赤倉山〜大畑山〜茨倉山〜神子内林道

- GPS
- 11:45
- 距離
- 15.8km
- 登り
- 1,142m
- 下り
- 1,138m
コースタイム
- 山行
- 9:59
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 11:45
| 天候 | 晴れ後曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
以前から気になっていた,足尾側から赤倉山を経て半月山までをピストンするルート。中禅寺湖の紅葉も盛りになったようなのでトライしてみた。赤倉山には南東の尾根から登ることが多いようだが,どうせならと,南側に走る尾根を末端から辿る計画を立てた。2時に自宅を出発し,4時過ぎに日光宇都宮道路に入るが,いつもに比べて車の数が多い。連休,晴天,紅葉と来れば当然なのだろうが。銅親水公園の駐車場には5時過ぎに到着したが,既に5台ほどが停車しており,その後もポツポツと入ってくる。多分6時頃には満車になっていただろう。
先ずはヘッドランプを点けて,先ほど登って来た車道を下る。廃屋のような栃本屋の角で中宮祠足尾線に入り,直ぐのところに有る携帯の基地局アンテナ塔の広場に着く。ここで雨具,手袋,スパッツを着けて準備完了。アンテナ塔脇の薄い踏み跡から深沢の方に進むが,川床までに数メートルの石垣があり,これを下りるのは無理そう。仕方なく,途中まで戻り,すぐ上流に見える堰堤の上を渡ることにする。こちらへは踏み跡もついていて,普段から使われているようだ。堰の上を流れる水は数センチほどの深さがあるので,できるだけ浅そうな処を選んで渡る。靴が新しいので中まで浸水せず快適。
渡りついた処からは,有るような無いような踏み跡を頼りにして,藪の中を登る。しかし,棘のある草木が多く,フル装備でも時々,痛い目をみる。抜けた時には,雨具に草の種がびっしりと付いてもいた。それでも10分ほどで,樹木にシカ除けの金網を付けた場所に出ると,しっかりした踏み跡が出てきた。少し傾斜の緩くなったところで振り返ると,精錬所の廃墟が間近に見下ろせた。更に尾根筋を忠実に辿るが,作業する人が居るのか,所々で藪が払われていた。しかし,松の枝が結構煩わしく,跨いだり,潜ったりと手間を取り,思ったようにはスピードは出ない。横手を見ると,備前楯山が朝陽を浴びて存在感があった。
一休みした840m辺りから行く手を見ると,結構な傾斜の部分があり,岩壁もあるように見える。巻き路はあるのかなと,少し心配しながら先に進む。薄い雲は出ているものの,天候の方は申し分なく,西側の山並みが良く見える。気にしていた岩壁の真下に着き観察するが,上の方までは見通せない。取敢えず数メートルを登る。更にその上に10mほど続いているようだが,がっしりとしたホールドが無い。直径1センチほどの頼りない木などを頼りに,2mほどずり上がるが次のホールドまでほんの少し及ばない。手袋を外しクラックに手を突っ込んで色々と試してみるが,体重を支え切るだけの自信が持てない。手の指も攣りそうになってくる。ヤバイ。と思って,一瞬頭が真っ白になるが,ここで焦ってはいかんと,周囲の景色を眺めて気を静める。上は無理だと判断し,先ほど必死で上がった処を1m降った後,左側に1mだけトラバースする。ここから苔のついた岩を掴みながら数メートル上がると傾斜が緩み,草の斜面に出られた。結局,この20mほどに30分近くかかっていたようだ。手も足も疲れ切っていた。
この後は,特に危険な個所もなく稜線沿いに進む。藪も減り,色の変わった樹木の間の気分の良い路も出てくる。傾斜の落ちた1120m付近で一服するが,ここまでに下から4時間近くを要しており,目論見の3倍近かった。事前の計画が甘かったなと反省すると共に,半月山まで行くのは諦めて林道に出た処から降ろうと計画変更する。そう決めると気も楽になり,周囲の紅葉や隙間から見える山の姿を楽しみながら進める。ただ,体の方は結構なダメージを受けているようで,何時もの7割程度のスピードしか出ない感覚だった。それでも,歩き易い処が続き,間もなく赤倉山に到着する。山頂の周囲は樹林で見通しが利かない笹原になっていた。藪に隠れているのか,三角点は見つけられなかった。腰を下ろして,アンパンとフルーツミカンを食べる。もう酷い藪はないだろうと判断して雨具を脱ぐが,じっとしていると少し寒くなってきた。
山頂の周りからは薄い踏み跡が縦横についているので当てにならず,地図を頼りに,なだらかな笹原の中を進む。直ぐに樹林の道となり,樹の隙間から白根山の方角の山も見えたりする。ヘリコプターの音が北の方から聞こえてくる。前後何度か聞こえたが,多分,中禅寺湖周辺の紅葉をレポートしているのだろう。半月山からの眺望が駄目になり,残念。
大畑山を過ぎた辺りで左足が攣りかけるが,騙しながら歩いている内に治まったのでホッとする。茨倉山(読み方が不明。「しくらやま」とか「ばらくらやま」)が近づくと,色付く葉越しに皇海山や鋸山なども垣間見えた。茨倉山も樹林に囲まれているが,疎らな葉の間から半月山,その向こうには既に雲がかかりつつある男体山を見ることが出来た。暫く立ったまま休憩していると寒くなってきたので歩き出す。
黄葉したカラマツ林の向こうに半月山が透けて見える。笹原の中を少し歩くと林道に飛び出していた。半月山までは断念したが,林道の終点までは見ておこうと幅広の道を北進する。西側の眺めが素晴らしく,点在する紅葉の向こうに,皇海山や袈裟丸山などが顔を見せてくれた。また,社山の向こうには前白根山や温泉ヶ岳なども覗いている。今日一番のビューエリアだった。林道のどん詰まりには,「神子内治山 資材運搬路 終点」の標識が建っており,半月山の方から人の声も聞こえて来た。しかし,そこまでは再び笹藪の道が続くようだった。次の機会に取っておこう。
少しの休憩後,景色を楽しみながら林道を降る。しかし,再び,太腿の裏側が攣りそうになる。最初は右だけだったが,その内に左も。騙しながら歩いて深沢への下降点まで着き,コムレケアを服用する。少し収まった処で,九十九折の路を沢まで下降する。結構,歩かれているようで踏み跡はしっかりしていた。地形図にある通りに踏み跡がついており,所々に往時を偲ばせるような石垣,平坦地や小さな碑などが見える。たまに荒れた処もあったが,ほぼ問題なく通過。ただ,沢の渡渉が何度かあったので,増水時は少し面倒かも。深沢大滝は下から眺めてみたかったが,暗くなるまでに車道に出たいので,上から見るだけで我慢する。赤倉山に南東から登る尾根の取付き辺りには赤布があった。次回は此方から登ってみるかな。
更に30分ほど歩いた所で大きな堰堤に出合う。地形図上の堰堤記号と位置が違うようで,現在位置に自信が持てない。時間的にも余り余裕が無いのでGPSで確認する。そのまま踏み跡を先に進むと,直ぐに青テープが出てきて深沢への降り口を示していた。渡渉後,適当に踏み跡を辿っていると林道に出た。どうやら林道の終点付近に出たようだ。これで後は問題ないと,今朝がた登った尾根を右側に眺めながらのんびりと降る。
薄暗くなった車道に出て駐車場まで疲れた足を引きずっていると,前方から小さな子が泣くような声が聞こえてくる。どうしたのかと訝りながら進んで行くと,暗くなった車道の上に何匹もの猿が居た。更に近づくと右側の斜面の方に逃げて行った。駐車場には既に5台しか残っていなかったが,帰り支度をしている間に2台になっていた。すっかり暗くなった中を家路を急ぐ。今回は連休中で混雑していると思い,温泉はパス。途中で食事でもと思ったが,何処も混んでいる雰囲気だったので,こちらもパスした。国道4号が渋滞しており,いつもは使わない筑波を経由して,ほぼノンストップで3時間走り,21時前に帰宅した。
今回は秋の気分を静かに楽しめるという意味で良い山行だった。ただ,前半の岩登りでは,登り始めの観察が不十分だったこと,現在の自分の力量を良く考えなかったことが,大きな反省点である。40年前の筋力なら問題なく登れたと思われるが,今の実力では難しいことが良く分かった。ボルダリングならいざ知らず,絶対に墜ちられない状況では,兎に角,安全第一に考えるべきだった。筋力アップも含めて今後の課題である。
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