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Yamareco

記録ID: 7967859
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山滑走
妙高・戸隠・雨飾

戸隠山九頭竜山 南面ルンゼ滑降

2025年03月02日(日) [日帰り]
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GPS
05:00
距離
7.1km
登り
712m
下り
713m
天候 小雨のち晴れ
過去天気図(気象庁) 2025年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
キャンプ場入口に駐車
コース状況/
危険箇所等
沢などは基本よく埋まっている。稜線に出てから九頭竜山まではわりとアップダウンがあって怖いところもある。滑ったあとの平地移動も、小さい沢に行く手を阻まれたりして厄介なことも
その他周辺情報 ソバや温泉、奥社参りなど文化的。行かなかったけれど。
前日夜遅くにキャンプ場入口まで来て軽トラの荷台でオープンビバーク。おはようございます。天気は。。。意外によい?
前日夜遅くにキャンプ場入口まで来て軽トラの荷台でオープンビバーク。おはようございます。天気は。。。意外によい?
今日はスティープ滑降を見越して適度な太さのメタル板のセッティング。小雨も降って来てテンション激下がり。シールは良く滑る。
今日はスティープ滑降を見越して適度な太さのメタル板のセッティング。小雨も降って来てテンション激下がり。シールは良く滑る。
不動清水あたりの林間。冬のパウダーとかも面白そう。
不動清水あたりの林間。冬のパウダーとかも面白そう。
稜線に上がって1888ピーク付近から見下ろす。やっぱりパウダーの時に来てみたいな。
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稜線に上がって1888ピーク付近から見下ろす。やっぱりパウダーの時に来てみたいな。
九頭竜山の山頂から南のルンゼへドロップイン。嫌な予感がしてピッケルを持って横滑りでイン
九頭竜山の山頂から南のルンゼへドロップイン。嫌な予感がしてピッケルを持って横滑りでイン
悪い予感的中で、雪崩で磨かれたルンゼは手ごわく、けっきょく核心を超えるまでピッケルが手放せない。
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悪い予感的中で、雪崩で磨かれたルンゼは手ごわく、けっきょく核心を超えるまでピッケルが手放せない。
せっかく滑ったのだが、ルンゼの核心部を超えてから記録写真を撮ろうとしたらスマホが滑って谷底へと・・・そこに自分の落としたスラフや他のルンゼからのキノコ雪の崩落があり、スマホ氏、家族のイマココにトレースを残して永眠。他にも写真はあったのだが残念。
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せっかく滑ったのだが、ルンゼの核心部を超えてから記録写真を撮ろうとしたらスマホが滑って谷底へと・・・そこに自分の落としたスラフや他のルンゼからのキノコ雪の崩落があり、スマホ氏、家族のイマココにトレースを残して永眠。他にも写真はあったのだが残念。
滑降したのは赤のライン。20年前に一度滑ってあるが、その時はエントリーだけ異なっていて緑の線から入った。
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滑降したのは赤のライン。20年前に一度滑ってあるが、その時はエントリーだけ異なっていて緑の線から入った。

感想

前十字靭帯を再建してから313日が経過。
思ったよりは再建膝の調子はよくてそれなりに動けるシーズンを過ごしている。ありがたいことである。
しかし、元通りの活動を求めてしまうとやはり消化不良感もあるのは確か。
昔の自分であればよく考えず攻めダルマでガンガンやるしか考えなかっただろうが、膝の手術までしてアラフォーになったいま、攻めるだけというのもなんだし、もう山を滑り始めてから20年以上、数えかたによっては30年にもなるので前に上に進むばかりではなくてキャリアの棚卸し的な振り返りも意味のある時期なのではないかと、少しは柔軟に考えられるようになった。というか単に年をとって昔を振り返るのが楽しくなってきた(笑)これもまた、山の豊かな楽しみ方。

そんなとき、Xをつらつらと見ていたら2月27日に戸隠の九頭竜山の南東面中央ルンゼ(仮称)を初滑降したというポストを見て胸中が波立ってしまったのであった。
20年前、血気盛んな大学生だったころ実は僕も九頭竜山の頂上を挟んで反対側の南面ルンゼを滑降していた。当時は山を滑るという個人的な遊びを記録だの発表だの、と公にしていくなどそうCOOLじゃない、と斜に構えた気持ちの強かった頃だったので特に誰にも言っていない。当時の自分、なかなか面倒な奴だ。いや今もそうか。

確かに僕は滑ったのだが、20年も経ってから「あれは私が滑ったのです」などと言うのもとてもダサいし、山の初〇〇の世界の信義則に反する気もする。となれば、20年前のことも含め「自分が滑りました」と言いたいのであれば単純な話、もう一度滑ればいいというわけか。

かなり悪条件の滑降になるのは間違いないとしても、一度滑っているということで精神的なプレッシャーは初滑降に比べれば無いに等しい。と思ってユルゆると取り付いてしまったが、どうして20年前の自分のグレーディングの辛いこと・・・1888峰から九頭竜山への稜線歩きも、途中のクライムダウンなど、こんなに急だったっけ?という感じ。(なお当時はアイゼンも持っていない)

目標の九頭竜山の南面ルンゼの入り口も、20年前のエントリーは多雪がごっそり雪崩れ落ちて氷っぽく、可能性を感じない。ロープを付けて周辺の入口をアックスアイゼンでウロウロ、九頭竜山頂上から直接入るラインがけっきょく一番よさそうということに。なんだかビビッてきた。20年前の自分、なかなかやるではないか。

けっきょく、雪崩で磨かれたルンゼは堅く厳しく、アックス片手にエントリーしてから他のルンゼと合流するまでアックスを手放せずほとんど横滑りという体たらくであった。おまけに核心部を超えてから写真を撮ろうとスマホを持ちだしたら手を滑らせてしまい、スマホは谷底へ消えて行方不明に。お気楽な追憶リピート滑降のはずがすごく一生懸命な滑降になってしまった。

真剣みに欠ける姿勢で臨んでしまったけれど、面白い気づきのある山行であった。
20年前のCOOL目指してた自分の気持ちも、わからないではない。山を滑ることの価値なんてもともと個人的なものだし、誰かにとうぜん認めてもらえるべきものではない。みんなとシェアすれば気持ちのいい反応をもらえることもあるが、周囲からの勝手な定義づけや自分のスケベ心の増長なども免れず、確かにどこかでピュアさも失われるのだ。

ただ、20年前の自分のピュアな(笑)体験だけが真実だったのかというと、それも偏狭な考え方だったように思うよ20年前のボク・・・アラフォーになってやっぱり初滑降の称号が欲しくなってヒーヒー言いながらいい大人が必死になって斜面にかじりついている、これもまた愛すべき価値ある真実だと思う。つまり、その時の自分の感じたことだけが唯一の真実だなんて思わないことだ。
Into the Wildのクリス・マッカンドレスも"Happiness is only real when shared"とか言っている。とくにCOOLでもなんでもないアラフォーおじさんになって思う。誰が何をしたのかというFactは変えることはできないけれど、Factを記録して誰かとシェアできる形にしておくことで、全くの他人にしろ、20年後の自分にしろ、シェアされればまたそこに何度でも新たなRealが生まれるんではないかな、と。僕たちも100年前のマウンテニアの記録を読んでハートを揺さぶられたり、思わずクスっとしてしまうことがあるけれど、それはそこに新たなリアルが生まれているということだろう。僕らの記録もそんな営みの一部になっていくんだなと思う。

GPSログは記録していたスマホの紛失により手書きで適当に書いたので正確ではありません。

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