朽木スキー場から蛇谷ヶ峰往復


- GPS
- 03:26
- 距離
- 4.7km
- 登り
- 479m
- 下り
- 480m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道 |
その他周辺情報 | くつき温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
アイゼン
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感想
激しく冷え込んだ後、今度はリバウンドで気温が上がってきた。強い冬型で優勢だった大陸の高気圧から、高圧部が東に張り出して移動性高気圧となり、日本を上空から被う形になったのである。建国記念日にも似た気圧配置になったものの、実態としては不安定な天気だった。今度こそ、穏やかで晴れ渡り、温かい週末がくるとの期待をもって迎えた土曜日。今シーズン3回目の雪山行脚として、北比良の蛇谷ヶ峰を目指す。雲一つない晴天のもと、名神から湖西道路へと車を走らす。いつも激しい渋滞に見舞われる湖西道路だが、ちょっと拍子抜けするくらいに今日はスムーズだ。雪を頂いた比良山脈がどんどん大きくなり、一般国道で山間部に入っていくと周囲は雪の世界となる。外気温は氷点下になっている。凍結道路で幾度も事故を起こしている身としては慎重でありたい。スタッドレスで四駆走行、速度も抑え気味で北進する。皆子山、武奈ヶ岳の登山口を過ぎて鯖寿司食堂が目立つようになると目的地は近い。道の駅でトイレを借り、スキー場の看板に従って市道を上っていく。道は綺麗に除雪されている。スキー場は今季休業しているが、駐車場には10台くらいの車がとまっている。蛇谷ヶ峰へはグリーンパークから登る人がずっと多いはずだが、こちら朽木スキー場からのコースも今日は盛況と見える。準備をしている間にも、後続車が次々と上ってくる。皆さん、今日の好天に狙いを澄ましてやってきているのだろう。すぐに雪上歩行となるので、駐車場でアイゼンを装着する。
スキー場、向かって右のゲレンデ端の登山道に入る。ルートは踏み固められて明解だ。小沢に沿って植林帯に入り、その後はジグザグにつけられた夏道をそのままトレースして登っていく。急登と感ずる箇所はなく、一定のペースで楽に登れる。少し登ると温帯広葉樹林帯となり、落葉した木々の間から眺望が得られるようになる。冠雪した越前・若狭の山々を眺めつつ徐々に高度をあげ、垣間見えるゲレンデは意外なほど下方に遠ざかっている。さらに登ると琵琶湖とその西岸に広がる田園が美しく眺められるようになる。
やがて傾斜が緩くなり、周囲の樹高が下がって広がりのある大きめの尾根に出る。明るい雰囲気が周囲を支配している。そして間もなく、主稜線に乗る。左からこの稜線上をゲレンデ経由のルートが登ってきている。ここからT字路を右に登っていくことになる。ぐっと積雪が増え、雪山の雰囲気が深まる。行く手には丸っこい真っ白な山頂がのぞまれる。どうやらあれが、蛇谷ヶ峰の山頂らしい。稜線の右側は北西を向いていて、普段は強い西風が吹き付けるのであろう。雪は削られて鱗模様の硬い雪面となり、一方、琵琶湖側となる左手は雪が盛り上がって雪庇が出来つつある。東北時代に目にしていたような大きな雪庇は近畿地方ではめったにないが、それでも崩壊すれば十分危険である。あまり左に寄らぬように登っていく。
ここまで、誰も抜かれず抜かれず、誰ともすれ違うことなく登ってきたが、山頂目前の地点まできて、数名の下山者とすれ違う。今日のこの天気、きっと皆さん、山頂でゆっくりとくつろいでおられたのだろう。
山頂間近となり、左手に視界が大きく開けた。郷に雪があれば白蛇に見えるという丘に取り巻かれた耕作地が眼下に広がっている。今日は郷には全く雪がないので白くはないが、大蛇の姿を写真に収める。そして遠く背後には、にょきっと突出した立派な独立峰が、真っ白な姿で宙に浮いているのだった。伊吹山である。夏場であれば、砕石によって破壊された山容に心が痛むが、こうして雪化粧するとその本来の威容を取り戻して見事な存在感である。
白いドームのような斜面に取り付いて一気に上り詰めると、そこは蛇谷ヶ峰の山頂。まさに360度の広大な視界が広がっていた。空間の広がりが比類ない爽快感を醸成する。東に琵琶湖、伊吹山、西に越前から若狭へと続く山々、南には端正な三角錐の真っ白な武奈ヶ岳の山頂がのぞまれる。多くの人が思い思いの場所で語らっている。我々もその一員となって昼食をとる。
しばし休憩の後、下山を開始する。午後になった今も素晴らしい晴天が続いている。当初予定ではゲレンデ経由で周回することとしていたが、この陽気ではゲレンデは踏み抜き地獄と化している可能性がある。余計な消耗を避けるべく、往路をおとなしく戻ることにする。下りはあっけないほど早い。やはり下部はゆるゆるに融けており、朝は雪が覆っていた駐車地も地肌が各所でむき出しになっている。
時間が早いので、今津にあるというザゼンソウの保護地に行ってみることにする。実はザゼンソウを見るのは初めてだったが、雪の中からにょきっと飛び出して咲くその姿は、なかなか印象的だ。今津まで来たら、湖西道路に出るのは容易だ。帰路もまた渋滞無で南下するという珍しい日である。琵琶後の向こうに富士山のように白い伊吹山を見ながら帰途についた。
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