小野村割岳
京都府
山キチどん
- GPS
- --:--
- 距離
- 22.9km
- 登り
- 1,520m
- 下り
- 1,523m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 7:28
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 8:32
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2007年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| その他周辺情報 | くらま温泉\1,100 |
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感想
国道9号線から堀川通を北上し鞍馬街道に入り、花背峠を越え松上げで知られる広河原に着いた。早稲谷川沿いの広場（標高470m）に車を置いて林道を歩いた。右岸に渡り、1軒だけある民家を過ぎたところに車止めのロープが張られている。ここから地道となり、軈て左岸に戻り標高594m地点で枝沢が分かれ右に折れた。傾斜が増し正面に落差20mほどの滝が現れ林道は九十九折で滝上に出た。林道はまだ奥まで続いている。右手に枝道が分岐するのを見送り180°折り返すように左手に進んだ。林道終点は860m程の地点だった。
沢沿いに登山道が続き沢を詰めるのかと思ったがすぐに尾根へと這い上った。10分余りで小野村割岳(932m)山頂に達し、3等三角点「広河原」にタッチした。山頂付近でイワウチワが咲き出し春を感じさせてくれた。山頂からは木の間越し僅かに展望があるが、同じような山容で山の名前はよく分からない。ここまでは林道歩きが殆どで登山らしからぬ登山だった。
小野村割岳は京都市左京区と美山町の境にあり、この先は市町境界の稜線を西へと進んだ。長い稜線上に名の付いているピークは一つもなく佐々里峠へと続く。地形図に標高の記された所が3箇所、現地で名前があるのではと期待していたが、ピークにはP911、P832、P840の木製標識が掲げられているだけだった。最後のP840を過ぎ進行方向が南に変わると北西の稜線から延びてきた明瞭な道に合流した。これは美山町芦生から佐々里峠へ至る登山道で窪み方からして相当歩き込まれているようだ。
佐々里峠は広河原と美山町佐々里を結ぶ府道38号線が越えているが車は稀にしか来ない。岩室があり静かで雰囲気の良い峠だ。府道を横断して更に南下すると左手に展望が開け小野村割岳から流れるなだらかな尾根が見えた。顕著なピークを持たない小野村割岳が何処なのか確実に同定することはできなかった。軈てダンノ峠への分岐のピーク(860m’)に達し南の展望が開けた。少し先のP866でも展望が得られた。
西に進むこと20分で品谷山(881m)に到った。山毛欅林の中で展望は得られなかった。2等三角点「佐々里村」が置かれ今日一番グレードの高い山だ。まだ9時半だがお腹が空き昼食を摂った。北西に延びる尾根にも踏跡があるようだが今日のコースは南西に延びる尾根を下る。品谷峠に達するとスモモ谷を下り廃村八丁を目指した。廃村八丁は刑部谷と出合う処にある。
「廃村」と冠されているのは、将に八丁集落の跡で案内板には「八丁山は、明治11年6月最終的に上弓削村と佐々里村との境界が決定するまで実に500年近い争いの歴史があった。1682年公儀(公儀:この場合は江戸幕府)の御留山(御留山:幕府による一般市民立ち入り禁止の山域)として立ち入りが禁止された。元禄14年(1701年)周山村吉太夫の請負山となり上弓削から3名と広河原村から2人が炭焼きを職とし1町5反3畝の新畑を開き住居、1743年上弓削山の請負山となり5戸の者も山番として定住してきたが、明治維新になって佐々里村から八丁山払下げ願いが出されこれを聞いた上弓削村も直ちに払下げと嘆願した。山番5戸を見方にした上弓削村領と決め和済が成立した。明治33年には博習校の分教場も設けられ8人の児童に先生一人が教鞭をとった。昭和8年の冬大雪に遭って食料が欠乏し病人が出ても医者の便もなく、さんざんな目にあった所から村あげて山をあとに平地にさがり、昭和11年に廃村となった。」とあった。
八丁川の源の谷が出合う小広い河原はなんとも穏やかな山里、山小屋跡の廃屋があり、キャンプには最適の場所である。合流点から少し下ると、民家の廃屋があり崩れている母屋の軒先のようなところにまだ使われているような部分があり八丁集落は存在しているのか? 塀には「八丁温泉」と書かれ、ドラム缶の五右衛門風呂が置かれていた。囲いはいい加減で誰が入るのか謎の施設だった。
“八丁温泉”に突き出た尾根には衣懸坂への指導標があり尾根伝いに行けることを知らせていた。今日はソトバ山に登るためにババ谷を遡行する。ソトバ峠(695m)へと登って行くと緩い傾斜の沢ながら何度か渡渉して100m余りの標高差で峠に近づくと何と林道の工事中、何でこんな所まで! 自然破壊もここまでくるとは・・・林道の切り通しのため登山道は寸断され分かり辛い。本当に腹立たしい限りだ。
工事現場から這い上がりソトバ山（806m・別名：タキノタニ）に到った。3等三角点「祖母谷」があるが展望は無い。山頂標識は殆どが「タキノタニ」と表記されていた。峠に戻るとその先工事現場の北に続く尾根に踏み跡が付いていた。想像通り廃村八丁からP847を通り衣懸坂に至るルートに合流する道のようだ。尾根の急登を詰め稜線に達すると指導標があり廃村八丁と衣懸坂・ダンノ峠を示していた。地図にない道が四通八達し可能性が拡がり嬉しくなる。右に折れ4分程で標識のあるP847に達した。左にダンノ峠への道を分岐し尾根を下ると衣懸坂の峠となった。旧京北町側の馬場谷と左京区広河原側のオリ谷から上がって来る道が交差していた。
当初の計画ではこの峠を越えてオリ谷を下る予定だったが、縦に通り抜け鍋谷山を目指すことにした。地図に道はないが「井ノ口山（悪路）」の表示があり、踏み跡がありそうだ。一つピークを越えるとここにも建設中の林道が横切っていた。憮然としながら横断しP810を越えると鞍部で林道の分岐道（建設中）が横断しており斜面を削っているので道路の向こう側は断崖となって取り付き点がない。取り付き点を求め急斜面を這い登りなんとか稜線に復帰した。400m程進むと一寸したピークで歩いてきた道を塞ぐように「この先断崖」との看板が建っていた。なるほど林道の交差部分のことかと納得した。
ここで道が二手に分かれ左に行かなければならないのに何も考えず南の尾根に入り込でしまった。左手に見える山が大きく不自然で、地図と首っ引きで現在地を割り出し、正しい道に戻った。この間約20分のロス。ピークを3つ越えると漸く鍋谷山(859m)に達した。衣懸坂から2.2�劼�1時間半も掛ってしまった。確かに悪路で石楠花林が邪魔をし、衣懸坂迄とは随分違った登山道だった。鍋谷山は以前に来たことがあり南からの縦走線と繋がった。北山は何処にでも道があると勝手に考え、広河原への戻りは西に400mの処のピークから北北西に延びる尾根が目に止まった。道がありそうな気がし、もし無くてもどうにかなりそうな緩傾斜なので鍋谷山直下から建設中の林道を進み尾根の張り出しから分け入った。やはり登山道はないが、微かに踏み跡か獣道かと思われるようなものが所々あるにはあった。
急斜面を下り、登り返すとなだらかな山頂域がしばらく続いた。先端部から真北に進路を振り仏谷川に向けて下りとなった。最後は急斜面となって広河原尾花町の集落に下山した。府道を歩き、長閑な山里の春を味わっていると、地元のお婆ちゃんが土筆をいっぱい摘んで帰ってきた。気軽に話しかけると、人恋しいのか話し始めたら止まらず昔話が始まってしまった。豊かな自然、豊かな人情は大事にしたいものだ。
帰りは“くらま温泉”の露天風呂に立ち寄った。露天風呂だけで入浴料1,100円は一寸高かった。
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