幌尻岳(額平川コース)〜お父さんの北海道逃亡の山旅(前編)〜


- GPS
- --:--
- 距離
- 22.6km
- 登り
- 1,739m
- 下り
- 1,722m
コースタイム
- 山行
- 4:25
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 5:01
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 7:11
- 山行
- 3:26
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 4:10
天候 | 1日目:晴れのち曇り午後にわか雨、2日目:曇り午後にわか雨、3日目:曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
船
http://www.sunflower.co.jp/ferry/index.shtml ・車はとよぬか山荘に駐車。とよぬか山荘から第2ゲートまでシャトルバスか乗り合いタクシーを利用(往復2,000円)。完全予約制。 http://www.town.biratori.hokkaido.jp/wp-content/uploads/2015/03/climb_02.pdf#search='とよぬか山荘' |
コース状況/ 危険箇所等 |
・額平川渡渉:ウォーターシューズ、五本指靴下、機能性タイツ、短パン、ストックのいで立ちで挑戦。15回の渡渉。水量は膝上くらい(1回、深い所を渡り、股下までビショビショ)。連日の台風の影響で、水量は多め。足が持っていかれないよう、確実に歩く。対岸の赤布やペンキ印で、渡渉箇所を見極める。往路は、水が冷たく感じ苦痛でしかなかった。復路は、慣れてきたためか、楽しく渡渉できた。へつりもあるが、慎重に行動すれば問題ない。道自体は、少しか細い感じ。 ・幌尻山荘〜幌尻岳:道は明瞭。命の水上部、カールが見える稜線まで急登。カールの縁を半周する稜線歩きは、快適。 http://toyonuka.chu.jp/?page_id=13 |
その他周辺情報 | ・とよぬか山荘に前泊(1泊2食付、5,000円) http://toyonuka.chu.jp/ ・幌尻山荘も完全予約制(1泊、1,500円) http://www13.plala.or.jp/porosiri/page7.html#山荘の利用方法 ・びらとり温泉「ゆから」(日帰り入浴:420円) http://www.biratori-onsen.com/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
シェラフ
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感想
日本百名山完登まであと2つ。難関の幌尻に登る日がやって来た。数か月前から北海道遠征を企画。9月中旬に遅い夏休みを取り、1週間の日程でなんとか悲願を果たそう。登頂に失敗しないように、北海道の山旅ならではの準備を心掛ける。
http://www.yamareco.com/modules/diary/127062-detail-127599
今年の北海道は、お盆明けより相次ぐ台風の襲来。当初予定していた新冠コースは、林道がズタズタで行けなくなってしまった。急きょ、額平川コースを検討。ダメもとで、とよぬか山荘に連絡を入れ、登山道の様子をうかがう。奇跡的に大丈夫そうなので、幌尻山荘の予約を入れた。今回の山旅は、出発前からハラハラし通しだ。
http://www.yamareco.com/modules/diary/127062-detail-127488
今回の遠征では、船を使おう。大洗から苫小牧まで20時間。船での山旅も、なかなか旅情にあふれ良いものである。苫小牧からは自分の車で平取に向かう。北海道の青空は澄んでいて広い。車を運転しながら、北海道に来た実感がわいてくる。小学校の廃校を利用したとよのか山荘で、前泊をする。明日から3日間ともにする、ガイド付きの12名のお母さん(一部男の人も)集団と、2名の男性ソロ組も宿泊する。
山行1日目は、皆、7時のシャトルバス(3名の男性ソロ組は、乗り合いタクシー)で第2ゲートに入る。第2ゲートからは7.5kmの林道歩き。慣れない重い荷物が肩に食い込む。林道終点の北海道電力取水施設前で朝食のおにぎりを食べる。ここからは本格的な山道となるが、まもなく岩をへつる場所が出てきて、少々肝が抜かれる。さすがに北海道の山だ。
渡渉開始地点で沢スタイルになり渡渉開始。ヒャ―冷たい!(幌尻山荘の管理人さんによると、水温は10℃以下であろうとのこと)。連日の台風の影響からか、水量も多く、常時膝上の高さまである(7月の雪解け時の水量だそうである)。水の勢いも思ったより強く、気を抜けば転びそうだ。沢から上がるたび、「ギャー冷たい」と叫んだ。その渡渉が15回。幌尻山荘はまだかまだかと言う感じで歩いた。
第2ゲートから約5時間で幌尻山荘に到着。心優しい管理人さんが迎えてくれた。ストーブに薪をくべ、部屋を暖かくしてくれた。「ここで濡れた服を干してもいいよ。遠慮しないで、ストーブの近くに干すといいよ」。外のベンチで、ラーメンを作ったり、コーヒーを淹れたりしてまったりしていると、ヒグマの様な男のガイドさんを先頭に、元気なお母さん集団が到着した。なかなか健脚そうだ。まもなく雨が降ってきたので、暖かな室内に移動した。部屋の中でのソロの男性三人組(私も入れて)は、お母さんたちのパワーに圧倒された。今宵の宿泊は、お母さんたちも入れても20名程度。ゆったりと過ごせた。
2日目は、日の出前の4時40分に、ヘッデンを灯して出発。今日は戸鳶別まで周回する予定だ。朝いちばんの登りのため、クマを警戒して2個のクマ鈴を鳴らし、時々笛を吹いた。白毛門の登りをほうふつさせる急坂が続くが、さすが百名山だけあって良く踏まれている。命の水を通過し、しばらく急坂を我慢すると、森林限界を突破し、広大な北カールを見下ろす展望の良い稜線に出た。ここで、初めて幌尻の頂きを見る。なんと、大きいことか。ポロシリとは「大きい山」という意味だそうである。紅葉の始まった北カールのなんと美しいことか。うっとりしながらカールの縁をぐるっと登っていった。まもなくガスがかかり始め、幌尻の頂は完全に隠されてしまった。
幌尻岳到着、8時36分。百名山99座めの登頂。ついに百名山で最も難関の頂に立つことができた。霧に閉ざされた寒い頂上で、祝杯のビールを開ける。寒さでブルッとする。霧で何も見えないので、戸鳶別周回はやめることにする。30分程頂上に居てから、来た道を引き返す。下山してまもなくソロの男性1名とすれ違い、そのすぐ後に、お母さん集団が登って来た。霧の中でもみんな元気だ。その後にちょっと疲労気味の男性ソロが登ってきた。女性と男性、実に対照的だ。現代の男女の縮図を見ているようだ。
幌尻山荘に11時50分到着。今日中に下山しようと思い、管理人に告げる。「ま〜、中に入ってゆっくりしなさい」と言われ、靴を脱ぐと、もう、下る気が失せてしまった。小屋でビールを買ってまったりすることにする。額平川を渡渉してきた登山者がポツポツと到着してくる。午後、今日もまたにわか雨が降って来た。今宵はちょっと混雑して30名程度の宿泊者。私の隣になった夫婦は川崎から来られたとのこと。「明日は天気になりますよ」と、ほろ酔いのペーパー予報士は根拠のない予報を出した。
3日目、昨日と同じ曇り空。予報は外れてしまった。期待させてしまったご夫婦に、この場を借りて、お詫び申し上げます。朝食は食べず、5時20分過ぎに出発。早速渡渉を開始するが、思ったほど冷たくない。慣れてきたのか、渡渉が面白くなってきた。どこを渡ろうかと思案する心地よささえも感じるようになった。深田久弥の「日本百名山」の幌尻岳編での記述に、「冷やりと一物が・・・」とあったので、どんな感じか興味を持ち、わざと深いところを渡ってその感触を楽しんだ。15回の渡渉はあっという間に終わった感じで、少し物足りないくらいであった。取水口近くの広い河原で、渡渉スタイルから登山靴に履き替えた。ひと仕事を終えたホッとした気分で、レギュラーコーヒーを淹れ、パンを広げ朝食を取った。食事をしている間、渡渉途中で追い抜いたお母さん集団が、今日も元気よく通過して行った。
林道歩きも快調に飛ばし、第2ゲートに9時30分過ぎに到着。同じような時刻に、11時のバスに乗るすべての登山客が到着したので、バスも前倒しで定刻より1時間以上も前に発車。とよぬか山荘に、ずいぶん早く到着した。自家用車に乗り換え、平取温泉へ車を走らせ、正午前にはお風呂に入ることができた。平取牛の焼肉定食を食べながら、地域ごとの天気の予想、道路の通行止め状況を考慮し、大雪山方面に後半の山旅を決定する。富良野市内のコインランドリーで洗濯をしてから、大雪山の登山口である層雲峡に車を走らせた。同時に旭川に住む大学時代の旧友に連絡し、大雪方面の登山後、旭川市内で再会することにした。
後半の山行記録
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-963457.html
お帰りなさいませ^^
「旅」って感じですねー
学生時代は八甲田でしか行った事がないので船羨ましいです。
風呂なんて最高な空き具合
船酔いしませんでした?
やっぱり北の大地は良い感じです。
懐かしい地名ばかりだー
雨もまぁーなんとかって感じですね。
しかし、よくそこまで行きますね。それ自体が信じられない。
熱意あるわー
団体さんと同じみたいですけど、全然知らない山だと心強いですね。
先に行かせてる場面がありますが、熊対策か、安全か確認してるでしょ
越後屋、お主も悪よのー
ギョ!2時39分!
お仕事かい?大変だな〜。
船はいいわ〜。車も運べるし、旅情もあるし。快適ですよ。ゆったりとした気分になりますよ。天気はいまいちだったかな。頂上からカムエク見えるの期待したのに
百名山信者にとっては、当たり前のことです。今度は二百名山めぐりで北海道に行きますよ
団体さんはあまり意識してないけど、クマはお母さんたちの笑いパワーで逃げていきますよ。2日目は私の方が人身御供になりましたけど
Atumiyaさん。こんばんは。
あ〜、ついに行ってきたんですね。羨ましいなあ。
幌尻岳は、私も行ってみたい憧れの山ですので、いずれ、挑戦したいと思っています。
まず、小屋を予約することが難関だと聞いたことがありますが、簡単に取れるものなのでしょうか?
それに怖いのはヒグマ、今回は、おばさんたちの護衛部隊があって良かったですね。
さて、残すは、雨飾山一山ですね。私は、3年前に登りましたが、とても、素晴らしい山でした。
紅葉の最中に、登頂されたレコを楽しみにしております。
最後は、家族に懇願して、一緒に登ってもらってはいかがでしょうか。
FUKUSIMAさん こんばんは(^^♪
是非、幌尻登ってください。M系の登山愛好家にとって、渡渉は病みつきになりますよ
小屋の予約は、9月が比較的すいているようです。自分の場合、10日前に取れましたし。
http://www.town.biratori.hokkaido.jp/wp-content/uploads/2015/03/spot_02_yoyaku_20160718.pdf
ヒグマに遭う確率は低いようです。基本的には人間を避けていますし。小屋のご主人は、毎年、山開きの直前に草刈りをすると、クマが学習していて、これから人間が入ることを察知するんじゃないかなと言っておりました。おばさんたちのpowerもクマを追い払った様です
雨飾山、楽しみです。今、家内を誘いましたが、「私は行かない」だそうです。
Atsuさん お疲れ様でした。
逃亡の山旅・・。楽しそうじゃないですか?
レコを読んでいて、kameまでウキウキしちゃいます。
「渡渉」って、電車ごっこで渡るんですね。面白そう~。
列の真ん中へんがいいなぁ~。 行きた~い。
でも、水の量が多い時は、渡れそうもありませんね・・。
エキノコックス用フィルターも大活躍でしたね。
沢の水を飲むと、お腹をこわすkameには、必須かも・・。
逃亡の山旅、大変楽しゅうございました。
独身時代に戻った解放感がありました。
お母さま方の電車ごっこ楽しそうですが、ごらんのとおり水が膝上まで来ています。本人たちは必死だったと思います。水の多い時は渡れないでしょうね。今回はぎりぎりセーフだったかな?でも、楽しかったです。緊張感がたまりません。
フィルターは意外と出が良くて重宝しました。意外と安いですので(4000円弱)、是非購入されたらいかがでしょうか。
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