縞枯山・茶臼山・丸山


- GPS
- 05:25
- 距離
- 12.7km
- 登り
- 1,022m
- 下り
- 663m
コースタイム
ピラタス山頂駅 10:00-10:05
縞枯山 10:40-10:50
茶臼山 11:20-11:30
麦草峠 12:10
丸山 12:55-13:05
白駒池 13:40-14:05
麦草峠 14:25
天候 | 終日快晴で展望も申し分なし |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
茅野駅 08:03-(諏訪バス)-08:55 ピラタスロープウェイバス停 (帰り) 麦草峠バス停 15:20-(諏訪バス)-16:24 茅野駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※登山行程が1日に収まっているため、1日行程として登録しましたが、前夜に甲府へ移動して前泊しているので、行程全体としては1泊2日となっています。 全体が一般登山道で、道はしっかりしています。分岐点では道標もしっかりしていて、迷う心配は全くないでしょう。 ただし道のコンディションを選ぶエリアではないかと感じました。雨上がりとなったこの日は、ぬかるみの酷い箇所が実に多く、気持ち良く歩ける区間は少なかったです。 ※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。 |
感想
今回は前日のうちに甲府まで移動して、ビジネスホテルに宿泊し、甲府駅を7時前に出発しています。
新幹線を使えば自宅を早朝に出発しても京都・仙台・長野・長岡などに8時前に着けるというのに、特急すらなく鈍行しか走っていない早朝時間帯の中央線だと、始発で出ても8時に着けるのは小淵沢までがせいぜい。茅野発8時のバスに乗りたいというだけで、こうして宿泊込みになってしまうのは、なんとも不便な話です。早くリニア開業してくれないかな・・・
茅野駅で改札口を出てバス乗り場を見ると、なんと、信じられないことに並んでいる人が誰もいません!
ロープウェイ行きの朝1番のバスであり、日帰りで使うには好都合な便のはずなのに、これは一体どうしたことでしょう。出発時刻になっても、筆者を合わせて4人しか現れず、非常に寂しい人数での発車となりました。途中で拾った人もいましたが、それでも終点で降りたのはたったの5人です。
しかし終点に着いて駐車場を見ると、既にたくさんの車が停められていました。出掛ける人自体が少ないわけではないのに、電車やバスを利用する人がここまで減るというのは、実は恐ろしいことではないでしょうか。クルマなど自ら移動できる手段を持たない人が、どこにも移動できないような社会に早晩なってしまわないか、心配でなりません。
バスから降りた人や、駐車場で車から降りた人が、次々とロープウェイの駅へと入っていく中、1人だけ駅からは離れて登山口へと向かいます。登山口は分かりにくいかなと思っていたのですが、大きな標識がしかも高々と出ていて、すぐに見つかりました。
ロープウェイがすぐ脇を通る道をわざわざ登ることもないのですが、今日はロープウェイの山頂駅まで上がるとその先がゆる〜い行程だけになってしまうので、ここくらいは自分の足で登らないと登山らしくならないのです。
登り始めは少々急で、段差の大きな箇所も多く、あまり快適な道ではありません。でも急なのは短い間だけで、すぐに傾斜も緩んで歩きやすい道に変わっていきます。
それと同時に展望も良くなって、そこから上は思いのほか気持ちの良い道でした。さすがにかなり上まで行くと再び傾斜が増してきますが、それでも歩きにくさはありません。
時々振り返って景色を楽しみつつ調子良く登っていき、1時間ほどでロープウェイの山頂駅に到着しました。
ロープウェイの山頂駅から雨池峠へ向かう道に入ると、背の低いササ原の中にほとんど平坦な木道が続いていきます。景色が大らかで開放的でもあり、引き続きとても気持ちの良い道です。
10分ほどで、三角屋根が印象的な縞枯山荘が目の前に現れます。周囲の草原の中にうまく溶け込んだ建物は、中の雰囲気もとても良さそうに思われて、素通りするのがもったいない感じでした。
やがて木道が終わって土の道に変わると、すぐに雨池峠に到着です。単に登山道が十字に交差しているだけの、峠らしさも特段の趣もない地点でした。
雨池峠から縞枯山を目指して登り始めると、距離は短いものの急登の連続となりました。大きな岩の間などを縫って進む道は、足場の悪い箇所も多かったです。
どうにか頂上にたどり着くと、そこは狭くて見晴らしもあまり良くありません。周囲には立ち枯れた木が目立って、どうやら枯れた縞の中にいるような感じはありましたが、やはり真っ只中にいるのでは縞枯現象も良くは分かりませんでした。
縞枯山から次の茶臼山へと向かうと、少しの間だけ展望の良い尾根歩きがあった後、丸い岩が続く道で急降下していきます。
それが鞍部まで下って土の道に変わると、前日までの雨の影響でぬかるんでいる箇所が続くようになり、かなり酷い所もあって歩きにくいことこの上ありません。鞍部の一帯を過ぎて、土の道が再び岩道に変わって登り始めた時は、ぬかるみから解放されてホッとしました。
ただし茶臼山へ登る岩道も、足場の良くない箇所が多くて快適ではないのですが、それでも縞枯山への登りよりは格段に短くて、ひと息で頂上標識の立つ地点に到着しました。
茶臼山の頂上標識が立つ地点は、樹林の中にあって展望も何もなく、単に展望台への分岐点になっているだけでした。展望台はすぐ近くのようなので、頂上標識はスルーしてその展望台へと向かってみます。
ほぼ平坦な頂上一帯では道のぬかるみもひどく、完全に水没している区間も散見されます。ぬかるみを避けるようにしていくつもの脇道ができていたので、普段から良くあることなのでしょう。
なんとか樹林の中を抜けると、一気に目の前が大きく開けて、大岩の上に立つと素晴らしい展望が広がりました。
北アルプスは槍ヶ岳がハッキリ分かるほどクリアに見えていて、雲が多い御嶽山と中央アルプスも頂上は雲の上に顔を出しています。南アルプスが全体的に雲に覆われていたのが残念でしたが、かなり見応えのある眺めでした。
また、先ほどまでいた縞枯山を見ると、文字通りに縞状に立ち枯れ域のあるのがハッキリと見て取れて、縞枯現象の見本でも見ているようでした。
茶臼山から麦草峠への下りは岩道が主体でした。さほど足場は悪くないのですが、足運びはやはり面倒ですし、そんな道ばかりが続いているので、いい加減煩わしくなってきます。
かなり下ってからは、時折その岩が途切れる場所がありますが、今度は土の道が例外なくぬかるんでいて、どちらにしても歩きづらいのは何とかして欲しいところでした。
大石峠を通過した先で木道が始まれば、歩きにくさからも開放されて、ほどなく麦草峠に到着しました。
麦草峠は今日のゴール地点でもあるので、これから丸山と白駒池を回った後で、再び戻ってくることになります。
ここから丸山への道に入ると、すぐにまた足場の悪い急な道へ変わってしまいました。途中の小ピークまではまだマシでしたが、少し下った鞍部では一段と酷くなったぬかるみの洗礼を受けます。
そしてその先では、今日一番の急斜面の登りが待っていました。そこは少々荒れていて、崩壊しかかっている箇所が少なくなく、大きな段差や滑りやすい木段など、歩きにくい要素には事欠かない、かなり辛い登りでした。
道の左右には、しっとりと苔むした深い森が広がって、森それ自体の雰囲気は実に好ましいのですが、とてもそれを楽しみながら登る余裕はありません。どうにか急斜面を登り詰めると、登山道が直角に折れる地点には三角点があって、そこが丸山の頂上でした。
丸山では周囲に誰もいない三角点に腰掛けて休憩したのですが、そこから白駒池へ向かおうと少し歩き始めると、すぐに展望の開けた地点に出て、そこにも頂上標識がありました。人の姿も多くて、どうやら一般的にはこちらが頂上と認識されているようです。
広くて景色も良く、居心地の良いのは間違いなくこちらのほうで、鬱蒼とした樹林の中の三角点で休憩していたのは何か損をしたような気分でした。
丸山から白駒池へと下る道は、ここまでの道よりはやや緩やかになりますが、岩ゴロと土のぬかるみが交互に現れて、どちらにせよ歩きにくい道ばかりという構図は全く変わりません。そんな状況が長く続いて、歩くのを楽しむ気分はすっかり失せかけていました。
それでも、高見石小屋を過ぎると前方の木々の間に白駒池の水面が見られるようになって、木道が始まれば、ようやく歩きにくい道も終わります。
そして池畔に出てみると、池の周囲だけは紅葉の進んだ木々があって、まだ緑の濃い木々や池の水色とのコントラストが実に鮮やかでした。ここからは、白駒池の周囲をほぼ1周していきます。
景色は美しいのですが、途端に観光客の姿が多くなって、歩くテンポを観光客に合わせることになるほか、すれ違いも満足にできないような狭い木道では地面に降りて道を譲ることも頻繁で、時間のロスが多かったのが難点でした。
白駒池から麦草峠へ向かい、国道沿いの駐車場を過ぎると、ササ原の中に木道が続く「白駒の奥庭」に入って、そこでは心が洗われるような景色が広がっていました。
ちょっと言葉では形容しがたい、なんとも楽園的な居心地の良さがあって、さらに人の姿が全くなくて静かなのも最高で、ここが今回のルートで最も心に残る景色になりました。
「白駒の奥庭」が終わると、あとは樹林の中に伸びる道を緩やかに登って、それが少々長く感じ始めた頃に麦草峠に到着です。
さっそくヒュッテの中に入って、おすすめの山菜うどんを注文して、ゆっくりしていきます。泊まり客の出入りが多いほか、立ち寄りの客も気軽に入れる雰囲気があり、店員さんたちも感じが良く、好印象の小屋でした。
最後に、国道を挟んでヒュッテの反対側にある茶水ノ池の畔でさらにのんびりした後、麦草峠から茅野駅までは15人ほどの乗客とともにバスに揺られて行きました。
詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2009_10_12/mt2009_10_12.html#20091004
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