建物が、六甲比売神社の拝殿でした。崖の中腹にあり、この裏側に、本殿の磐座があります。
2024年11月17日 10:52撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:52
登り切った左の建物が、六甲比売神社の拝殿でした。崖の中腹にあり、この裏側に、本殿の磐座があります。
拝殿社の屋根に、崖の大岩がずれ落ちて圧迫しています。この狭い、怖い隙間を奥に進みます。
2024年11月17日 10:52撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 10:52
拝殿社の屋根に、崖の大岩がずれ落ちて圧迫しています。この狭い、怖い隙間を奥に進みます。
暗い縦の窪みの磐座の祭壇が本殿です。六甲比売は、「瀬織津姫」と言われています。磐座の中央の縦の窪みの上が、少し空いていました。胎内への入り口では?
2024年11月17日 11:09撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 11:09
暗い縦の窪みの磐座の祭壇が本殿です。六甲比売は、「瀬織津姫」と言われています。磐座の中央の縦の窪みの上が、少し空いていました。胎内への入り口では?
六甲の 冥路の磐座 比売神社
大岩が 「ヘ」の字に縦割れ 神潜む
暗部から 慈愛溢れて 光射す
2024年11月17日 11:10撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 11:10
六甲の 冥路の磐座 比売神社
大岩が 「ヘ」の字に縦割れ 神潜む
暗部から 慈愛溢れて 光射す
神社から、さらに上への道をいくとすぐ、「雲ヶ岩」という幅2m超えのタマゴ型巨岩が……なんと縦に真っ二つに割れていました。
2024年11月17日 11:13撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 11:13
神社から、さらに上への道をいくとすぐ、「雲ヶ岩」という幅2m超えのタマゴ型巨岩が……なんと縦に真っ二つに割れていました。
言われでは、法道仙人がこの地で修行中、紫の雲に乘った毘沙門天がこの岩の上に降臨したそうです。この岩の割れ目は、案の定、鬼門方位でした。見様によっては、二つの玉? あれれ? ひょっとして?
2024年11月17日 11:14撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 11:14
言われでは、法道仙人がこの地で修行中、紫の雲に乘った毘沙門天がこの岩の上に降臨したそうです。この岩の割れ目は、案の定、鬼門方位でした。見様によっては、二つの玉? あれれ? ひょっとして?
さらに上への道を登ると、尾根の突き出た頂きありました。そこに、長さ数メートルほどの巨砲のような巨岩が横たわっています。自然な岩ではありません。その歴史は、縄文時代に遡るとか?
2024年11月17日 11:26撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 11:26
さらに上への道を登ると、尾根の突き出た頂きありました。そこに、長さ数メートルほどの巨砲のような巨岩が横たわっています。自然な岩ではありません。その歴史は、縄文時代に遡るとか?
この頂上の直下に、比売神社があるようです。この突き出た磐座は、男性性のシンボルのようです。仏眼上人、熊野権現、花山法皇、そして八大龍王が祀られていました。
2024年11月17日 11:22撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 11:22
この頂上の直下に、比売神社があるようです。この突き出た磐座は、男性性のシンボルのようです。仏眼上人、熊野権現、花山法皇、そして八大龍王が祀られていました。
平安の 悲哀止めし 六甲の いただきに祀る 磐座の夢 
2024年11月17日 11:24撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 11:24
平安の 悲哀止めし 六甲の いただきに祀る 磐座の夢 
六甲ガーデンの横から、ケーブル駅に山道を下りかけたところ、最大の紅葉場がありました。
2024年11月17日 11:48撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 11:48
六甲ガーデンの横から、ケーブル駅に山道を下りかけたところ、最大の紅葉場がありました。
ゴルフハウスのところ、直進せずに細い道を左に折れます。ケーブルへの道です。
2024年11月17日 12:06撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 12:06
ゴルフハウスのところ、直進せずに細い道を左に折れます。ケーブルへの道です。
ちらほらと 紅葉探して 六甲道
2024年11月17日 12:14撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 12:14
ちらほらと 紅葉探して 六甲道
無事下山 瀬戸内海見え 展望台
2024年11月17日 12:27撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 12:27
無事下山 瀬戸内海見え 展望台
稲荷様 下山導き 御礼感謝
2024年11月17日 12:29撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 12:29
稲荷様 下山導き 御礼感謝
海と山 霞のなかの 神戸街 
2024年11月17日 12:34撮影 by  iPhone 7, Apple
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11/17 12:34
海と山 霞のなかの 神戸街 
ケーブルの上駅に、無事戻ってこれました。ありがとう。
2024年11月17日 13:09撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
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11/17 13:09
ケーブルの上駅に、無事戻ってこれました。ありがとう。

感想

♠神戸では 何を差し置き 六甲山

 さいたま市から、はるばるやってきました姫路と神戸。仕事ですが、山に登らない手はありません。仕事が済んだら、姫路の16日15時過ぎ、まだ登れる山がありました。ロープウェイがある書写山です。山というより山上の寺、ロープウェイで登れば、30分ほど登って山上の圓教寺の、奈良や京都の寺院と見紛うほどの巨刹、もみじ狩りの時期、シンボル的に有名な姫路城より、私にとってははるかに見どころがあった山行でした。ヤマレコにレポ済みです。
 そして翌日、念願の瀬織津姫を祀る比売神社があるという六甲山行を決行しました。

 問題が二つ。一つは出張で1日目は2万6000歩超え、2日の姫路城〜書写山で2万5000歩超え。なんば歩きを意識したので筋肉痛や足ズレはなかったのですが、持病のぎっくり腰が発動。身体をかがめると、強い痛み。しかし、普通に歩ける状態ではありました。これで山道、行けるか?
 もう一つが天候。天気とくらすでは、曇り予報。前日は晴れと出ましたが、当日朝は曇り。しかも、雨の懸念もありました。が、折角準備計画をしたので、雨でなければ、行かない選択肢はありません。
 今回の山行計画は、六甲山のパワースポット巡りです。六甲ケーブルカーの上の駅を起点にぐるっと歩ける計画を立てました。計画では、下の渦森台という登山口から登る予定でしたが、天候と腰痛懸念で、上まではケーブルを利用することにしました。

♠六甲道 分け道多く ナビ必須

 ケーブルカーの上駅に着くと、何と雨…。かなり本格的な雨でした。みなさん、山行の方々は、カッパを着込んで出発していました。私も、どうしようかと迷いはしましたが、靴を脱いでカッパの上下を着込み、いざ出かけてみたら……アレレ…? 雨は止んで、陽が射してきています。ひょっとして、このまま晴れる?…青空も見え、期待をしたのも束の間、曇天となりました。
 六甲の道は、山道ではなく、別荘や保養所のための道でした。たくさんの道案内がありますが、山のルート案内ではなく、都度、ヤマレコで地図で方向を探らないと、分け道を行き過ぎたりしてしまいます。分け道がものすごく多いので、危険なことはありませんが、ルート探しはこまめチェックが必要なところでした。
 
 山道と言えるのは、ミュージアムの前後と、比売神社の上から六甲ガーデンの手前、そこからゴルフ場前後のあたりで、半分は車が通れる、整備された道でした。危険個所は、心経岩〜比売神社に登るところ。長くはないですが、比売神社直下はほぼ垂直な崖で、急勾配の階段がありました。
 紅葉は、ぼちぼちでした。もう少しあとのほうがいいかも。しかし、秋の風情はあって、道はどこもが整備十分で明快。とても歩きやすいルートでした。
 
 私の一番の目的は、六甲比売大善神社を参拝することでした。最初に出くわしたのが、心経岩でした。2〜3メートルはありそうな巨大な、しかし平に削り取ったような岩面に、細かい文字が刻まれていました。が、これは昭和5年に再興されたときのものでした。解説によると、元は、6世紀ごろ、法道仙人が岩に般若心経の経文を刻んだというのです。その仙人が刻んだ岩は、風化してしまったのでしょうか?

♠播磨の地 法道仙人 インド人?

 ところで「法道仙人」とは何者? 恥ずかしながら、知りませんでした。戻って調べました。ウィキペディアなどのウェブから、引用してまとめてみます。

 法道(ほうどう)は、インドの仙人。鉄の宝鉢を持っていたことから、空鉢仙人(からはちせんにん)とも呼ばれるそうです。法道仙人は、播磨各地に伝説として伝えられているようで、6世紀半ばに、天竺(インド)の霊鷲山から渡来したというのです。伝説では、方術を駆使し、特に「飛鉢の法」を行ったと言われ、播磨一帯の山岳寺院を開創した人物にみなされているようです。十一面観音信仰を広めたり、陰陽道の術もわきまえていたとされます。この当時の仙人というと、役行者が有名です。法道仙人も、インドから歩いたり船に乗って渡来したのではないということです。UFOにでも乗って、当時の播磨国にやってきたのでしょう。役行者のように、超人だったようです。

 仙人といわれるくらいですから、普通の肉体をもった存在ではないわけです。超人というのは、人を超えた存在なので、意識体の乗り物としての肉体を、出したり消したり移動させるようなことをして、いわゆる人間を驚かせます。役行者もそんな伝説を残しています。空海も、そんな奇跡をたくさん行ったとされます。インドやミャンマー、ヒマラヤには、そんな超人がウジャウジャいるとされます。ババジも、サイババも、マイトレーヤやモリヤ覚者、ヨガナンダ……などなどが知られています。それぞれ、進化の段階が違いますが、われわれ人間からすると、超人というしかありません。

 法道仙人の伝承(6世紀)が、比売神社を中心に、刻まれています。心経岩〜比売神社磐座〜雲ヶ岩(法道仙人が紫の雲に乗って毘沙門天が降臨した場)〜仰臥岩(ここには、仏眼上人、熊野権現、花山法皇と八大龍王神が祀られています)は、六甲山の尾根の突き出た突端の岩場にあります。

♠六甲の 磐座伝承 縄文から

 この六甲山の絶壁にある磐座の伝承は、法道仙人の時代より一層古い、縄文時代からの、人間の手によって積み上げられた形跡があるという報告がありました。引用します。

「六甲比命神社の磐座は天然に出来たものではなく縄文時代のころ、縄文人たちの手によって巨石を積み上げて出来た人工の磐座である。一説によれば縄文中期(BC5,000年頃)に出来たのではないかと言われている」
https://www.megalithmury.com/2019/08/rokkouhime.html#toc_headline)

 今、六甲比売大善神社には、本体の磐座の前に、拝殿としての小さな社が建てられています。これは明治期以降に建てられたものでしょう。古くは、本体の磐座が見えたはずです。いまは、社と東?に迫る崖の細い通路を潜り、社の裏側にまわります。本殿としての磐座は、縦に抉られた深い窪みになっていました。暗闇には、小さな社と蝋燭や線香があり、参拝者が自由に手向けることができるよう準備されていて、ライターまでがありました。
 ここで唱えるのは、祓詞です。祓戸大神、瀬織津姫を意識します。

 祝詞を唱えていたら、何事か、とてもいい香りが漂ってきました。ここに比売神の閃きが潜んでいます。この窪みの磐座を、社で隠すのは必要なことと理解できました。なぜなら、このような岩が縦に割れて窪みには、ヒメ神の象徴となるからです。このような場所に、大日如来が祀られている場合もあります。縦の割れ目は、自然でも秘所です。奥ゆかしく、隠すのは、神の世界でも同じです。

♠雲ヶ岩 巨岩タマゴが 真っ二つ

 比売神社から、さらに上の向かう道が続いていました。少し上ると右側に「雲ヶ岩」がありました。一目瞭然です。幅2m超えのタマゴのような楕円のきれいな岩が、真ん中で真っ二つに割れていました。ここは法道仙人が修行をしていて、毘沙門天が降臨したという岩でした。私は、自然ではありえないような楕円の岩や、真っ二つの割れ方を奇異に感じながら、ひょっとしたらこれは、比売と関係しているのではないかと想像しました。というのは、このタマゴの形が二つに分かれている様は、タマが二つの袋に見えたのです。これは男性原理の象徴ではないかと、妄想を膨らませました(そんな説は聞いていませんが)。

♠仰臥岩 熊野権現 そそり立つ

 雲ヶ岩からさらに少し登ると、長さ数メートルはありそうな、自然ではない巨岩がありました。仰臥岩と言われているものです。表からは見えませんが、岩に近寄っていくと、もう一つ巨岩が横たわっており、その裏側は崖で落ち込んでいます。ここは、比売神社の真上あたりになり、尾根の先端が盛り上がった、頂上のような位置になります。裏側の巨岩には、熊野権現が刻まれた岩の碑や八大龍王の祠が祀られていました。縄文人がはるか昔、ここに巨岩を積み上げて、直下の比売の窪みの磐座を護るかのような構造に見えました。これらの巨岩の造形は、明らかに、六甲山尾根の突端に突き出たシンボルとしての陽物です。

♠最深部 陽物と玉 比売隠れ(妄想)

 つまりこの六甲山の最深部の聖域は、突端尾根巨岩、仰臥岩という陽物と雲ヶ岩の二つに割れたタマ袋、そして陰部としての比売神宿す窪みの磐座が祀られた、生命の根源を祀り、人間の繁栄を願ったものではないかという妄想が湧き出ました。
 先のホームページに、こんな記述があります。引用します。

「法道仙人が六甲山吉祥院多聞寺を創建した際、六甲比命神社境内の雲ヶ岩に毘沙門天(多聞天)が降臨したことから、多聞寺の奥の院となった。毘沙門天と吉祥天は仏教本尊の中では珍しく、夫婦の関係である」

 私の妄想も、あながち外れているわけではないのですよ。

♠霞立つ 神戸の街と 瀬戸内海

 仰臥岩を後にして、六甲ガーデンの方向に尾根道を歩きます。広い分岐のある道路に出ました。ロープウェイの方向に少し歩けば、六甲山の頂上をゲットできますが、腰痛を抱えた私は、今回はパスをして、ケーブルの上駅に戻るルートを辿りました。途中、紅葉が最高に燃え立ったところをくぐりました。
 こうして無事、ケーブルの上の駅に戻り、展望台で神戸の街並みと瀬戸内海の光芒を楽しみました。霞んでいましたが、一興です。

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