長者ヶ岳・五宗山・三石山《山梨百名山》
山梨県
静岡県
山キチどん
- GPS
- --:--
- 距離
- 27.6km
- 登り
- 2,440m
- 下り
- 2,441m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 9:08
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 10:22
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2007年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| その他周辺情報 | なんぶの湯\500 |
写真
拍手
送電鉄塔より
感想
南部町上佐野は富士川の流れる谷の一本東、佐野川の上流にある。決まった駐車スペースはなく東海自然歩道の登山口付近に停めた。11時間の睡眠で快調、今日は長丁場なのでまだ真っ暗なうちから歩き始めた。東海自然歩道は流石に整備された立派な登山道だ。谷筋から天子ヶ岳南西尾根の北側を巻き天子ヶ岳と長者ヶ岳の鞍部で稜線に達するが天子ヶ岳は通っていないので随分遠回りになる。地図を見ると南西尾根のP1086付近の鞍部で最も稜線に近づいている。ここで稜線に乗り上ると天子ヶ岳へ無駄がない。藪漕ぎも覚悟でガレ場の源頭から急斜面に突っ込んだ。足元はずるずる崩れる細かい砂礫で15分ほどかけてP1086山梨静岡県境尾根に這い上がった。
稜線には割りと確りした踏み跡があり助かった。そうするとこの道はどこから上がってきたのだろう? 県境尾根にずっと縦走路があることは間違いない。一旦ガレ場の上部にあたる鞍部に下った後は天子ヶ岳に向けての登りとなる。山頂に近づくにつれ傾斜は増し北峰(約1,320m)の山頂に乗り上がった。ピーク性にも乏しく山頂標識すらない。200m余り南に行くと天子ヶ岳南峰（1,330m）山頂に達した。山頂標識が立っているが樹林帯の中で展望はない。30mほど南に行くと富士見展望台があり富士山方向だけが切り開かれていた。
北峰に引き返し山梨・静岡県境の天子山脈を北へ進んだ。この山脈は長者ヶ岳から毛無山、本栖湖に到る富士山西側の壁だ。鞍部まで下ると東海自然歩道が左から上がってきた。本来はこの道を通って来なければならなかったので今日はかなり距離を短縮できただろう。150mほど登り返すと長者ヶ岳(1,336m)山頂に達した。山梨百名山で3等三角点「熊平」がある。東の富士山の方向と北西の南アルプス方面に展望が得られた。布引山、笊ヶ岳の向うに赤石岳、荒川三山、塩見岳、白峰三山が見える。白い山頂は間ノ岳と北岳のみで他の山に積雪はないようだ。そう言えば富士山ですら山頂が少し白い程度だった。山頂を通ることの少ない東海自然歩道は北東尾根を田貫湖へさっさと下って行くが、天子山脈縦走路は北西へと続く。
樹林帯の稜線を進む。展望は全くなく只管進む。湧水峠の手前で送電巡視路が西に分岐し佐野川へと下って行った。100m程進むと送電鉄塔があり展望を期待するが樹木の背が高く残念。鉄塔の真下には避難小屋があった。扉が壊れているが上からの雨だけは凌げそうだ。標高1,310mの湧水峠には指導標があり東に「湯の奥林道→」の表示がある。地形図には表示がないが身延町へ湯之奥猪之頭トンネンルで結ぶ林道に繋がっているのだろう。
P1411とP1446を越えグンと高度を上げると熊森山(1,575m) で3等三角点「熊森」がある。やはり展望はない。“県遭対協”による山頂標識が地蔵峠と長者ヶ岳の方向を案内していた。県境の山なのに“県遭対協”では山梨か静岡か分からない。ここからは山頂標識に示す方向の何れでもない、天子山脈縦走路を離れ西に派生する尾根に踏み出した。道があるかどうかも分からない尾根だったが、立ち木に赤ペンキでマーキングされそれなりの踏み跡はあるようだ。藪漕ぎを覚悟していたがそれを免れ喜ばしい限りだ。ここまででコースタイムを2時間45分短縮しているので日のあるうちに周回コース完走はまず大丈夫だろう。
最低鞍部付近は北の崩壊したガレ谷の源頭で、素晴らしい展望が得られた。間近に迫った毛無山、そして下部川の谷越しに白峰三山、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山を堪能した。3等三角点「御堂平」の平らな山頂へは標高差200mを登る。私設の山頂プレートには「御堂平」、あるいは「五宗山」の表示がある。「御堂平」は三角点名そのものだが、「五宗山」をこの山の山名として頂いた。1,634mの標高は今山行における最高所で山頂展望のないのが残念だった。
山頂域の南東端まで戻り南に続く尾根に踏み出した。赤ペンキやテープは頻繁に出てくるので間違えることはない。藪もなく歩き易い登山道は展望もないので只管進んだ。やがて尾根が急激に落ち込み両側が切り立った瘦尾根となり険しい道がP1432手前まで続いた。鞍部(1,315m)に到ると送電線が通っており切り開かれていて展望が良い。この送電線は湧水峠の手前で越えたもので富士山の裾野へと繋がっている。
ナナイタレの崩壊地を伴った七面山はよく目立つ。その手前の身延山は山頂のロープウェイ駅の建物が目印でこれも識別が容易。笊ヶ岳を初めとする白峰南嶺の山々、その後には赤石・荒川・塩見の南アルプスの3,000m級が顔を出している。少し南には明日登る篠井山や安部奥の十枚山、奥十枚山が鎮座し、反対側に移ると富士山が美しい。朝方は逆光で今一だったが、光線状態がよくなり、西面の大沢崩れの襞が良く分かる。そして富士山の麓にカラフルな大きな鳥が・・・ズームアップしてみるとハングライダーの群れだった。
P1139を越えると三石山は近い。一般登山道は良いものだ、迷うこともなく気楽に三石山本堂に着いた。鳥居があり神社かと思うが身延山に関連するお寺のようでもあり神仏分離がされていないようだ。本堂の裏手に山梨百名山・三石山の山頂標識があるが南東側にまだ高いところがある。地形図によると背後のピークは1,173mの標高点で100mほど先にある。此処でも藪に突入して最高点を目指した。一番高い所に到るが思ったとおり何もなかった。勿論展望もなかった。
本堂の先は再びバリエーションルートで鳥居をくぐるといきなり踏み跡が怪しくなった。北西に進んだ後90°左に曲がらなければならない。慎重にルートファインディングを行い、微かな踏み跡を見つけ下って行った。アップダウンを繰り返し4.2�劼涼営瓦兵�林帯の道で大島峠に達した。左に上佐野への道が分岐するが、4年前（平成15年）の思親山登山の時歩いた佐野峠まで繋げたいので更に稜線を進んだ。西側（身延町側）から林道が上がってきて峠の5mほど下を平行に通っている。これは地形図に出ていないので一寸いやな予感がした。
峠の南の1,000mほどのピークを越えた鞍部で西側を巻いていた林道が登山道を横断した。登山道が途切れ反対側は茨の藪で分け入って踏み跡を探した。明瞭なピークを二つ越えた所に3等三角点「内船村(一)」(940m)があるがピーク性は無い。林道が再び接近し縦走路の藪が濃くなった。最後の二つのピークは身延町側が植林帯で3mほどに伸びた若木に視界を遮られた。下り道で踏み跡を見失い適当に下っていくと見覚えのある佐野峠(標高845m)に下り立つことができた。南部町内船からの林道が上がってきている。峠を越えて上佐野に大迂回をして下っていくが道は悪そうだ。思親山のメインの登山口である佐野峠は駐車スペースに立派なトイレも設置されていた。東側の展望が良く、すぐ下の楓が見事に色づいていた。大島峠あたりで出だした雲は、長者ヶ岳を隠してしまった。崩れるはずはないが晩秋のこの頃は15時を過ぎるともう日暮れの様相で早や下山の時刻だ。
上佐野へは、思親山を越えてきた東海自然歩道のルートが上佐野まで続いている。谷間へと下り道幅も広く流石は国をあげて取り組んだ歩道だ。上佐野の集落を抜け駐車地点に辿り着いたのは目標としていた16時少し前、コースタイムを5時間短縮し30キロ余りの全行程を歩き切ることができた。
今日の立ち寄り湯は身延線内船駅近くにある“なんぶの湯”、町民以外は500円で入浴できる公共施設だ。ついでに夕食をしようと思ったが15時に営業を終了しており、最も儲かる時間に営業していないお役所仕事ぶりに唖然とした。入浴後は篠井山馬込登山口へ向かいこの日も車中泊となった。
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録するこの記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
長者ヶ岳の最新記録
天子ヶ岳の最新記録
三石山の最新記録
meichin さん
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する