(はじめに)
この5−2章「ヴァリス山群の地質」は、説明したい山々が多いので、複数回に分けて連載しています。
前回の投稿;「ヴァリス山群の地質」(その1)では、ヴァリス州最大の観光拠点といえる「ツェルマット」(Zermatt)の南側にそびえる「マッターホルン」までを、(その2)では、「モンテローザ」などの高峰群や、「ゴルナーグラート」(Gornergrat)付近の地質について説明しました。
この回(その3)では、「ツェルマット」のあるU字谷;「マッタ―タール」(Mattertal)の西側、「マッタ―タール」と並走して南北に並んでいる4000m級の高峰のうち、「ヴァイスホルン」(Weisshorn;4505m)、「ツィナールロートホルン」(Zinalrothorn;4221m)、「オーバーガーベルホルン」(Obergabelhorn;4063m)という3つの4000m級の高峰とその周辺について、その地質を説明します。注1)
なお、以下では、これらの山々を、説明のために「ヴァイスホルン山群」と仮称します。これはあくまでも、ここでの説明用の仮称で、オーソライズされた用語ではありません。
なお地質図としては、スイスのオンライン地質図のうち、より詳しい(文献2A)の地質図を主に元とし、(文献2B)の地質図は参照程度にしました。注2)
この「ヴァイスホルン山群」(仮称)の山々も、前回「ヴァリス山群の地質」(その1)の投稿で説明した、「マッターホルン」、「ツェルマットとその周辺」などの地質構成と同様に、複数の「地塊」 注5)がせめぎあっている、複雑な地質構造となっています。
具体的には、「ダンブランシュ・ナップ」(Dent Blanche nappe)地塊、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(Siviez-Mischabel nappe)地塊、「ツァテ・ナップ」(Tsate nappe)地塊、「ツェルマット・ザースフェー・ゾーン」(Zermatt Saas-Fee zone)など、いくつもの「地塊」群が、戦国時代さながらに、自らの領域を持っています(文献2A)、(文献3)。
ここで説明する「ヴァイスホルン山群」(仮称)の地理、位置関係は、添付の図1(「ヴァリス山群」西部の広域地形図)、図3(ツェルマット北西部の地形図)もご参照ください。
また、テクトニクス的にみた、各「地塊」の位置関係は、添付の図2(「ヴァリス山群」西部の広域テクトニックマップ)、図4(ツエルマット周辺のテクトニックマップ)もご参照ください。
前回の投稿;「ヴァリス山群の地質」(その1)では、ヴァリス州最大の観光拠点といえる「ツェルマット」(Zermatt)の南側にそびえる「マッターホルン」までを、(その2)では、「モンテローザ」などの高峰群や、「ゴルナーグラート」(Gornergrat)付近の地質について説明しました。
この回(その3)では、「ツェルマット」のあるU字谷;「マッタ―タール」(Mattertal)の西側、「マッタ―タール」と並走して南北に並んでいる4000m級の高峰のうち、「ヴァイスホルン」(Weisshorn;4505m)、「ツィナールロートホルン」(Zinalrothorn;4221m)、「オーバーガーベルホルン」(Obergabelhorn;4063m)という3つの4000m級の高峰とその周辺について、その地質を説明します。注1)
なお、以下では、これらの山々を、説明のために「ヴァイスホルン山群」と仮称します。これはあくまでも、ここでの説明用の仮称で、オーソライズされた用語ではありません。
なお地質図としては、スイスのオンライン地質図のうち、より詳しい(文献2A)の地質図を主に元とし、(文献2B)の地質図は参照程度にしました。注2)
この「ヴァイスホルン山群」(仮称)の山々も、前回「ヴァリス山群の地質」(その1)の投稿で説明した、「マッターホルン」、「ツェルマットとその周辺」などの地質構成と同様に、複数の「地塊」 注5)がせめぎあっている、複雑な地質構造となっています。
具体的には、「ダンブランシュ・ナップ」(Dent Blanche nappe)地塊、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(Siviez-Mischabel nappe)地塊、「ツァテ・ナップ」(Tsate nappe)地塊、「ツェルマット・ザースフェー・ゾーン」(Zermatt Saas-Fee zone)など、いくつもの「地塊」群が、戦国時代さながらに、自らの領域を持っています(文献2A)、(文献3)。
ここで説明する「ヴァイスホルン山群」(仮称)の地理、位置関係は、添付の図1(「ヴァリス山群」西部の広域地形図)、図3(ツェルマット北西部の地形図)もご参照ください。
また、テクトニクス的にみた、各「地塊」の位置関係は、添付の図2(「ヴァリス山群」西部の広域テクトニックマップ)、図4(ツエルマット周辺のテクトニックマップ)もご参照ください。
5−2章―(6)節 「ヴァイスホルン」の地質
「ヴァイスホルン」(Weisshorn;4505m)は、「ツェルマット」のある谷;「マッタ―タール」(Mattertal)の西側に、南北に並ぶ山なみのうちの一つで、ここで言う「ヴァイスホルン山群」のうち最も標高が高い峰です(かつ「マッターホルン」よりも少しだけ高い)。(文献14)
「ヴァイスホルン」は、美しい三角錐の形状をしており、特に雪で覆われている時の姿は、(Weiss horn)の名前の通り、気高き貴婦人のような姿です(※ ドイツ語の “weiss” は、英語の”white” と同義なので、「白き峰」という意味)。
(文献9)によると、初登頂者の一人、J.ティンダルは、その著書にて「ヴァイスホルンこそは、全ての山々をその脚下に踏み従える総帥である」と述べたそうです。また(文献10)では「アルプス中で最も美しい山」と讃えています。添付の(写真1)、(写真2)もご参照ください。
一方でこの山は、ロープウエイなどの便利な交通手段がなく、麓となる「マッタ―タール」の谷にある「ランダ」(Randa)という集落から、標高差 約3000mを全て自分の足で登り降りする体力が必要な山であり、かつ上部の三角錐部分は、険しい岩稜登攀となるため、「マッターホルン」よりも難易度が高いと言われている山です(文献9)、(文献10)。
さて「ヴァイスホルン」の地質ですが、まず、「ヴァイスホルン」とその周辺における、各「地塊」の分布状況を確認してみます。
地質図(文献2A)の地質図レイヤー(図5)や、(文献2A)のテクトニックレイヤー(図4)、及び(文献3)を見てみると、「ヴァイスホルン」山頂や西側、及び東面の上部あたりは、「ダンブランシュ・ナップ」(Dent Blanche nappe)(地塊)(文献18)に属しています(図5では青色の線より西側)。
一方、「マッタ―タール」から「ヴァイスホルン」の下半分にかけては、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(Siviez-Mischabel nappe)と呼ばれる、別の「地塊」に属するゾーンです(図5では赤い線より東側)。
その間は、両方の「地塊」に挟まれ、狭い範囲にいろいろな地質体が分布している複雑なゾーンです。このゾーンを以下、説明用に「中間ゾーン」と仮称します。
以下、登山口となる「ランダ」(Randa;標高 約1400m)から、途中の「ヴァイスホルン小屋」を経由し、東稜を伝って「ヴァイスホルン」の山頂に至るルートぞいに、地質構成を説明します。(図5では、紫色のラインで示しています)
「ランダ」から「ヴァイスホルン小屋」(Weisshorn hutte;標高 約2900m)までは、地質図(文献2A)でみると、「片麻岩」類(Gneis(独))が多く、所々に変成岩の一種「角閃岩」(Amphiborit(独))が分布しています。この一帯は前述のとおり「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」とよばれる「地塊」に属しています。
なお「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」という「地塊」については、この連載のうち、「補足説明1」の項で説明していますので、ご参照ください。
さて、「ヴァイスホルン小屋」(約2900m)から、東稜(Ostgrat)の取りつきにあたる標高 約3500mあたりまでは、色々な小岩体が入り混じっている複雑なゾーンです(仮称「中間ゾーン」)。
地質図(文献2A)を詳しく見ると、この「中間ゾーン」には、以下の地質体が分布しています。
1);「結晶片岩」類(Schiefer(独)));(Col de Chassoure層、中部ペニン系)、
2);「クオーツアイト」(Quarztit(独))など;(Bruneggjoch層、中部ペニン系)、
3);(変成)「石灰岩」類(Kalkstein, Marmor(独));(Klippen Deckeグループ、ジュラ紀)、
4);「オフィオライト岩体」(Ophiolith(独))(蛇紋岩、変成ハンレイ岩、変成玄武岩);(上部ペニン系)。注4)
(文献2A)のテクトニックレイヤーや、(文献5)のテクトニックマップを見ると、この「中間ゾーン」を構成している各種地質体は、「ツァテ・ナップ」(Tsate nappe)という「地塊」に属するものと、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」のうち、被覆層(cover nappes)に属するもの、2系統が混在しているようです。
このうち「ツァテ・ナップ」については、この連載のうち、5−2章(その1)の項の「補足説明」の項で、少し詳しく解説していますので、ご参照ください。
この「中間ゾーン」に分布する各種地質体の帰属は明確ではありませんが、このうち「石灰岩」類は、地質図(文献2A)では、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(の被覆層)に属している、と書いてあります。また「オフィオライト岩体」はおそらく「ツァテ・ナップ」に属するものです。
さて話を戻します。東稜の取りつき、標高 約3500mより頂上(4505m)までは、テクトニクス的には「ダンブランシュ・ナップ」(地塊)に属します(図5)。
ここでの岩石は、地質図(文献2A)によると主に「片麻岩」類(Gneis(独))で、「雲母片岩」(glimmer-scheifer(独))も含まれているようです。また地質グループとしては「ダンブランシュ・ナップ」のうちの「アローラユニット」(Arolla unit)に属します。
この、標高 約3500mにある地質境界線は、スラスト断層によってできた、「ダンブランシュ・ナップ」の下を区切る重要な地質境界線です(文献5)、(文献6)。
この章の「マッターホルン」の項でも出てきましたが、この「アローラユニット」に属する変成岩類は、「マッターホルン」のピラミッド状の部分を形成している岩体でした。
「ヴァイスホルン」と「マッターホルン」とは直線距離で約15kmは離れていますが、「マッターホルン」のピラミッド状部分(四角錐)と、「ヴァイスホルン」の三角錐部分は、同じ岩石類でできている、ということになります。
なお「ダンブランシュ・ナップ」という「地塊」は、この回の連載で何回も出てきますが、説明が簡単ではないので、次の連載で詳しく説明する予定です。
さて、「ヴァイスホルン」のうち、東面以外の部分を、地質図(文献2A)で確認します。
この山も「マッターホルン」と地質構成はよく似ていて、前述の東面側は複雑ですが、西面、北面、南面は比較的単純な地質構造となっており、「ダンブランシュ・ナップ」(の「アローラユニット」)に属する「片麻岩」類、「結晶片岩類」が多くを占めています。
ただし西面だけは、(変成)「ハンレイ岩」(Gabbro(独))、(変成)「閃緑岩」(Diorit(独))などからなる、複合深成岩体が分布しています。この複合深成岩体は、西面の約4000mから約2500m辺りまで分布しています。添付の図5もご参照ください。
この複合深成岩体の形成時代は、(文献2A)によると原生代〜古生代となっていますが、(文献7)によると、「ダンブランシュ・ナップ」に点在する「(変成)ハンレイ岩体」は、「ペルム紀」に形成された深成岩体とされており、ここの複合深成岩体も「ペルム紀」に形成されたと思われます。
「ヴァイスホルン」は、美しい三角錐の形状をしており、特に雪で覆われている時の姿は、(Weiss horn)の名前の通り、気高き貴婦人のような姿です(※ ドイツ語の “weiss” は、英語の”white” と同義なので、「白き峰」という意味)。
(文献9)によると、初登頂者の一人、J.ティンダルは、その著書にて「ヴァイスホルンこそは、全ての山々をその脚下に踏み従える総帥である」と述べたそうです。また(文献10)では「アルプス中で最も美しい山」と讃えています。添付の(写真1)、(写真2)もご参照ください。
一方でこの山は、ロープウエイなどの便利な交通手段がなく、麓となる「マッタ―タール」の谷にある「ランダ」(Randa)という集落から、標高差 約3000mを全て自分の足で登り降りする体力が必要な山であり、かつ上部の三角錐部分は、険しい岩稜登攀となるため、「マッターホルン」よりも難易度が高いと言われている山です(文献9)、(文献10)。
さて「ヴァイスホルン」の地質ですが、まず、「ヴァイスホルン」とその周辺における、各「地塊」の分布状況を確認してみます。
地質図(文献2A)の地質図レイヤー(図5)や、(文献2A)のテクトニックレイヤー(図4)、及び(文献3)を見てみると、「ヴァイスホルン」山頂や西側、及び東面の上部あたりは、「ダンブランシュ・ナップ」(Dent Blanche nappe)(地塊)(文献18)に属しています(図5では青色の線より西側)。
一方、「マッタ―タール」から「ヴァイスホルン」の下半分にかけては、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(Siviez-Mischabel nappe)と呼ばれる、別の「地塊」に属するゾーンです(図5では赤い線より東側)。
その間は、両方の「地塊」に挟まれ、狭い範囲にいろいろな地質体が分布している複雑なゾーンです。このゾーンを以下、説明用に「中間ゾーン」と仮称します。
以下、登山口となる「ランダ」(Randa;標高 約1400m)から、途中の「ヴァイスホルン小屋」を経由し、東稜を伝って「ヴァイスホルン」の山頂に至るルートぞいに、地質構成を説明します。(図5では、紫色のラインで示しています)
「ランダ」から「ヴァイスホルン小屋」(Weisshorn hutte;標高 約2900m)までは、地質図(文献2A)でみると、「片麻岩」類(Gneis(独))が多く、所々に変成岩の一種「角閃岩」(Amphiborit(独))が分布しています。この一帯は前述のとおり「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」とよばれる「地塊」に属しています。
なお「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」という「地塊」については、この連載のうち、「補足説明1」の項で説明していますので、ご参照ください。
さて、「ヴァイスホルン小屋」(約2900m)から、東稜(Ostgrat)の取りつきにあたる標高 約3500mあたりまでは、色々な小岩体が入り混じっている複雑なゾーンです(仮称「中間ゾーン」)。
地質図(文献2A)を詳しく見ると、この「中間ゾーン」には、以下の地質体が分布しています。
1);「結晶片岩」類(Schiefer(独)));(Col de Chassoure層、中部ペニン系)、
2);「クオーツアイト」(Quarztit(独))など;(Bruneggjoch層、中部ペニン系)、
3);(変成)「石灰岩」類(Kalkstein, Marmor(独));(Klippen Deckeグループ、ジュラ紀)、
4);「オフィオライト岩体」(Ophiolith(独))(蛇紋岩、変成ハンレイ岩、変成玄武岩);(上部ペニン系)。注4)
(文献2A)のテクトニックレイヤーや、(文献5)のテクトニックマップを見ると、この「中間ゾーン」を構成している各種地質体は、「ツァテ・ナップ」(Tsate nappe)という「地塊」に属するものと、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」のうち、被覆層(cover nappes)に属するもの、2系統が混在しているようです。
このうち「ツァテ・ナップ」については、この連載のうち、5−2章(その1)の項の「補足説明」の項で、少し詳しく解説していますので、ご参照ください。
この「中間ゾーン」に分布する各種地質体の帰属は明確ではありませんが、このうち「石灰岩」類は、地質図(文献2A)では、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(の被覆層)に属している、と書いてあります。また「オフィオライト岩体」はおそらく「ツァテ・ナップ」に属するものです。
さて話を戻します。東稜の取りつき、標高 約3500mより頂上(4505m)までは、テクトニクス的には「ダンブランシュ・ナップ」(地塊)に属します(図5)。
ここでの岩石は、地質図(文献2A)によると主に「片麻岩」類(Gneis(独))で、「雲母片岩」(glimmer-scheifer(独))も含まれているようです。また地質グループとしては「ダンブランシュ・ナップ」のうちの「アローラユニット」(Arolla unit)に属します。
この、標高 約3500mにある地質境界線は、スラスト断層によってできた、「ダンブランシュ・ナップ」の下を区切る重要な地質境界線です(文献5)、(文献6)。
この章の「マッターホルン」の項でも出てきましたが、この「アローラユニット」に属する変成岩類は、「マッターホルン」のピラミッド状の部分を形成している岩体でした。
「ヴァイスホルン」と「マッターホルン」とは直線距離で約15kmは離れていますが、「マッターホルン」のピラミッド状部分(四角錐)と、「ヴァイスホルン」の三角錐部分は、同じ岩石類でできている、ということになります。
なお「ダンブランシュ・ナップ」という「地塊」は、この回の連載で何回も出てきますが、説明が簡単ではないので、次の連載で詳しく説明する予定です。
さて、「ヴァイスホルン」のうち、東面以外の部分を、地質図(文献2A)で確認します。
この山も「マッターホルン」と地質構成はよく似ていて、前述の東面側は複雑ですが、西面、北面、南面は比較的単純な地質構造となっており、「ダンブランシュ・ナップ」(の「アローラユニット」)に属する「片麻岩」類、「結晶片岩類」が多くを占めています。
ただし西面だけは、(変成)「ハンレイ岩」(Gabbro(独))、(変成)「閃緑岩」(Diorit(独))などからなる、複合深成岩体が分布しています。この複合深成岩体は、西面の約4000mから約2500m辺りまで分布しています。添付の図5もご参照ください。
この複合深成岩体の形成時代は、(文献2A)によると原生代〜古生代となっていますが、(文献7)によると、「ダンブランシュ・ナップ」に点在する「(変成)ハンレイ岩体」は、「ペルム紀」に形成された深成岩体とされており、ここの複合深成岩体も「ペルム紀」に形成されたと思われます。
5−2章―(7)節 「ツィナールロートホルン」の地質
「ツィナールロートホルン」(Zinalrothorn;4221m)(文献15)は、ここでいう「ヴァイスホルン山群」に属し、「ヴァイスホルン」の南 約5kmにある4000m級の高峰です。
この一帯は「マッターホルン」と「ヴァイスホルン」という、高くて有名な山があるため、さほど有名ではありませんが、「ツェルマット」の東側の展望台「ゴルナーグラート」(gornergrat)や「スネガ」(sunnegga)付近から見ると、中腹に氷河をまとって、その上に尖峰が立っているような、特徴的な姿をしているのが望めます。
添付の(写真4)、(写真5)もご参照ください。
(文献9)、(文献10)、(文献15)によると、この山の名前のうち「ツィナール」(“Zinal”)とは、この山の西側、「ツィナール谷」(Val de Zinal(仏))にある小さな集落の名前です。初登頂は西の「ツェナール」側から行われましたが、現在は東側の中腹に山小屋(ロートホルン小屋;Rothorn Hutte、約3200m)があるという利便性により、東側の「ツェルマット」側から登られることが多いようです(文献9)、(文献10)。
また「ロート」(“rot”)はドイツ語で、赤い色(英語の“red”に相当)を意味します。写真や実物を見ると、特に赤っぽい感じではありませんが、朝日、夕日を浴びて赤く染まる(モルゲンロート/アーベントロート)のかも知れません。
さて「ツィナールロートホルン」の地質ですが、テクトニクス的には、前述の「ヴァイスホルン」とよく似ています。
図4,図6に示すように、山頂部、西面、北面、南面のすべて、および東面の中腹部(標高 約3000m付近まで)は、「ダンブランシュ・ナップ」(Dent Blanche nappe)(地塊)に属しています。この領域では、地質図(文献2A)によると「片麻岩」類(Gneis(独))が多く、一部には「結晶片岩」類(主に「雲母片岩」(glimmer schiefer(独)))を含むと書かれています。
(文献2A)を細かく見ると、「片麻岩」類には数種類あり、山頂部、西面、北面、南面の「片麻岩」類は、「ペルム紀」の深成岩体が変成作用を受けてできた、(“Arolla Ortho-gneises”)と呼ばれる「片麻岩」です。一方、東面の中腹部の「片麻岩」は、「ヴァイスホルン」山体を構成しているものと同種の「片麻岩」類が分布しています。この2種類の「片麻岩」類は、どちらも「ダンブランシュ・ナップ」(地塊)のうち、「アローラユニット」(Arolla unit)に属しています。
東側のうち標高 約2800mあたりより下部、山麓部までは、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(Siviez Mischabel Decke(独))(地塊)に属しています。この領域には、「ヴァイスホルン」の東面と同様に、「古い片麻岩」類と「角閃岩」(Amphiborit(独))が分布しています。形成(変成)年代は、原生代〜古生代となっています。
さて、この山の地質で特徴的な点は、ツェルマットの街に面した南東面、標高 約3000m辺りから、ツェルマットの街付近(標高 約1600m)までの「マッタ―タール」西側斜面に、色々な地質体が散在していて、非常に複雑なゾーンとなっている点です(以下、説明のため「南東ゾーン」と仮称します)。
地質図(文献2A)でこの「南東ゾーン」の地質を詳しく見ると、以下のような地質体が、大小さまざまな岩体として散在しています。(※ ( )内は、(文献2A)による説明)
1);(マイロナイト化した)「ハンレイ岩」(Gabbro;mylonitisch(独)、
ダンブランシュ・ナップ系)
2);「石灰岩」類(Kalkstein(独)、シヴィエ・ミシャベル・ナップ系)
3);「結晶質石灰岩(大理石)」(Marmor(独)、中部ペニン系)
4);「クオーツアイト」(Quarzit(独)、中部ペニン系)
5);「(変成)礫岩」(Konglomerat(独)、中部ペニン系)
6);「オフィオライト岩体」(Ophiolith(独)、ツェルマット・ザースフェー・ゾーン系)
7);「結晶片岩」類(Kalkig-Schiefer、Tonig-Schiefer(独)、上部ペニン系)
この「南東ゾーン」のテクトニクス的な帰属は、地質図(文献2A)に加え、(文献5)などによると、「ダンブランシュ・ナップ」(地塊)、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(地塊)、「ツァテ・ナップ」(地塊)に加え、「ツェルマット・ザースフェー・ゾーン」(Zermatt Saas-Fee zone)(地塊)、「シムズ・ブランシュ・ナップ」(地塊)(Cimes Blanche nappe)、「フリリホルン・ナップ」(地塊)(Frilihorn nappe)といった「地塊」に帰属するものもあるようで、非常に複雑です。
添付の(写真4)には、この「南東ゾーン」が写っていますので、ご参照ください。「マッタ―タール」の西側斜面に、層状の構造が見られます。また(文献5)には、この「南東ゾーン」の地質構造を解釈したものがありましたので、図7として添付しています。これは(文献5)の(Fig.11)を引用したものです。
この図7と(写真4)とは、同じ「スネガ」(sunnegga)という地点から写したもので、照合が可能です。
(写真4)に見える、マッタ―タール西側斜面に見える層状構造部分のほとんどは、「ツァテ・ナップ」に属する「石灰質片岩」(calc-schist)のようです。
この一帯は「マッターホルン」と「ヴァイスホルン」という、高くて有名な山があるため、さほど有名ではありませんが、「ツェルマット」の東側の展望台「ゴルナーグラート」(gornergrat)や「スネガ」(sunnegga)付近から見ると、中腹に氷河をまとって、その上に尖峰が立っているような、特徴的な姿をしているのが望めます。
添付の(写真4)、(写真5)もご参照ください。
(文献9)、(文献10)、(文献15)によると、この山の名前のうち「ツィナール」(“Zinal”)とは、この山の西側、「ツィナール谷」(Val de Zinal(仏))にある小さな集落の名前です。初登頂は西の「ツェナール」側から行われましたが、現在は東側の中腹に山小屋(ロートホルン小屋;Rothorn Hutte、約3200m)があるという利便性により、東側の「ツェルマット」側から登られることが多いようです(文献9)、(文献10)。
また「ロート」(“rot”)はドイツ語で、赤い色(英語の“red”に相当)を意味します。写真や実物を見ると、特に赤っぽい感じではありませんが、朝日、夕日を浴びて赤く染まる(モルゲンロート/アーベントロート)のかも知れません。
さて「ツィナールロートホルン」の地質ですが、テクトニクス的には、前述の「ヴァイスホルン」とよく似ています。
図4,図6に示すように、山頂部、西面、北面、南面のすべて、および東面の中腹部(標高 約3000m付近まで)は、「ダンブランシュ・ナップ」(Dent Blanche nappe)(地塊)に属しています。この領域では、地質図(文献2A)によると「片麻岩」類(Gneis(独))が多く、一部には「結晶片岩」類(主に「雲母片岩」(glimmer schiefer(独)))を含むと書かれています。
(文献2A)を細かく見ると、「片麻岩」類には数種類あり、山頂部、西面、北面、南面の「片麻岩」類は、「ペルム紀」の深成岩体が変成作用を受けてできた、(“Arolla Ortho-gneises”)と呼ばれる「片麻岩」です。一方、東面の中腹部の「片麻岩」は、「ヴァイスホルン」山体を構成しているものと同種の「片麻岩」類が分布しています。この2種類の「片麻岩」類は、どちらも「ダンブランシュ・ナップ」(地塊)のうち、「アローラユニット」(Arolla unit)に属しています。
東側のうち標高 約2800mあたりより下部、山麓部までは、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(Siviez Mischabel Decke(独))(地塊)に属しています。この領域には、「ヴァイスホルン」の東面と同様に、「古い片麻岩」類と「角閃岩」(Amphiborit(独))が分布しています。形成(変成)年代は、原生代〜古生代となっています。
さて、この山の地質で特徴的な点は、ツェルマットの街に面した南東面、標高 約3000m辺りから、ツェルマットの街付近(標高 約1600m)までの「マッタ―タール」西側斜面に、色々な地質体が散在していて、非常に複雑なゾーンとなっている点です(以下、説明のため「南東ゾーン」と仮称します)。
地質図(文献2A)でこの「南東ゾーン」の地質を詳しく見ると、以下のような地質体が、大小さまざまな岩体として散在しています。(※ ( )内は、(文献2A)による説明)
1);(マイロナイト化した)「ハンレイ岩」(Gabbro;mylonitisch(独)、
ダンブランシュ・ナップ系)
2);「石灰岩」類(Kalkstein(独)、シヴィエ・ミシャベル・ナップ系)
3);「結晶質石灰岩(大理石)」(Marmor(独)、中部ペニン系)
4);「クオーツアイト」(Quarzit(独)、中部ペニン系)
5);「(変成)礫岩」(Konglomerat(独)、中部ペニン系)
6);「オフィオライト岩体」(Ophiolith(独)、ツェルマット・ザースフェー・ゾーン系)
7);「結晶片岩」類(Kalkig-Schiefer、Tonig-Schiefer(独)、上部ペニン系)
この「南東ゾーン」のテクトニクス的な帰属は、地質図(文献2A)に加え、(文献5)などによると、「ダンブランシュ・ナップ」(地塊)、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(地塊)、「ツァテ・ナップ」(地塊)に加え、「ツェルマット・ザースフェー・ゾーン」(Zermatt Saas-Fee zone)(地塊)、「シムズ・ブランシュ・ナップ」(地塊)(Cimes Blanche nappe)、「フリリホルン・ナップ」(地塊)(Frilihorn nappe)といった「地塊」に帰属するものもあるようで、非常に複雑です。
添付の(写真4)には、この「南東ゾーン」が写っていますので、ご参照ください。「マッタ―タール」の西側斜面に、層状の構造が見られます。また(文献5)には、この「南東ゾーン」の地質構造を解釈したものがありましたので、図7として添付しています。これは(文献5)の(Fig.11)を引用したものです。
この図7と(写真4)とは、同じ「スネガ」(sunnegga)という地点から写したもので、照合が可能です。
(写真4)に見える、マッタ―タール西側斜面に見える層状構造部分のほとんどは、「ツァテ・ナップ」に属する「石灰質片岩」(calc-schist)のようです。
5−2章―(8)節 「オーバーガーベルホルン」の地質
「オーバーガーベルホルン」(Ober Gabelhorn;4063m)(文献16)は、ここでいう「ヴァイスホルン山群」のうち、前述の「ツィナールロートホルン」(Zinalrothorn)から南に約4km、「マッターホルン」(Mattehorn)からは、間に氷河を挟んで、北へ約6kmの位置にある4000m峰です(図1,図3もご参照ください)。
この山は、標高が4000mを少し超える程度ですが、前述の「ツィナールロートホルン」と同じく、「ツェルマット」の東側の展望台「ゴルナーグラート」付近からは、わりと目立つ峰です。東側中腹には、大きなカール状の氷河(Gabelhorn glacier)を持っており、周辺にいくつもの衛星峰を従えた特徴的な姿をしており、標高以上にスケール感の大きな高峰という印象です。 (写真4)、(写真6)もご参照ください。また西の「ツィナール」側は氷雪をまとった姿で、東側の姿とはだいぶ違うそうです(文献9)。
「オーバーガーベルホルン」の(“Ober”)とは、ドイツ語で「上」を意味し、英語の(“upper”)にほぼ対応する言葉です。また(“Gabel”)はドイツ語で「熊手」を意味し、実際は、「熊手状」の農機具の名前だそうで、東側の山容から付けられた名前と推定されています(文献9)。
この山は、多数の衛星峰を擁しており、東側には「ミッテラーガーベルホルン」(Mitteler Gaberhorn;3685m)、「ウンターガーベルホルン」(Unter Gabelhorn;3391m)があります。また北東には、山頂部に雪の帽子をかぶって特徴的な「ヴェレンクッペ」(Wellenkuppe;3900m)があり、主峰と並ぶ姿は双耳峰のようにも見えます。他には、西側には「モン・デュラン」(Mont Durand)あるいは「アルベールホルン」(Arbelhorn)(3712m)と呼ばれるピークがあります。これらの衛星峰も含めて、大きな山塊を作っています。
この山も、一般的な登頂ルートは、前述の「ツィナールロートホルン」と同じく、東側の「ツェルマット」からです。まず中腹の(ロートホルン小屋;Rothorn Hutte、約3200m)に至り、その後、「トリフト氷河」上部を渡って、前衛峰の「ヴェレンクッペ」(Wellnkuppe;3900m)に登り、更にそこから延びる険しい岩稜である北東稜をたどる、長いルートです(文献9)、(文献10)。
さて「オーバーガーベルホルン」の地質ですが、山頂部、および上記の衛星峰は、「ダンブランシュ・ナップ」(地塊)に属し、そのうちの「アローラユニット」(Arolla unit)の「片麻岩」(Gneis(独))からなっています。この「片麻岩」は、前節の「ツィナールロートホルン」の項でもでてきた、「ペルム紀」の深成岩体由来の、(“Arolla Ortho-gneiss”)と呼ばれる「片麻岩」です。
「オーバーガーベルホルン」の山体は、北に隣接する「ツィナールロートホルン」、南に隣接する「マッターホルン」と同じく、東側の中腹に、重要な地質境界線(スラスト断層;thrust)があり、そのラインより上が「ダンブランシュ・ナップ」に属し、そのラインより下は「ペニン系」の各種地質体、地塊からなります。
添付の(写真3)は、(文献6)からの引用ですが、「マッターホルン」から、ここでいう「ヴァイスホルン山群」の中腹に、その地質境界線が伸びている様子が、明確に描かれています。
「オーバーガーベルホルン」の地質構造は、上記のように「ダンブランシュ・ナップ」に属する「片麻岩」がほとんどで、わりと単調ですが、南側の山麓部だけは、「ツィナールロートホルン」」の「南東ゾーン」から続く、複雑な地質構造となっています。なおこの付近は地形的には、「マッターホルン」との間を区切る「ツムット氷河」(Zmutt glecere)があるU字谷となっています。
地質図としては、添付の図6をご参照ください。
このゾーンには、地質図(文献2A)を見ると、以下のような地質体が分布しています。
1);(変成)「ハンレイ岩」(Gabblo)
2);(変成)「ドロマイト」(Dolomitstein(独))
3);「オフィオライト岩体」(Ophiolith(独))
4);「結晶片岩」類(Kalgig-Schiefer(独))
地質図(文献2A)のテクトニックレイヤーや、(文献5)などによると、この辺りは、テクトニクス的には、「ダンブランシュ・ナップ」(地塊)、「ツェルマット・ザースフェー・ゾーン」(地塊)、「ツァテ・ナップ」(地塊)に加え、「フリリホルン・ナップ」(Frilihorn nappe)や「シムズ・ブランシュ・ナップ」(Cimes Blanches nappe)という小さな「地塊」もあるとされており、どの地質体がどの「地塊」に属しているのかも、はっきりしません。
この山は、標高が4000mを少し超える程度ですが、前述の「ツィナールロートホルン」と同じく、「ツェルマット」の東側の展望台「ゴルナーグラート」付近からは、わりと目立つ峰です。東側中腹には、大きなカール状の氷河(Gabelhorn glacier)を持っており、周辺にいくつもの衛星峰を従えた特徴的な姿をしており、標高以上にスケール感の大きな高峰という印象です。 (写真4)、(写真6)もご参照ください。また西の「ツィナール」側は氷雪をまとった姿で、東側の姿とはだいぶ違うそうです(文献9)。
「オーバーガーベルホルン」の(“Ober”)とは、ドイツ語で「上」を意味し、英語の(“upper”)にほぼ対応する言葉です。また(“Gabel”)はドイツ語で「熊手」を意味し、実際は、「熊手状」の農機具の名前だそうで、東側の山容から付けられた名前と推定されています(文献9)。
この山は、多数の衛星峰を擁しており、東側には「ミッテラーガーベルホルン」(Mitteler Gaberhorn;3685m)、「ウンターガーベルホルン」(Unter Gabelhorn;3391m)があります。また北東には、山頂部に雪の帽子をかぶって特徴的な「ヴェレンクッペ」(Wellenkuppe;3900m)があり、主峰と並ぶ姿は双耳峰のようにも見えます。他には、西側には「モン・デュラン」(Mont Durand)あるいは「アルベールホルン」(Arbelhorn)(3712m)と呼ばれるピークがあります。これらの衛星峰も含めて、大きな山塊を作っています。
この山も、一般的な登頂ルートは、前述の「ツィナールロートホルン」と同じく、東側の「ツェルマット」からです。まず中腹の(ロートホルン小屋;Rothorn Hutte、約3200m)に至り、その後、「トリフト氷河」上部を渡って、前衛峰の「ヴェレンクッペ」(Wellnkuppe;3900m)に登り、更にそこから延びる険しい岩稜である北東稜をたどる、長いルートです(文献9)、(文献10)。
さて「オーバーガーベルホルン」の地質ですが、山頂部、および上記の衛星峰は、「ダンブランシュ・ナップ」(地塊)に属し、そのうちの「アローラユニット」(Arolla unit)の「片麻岩」(Gneis(独))からなっています。この「片麻岩」は、前節の「ツィナールロートホルン」の項でもでてきた、「ペルム紀」の深成岩体由来の、(“Arolla Ortho-gneiss”)と呼ばれる「片麻岩」です。
「オーバーガーベルホルン」の山体は、北に隣接する「ツィナールロートホルン」、南に隣接する「マッターホルン」と同じく、東側の中腹に、重要な地質境界線(スラスト断層;thrust)があり、そのラインより上が「ダンブランシュ・ナップ」に属し、そのラインより下は「ペニン系」の各種地質体、地塊からなります。
添付の(写真3)は、(文献6)からの引用ですが、「マッターホルン」から、ここでいう「ヴァイスホルン山群」の中腹に、その地質境界線が伸びている様子が、明確に描かれています。
「オーバーガーベルホルン」の地質構造は、上記のように「ダンブランシュ・ナップ」に属する「片麻岩」がほとんどで、わりと単調ですが、南側の山麓部だけは、「ツィナールロートホルン」」の「南東ゾーン」から続く、複雑な地質構造となっています。なおこの付近は地形的には、「マッターホルン」との間を区切る「ツムット氷河」(Zmutt glecere)があるU字谷となっています。
地質図としては、添付の図6をご参照ください。
このゾーンには、地質図(文献2A)を見ると、以下のような地質体が分布しています。
1);(変成)「ハンレイ岩」(Gabblo)
2);(変成)「ドロマイト」(Dolomitstein(独))
3);「オフィオライト岩体」(Ophiolith(独))
4);「結晶片岩」類(Kalgig-Schiefer(独))
地質図(文献2A)のテクトニックレイヤーや、(文献5)などによると、この辺りは、テクトニクス的には、「ダンブランシュ・ナップ」(地塊)、「ツェルマット・ザースフェー・ゾーン」(地塊)、「ツァテ・ナップ」(地塊)に加え、「フリリホルン・ナップ」(Frilihorn nappe)や「シムズ・ブランシュ・ナップ」(Cimes Blanches nappe)という小さな「地塊」もあるとされており、どの地質体がどの「地塊」に属しているのかも、はっきりしません。
【他の連載へのリンク】
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【補足説明】の項
(補足説明1) 「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」という地塊について
「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」(Siviez Mischabel Decke(独))という「地塊」は、この5−2章では初めて名前が出てくる「地塊」なので、この項で説明します。
この「地塊」は、地質図(文献2A)のテクトニックレイヤーや(文献3)で見ると、「ヴァリス山群」の中〜北部に、比較的広く分布している「地塊」です。
(文献1―1)、(文献1−2)、(文献3)、(文献4)によると、この「地塊」は「ペニン系」地質グループのうち、「ブリアンソン・ライズ系」(Brianson rise)(=中部ペニン系)に属する、大陸性の「地塊」です。
この「地塊」の大部分を占める「片麻岩」類(gneisses)は、原生代〜古生代の堆積岩及び火成岩を起源とし、その後、(おそらく複数回の)変成作用を受けて「片麻岩」類となった「古い片麻岩」で、この「地塊」の基盤岩体(crystalline basement)となっています。
この「地塊」全域を地質図(文献2A)で見ると、上記の「古い片麻岩」のほか、「ペルム紀」の花崗岩質貫入岩体が変成作用を受けてできた、(Randa Augen gneis(独))と呼ばれる花崗岩質の「片麻岩」や、「角閃岩」(Amphibolit(独))、「結晶片岩」類(Scheifer(独))、「クオーツアイト」(Quarztit(独))といった変成岩類も分布しています。これらはまとめて、「基盤岩体」の構成要素です。
それ以外に、被覆層(cover nappes)と呼ばれる、この「地塊」が海面下にあった時代(中生代)の、堆積物由来の地質体があります。
地質図(文献2A)で詳しく見ると、「トリアス紀」の「ドロマイト」(Dolomitstein(独))や、「ジュラ紀」〜「白亜紀」の「石灰岩」(Kalkstein(独))などが、この「地塊」の所々に分布しています。
これらの堆積物は、「アルプス造山運動」の際の変成作用を受けて変成岩となっています。
(文献5)、(文献7)によると、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」の変成度(グレード)は、「緑色片岩相」とされています。
なお「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」に関する解りやすい研究論文は、ネット上に少なかったのですが、(文献8)には、ある程度、説明があります。
この「地塊」は、地質図(文献2A)のテクトニックレイヤーや(文献3)で見ると、「ヴァリス山群」の中〜北部に、比較的広く分布している「地塊」です。
(文献1―1)、(文献1−2)、(文献3)、(文献4)によると、この「地塊」は「ペニン系」地質グループのうち、「ブリアンソン・ライズ系」(Brianson rise)(=中部ペニン系)に属する、大陸性の「地塊」です。
この「地塊」の大部分を占める「片麻岩」類(gneisses)は、原生代〜古生代の堆積岩及び火成岩を起源とし、その後、(おそらく複数回の)変成作用を受けて「片麻岩」類となった「古い片麻岩」で、この「地塊」の基盤岩体(crystalline basement)となっています。
この「地塊」全域を地質図(文献2A)で見ると、上記の「古い片麻岩」のほか、「ペルム紀」の花崗岩質貫入岩体が変成作用を受けてできた、(Randa Augen gneis(独))と呼ばれる花崗岩質の「片麻岩」や、「角閃岩」(Amphibolit(独))、「結晶片岩」類(Scheifer(独))、「クオーツアイト」(Quarztit(独))といった変成岩類も分布しています。これらはまとめて、「基盤岩体」の構成要素です。
それ以外に、被覆層(cover nappes)と呼ばれる、この「地塊」が海面下にあった時代(中生代)の、堆積物由来の地質体があります。
地質図(文献2A)で詳しく見ると、「トリアス紀」の「ドロマイト」(Dolomitstein(独))や、「ジュラ紀」〜「白亜紀」の「石灰岩」(Kalkstein(独))などが、この「地塊」の所々に分布しています。
これらの堆積物は、「アルプス造山運動」の際の変成作用を受けて変成岩となっています。
(文献5)、(文献7)によると、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」の変成度(グレード)は、「緑色片岩相」とされています。
なお「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」に関する解りやすい研究論文は、ネット上に少なかったのですが、(文献8)には、ある程度、説明があります。
[補足説明;2] 岩石の種類について
この回でも、色々な種類の岩石が出てきますので、(文献19)、(文献20)などに基づき説明しておきます。詳しくは、上記の文献などをご参照ください。
(1) 「片麻岩」類(gneisses(英)、Gneis(独)):
変成岩のうち、見た目が濃い色(黒っぽい)の部分と、淡い色(白っぽい)の部分が縞模様(片麻状組織)となっている岩石。どちらかというと、高温型の変成岩。日本では分布が限定的だが、ヨーロッパアルプスや世界各地の造山帯、古い地塊(クラトン)では良く見られる。
元となった岩石や、含まれる鉱物によって、細かく種類が分けられている。
原岩が花崗岩類(深成岩)と推定されるものは、「正片麻岩」(ortho-gneiss)、原岩が堆積岩(泥岩、砂岩など)と推定されるものは、「パラ片麻岩」(「準片麻岩」とも)(para-gneiss)という、2種類に区分するやり方も良く使われる。
(2) 「結晶片岩」類(schist(英)、scheifer(独))
変成岩のうち、「片理構造」と呼ばれる、ペラペラしたシートが重なったような構造をもつものの総称。見た目、含まれる主要鉱物、あるいは推定される原岩によって、多数の種類がある。
この回ででてくる「結晶片岩」類では、「雲母片岩」(mica-schist(英)、Glimmer- scheifer(独))は、鉱物として雲母(mica)が目立つもので、「泥質片岩」と同種と思われる。
また「石灰質片岩」(calc-schist(英)、Kalgig-scheifer(独))は、原岩が石灰岩やドロマイトと推定されるもの。
なお(“tonig-schefer”(独))という用語も、地質図(文献2A)に記載されているが、(文献19)、(文献20)などには記載されておらず、よく解らない。
(3) 「角閃岩」(amphibolite(英)、Amphibolit(独));
変成岩のうち、「角閃石」(類)と呼ばれる鉱物が多い変成岩。新鮮面はグレー〜ダークグレーで、風化した表面はやや緑色を帯びる。赤茶色をしたザクロ石という鉱物が含まれる場合もある。
「角閃岩」の原岩は、「玄武岩」、「ハンレイ岩」などの苦鉄質の火成岩と考えられている。
「角閃岩」は、海洋プレート沈み込み帯で、海洋プレートを構成している玄武岩、ハンレイ岩が地下深部で変成作用を受けたものと、マグマ由来の深成岩体としての「ハンレイ岩」が、後に変成作用を受けてできたものがある。
なお岩石としての「角閃岩」も、鉱物としての「角閃石」も、細かく言うと単一の名称ではなく、元素組成によって多数の種類に分類される。
また、原岩が「ハンレイ岩」(gabbro)であることが明確な場合は、「変成ハンレイ岩」(meta-gabbro)と呼ばれることも多い。
(4) 「クオーツアイト」(quartzite(英)、Quarzit(独));
岩石図鑑(文献19)には載っていないが、地学事典(文献20)によると、いくつかの意味あいで使われている岩石の名前。日本語では「珪岩」(けいがん)。
広義には「石英」(quartz)が多い岩石という意味あいで、この章では、おそらく、砂岩由来の、「石英」成分の多い変成岩という意味あいで使われている。
(5) 「結晶質石灰岩」(crystalline limestone);
「石灰岩」類(「ドロマイト」も含む)が変形作用を受けて、「方解石」(calcite)の結晶を多く含む、結晶質となった変成岩。
慣用的に日本語では「大理石」と呼ばれることが多い。英語でも(marble)と呼ぶことも多いが、装飾用石材としての「大理石」のような「マーブル模様」があることはむしろ少ない。
(6) 「ドロマイト」(dolomite、dolostone(英)、Dolomit(独));
「石灰岩」(limestone)の親戚で、化学組成として、Caの代わりにMgが一部あるいは大部分入れ替わったもの。見た目は石灰岩に似ている。
この連載では、「石灰岩類」と呼ぶときは、「ドロマイト」も含む意味で使用している。
(7) 「花崗岩」類(granites、granitoids(英)、Granit(独));
マグマが地下で固まった深成岩のうち、シリカ分(SiO2)が多い(=フェルシックな;felsic)深成岩。
狭義の「花崗岩」の鉱物組成としては、石英、長石類、黒雲母からなる。「花崗岩類」と呼ぶ場合は、(狭義の)「花崗岩」(granite)のほか、「花崗閃緑岩」(grano-diorite)、「トーナル岩」(tonalite)、「石英閃緑岩」(quartz diorite)なども含む。
なお、花崗岩類が高度な変成作用を受け、片麻状組織を持つものは、片麻岩類の一種、「正片麻岩」(ortho-gneiss)と呼ばれることが多い。「変成花崗岩類」(meta-granites、meta-granitoids)と呼ぶこともある。
英語の(granites)は「花崗岩類」、(granitoids)は「花崗岩的な岩石」、というニュアンスの違いがあると思われるが、この連載では区別せず「花崗岩類」と訳した。
(8) 「閃緑岩」(diorite(英)、(Diorit(独));
マグマが地下で固まった深成岩のうち、シリカ分(SiO2)が「花崗岩」と「玄武岩」の間くらい(=intermediate)の深成岩。
(9) 「玄武岩」(basalt);
マグマが地表や海底で固まった火山岩のうち、シリカ分(SiO2)が少ない(=マフィックな;mafic)火山岩。見た目は黒っぽい。
火山から噴出する場合も多いが、海洋地殻の上部は玄武岩からなっており、この章での「玄武岩」は、海洋地殻上部(海洋性プレート上部)由来の玄武岩である。
変成作用を受けた「変成・玄武岩」(meta-basalts)となっていることも多い。その場合、「角閃石」が主要鉱物であるもの、あるいは原岩が「玄武岩」か「ハンレイ岩」か不明な場合は、「角閃岩」と呼ぶことも多い。
(10) 「ハンレイ岩」(gabbro);
マグマが地下で固まった深成岩のうち、シリカ分(SiO2)が少ない(=マフィックな;mafic)深成岩。
海洋地殻の下部は「ハンレイ岩」で出来ている。
深成岩である「ハンレイ岩」は、火山岩の「玄武岩」と化学組成的には同じ。見た目は、白っぽい鉱物(主に長石類)と黒っぽい鉱物(角閃石や輝石類)が入り混じっている感じ。
実際には、変成作用を受けた「変成ハンレイ岩」(meta-gabbro)となっていることも多い。
「変成ハンレイ岩」は、「玄武岩」と同様に、「変成相」での「角閃岩相」の条件化で変成作用を受け、「角閃石」が主要鉱物であるもので、原岩が「玄武岩」か「ハンレイ岩」なのか不明な場合は、「角閃岩」と呼ぶことも多い。
この連載の回での「ハンレイ岩」あるいは「変成ハンレイ岩」は、マグマ由来の深成岩体としてのものと、海洋地殻下部由来のものとがある。
(1) 「片麻岩」類(gneisses(英)、Gneis(独)):
変成岩のうち、見た目が濃い色(黒っぽい)の部分と、淡い色(白っぽい)の部分が縞模様(片麻状組織)となっている岩石。どちらかというと、高温型の変成岩。日本では分布が限定的だが、ヨーロッパアルプスや世界各地の造山帯、古い地塊(クラトン)では良く見られる。
元となった岩石や、含まれる鉱物によって、細かく種類が分けられている。
原岩が花崗岩類(深成岩)と推定されるものは、「正片麻岩」(ortho-gneiss)、原岩が堆積岩(泥岩、砂岩など)と推定されるものは、「パラ片麻岩」(「準片麻岩」とも)(para-gneiss)という、2種類に区分するやり方も良く使われる。
(2) 「結晶片岩」類(schist(英)、scheifer(独))
変成岩のうち、「片理構造」と呼ばれる、ペラペラしたシートが重なったような構造をもつものの総称。見た目、含まれる主要鉱物、あるいは推定される原岩によって、多数の種類がある。
この回ででてくる「結晶片岩」類では、「雲母片岩」(mica-schist(英)、Glimmer- scheifer(独))は、鉱物として雲母(mica)が目立つもので、「泥質片岩」と同種と思われる。
また「石灰質片岩」(calc-schist(英)、Kalgig-scheifer(独))は、原岩が石灰岩やドロマイトと推定されるもの。
なお(“tonig-schefer”(独))という用語も、地質図(文献2A)に記載されているが、(文献19)、(文献20)などには記載されておらず、よく解らない。
(3) 「角閃岩」(amphibolite(英)、Amphibolit(独));
変成岩のうち、「角閃石」(類)と呼ばれる鉱物が多い変成岩。新鮮面はグレー〜ダークグレーで、風化した表面はやや緑色を帯びる。赤茶色をしたザクロ石という鉱物が含まれる場合もある。
「角閃岩」の原岩は、「玄武岩」、「ハンレイ岩」などの苦鉄質の火成岩と考えられている。
「角閃岩」は、海洋プレート沈み込み帯で、海洋プレートを構成している玄武岩、ハンレイ岩が地下深部で変成作用を受けたものと、マグマ由来の深成岩体としての「ハンレイ岩」が、後に変成作用を受けてできたものがある。
なお岩石としての「角閃岩」も、鉱物としての「角閃石」も、細かく言うと単一の名称ではなく、元素組成によって多数の種類に分類される。
また、原岩が「ハンレイ岩」(gabbro)であることが明確な場合は、「変成ハンレイ岩」(meta-gabbro)と呼ばれることも多い。
(4) 「クオーツアイト」(quartzite(英)、Quarzit(独));
岩石図鑑(文献19)には載っていないが、地学事典(文献20)によると、いくつかの意味あいで使われている岩石の名前。日本語では「珪岩」(けいがん)。
広義には「石英」(quartz)が多い岩石という意味あいで、この章では、おそらく、砂岩由来の、「石英」成分の多い変成岩という意味あいで使われている。
(5) 「結晶質石灰岩」(crystalline limestone);
「石灰岩」類(「ドロマイト」も含む)が変形作用を受けて、「方解石」(calcite)の結晶を多く含む、結晶質となった変成岩。
慣用的に日本語では「大理石」と呼ばれることが多い。英語でも(marble)と呼ぶことも多いが、装飾用石材としての「大理石」のような「マーブル模様」があることはむしろ少ない。
(6) 「ドロマイト」(dolomite、dolostone(英)、Dolomit(独));
「石灰岩」(limestone)の親戚で、化学組成として、Caの代わりにMgが一部あるいは大部分入れ替わったもの。見た目は石灰岩に似ている。
この連載では、「石灰岩類」と呼ぶときは、「ドロマイト」も含む意味で使用している。
(7) 「花崗岩」類(granites、granitoids(英)、Granit(独));
マグマが地下で固まった深成岩のうち、シリカ分(SiO2)が多い(=フェルシックな;felsic)深成岩。
狭義の「花崗岩」の鉱物組成としては、石英、長石類、黒雲母からなる。「花崗岩類」と呼ぶ場合は、(狭義の)「花崗岩」(granite)のほか、「花崗閃緑岩」(grano-diorite)、「トーナル岩」(tonalite)、「石英閃緑岩」(quartz diorite)なども含む。
なお、花崗岩類が高度な変成作用を受け、片麻状組織を持つものは、片麻岩類の一種、「正片麻岩」(ortho-gneiss)と呼ばれることが多い。「変成花崗岩類」(meta-granites、meta-granitoids)と呼ぶこともある。
英語の(granites)は「花崗岩類」、(granitoids)は「花崗岩的な岩石」、というニュアンスの違いがあると思われるが、この連載では区別せず「花崗岩類」と訳した。
(8) 「閃緑岩」(diorite(英)、(Diorit(独));
マグマが地下で固まった深成岩のうち、シリカ分(SiO2)が「花崗岩」と「玄武岩」の間くらい(=intermediate)の深成岩。
(9) 「玄武岩」(basalt);
マグマが地表や海底で固まった火山岩のうち、シリカ分(SiO2)が少ない(=マフィックな;mafic)火山岩。見た目は黒っぽい。
火山から噴出する場合も多いが、海洋地殻の上部は玄武岩からなっており、この章での「玄武岩」は、海洋地殻上部(海洋性プレート上部)由来の玄武岩である。
変成作用を受けた「変成・玄武岩」(meta-basalts)となっていることも多い。その場合、「角閃石」が主要鉱物であるもの、あるいは原岩が「玄武岩」か「ハンレイ岩」か不明な場合は、「角閃岩」と呼ぶことも多い。
(10) 「ハンレイ岩」(gabbro);
マグマが地下で固まった深成岩のうち、シリカ分(SiO2)が少ない(=マフィックな;mafic)深成岩。
海洋地殻の下部は「ハンレイ岩」で出来ている。
深成岩である「ハンレイ岩」は、火山岩の「玄武岩」と化学組成的には同じ。見た目は、白っぽい鉱物(主に長石類)と黒っぽい鉱物(角閃石や輝石類)が入り混じっている感じ。
実際には、変成作用を受けた「変成ハンレイ岩」(meta-gabbro)となっていることも多い。
「変成ハンレイ岩」は、「玄武岩」と同様に、「変成相」での「角閃岩相」の条件化で変成作用を受け、「角閃石」が主要鉱物であるもので、原岩が「玄武岩」か「ハンレイ岩」なのか不明な場合は、「角閃岩」と呼ぶことも多い。
この連載の回での「ハンレイ岩」あるいは「変成ハンレイ岩」は、マグマ由来の深成岩体としてのものと、海洋地殻下部由来のものとがある。
【注釈の項】
注1) 山々の標高について;
この章で記載した山々などの標高は、スイスのオンライン地図(文献2A)のうち、地形図レイヤーの値を採用し、記載しています。文献、ガイドブックなどによっては、数m程度違う値となっている場合があります。
注2) スイスのオンライン地質図について;
スイスのオンライン地質図は、パソコン等で見る「ウエブ版」(文献2A)と、スマホのアプリとなっている「アプリ版」(文献2B)(アプリ名;“Swiss topo”)とがあります。
どちらも、(Swiss topo)という機関がデータ元ですが、「ウエブ版」(文献2A)は、説明が詳しく、解像度も高い一方で、ポップアップの地質解説がドイツ語なのでちょっと解りにくい、という短所もあります。
一方「アプリ版」(文献2B)は、地質解説が英語で解りやすいのですが、解像度が低く、かつ、場所が違っていても似たような地質体をグループ化して説明している点は、短所だと思います。
また細かく見ると、地質説明に、けっこう違いがあります。
この章では、それぞれの山、地域を構成している地質(岩石)の説明は、両者に違いがある場合は、主に(文献2A)を参照し、(文献2B)は参考程度としました。
それぞれの地質図の使い方、見方などは、「参考文献」の項をご覧ください
注3) 「オフィオライト(岩体)」(ophiolite(英)、Ophiolit、Ophiolith(独))
一般的には、「海洋性プレート」の断片と考えられている複合岩体。上部海洋地殻を構成している、(変成)「玄武岩」、下部海洋地殻を構成している、(変成)「ハンレイ岩」、リソスフェアマントルを構成している「カンラン岩」(多くの場合、「蛇紋岩」へと変成している)の、3つの岩石の組み合わせが基本。
ただし、これらの一部が欠落している場合も「オフィオライト岩体」と推定される場合も多い。海洋性プレート上部に堆積した堆積物も含む、という定義もあり、ややあいまい。
(※ (5−2章(その1))の「補足説明2」でも解説しましたが、内容はほぼ同じです)
注4) 「地塊」という用語について
「ヨーロッパアルプスの地質学」において、テクトニック地質図や、(文献1)をはじめとした海外の各種文献では、類似した地質学的経歴をもつと考えられ、岩石の組み合わせも類似しているグループを、(nappe(英))、(Decke(独))、(Zone(英)、(独))などと呼んでいるが、日本語的に解りにくいので、この連載では、これらを全て「地塊」と表記した。
なお、「地塊」の下位区分としては、「ユニット」(unit)、「系」(series)をそのまま使用した。
注5) “Ma”は、百万年前を意味する単位
この章で記載した山々などの標高は、スイスのオンライン地図(文献2A)のうち、地形図レイヤーの値を採用し、記載しています。文献、ガイドブックなどによっては、数m程度違う値となっている場合があります。
注2) スイスのオンライン地質図について;
スイスのオンライン地質図は、パソコン等で見る「ウエブ版」(文献2A)と、スマホのアプリとなっている「アプリ版」(文献2B)(アプリ名;“Swiss topo”)とがあります。
どちらも、(Swiss topo)という機関がデータ元ですが、「ウエブ版」(文献2A)は、説明が詳しく、解像度も高い一方で、ポップアップの地質解説がドイツ語なのでちょっと解りにくい、という短所もあります。
一方「アプリ版」(文献2B)は、地質解説が英語で解りやすいのですが、解像度が低く、かつ、場所が違っていても似たような地質体をグループ化して説明している点は、短所だと思います。
また細かく見ると、地質説明に、けっこう違いがあります。
この章では、それぞれの山、地域を構成している地質(岩石)の説明は、両者に違いがある場合は、主に(文献2A)を参照し、(文献2B)は参考程度としました。
それぞれの地質図の使い方、見方などは、「参考文献」の項をご覧ください
注3) 「オフィオライト(岩体)」(ophiolite(英)、Ophiolit、Ophiolith(独))
一般的には、「海洋性プレート」の断片と考えられている複合岩体。上部海洋地殻を構成している、(変成)「玄武岩」、下部海洋地殻を構成している、(変成)「ハンレイ岩」、リソスフェアマントルを構成している「カンラン岩」(多くの場合、「蛇紋岩」へと変成している)の、3つの岩石の組み合わせが基本。
ただし、これらの一部が欠落している場合も「オフィオライト岩体」と推定される場合も多い。海洋性プレート上部に堆積した堆積物も含む、という定義もあり、ややあいまい。
(※ (5−2章(その1))の「補足説明2」でも解説しましたが、内容はほぼ同じです)
注4) 「地塊」という用語について
「ヨーロッパアルプスの地質学」において、テクトニック地質図や、(文献1)をはじめとした海外の各種文献では、類似した地質学的経歴をもつと考えられ、岩石の組み合わせも類似しているグループを、(nappe(英))、(Decke(独))、(Zone(英)、(独))などと呼んでいるが、日本語的に解りにくいので、この連載では、これらを全て「地塊」と表記した。
なお、「地塊」の下位区分としては、「ユニット」(unit)、「系」(series)をそのまま使用した。
注5) “Ma”は、百万年前を意味する単位
【参考文献】
(文献1) O. A. Pfiffner 著 “Geology of the Alps”, 2nd edition ,Wiley Blackball社刊,
(2014); (原著はドイツ語版で、2014年にドイツの出版社刊)
(文献1−1) (文献1)のうち、第5−2章 「中部アルプスのテクトニックな構造」
(Tectonic structure of the Alps ; the Central Alps)
(文献1−2) (文献1)のうち、第3−2章
「中生代のアルプス地域におけるテクトニックな進化」
(the Alpine domain in the Mesozoic; Plate Tectonic evolution)の項の、
図3-16,図3-28(「ジュラ紀」、「白亜紀」の古地理図)。
(文献2A) スイスのオンライン地質図(ウエブ版)
https://map.geo.admin.ch/
※ 地質図は、メニューより、 > Geocatalog > Nature and Environment > Geology
> GeoCover Vector Datasets 、より見ることができる。
※ 断層、テクトニック構造、「地塊」分布図などは、メニューより、> Geocatalog >
Nature and Environment > Geology > Tectonics 500 、より見ることができる。
※ 地形図も兼ねているので、地形図レイヤーより、山名、標高なども確認できる。
※ 地図自体は(EN)を選ぶと英語表記になるが、ポップアップの地質解説はドイツ語
なので、ちょっと解りにくい。
※ 利用したバージョンは、v 1.59.0
(文献2B) スイスのオンライン地質図(スマホアプリ版)
※ スマホに、“Swiss topo” というアプリをインストールして利用する。
※ メニューより、”geology” > “Gological Map” を選ぶと地質図を見ることができる。
※ 地図自体も、ポップアップの地質解説も全て英語なので、解りやすい。
※ 利用したバージョンは、v 1.19.1
(文献3) スイスのテクトニックマップ(紙媒体)
“Tectonische Karte der Schweiz”
50万分の1 図幅、”Swiss topo”発行、(発行年度不明)
ISBN 3-906723-56-9 (“Swiss topo” のインターネットサイトより購入)
(文献4) スイスの地質に関する解説サイト
“ Strati CH;Lithostratigraphic Lexicon of Switzerland ”
https://www.strati.ch/en/
のうち、(Sivies-Mischabel Decke)、(Tsate Decke)、
(Zermatt- Saas Fee Decke) 、(Dent-Blanche Decke)、
(Frilihorn Decke)、(Cimes-Blanches Decke)、
(Arolla Gruppe)、(Arolla Orthogneis)、
(Mont Collon Gabbro)、(Randa-Augengneis)、などの各項
(文献5)
A. Steck、H. Masson、M. Robyr 共著
“Tectonics of the Monte Rosa and surrounding nappes (Switzerland and Italy):
Tertiary phases of subduction, thrusting and folding in the Pennine Alps”
Swiss Journal of Geosciences誌、vol. 108、 p3?34 (2015)
https://sjg.springeropen.com/articles/10.1007/s00015-015-0188-x
(DOIアドレス; https://doi.org/10.1007/s00015-015-0188-x )
※ 「モンテローザ・ナップ」の他、「ヴァリス山群」に分布している、
いつくかの「地塊」(nappe),(zone)について、説明されている。
※ 上記のサイトから、PDF版が無料でダウンロードできる。
(文献6)
M. Marthaler、H. Rougier 共著
“ An Outstanding Mountain: The Matterhorn”
(表題を意訳すると;「マッターホルンの地質と地形」))
書籍;“Landscapes and Landforms of Switzerland ”、pp.187-199 (2021)の一部
https://www.researchgate.net/publication/342847689_An_Outstanding_Mountain_The_Matterhorn
(DOIアドレス; https//www.DOI:10.1007/978-3-030-43203-4_13)
※ 主にマッターホルンの地質と地形について詳しく解説されているが、
周辺の地質についても説明がある。
※ 上記のサイトから、PDFファイルが無料でダウンロードできる。
(文献7)
P. Manzotti、M. Ballèvre、M. Zucali、M. Robyr、Martin Engi 共著
“The tectonometamorphic evolution of the Sesia?Dent Blanche nappes
(internal Western Alps): review and synthesis”
Swiss Journal of Geosciences 誌、vol. 107, p 309?336 (2014)
https://sjg.springeropen.com/articles/10.1007/s00015-014-0172-x
(DOIアドレス ;https://doi.org/10.1007/s00015-014-0172-x )
※ 「ダンブランシュ・ナップ」の構成と地史に関する、新しい仮説を元にした詳しい説明がある
※ 上記のサイトから、PDF版が無料でダウンロードできる。
(文献8)
A. Escher、M. Marthaler 共著
“Cross section from the Briançonnais Siviez-Mischabel nappe, through the Piemont Tsate nappe, to the Austroalpine Dent Blanche unit (Moiry region)”
※ 掲載雑誌名などは不明、 (2001)
https://www.researchgate.net/publication/242137106_Cross_section_from_the_Brianconnais_SiviezMischabel_nappe_through_the_Piemont_Tsate_nappe_to_the_Austroalpine_Dent_Blanche_unit_Moiry_region
※ 上記のサイトから、PDF版が無料でダウンロードできる。
※ 「ローザンヌ大学」による、スイスアルプスの地質巡検の解説らしく、本格的な学術論文ではないが、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」などの「地塊」に関する説明がある。
(文献9) 近藤 等 著 「アルプスの名峰」 山と渓谷社 刊 (1984)
(文献10) リヒャルト・ゲーデテ著、島田荘平、島田陽子 共訳
「アルプス4000m峰 登山ガイド」 山と渓谷社 刊 (1997)
(文献11) 「地球の歩き方;スイス(2024-2025年版)」 Gakken社 刊 (2023)
(文献12) 小川 著 「ツェルマット;周辺を歩く」
山と渓谷社 刊 (2000)
(文献13) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Walliser Alpen)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Walliser_Alpen
(2025年10月 閲覧)
(文献14) ウイキペディア英語版の、(Weisshorn)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Weisshorn
(2025年10月 閲覧)
(文献15) ウイキペディア英語版の、(Zinalrothorn)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Zinalrothorn
(2025年10月 閲覧)
(文献16) ウイキペディア英語版の、(Ober Gabelhorn)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Ober_Gabelhorn
(2025年10月 閲覧)
(文献17) ウイキペディア英語版の、(Dent Blanche )の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Dent_Blanche
(2025年10月 閲覧)
(文献18) ウイキペディア英語版の、(Dent Blanche nappe)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Dent_Blanche_nappe
(2025年10月 閲覧)
(文献19) ウイキペディア英語版の、(Geology of the Alps)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Geology_of_the_Alps
(2025年10月 閲覧)
(文献20) 西本 著「観察を楽しむ、特徴がわかる 岩石図鑑」 ナツメ社刊 (2020)
のうち、 「片麻岩」、「結晶片岩」、「角閃岩」、「花崗岩」、
「閃緑岩」、「ハンレイ岩」などの各項
(文献21) 地質団体研究会 編 「新版 地質事典」 平凡社 刊(1996)のうち、
「オフィオライト」、「ドロマイト」、「クオーツァイト」などの各項
(2014); (原著はドイツ語版で、2014年にドイツの出版社刊)
(文献1−1) (文献1)のうち、第5−2章 「中部アルプスのテクトニックな構造」
(Tectonic structure of the Alps ; the Central Alps)
(文献1−2) (文献1)のうち、第3−2章
「中生代のアルプス地域におけるテクトニックな進化」
(the Alpine domain in the Mesozoic; Plate Tectonic evolution)の項の、
図3-16,図3-28(「ジュラ紀」、「白亜紀」の古地理図)。
(文献2A) スイスのオンライン地質図(ウエブ版)
https://map.geo.admin.ch/
※ 地質図は、メニューより、 > Geocatalog > Nature and Environment > Geology
> GeoCover Vector Datasets 、より見ることができる。
※ 断層、テクトニック構造、「地塊」分布図などは、メニューより、> Geocatalog >
Nature and Environment > Geology > Tectonics 500 、より見ることができる。
※ 地形図も兼ねているので、地形図レイヤーより、山名、標高なども確認できる。
※ 地図自体は(EN)を選ぶと英語表記になるが、ポップアップの地質解説はドイツ語
なので、ちょっと解りにくい。
※ 利用したバージョンは、v 1.59.0
(文献2B) スイスのオンライン地質図(スマホアプリ版)
※ スマホに、“Swiss topo” というアプリをインストールして利用する。
※ メニューより、”geology” > “Gological Map” を選ぶと地質図を見ることができる。
※ 地図自体も、ポップアップの地質解説も全て英語なので、解りやすい。
※ 利用したバージョンは、v 1.19.1
(文献3) スイスのテクトニックマップ(紙媒体)
“Tectonische Karte der Schweiz”
50万分の1 図幅、”Swiss topo”発行、(発行年度不明)
ISBN 3-906723-56-9 (“Swiss topo” のインターネットサイトより購入)
(文献4) スイスの地質に関する解説サイト
“ Strati CH;Lithostratigraphic Lexicon of Switzerland ”
https://www.strati.ch/en/
のうち、(Sivies-Mischabel Decke)、(Tsate Decke)、
(Zermatt- Saas Fee Decke) 、(Dent-Blanche Decke)、
(Frilihorn Decke)、(Cimes-Blanches Decke)、
(Arolla Gruppe)、(Arolla Orthogneis)、
(Mont Collon Gabbro)、(Randa-Augengneis)、などの各項
(文献5)
A. Steck、H. Masson、M. Robyr 共著
“Tectonics of the Monte Rosa and surrounding nappes (Switzerland and Italy):
Tertiary phases of subduction, thrusting and folding in the Pennine Alps”
Swiss Journal of Geosciences誌、vol. 108、 p3?34 (2015)
https://sjg.springeropen.com/articles/10.1007/s00015-015-0188-x
(DOIアドレス; https://doi.org/10.1007/s00015-015-0188-x )
※ 「モンテローザ・ナップ」の他、「ヴァリス山群」に分布している、
いつくかの「地塊」(nappe),(zone)について、説明されている。
※ 上記のサイトから、PDF版が無料でダウンロードできる。
(文献6)
M. Marthaler、H. Rougier 共著
“ An Outstanding Mountain: The Matterhorn”
(表題を意訳すると;「マッターホルンの地質と地形」))
書籍;“Landscapes and Landforms of Switzerland ”、pp.187-199 (2021)の一部
https://www.researchgate.net/publication/342847689_An_Outstanding_Mountain_The_Matterhorn
(DOIアドレス; https//www.DOI:10.1007/978-3-030-43203-4_13)
※ 主にマッターホルンの地質と地形について詳しく解説されているが、
周辺の地質についても説明がある。
※ 上記のサイトから、PDFファイルが無料でダウンロードできる。
(文献7)
P. Manzotti、M. Ballèvre、M. Zucali、M. Robyr、Martin Engi 共著
“The tectonometamorphic evolution of the Sesia?Dent Blanche nappes
(internal Western Alps): review and synthesis”
Swiss Journal of Geosciences 誌、vol. 107, p 309?336 (2014)
https://sjg.springeropen.com/articles/10.1007/s00015-014-0172-x
(DOIアドレス ;https://doi.org/10.1007/s00015-014-0172-x )
※ 「ダンブランシュ・ナップ」の構成と地史に関する、新しい仮説を元にした詳しい説明がある
※ 上記のサイトから、PDF版が無料でダウンロードできる。
(文献8)
A. Escher、M. Marthaler 共著
“Cross section from the Briançonnais Siviez-Mischabel nappe, through the Piemont Tsate nappe, to the Austroalpine Dent Blanche unit (Moiry region)”
※ 掲載雑誌名などは不明、 (2001)
https://www.researchgate.net/publication/242137106_Cross_section_from_the_Brianconnais_SiviezMischabel_nappe_through_the_Piemont_Tsate_nappe_to_the_Austroalpine_Dent_Blanche_unit_Moiry_region
※ 上記のサイトから、PDF版が無料でダウンロードできる。
※ 「ローザンヌ大学」による、スイスアルプスの地質巡検の解説らしく、本格的な学術論文ではないが、「シヴィエ・ミシャベル・ナップ」などの「地塊」に関する説明がある。
(文献9) 近藤 等 著 「アルプスの名峰」 山と渓谷社 刊 (1984)
(文献10) リヒャルト・ゲーデテ著、島田荘平、島田陽子 共訳
「アルプス4000m峰 登山ガイド」 山と渓谷社 刊 (1997)
(文献11) 「地球の歩き方;スイス(2024-2025年版)」 Gakken社 刊 (2023)
(文献12) 小川 著 「ツェルマット;周辺を歩く」
山と渓谷社 刊 (2000)
(文献13) ウイキペディア・ドイツ語版の、(Walliser Alpen)の項
https://de.wikipedia.org/wiki/Walliser_Alpen
(2025年10月 閲覧)
(文献14) ウイキペディア英語版の、(Weisshorn)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Weisshorn
(2025年10月 閲覧)
(文献15) ウイキペディア英語版の、(Zinalrothorn)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Zinalrothorn
(2025年10月 閲覧)
(文献16) ウイキペディア英語版の、(Ober Gabelhorn)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Ober_Gabelhorn
(2025年10月 閲覧)
(文献17) ウイキペディア英語版の、(Dent Blanche )の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Dent_Blanche
(2025年10月 閲覧)
(文献18) ウイキペディア英語版の、(Dent Blanche nappe)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Dent_Blanche_nappe
(2025年10月 閲覧)
(文献19) ウイキペディア英語版の、(Geology of the Alps)の項
https://en.wikipedia.org/wiki/Geology_of_the_Alps
(2025年10月 閲覧)
(文献20) 西本 著「観察を楽しむ、特徴がわかる 岩石図鑑」 ナツメ社刊 (2020)
のうち、 「片麻岩」、「結晶片岩」、「角閃岩」、「花崗岩」、
「閃緑岩」、「ハンレイ岩」などの各項
(文献21) 地質団体研究会 編 「新版 地質事典」 平凡社 刊(1996)のうち、
「オフィオライト」、「ドロマイト」、「クオーツァイト」などの各項
【書記事項】
・初版リリース;2025年10月18日
△改訂1;(2025年10月19日)
5−2章のうち、(その1)(旧稿)の投稿内容が長すぎるため、「(その1)(改)」と「(その2)(新)」に分割することとした。そのため、この連載は、当初の「5−2章(その2)」から「5−2章(その3)」へと表題を改めた。なお、内容に大きな変更はない。
△改訂2;(2025年10月22日)
・「補足説明」の項に入れていた「ツァテ・ナップ」に関する解説は、この連載の5−2章(その1)の部分に移行した。
・「注釈」の項に入れていた「岩石の説明」を、「補足説明」の項に移行した。
△改訂3;(2025年10月23日)
・誤記などを修正
〇最新改訂年月日;2025年10月23日
△改訂1;(2025年10月19日)
5−2章のうち、(その1)(旧稿)の投稿内容が長すぎるため、「(その1)(改)」と「(その2)(新)」に分割することとした。そのため、この連載は、当初の「5−2章(その2)」から「5−2章(その3)」へと表題を改めた。なお、内容に大きな変更はない。
△改訂2;(2025年10月22日)
・「補足説明」の項に入れていた「ツァテ・ナップ」に関する解説は、この連載の5−2章(その1)の部分に移行した。
・「注釈」の項に入れていた「岩石の説明」を、「補足説明」の項に移行した。
△改訂3;(2025年10月23日)
・誤記などを修正
〇最新改訂年月日;2025年10月23日
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更新日:2025年10月20日
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