入笠山 (富士見駅 → 入笠山 → 青柳駅を目指したつもりが何故か、すずらんの里駅へ)


- GPS
- 06:05
- 距離
- 22.3km
- 登り
- 1,136m
- 下り
- 1,193m
コースタイム
登山道入口 10:30-10:40
大阿原湿原 12:10-12:35 (湿原一周)
入笠山 13:00-13:15
入笠湿原 13:35-13:50
展望台 14:40
すずらんの里駅 15:20
天候 | 快晴。梅雨入り後であることが信じられないくらい、広範囲に雲ひとつなく晴れ渡りました。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
JR中央線 富士見駅 (帰り) JR中央線 すずらんの里駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●富士見駅 → 大阿原湿原 → 入笠山 ・富士見駅からしばらく車道を歩きます。入笠会館を過ぎて別荘地内に入ると脇道が多くなるので、迷わずに歩くには地形図以上の縮尺の地図が必須かと思われます。 ・「山と高原地図」が「登山道入口」としている地点は、林道が二俣に分岐していることもあって、間違えようのない地点なのですが、その周辺では登山道を探せませんでした。 仕方なく適当に斜面に取り付いて、藪っぽい中を登っていき、1505mの三角点ピークに達したところで、明瞭な登山道に出ました。 実際の登山道の起点は、地図が示している地点よりも南側にかなり外れているのではと見ています。 ・一旦登山道に入ってしまえば、途中にササ藪の濃くなる区間はあったものの、大阿原湿原までルートは明瞭でした。 ●入笠山 → 入笠湿原 → すずらんの里駅 ・入笠湿原まで下ってしまえば、あとは林道を歩いて行くだけです。ただし、当初は青柳駅を目指していたはずが、気が付くとすずらんの里駅へのルートに入っていました。 林道を道なりに進んでしまうと、すずらんの里駅へ向かってしまうため、青柳駅に出るためには、旧茶屋跡がある地点(「山と高原地図」では「展望台」となっている)を過ぎてすぐのところを左折して、荒れた林道に入る必要があったようです。 ※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。 ※GPS導入前なので、ルートは推測です。 |
感想
富士見駅から、当分の間は車道を歩きます。
富士見パノラマリゾートへの分岐点までは、ほかにも1人だけ歩いている人がいましたが、その人が分岐点を右折してしまうと、あとは完全な1人旅となりました。
しかも、この時期はマイカーが進入規制されていて、車も地元の人のものが稀に通るだけなので、ほとんど人の姿を見なくなります。
はじめは沿道に建物などがほとんどなく、遮るものが何もないために、強い日差しにさらされて暑さがこたえる厳しい状況が続きます。
それに耐えて歩いていくと、標高が1000mを超えたあたりでようやく樹木が見られ始めて、少しずつ木陰が増えていきます。
入笠会館の前を通過して、その直後にバス道路を右に分けると、道はいよいよ樹林の中へと入っていきます。
やがて周囲一帯が別荘地となって、点在する別荘の中を縫って九十九折で登るようになると、周囲は虫や鳥の鳴き声による、けたたましい程の大合唱となりました。
別荘地内では脇道も多く、「山と高原地図」で「支線が沢山あるが本線を忠実にたどること」とされていますが、分岐点の段階ではどちらが本線か分かりにくい所もあります。
地形図で現在地確認をしながら歩いている限りは問題ありませんでしたが、登山地図の縮尺では迷わずに歩くのが厳しかったかもしれません。
別荘地を抜けると未舗装の林道となって、しばらく進むと林道が二俣に分岐する地点に到達しました。「山と高原地図」が「登山道入口」としているポイントです。
ところが、その付近では、山の中へと入る道など一切見当たらないのです。前後の区間をしばらく行きつ戻りつして探しても、結果は変わりませんでした。
地図には「電柱と道路に赤ペンキで登山道入口と書いてある」と注記されていますが、もちろんそんなものも見つかりません。
そもそもこの林道には電柱など1本もありませんし、未舗装の土の道なので、道路に何かを書くというのも不可能です。地図の注記が間違っているのではないでしょうか。
それでも現在地の把握には間違いの余地がなかったので、最初の取り付きだけが分かりにくいのかもしれないと、とりあえず山の中へ分け入ってみることにしました。
登ってみるとかなりの急斜面で、木の枝などが邪魔になって真っ直ぐには歩けません。地面の所々には、人が歩いた痕跡に見えなくもないものもありますが、それも定かではありませんでした。
そして、少し経って後ろを振り返ると、すでに自分がたどって来たルートが分からなくなっていて、元の場所に戻ろうとしてもそれが難しくなっていました。
それでももう少しならば、と登っていくと、足元に何かの境界を示す標石を発見したので、尾根を外してはいないようです。
さらに進むと、今度は赤テープを見つけましたが、しかし周囲に踏み跡はなく、相変わらずヤブ漕ぎに近い状況が続いて、なおかつ次のテープも現れません。
とはいえ何らかの目印のあるルートが辿れているらしいことに勇気を得て、その後も道なき中を比較的直線的に登り続けていくと、引き続き境界標石と赤テープを散発的に見ることになりました。
そしてついに、小さくて古びた「入笠山→」という標識が木に括られているのを発見します。それを見てどんなに安心したことか。
にもかかわらず、標識はあっても踏み跡は依然として全く見られません。最新の登山地図が赤実線で描いているルートなのに、実態はすでに廃道だなんて、あり得るのでしょうか。
なおも勘をだけを頼りに、少しでも歩きやすい所を選んで登っていくと、周囲からわずかに盛り上がっている地点に出ました。地面には三角点があるので、1505mの三角点ピークに達した模様です。
少なくともここまでは、予定していたルートを外すことなく登って来られたようなのですが、ここから引き返せと言われたら、元の地点に戻れる自信は全くありません。
1505m三角点を後にして、先々に不安を感じつつも、さらに西へと進もうとすると、期せずしてかなり明瞭な登山道にあっけなく出てしまいました。
ここで、歩きやすくなった嬉しさにどんどん進んでしまったのですが、少し経ってから、その道がどこから登ってきていたのかを確認しておけば良かったと後悔することになりました。
登山道はほぼ一定の勾配を保ちながら、樹林の中をジグザグを描いて登り続けていきます。展望がない中で、折り返しだけが延々と繰り返されるので、その単調さがややしんどく感じられます。
やがて道はササ藪に突入して、最も藪が深い場所では、道の形さえ見えないほどの濃いヤブとなっていました。
ササ藪を抜けると、今度は一転して開けた場所に出ました。前方から延びてきた林道の終点になっています。
目の前のピークを目指して明瞭な踏み跡が急坂を直登している一方で、林道がそのピークを巻くように水平に付けられています。
ここではピークに登ってみましたが、ピークの先で林道まで下ることになったので、どちらを選んでも行先は同じだったようです。
そのピーク上には観測機器が設置されていて、「入笠雨量観測所」と書かれていました。
あとはこの林道を進んでいき、舗装道路とぶつかるT字路を左折すると、すぐ先が大阿原湿原でした。
大阿原湿原は、周囲を取り囲むように散策路が作られていて、この散策路でぐるっと一周してみました。
でもまだ花の見頃には早かったようで、訪れる人の数も少なく、咲いている花も僅かしか見ることができませんでした。
湿原を後にして、いよいよ入笠山へと向かいます。しばらく広い舗装道路を歩いてから、分岐標識に従って左手の山道へ入ると、やや急な登りですが歩きにくい箇所はありません。
そしてすぐに人の歓声などが近づいてきて、頂上に到着しました。
どの方向にもほとんど雲がなく、空気も澄んでいて、360度すべての方角が遠くまでクリアに見渡せる、絶好の気象条件です。
北アルプスも槍ヶ岳までクッキリ見えていて、中央アルプスや南アルプスといった日本アルプスのほぼ全貌が手に取るように一望できています。
御嶽山・乗鞍・八ヶ岳・秩父連山など、その脇を固める山々も素晴らしく、この全方位の大パノラマにはただただ圧倒されるばかりでした。
いくつかの団体客も含めて人の数が多かったですが、十分な広さがある頂上には腰掛けるのに適当な場所も多くて、混雑の影響をほとんど受けずに割とゆったり過ごせるのも良かったです。
入笠山から、入笠湿原へ下ります。途中には岩場があるとされていて、そこを迂回する道も設けられていましたが、私の感覚でそこが岩場だと感じる箇所はありませんでした。
入笠湿原が近くなると、観光客の姿も増えて、前後を人に囲まれてゆっくり歩くことになります。
そして湿原内の木道に入ると、こちらでは色々な花を見ることができました。
スズランの群生地は、遠目には緑一色に見えて花など咲いていないかのようでしたが、近づいて下を見てみたら、小ぶりな花が健気にもたくさん咲いているのが印象的です。
小さな花なので近づかないと分かりませんが、一旦それがスズランの花なのだと分かって改めて見渡すと、周囲は一面が見事なスズランのお花畑なのでした。
入笠湿原から青柳駅までは、登り同様に少々長い道のりで、しかもこちらはずっと林道です。
ここを歩いて下る人などほとんどいないだろうと思っていたら、たまたま別の3人のグループとほぼ同じペースで下ることになりました。
コースは林道をほぼ道なりに進みますが、見るのはMTB向けの距離標識などがほとんどで、ハイカー向けの案内は見掛けなくなります。
しばらく下って、「山と高原地図」が「展望台」としている旧茶屋跡の前で、先行の3人グループが車で通りがかった地元の人に道を尋ねていて、「青柳駅ならばこの林道をただ真っ直ぐ進むだけ」という答えが聞こえてきました。そのグループも青柳駅を目指しているようです。
私もあまりに一本調子の林道が続くために、地図を確認しながら歩くのをやめていたところなのですが、この先もこの林道が続いているうちは、地図を見る必要などなさそうです(と思ったのが実は大きな間違いでした)。
旧茶屋跡から少し進むと、今は使われていないような荒れた林道が左へ分かれていて、ちょうど生理現象を催していたので、その荒れた林道に少し入って小キジを撃っていきます。
その後もひたすら変わり映えのしない林道歩きが延々と続き、ようやく傾斜が緩んできた頃に右への分岐点があって、久々に見る標識は右方向だけを示して「すずらんの里駅2km」としていました。
この時点ではまだ青柳駅を目指しているつもりだったので、この標識の意味が理解できません。
先行の3名グループはここを右折しており、どうやら行先を変更したらしいのですが、まだ直進方向が青柳駅だと信じていたので、案内がないのも構わずに直進方向へ歩き続けます。
やがて山道が終わって舗装道路に変わると、その先ではなんと、直進方向が行き止まりとなっていて、ほとんど戻るように曲がることしかできなくなっています。ここにきてようやく、どこかで道を間違えたらしいことに気付きました。
もちろん現在地も不明で、誰か地元の人に道を尋ねなければと思いながら適当に歩いているうち、見晴らしの良い高台に出て、見下ろす先で何か動くものを見つけると、それはなんと中央線を走る特急電車でした。
まずは線路の位置が確認できて、その線路を目で追っていくと、少し先にある駅舎まで難なく発見です。そこを目指して歩いていき、そしてたどり着いたのは、やっぱり青柳駅などではなく、「すずらんの里」駅なのでした。
「コース状況」にも書きましたが、帰宅後に「山と高原地図」で確認してみたところ、青柳駅へ向かうためには、旧茶屋跡の直後の分岐道を左へ入るのが正解だったと分かりました。
なんとそれは、小キジを撃つために少し歩いて入っていた、まさにその道なのです。
草ぼうぼうで廃道のようにしか見えておらず、その道がどこかに通じているとは全く考えられなかったのですが、もし地図を見ながら歩いていれば、そのあたりで左折する必要があるのが明らかだったはず。
林道を真っ直ぐ進めば青柳駅に出るという、地元の人の話も適切ではなかったようですが、ここはやはり、その話を聞いて安心するあまり地図による現在地確認を放棄した自分の落ち度であったと考えるべきでしょう。たまたま、間違えて歩いた方向にも別の駅があったから良かったものの、そうでなければ帰れなくなる可能性だってあったのでした。
詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2007_04_06/mt2007_04_06.html#20070616
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