戸倉山(伊那富士)は、南ア・中アの展望台

- GPS
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- 距離
- 9.3km
- 登り
- 1,472m
- 下り
- 733m
| 過去天気図(気象庁) | 2006年02月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
写真
感想
今年の冬は数十年ぶりの豪雪です。雪の尾根歩きと、南ア・中アの展望を 楽しみに、戸倉山(1680m、とぐらさん)にでかけてきました。
戸倉山は、南アに並行して南北に連なる伊那山脈の山です。
伊那市(北西)側からは富士山に似た山容を眺めることができ、 伊那富士の別名があります。登山口の駒ヶ根市からは、上の写真のように、富士山 とはだいぶ姿が異なります。周囲が開けて独立峰の趣があり、好展望を期待させて くれます。
積雪を気にして、登山口はもっとも明瞭なルートがある「戸倉山キャンプ場」から 南西尾根をたどり、西峰にいたるルートを選びました。中央道・駒ヶ根インターから、 30分ほどで、山裾にバンガローが並ぶキャンプ場の登山口に着きました。
8時09分、キャンプ場出発。
都内から車で中央道を走ると、諏訪湖あたりでは数センチの新雪がありました。ワカン やスノーシューも使えるかなと用意してきたのですが、登山口に着くと、雪は地面が見えているところが 多いぐらい。拍子抜けしました。これが伊那谷の冬なのでしょう。
それでも、登山道に入り、枝沢の堰堤を右に見て、支尾根の登りにとりつくと、よ うやく4センチほどの新雪状態になりました。雪の下は、以前に融けた雪が凍って、 ツルツルです。下降はアイゼンに助けられました。
道は桧やカラ松の植林地帯を大きく電光形を描いて登り、やがて自然のナラやブナの 森に入ります。新雪が林床を覆う自然林は、まぶしいほど明るく、振り返ると 駒ヶ根の町並みの向こうに中央アルプスが真っ白な姿で見え隠れしています。
そこから登りだしてすぐで、「展望ベンチ」(標高1440m)に9時20分着。
樹林の一角に大きく窓が開いたように中ア方向が展望できます。空木岳は雪雲に隠れて いたものの、熊沢岳、桧尾岳、宝剣岳、木曽駒の稜線が雲の間に見え隠れしていました。
9時34分、金明水と名づけられた水場と東屋を通過。
ひと登りで、9時54分、戸倉山の山頂の一角、西峰の頂に登りあがり ました。
西峰からは中アはもちろん、その右に経ヶ岳、そして鞍部に遠く乗鞍岳が望めま した。「山の眺めは、やっぱり冬が一番だねえ」としみじみ思う眺めでした。
槍穂高連峰から白馬岳にかけての北ア方面は雪雲の中。
南の方向は逆光のうえに薄い雲で条件がさらに悪い。茶臼山、そして聖岳の姿も なんとか確認できました。空気が澄んでいれば、すばらしい大展望のピークに違い ありません。
いったん鞍部に下りて、今度は東峰へ。
そこは、南は樹林で視界がさえぎられていますが、東から北の方向まで120度ほどの 展望が開けていました。仙丈ケ岳がどっかりと大きく、山頂部の断崖が迫力があります。甲斐 駒と対比させて女性的な山と称されてきた、これまでの仙丈ケ岳のイメージをくつがえす 荒々しさです。甲斐駒から鋸岳にかけての稜線は、次第に高度をさげて、入笠山へと連 なり、背後には蓼科山と霧が峰を確認することもできました。
西峰にもどって、10時40分、下山開始。
たどる南西尾根の道には、幹にトゲが密生するハリギリの若い木が目立ちました。雪の 上にハリギリの葉が落ちたり、藪に葉が絡みついているものも、良い目印になります。
さらに下り、支尾根の下降にかかると、雪の上に大きな鳥の羽が散乱している場所が ありました。羽の模様からして、山鳥が猟犬に襲われた跡でしょうか?
と、右手の枝沢の底で犬が激しく吼える音がしました。間をおかず、「パーン、パーン」 と、2回、猟銃の音が鳴り響きました。100メートルと離れていない様子。その音が 静まって、私たちが尾根を80メートルも下ったとき、イノシシがものすごい勢いで、樹林を 斜めに駆け下っていきました。私たちが猟銃の音を聞いたあたりから、尾根を乗り越し、 斜めに一気に、反対側の谷へ駆け下りていきます。必死さが伝わってきます。犬など、と ても追いつけないほどの敏捷な逃げ足でした。
11時53分、キャンプ場に下山。
この日は飯田の友人宅に泊まり、伊那谷を動き回って、2日がかりで山々の眺めを満喫 しました。







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