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HOME > ヤマレコのおすすめルート > 白馬岳・鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳縦走4日間【特集・夏のアルプスを歩く!前編】
ルートID: r1028 上級 3泊4日 白馬・鹿島槍・五竜 特集・夏のアルプスを歩く!前編

白馬岳・鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳縦走4日間【特集・夏のアルプスを歩く!前編】
はくばだけ(しろうまだけ) / かしまやりがたけ / じいがたけ

濃い緑山行に最も適した時期 薄い緑山行に適した時期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
後立山連峰の核心部を北から南へと縦走。
高山植物を愛でながら、2つのキレット越えと素晴らしい展望を堪能する夏山の定番とも言えるルートです。
※2017年06月16日更新
ルート長35.5km
登り標高差1692m
下り標高差1594m
行程概要: 猿倉荘(1250m) → 白馬尻荘 → 白馬尻小屋(1560m) → 岩室跡(2280m) → 避難小屋 → 白馬山荘(2832m) → 白馬岳(2932.24m) → 白馬山荘(2832m) → 丸山(2768m) → 杓子岳(2812m) → 鑓ヶ岳(2903m) → 鑓温泉分岐(2748m) → 天狗山荘(2730m) → 天狗ノ頭(2812.1m) → 天狗ノ大下り(2710m) → 不帰キレット(2411m) → 不帰嶮(不帰一峰)(2470m) → 不帰嶮(不帰二峰北峰)(2580m) → 不帰嶮(不帰二峰南峰)(2614m) → 唐松岳(2696m) → 唐松岳頂上山荘(2620m) → 牛首(2643m) → 大黒岳(2393m) → 遠見尾根分岐(2510m) → 五竜山荘(2490m) → 北尾根ノ頭(2560m) → 口ノ沢のコル(2416m) → 八峰キレット小屋(2470m) → 八峰キレット → 鹿島槍ヶ岳(2889m) → 布引山(2683m) → 冷池山荘テント場 → 冷池山荘(2410m) → 冷乗越(2444m) → 爺ヶ岳北峰(2631m) → 爺ヶ岳中峰(2670m) → 爺ヶ岳南峰(2660m) → 富士見坂(2287m) → 水平岬(2152m) → 駅見岬(1856m) → ケルン(柏原新道)(1770m) → 柏原新道登山口(1339m)

【後立山北部・雨飾山】白馬岳・鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳縦走の詳細解説

\ おすすめポイント /
  • 後立山の核心部を縦走
  • 国内でも有数のお花畑には固有種や希少種が多い
  • 日本百名山
モデルプラン
1日目
歩行時間:6時間15
猿倉山荘〜白馬尻〜白馬大雪渓〜小雪渓〜お花畑〜村営頂上山荘〜白馬山荘
2日目
歩行時間:8時間10
白馬山荘〜白馬岳往復〜杓子岳〜白馬鑓ヶ岳〜白馬鑓ケ岳〜天狗山荘〜天狗ノ大下り〜不帰ノ険〜唐松岳〜唐松岳頂上山荘
3日目
歩行時間:7時間40
唐松岳頂上山荘〜牛首〜遠見尾根分岐〜五竜山荘〜五竜岳〜北尾根ノ頭〜口ノ沢ノコル〜キレット小屋
4日目
歩行時間:8時間50
キレット小屋〜八峰キレット〜鹿島槍ヶ岳〜布引岳〜冷池山荘〜赤岩尾根分岐〜爺ヶ岳〜種池山荘〜柏原新道〜扇沢登山口
山と高原地図 《ヤマプラ》
http://yamare.co/nYl0xO
コース概要 初日は大雪渓を登り白馬山荘を目指す行程だ。
猿倉から林道をたどり、白馬尻小屋を経由して白馬大雪渓の入口に到着する。
ここから大雪渓を登るが、年により付けられるルートが異なるので注意しながら登ること。
葱平から小雪渓を渡り、避難小屋を通過すればお花畑に到着。
ここから急な階段を登り、村営の頂上宿舎へと導かれる。
宿泊先の白馬山荘は主稜線を20分ほど登ったところにある。
2日目は白馬岳を往復、難所となる不帰キレットを通過して唐松岳頂上山荘へ向かう。
天狗山荘までは快適な稜線歩きとなるが、天狗の大下りは鎖や梯子が連続する岩場が続く。
これを下りきると不帰キレットとなるが、更に不帰2峰までは悪場が続くので要注意だ。
無事に不帰を通過すれば、唐松岳を経て唐松岳頂上山荘に到着する。
三日目は五竜岳からキレット小屋を目指す行程だが、体力的・技術的に最も大変な日になるので早出を心掛けたい。
小屋を出発するとすぐに牛首岩稜を通過する。
ここは事故の発生が多いところなので、気を引き締めて注意しながら通過しよう。
最低鞍部から大黒岳を巻きながら登り、遠見尾根分岐を通過すると五竜山荘に到着する。
落石に注意しながら稜線を進み、頂上直下の鎖場を越えると五竜岳山頂だ。
ここからキレット小屋間がこのコースの核心部となる。
G4-G5の通過や赤抜・三段登りなどの難所が多く苦労する箇所だ。
信じられないような所に建つキレット小屋は清潔で快適、食事も美味しく評判のよい小屋だ。
最終日は鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳を越え、扇沢へ下山する長丁場になる。
小屋を出てすぐに始まる八峰キレットは黒部側のトラバース箇所が要注意。
キレットの底から鹿島槍ヶ岳へ登れば危険個所は概ね終了、あとは爺ヶ岳を越えて整備された柏原新道をのんびりと下るだけだ。
計画書提出先 長野県警察本部地域部山岳安全対策課または大町警察署地域課
※長野県警のホームページより電子申請可
※猿倉山荘に登山計画書提出ポストあり
宿泊 白馬山荘・キレット小屋:0261-72-2002
http://www.hakuba-sanso.co.jp/hakubasanso/
http://www.hakuba-sanso.co.jp/kiretto/
唐松岳頂上山荘:090-5204-7876
http://karamatsu.jp/
※繁忙期はどの小屋も混み合う。
※白馬山荘連絡所に予約を入れればキレット小屋の予約も同時に可能。
交通 JR大糸線白馬駅よりアルピコバス(猿倉行き:1,000円)にて猿倉へ。
駐車場 登山口に駐車場あり。
※猿倉の駐車場が満車の場合、八方第5駐車場に停めてバスで猿倉へ向かうことになる。
アドバイス 初日は体力的にも厳しく、大雪渓は落石による事故が多発しているので注意が必要。
雪渓の真ん中や斜面の変わり目で休憩をしないこと、また休憩中は常に上方へ目を向けて注意を怠らないことが必要。
大雪渓の登行には軽アイゼンを持参のこと。
お花畑〜村営頂上山荘間は一部不均等な階段で登り辛い。
不帰キレットの通過は全域において転落・滑落・落石に注意すること。
牛首の下りは滑落事故の多い箇所なので要注意。
五竜岳-八峰キレット間がこのルートの核心部だ。G5周辺からは滑落や落石に注意して歩こう。
八峰キレットの通過は黒部側のトラバース箇所での転落に気を付けること。
鹿島槍ヶ岳の北峰-南峰間は痩せた尾根が続くので足元に注意すること。
サブコース 特になし。
エスケープルート 唐松岳頂上山荘より八方尾根を下山して白馬へ。
遠見尾根もエスケープに利用できるが登り返しが多く少々大変だ。
冷乗越からの赤岩尾根はエスケープに不向きだ。
入浴 《薬師の湯》
下山口からのアクセスにも優れており便利だ。
http://www2.plala.or.jp/yakushino-yu/
おすすめ周辺情報 《俵屋飯店》
精肉店が営業している中華料理店。餃子は大町市民のソウルフードとも言える逸品。
https://goo.gl/maps/xobi45QhTmy
《昭和軒》
カツ専門店。ソースカツ丼は味・値段・ボリュームにも満足できる絶品。
https://goo.gl/maps/fD1AjCcPKi32
《ヒマラヤンシェルパ》
ソル・クンブ・シェルパ族の方が営むネパール料理店。なんとエベレストのサミッターだ。
https://www.himalayansherpa.co.jp/
《ユナイト》
大町で珈琲を飲むならユナイトがおすすめだ。
https://www.facebook.com/unitecoffee.oomati/
1
【1日目】
猿倉荘から登山を開始する。
夏山シーズンには登山相談所が開設され北アルプス北部地区遭難対策協議会の隊員が詰めている。
登山届を提出するときに情報を聞いてみるのもよい。
2
山荘の左手から道標に従って登山道に入る。
ブナの林が気持ちいいところだ。
3
わずかに登れば林道に出る。
正面に白馬岳を見据えながら大雪渓に向けて歩みを進める。
4
長走沢には木の橋が架かっている。
5
ヘアピンカーブを回り込んで小さな沢を渡ると林道終点だ。
ここは「御殿場」と呼ばれているところ。
6
林道終点から白馬尻小屋へ向かう。
樹林帯の中の道は程よい傾斜で歩きやすい。
7
追上沢を渡るとまもなく白馬尻だ。
8
猿倉より1時間ほどで白馬尻小屋に到着。
9
小屋より樹林帯の登りを終えると大雪渓入口だ。
ここでアイゼンを装着する。
その年の気候により大雪渓の取付き地点は大きく異なるので注意すること。
10
大雪渓は落石の巣だ。
見通しの悪いところや雪渓の中心部で休まないように注意しよう。
また休憩中は上部に背を向けないこと。
常に落石を意識して注意を怠らないように気を配ろう。
11
大雪渓を終えると葱平への小尾根に取り付く。
高山植物の保護のためアイゼンはここで外すこと。
12
非常に急な登りとなるが両脇には高山植物が咲き乱れるところだ。
13
シロウマアサツキ
(白馬浅葱)
白馬岳の固有種で葱平の名前の由来になった花。
14
シロウマタンポポ
(白馬蒲公英)
葱平周辺に多く見られる白馬岳の固有種。
15
シロウマリンドウ
(白馬竜胆)
注意深く探せばそこまで珍しくはない。なお濃い紫色のシロウマリンドウも地元では知られており「ムラサキシロウマリンドウ」や「シロウマホソバノリンドウ」と呼ばれている。こちらは滅多に見られない。
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ミヤマハンショウヅル
(深山半鐘蔓)
白馬で見かけることは多くなく個体数もごく少数だ。
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葱平の到着するとすぐに小雪渓の入口となる。
ここで落ちるとまず助からないので滑落には十分注意したい。
18
小雪渓を渡りわずかに登れば緊急避難小屋に到着する。
ちょっとした広場になっており水も取れる休憩適地だ。
19
避難小屋からわずかに登ると傾斜が緩まり百花繚乱のお花畑を通過する。
20
シロウマアカバナ
(白馬赤花)
これも白馬岳の固有種。
21
ミヤマクワガタ
(深山鍬形)
漢字も名前も昆虫のクワガタと同じだ。
22
クロユリ
(黒百合)
葱平〜お花畑周辺に多い。
23
ミヤマアケボノソウ
(深山曙草)
目立たないが意外と多く咲いている。
24
タカネヤハズハハコ
(高嶺矢筈母子)
葉がウサギの耳のようだ。
25
お花畑を終えると最後の長く厳しい急登となる。
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枕木で作られた階段は歩幅が安定せずに辛いところだ。
27
「ガンバレ」の岩を通過すると村営白馬岳頂上宿舎が見えてくる。
28
ミヤマオダマキ
(深山苧環)
比較的稜線に近い場所に大群落を作っている。
白馬岳にほど近い旭岳には完全白花の同種が2株だけ咲いている。
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ウルップソウ
(得撫草)
頂上宿舎の近辺に大群落がある。
30
村営白馬岳頂上宿舎に到着。
白馬山荘が混雑している時はこちらに泊まってもいい。
食事はバイキング形式で美味しいと評判だ。
31
頂上宿舎の脇から後立山の主稜線上に出ると巨大な白馬山荘が見えてくる。
32
本日の宿泊先となる白馬山荘に到着。
第1と第2の新館に分かれておりそれぞれ長野県と富山県に建っている。
33
できれば小屋は素泊まりにして、夕食はスカイプラザで食べるとよい。
料金もそう大きくは変わらない。
34
【2日目】
翌朝は白馬岳の往復から始まる。
35
白馬岳山頂に到着。
白馬山荘からわずか10分ほどの距離だ。
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強力伝で知られる山頂同定標。
これをここまで一人で歩荷したとは驚愕の一言だ。
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山荘に戻ったら唐松岳頂上山荘を目指して縦走を開始する。
昨日歩いた道を下り丸山を越える。
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丸山を越えると下り基調の道となり杓子岳へ向かう。
正面には白馬鑓ヶ岳が大きな山容を見せている。
39
杓子岳の分岐に到着。
水平にトラバースする巻道とザレの急斜面を登り山頂へ至る道が分岐する。
40
杓子岳山頂。
分岐からは15分ほどだがきついガレの急斜面を登る。
41
山頂からは登りと同じくガレた急斜面を下っていく。
下りきったところが杓子沢のコルだ。
42
コルからは白馬鑓ヶ岳への登りとなる。
正面に見えるのは偽ピークで山頂はさらに奥となる。
43
白馬鑓ヶ岳山頂に到着。
麓から見ると尖峰の様だが実際には丸みを帯びた女性的な雰囲気を持つ山だ。
44
山頂からは鑓温泉分岐まで大きく下る。
ここはザレた急な下りなので転倒に注意しよう。
45
下り切ると鑓温泉への分岐だ。
46
天狗山荘を通過する。
初日に大雪渓を登ってここに泊まることができる。
但し15時までに到着できる確証がなければ計画は改めたほうがよい。
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天狗山荘の名物「釜プリン」は限定で販売されている。
予約を入れておけば作ってくれるのでおすすめだ。
48
天狗山荘から本日の核心部となる不帰キレットを目指す。
天狗の大下りまでは穏やかな稜線を進む。
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天狗の大下りが始まる。
ヘルメットなどの装備を整えて下り始める。
50
ザレと鎖場を繰り返しながら標高差で約300m下る。
滑落・転落に要注意。
51
キレットの底に近づくとザレの急斜面を下るようになる。
52
不帰キレットに到着。
ここから1峰-2峰(南峰・北峰)-3峰とたどるが危険個所も多く事故が絶えないところだ。
特に慎重な行動を心掛けよう。
53
ガレ場を登りハイマツの尾根を登って行く。
正面が不帰1峰だ。
54
登り切ると不帰1峰の山頂となる。ここまでは特に問題となる箇所はない。
いよいよここからが不帰の核心部だ。
55
わずかに下ると1-2峰間のコルに降り立つ。
56
ちょっと頼りないピクトグラフ風の看板を通過する。
57
まずは下部岩壁に取付く。
右手へトラバース気味に進むと鎖に導かれて直上する。
58
直上して左手に方向を変える直下は傾斜も急だ。
ホールドは豊富にあるのでゆっくり落ち着いて登ろう。
59
梯子を渡りすぐに右手の岩場に取付く。
60
短い梯子を登り左手に続く岩稜をたどる。
61
さらに鎖場を登り2峰の北峰直下で信州側のバンドを進むようになる。
62
この辺りが一番の悪場となる。
鎖に導かれて登るが岩を右手に回り込む箇所が悪い。
63
更に鋭い岩稜をたどる。
岩が部分的に脆いので落石に要注意。
64
2峰直下は大きく抜けている箇所あり。
滑落に注意。
65
鎖場を登ると2峰(北峰)に到着する。
66
これから進む2峰(南峰)と唐松岳方面。
67
北峰から南峰間の吊尾根は特に問題になる箇所はない。
68
2峰(南峰)を通過すると核心部は終了。
唐松岳の山頂までは気を抜かずに歩こう。
69
3峰は富山県側を巻く。
正面には唐松岳の山頂が見えている。
70
唐松岳へ向けて最後の登り。
ここは傾斜も強く辛いところだ。
71
多くの人で賑わう唐松岳の山頂に到着。
今までの静寂が信じられないほどだ。
72
山頂から15分ほどの下りで唐松岳頂上山荘に到着する。
今日はここで1泊だ。
73
山荘の生ビールはグラスを凍らせていて美味い。
まさに至福の1杯。
74
山荘の寝室は清潔で過ごしやすく快適だ。お隣の五竜山荘に比べれば混雑度合も酷くはないことが多い。
75
剱・立山連峰に沈む夕陽。
夜は富山湾の漁火や池ノ平小屋の灯が見える。
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【3日目】
唐松岳頂上山荘を出発するとすぐに牛首の岩稜を下る。
小屋でストックを仕舞ってから出発しよう。
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牛首の岩稜は不帰キレットや八峰キレット周辺よりも事故の多い箇所だ。
朝早い時間だと朝露で濡れていることもある。
転落・滑落・落石には要注意だ。
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急峻な岩場を急降下する。
正面には雄大な五竜岳がそびえる。
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この一枚岩の箇所は特に注意したい。
滑りやすく尾根も痩せているので高度感に慣れていないと怖いと感じるかもしれない。
80
時間帯によっては五竜方面からの登山者とすれ違いになる。
上手に譲りあってお互いの安全を図ること。
81
外傾したバンドを進む。
濡れていると滑りやすい箇所だ。
82
岩稜が終わると最低鞍部へ向かって下っていく。
正面には五竜岳と白岳。
83
砂礫帯を進むと間もなく最低鞍部だ。
84
鞍部から大黒岳を越える。
急な登りだが山頂は通過せずに黒部側を巻いて進む。信州側は深く切れ落ちているので転落には注意したいところだ。
85
大黒岳を越えて下ると森林限界よりも標高を下げることになる。
池塘のある尾根を進み樹林帯の道を登り返す。
86
再び森林限界を抜けるとつづら折れでザレた道を緩く登り返す。
87
夏のアルプスらしい主稜線上を白岳に向かって進む。
88
正面に白岳を望みながら緩やかに登っていく。
白岳の山頂は通過せず黒部側をトラバースする。
89
登りきると遠見尾根分岐点に到着。
後方には唐松岳と歩いてきた稜線が連なる。
90
分岐からわずかに下ると五竜山荘が眼下に見えてくる。
91
五竜山荘に到着する。
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最近は山で多く見掛ける五竜山荘のオリジナルTシャツ。
ここで購入が可能だ。
93
小屋を出発するとすぐに五竜岳への登りとなる。
山頂へは幾つかの稜(リッジ)を越えながら登っていく。
94
階段状の岩場を鎖でG2稜を乗越す。
95
山頂直下は傾斜の強い岩場となる。
鎖が設置されているが最初の岩場は滑りやすいので注意が必要だ。
96
岩場を登りきって尾根をたどると五竜岳の山頂に到着だ。
縦走路からは若干外れたところにあるので足を伸ばしてみよう。
97
山頂を後にしてキレット小屋を目指す。
急なガレ・ザレ場を下っていく。八峰キレットよりも五竜岳からキレット小屋までの間が核心部とも言えるので慎重な行動を心掛けよう。
98
眼下にはこれからたどる稜線が見える。
手前の大きな岩峰は五竜G5だ。
99
ペンキの印に導かれて高度を一気に下げていくがG4は気づかぬうちに通過してしまうだろう。
この辺りはザレが多いのでスリップや転倒に気を付けたいところだ。
100
G5の岩峰群に差し掛かると鎖場の連続となる。
転落に要注意。
101
険しい道が続く。
道標はないがペンキで印が付けられているので忠実にそれをたどろう。
102
G5を通過するとザレ場の長い急な下りになる。
103
次は赤抜の通過だ。
文字通り赤く脆い岩場をトラバースして梯子に取付く。
足元には十分注意して通過すること。
104
赤抜の梯子を登る。
固定が難しく若干動くので留意のこと。
105
赤抜から細かなアップダウンを繰り返しながら歩くと北尾根ノ頭に到着する。
広いスペースで休憩に最適な場所だ。
106
北尾根ノ頭からは穏やかな道になり緩く下っていく。
下り切った鞍部が口ノ沢のコルだ.
107
口ノ沢のコルを過ぎると三段のぼりの始まりだ。
急な登りの岩場が続く。
108
鎖が設置されているが慎重に登ろう。
109
上部は岩が脆いので落石には要注意だ。
110
岩稜上に登りきると黒部側のザレ場を急下降しながら左手に回り込む。
111
「キレット小屋まであと10分」の道標が掛かる長い梯子を登る。
112
正面に八峰キレット小屋と鹿島槍ヶ岳が圧倒的な高さでそびえ立つ。
小屋までの下りも気を抜かずに慎重に下ろう。
113
キレット小屋に到着。
3日目はここに1泊する。
114
この小屋は比較的空いていることが多い。
小屋内は清潔で気持ちよく快適に過ごすことができる。
115
以前から食事のよい小屋として知られている。
品数が豊富で満足度が高い。
116
翌朝。
朝陽に色付く剱岳が美しい。
117
【4日目】
最終日のスタートはいきなりの急登からスタートする。
ここからが八峰キレットの始まりだ。
118
小屋からは信州側に付けられた梯子と鎖が連続する道を進む。
岩峰下で黒部側へと導かれて微妙なトラバースが始まる。
高度感があり足元は狭く外傾しているので滑落・転落には要注意だ。
119
再び信州側に戻ると八峰キレットの入口に到着する。
ここからは梯子でキレットの底へ下っていく。
120
梯子が終わると信州側をトラバース気味に緩く下っていく。
滑落注意。
121
更に梯子で下ったところが八峰キレットの「底」になる。
122
黒部側の道をたどると八峰キレットは終了。ここからは鹿島槍ヶ岳への登りとなる。
登山道はほとんどの部分が黒部側につけられている。
123
前方には鹿島槍ヶ岳の北峰が高くそびえる。
124
振り返れば歩いてきた唐松岳からの稜線を一望できる。
125
鹿島槍ヶ岳北峰への登りは岩混じりで急だ。
落石には注意したい。
126
鹿島槍ヶ岳北峰との吊尾根分岐に到着。
時間と体力に余裕があれば北峰まで足を伸ばすとよい。
分岐から10分弱と遠くはない。
127
吊尾根を登って本峰(南峰)を目指す。
岩場混じりの急登だ。
128
鹿島槍ヶ岳の山頂に到着。
背後には薬師岳・立山連峰・剱岳が揃い踏み。
129
山頂を辞して冷池山荘へ向かう。この辺りはザレた急な下りが続く。
130
しばらく下ると傾斜も緩まり展望に恵まれた気持ちの良い稜線歩きとなる。
131
穏やかな稜線が続く。
正面の小ピークは布引岳だ。
132
緩く登り返すと布引岳に到着する。
山頂というよりは「肩」という表現の方がしっくりくると思われる。
133
布引岳を後にして更に下る。
転石が多いので転倒には注意したいところだ。
134
森林限界を下回るとコバイケイソウが群生するお花畑を通過する。
135
しばらく進むとキャンプ場を通過する。
さらに下れば眼下に冷池山荘が見えてくる。
136
冷池山荘を通過。
ここは綺麗で食事の評判も良い人気の小屋のひとつだ。
137
小屋を出ると冷乗越(赤岩尾根分岐)への登りが始まる。
つづら折れの急登だ。
138
冷乗越を通過する。
左に伸びる赤岩尾根への道を分けて爺ヶ岳方面へ向かう。
139
最後のピークとなる爺ヶ岳への登りとなる。
最初のピーク(北峰)は山頂を通らずに巻いていく。
140
そのまま稜線上を進むと爺ヶ岳の本峰(中峰)が近づいてくる。
141
最後の辛い登りを終えると爺ヶ岳の山頂に到着する。
あとは種池山荘経由で柏原新道を下るだけだ。
142
正面に剱・立山連峰を望みながらザレ混じりの道を下っていく。
眼下には赤い屋根の種池山荘が見えている。
143
多くの人で賑わう種池山荘に到着。
最後の下りに備えて少し時間を取って休憩したい。
144
種池山荘の名物と言えば手作りピザ。
生地が厚く1枚で空腹を満たすに十分な大きさだ。
145
小屋を出発して扇沢へ下る。
柏原新道は整備が行き届いていて歩きやすく問題になる箇所はない。
146
駅見岬を通過。
眼下には扇沢駅と市営の駐車場が見える。
147
柏原新道登山口に到着。
種池山荘から約2時間半の行程だ。
148
公共交通機関を利用の場合は扇沢へ向かう。
登山口から約15分車道を歩くことになる。
149
【入浴】
大町温泉郷にある「薬師の湯」がアクセスにも優れており便利だ。
150
【おすすめ周辺情報】
精肉店が経営している大町市民のソウルフードとも言える「俵屋飯店」の餃子。味・ボリューム・値段ともに満足できる逸品。
中華料理店だが他のメニューもとても美味しい。
151
【おすすめ周辺情報】
「昭和軒」はカツの専門店。
おすすめはソースカツ丼だ。
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【おすすめ周辺情報】
「ヒマラヤンシェルパ」はソル・クンブ地方のシェルパ族の方が営むネパール料理店。
何とエベレストのサミッターだ。
カレーやダルバートはまさしくネパールの味。
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【おすすめ周辺情報】
大町で珈琲を楽しむなら「ユナイト」がおすすめ。
※上記の情報は記事更新日(2017年06月16日)時点の情報です。最新の情報については、出発前に現地の各関係機関にお問い合わせいただく事をおすすめします。

※本記事内にて各山域に生息する動植物の紹介を行う場合がありますが、自然保護区域への立ち入りや希少生物の採取・捕獲・譲渡・販売等は、法令により禁じられています。多くの方が自然を楽しみながら登山ができるよう、動植物の保護にもご協力ください。
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