高松山〜松田山縦走


- GPS
- 02:50
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 927m
- 下り
- 977m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
写真
感想
西丹沢の入り口に位置するこの低山が果たしてどれ程の人気を集めるのか私は知らない。しかし、このレコを訪れて下さった方には黄昏の富士山と花の写真で目を楽しませて頂けると幸いである。
筑波での出張における部下達のプレゼンはいずれも無事終了し、早々に会場を辞して駅に向かう。こんな晴天の日で、富士山の展望台に立ち寄るべく途中下車しない手はない。丹沢、箱根、愛鷹連峰、或いは沼津アルプスといった選択肢が脳裏を駆け巡る。新幹線が新横浜を過ぎると車窓からは富士山が山頂に至るまでの端正な容姿を見せている。今週の月曜日に訪れた丹沢の鮮烈な印象も醒めやらず、いざ丹沢再訪。小田原からアプローチが早い高松山に向かうこととした。
新松田に近づくと、松田山の斜面には見頃を迎えた河津桜により、薄紅色の靄がかかったようである。早速、駅から乗り込んだタクシーの運転手さんには河津桜が咲き誇る西平畑公園に寄り道して頂くが、駐車場に入るための車が長い列をなすほどの盛況ぶり。車列を横目に登山口に向かい、尺里の集落で下車。
蜜柑の農道を登り始めると4月頃の陽気のような暖かさである。早速にも満開の梅が出迎える。正面に見える富士山には山頂の周りに雲が纏わりついてしまっている。農道が終わると、杉林の樹林に入る。時折、杉の樹間から相模湾の展望が眼を楽しませる。谷筋から吹き上げる爽やかな風が海から春の香りを運んでくる。ほどなくビリ堂に着くと、杉の根元に二体の石仏が微笑んでいた。
登りはじめて小一時間で山頂にたつ。山頂はススキの原が広がり、西から東南にかけて展望が大きく開ける。月曜日に見た富士山の印象と大きく異なり、富士山は全体に翳がさし、大気中の水分が多いせいなのか、太陽の輪郭もぼやけている。温暖な日和のせいだろうか、遠く相模湾の上には靄が立ち込め、急速に街の上を覆いつつある。
かなり遅い時間から登ったせいもあろうかと思うが、この日は高松山の山頂直下で親子連れの二人に出会ったのみであった。静寂の尾根道を独り占めだ。随所で富士山の好展望にも恵まれるが、振り返る度に陽が傾き、辺りは黄金色に彩られていく。
第六天を過ぎて、最明寺史跡公園の手前あたり、林道を外れて左手の開けたカヤトの原に出ると、目の前に丹沢表尾根から塔ノ岳、鍋割山に至るまでの月曜日に歩いた山々が一望のもとである。カヤトを搔き分け、暫し山並みに見惚れていた。GPSの軌跡が小さなループを描く辺りである。
杉林に細い斜陽の木漏れ日が差し込むと、普段はほの暗い過ぎ林の中に、恰も電灯が灯されかの様である。杉林はこれまでもどれほど歩いてきたことか、数限りなしであるが、西丹沢の夕陽に照らされた杉林を目にすると、ふと学生時代に冬の西丹沢を山中湖まで縦走したことが想い出され、妙な感傷が湧き起こる。
西平畑公園の手前でいよいよ矢倉山に陽が落ちる。尺里峠からすぐに下らず、わざわざこの長いトレイルを残照の富士山を鑑賞することを期してのことだったのである。河津桜が咲き誇る公園に辿り着くが、桜の鮮やかなピンク色は宵の薄暗がりの中に溶けていくようである。予定の新幹線に間に合うための小田急線の急行への時間が厳しくなってきた。未だ観光客で賑わいを見せる夕暮れの公園を後に新松田の駅に急ぐのだった。
京都に戻ると雪が降りしきっており、春から冬に一気に舞い戻りである。
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