石鎚山北壁墜落の備忘録

山と家
その他1人 - GPS
- 08:06
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 900m
- 下り
- 887m
コースタイム
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 |
| アクセス |
写真
感想
墜落の備忘録
※長くなります
中学生以来?に父と石鎚北壁に登ってきた。素晴らしい天気の中、ダイレクトルートを登ってきたが、2ピッチ目のカンテに吐き出されそうなバランシーな左上ルートを抜け、最後の薄かぶりを抜けるところで、向きの悪い残置ハーケンにA1でテンションをかけたところ、ハーケンが抜けてしまい7~8m墜落し40m付近で宙吊りに。(嫌な下向きの残置だなと思ったが、まさか抜けるとは思わず100%不意落ち)フォール直後は何が起きたか分からず、左手から流血を確認する。フォール中は声を出すこともできず、岩のエッジをはしるロープが見えてロープが切れないかと、ハーネスが超軽量ハーネス(これでフォールしたことがない)のためフォールして問題ないかがとても怖かった。ビレイステーションにいる姿の見えない父にフォールと動揺していることを伝え、暫し落ち着く時間をもらう。怪我の状況は、幸いにも左手背の挫創のみで、その他特に外傷なし。フォール場所、ロープの残りから降りる選択肢はなく、登り返すことが可能か確認する。フォール場所は、100度程で薄くかぶったフェイスで、ホールドはないが等間隔に打たれた錆びたRCCボルトが確認できる。どうやら落ちた場所は何らかのエイドルート上と思われ、エイドクライミングが可能であった。プルージック登はんも考慮したが、これにより登り返すことが可能と判断し、父に登り返し可能と伝える。父からは怪我の具合を再度聞かれるが、左手から出血しているのみで行動可能と伝えクライミング開始(父はレスキュープランをこの時点で色々と考えていたそうです)。5~6m程登り返すと足元がフラットな場所があり、そこから父の姿が確認できたため情報共有を行い、ピークまで抜ける選択をする。ルート復帰後、2m程登り返し先程のフォールポイントへ。エイドクライミング予定であったため、シューズも登山靴でありフリーの選択肢なし。ハーケンの打ちたしを考えるが、ききそうなクラックがないため、フレンズをクラックに捩じ込みそこそこいい感触。ロープをクリップし、先程抜けたハーケンの近くにある錆びたハーケンにアブミをセットしてA1でテンションをかける。少しずつ体を浮かし、小ハング上のプロテクションにクイックドローをセットしロープをクリップ、アブミをセットしてA1でフォールポイントを抜ける。残り10m程を登って天狗岳のピークに抜けたところで終了点に到着。ギャラリーから声を掛けられ、平静を装いつつビレイ準備。準備が整い、事前に取り決めしていた笛1回ロープ3回の合図を送り、ビレイ開始。ほどなくして登ってきた父と合流し、とりあえずの完登と過去一の眺望に少し気持ちが和む。小休憩と撤収を行い、せっかく持ってきたコーヒーを飲む間もなく下山開始。帰りは東陵コースを選択し、土小屋まで下山したところで終了。
まさかのフォールで気が滅入ったが、また次回リベンジしたいと思うがまた来年かな。そろそろ雪山シーズンにもなるので、とりあえず今年も大山北壁を目標に頑張ります。
※石鎚山北壁のプロテクションは、どのルートも錆びたハーケン、RCCボルト、リングボルトとなっており、リボルトも検討しないといけない状況です。今回は運良くとまりましたが、トライされる方はその点を考慮し、ナチプロやプロテクションの増設などもふまえてトライされるとよいかと思います。この記録が今後トライされる方の安全に繋がることを祈願し、また、備忘録及び自戒の念としてここに記します。












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